以下のルールは標準であり、モンスターのデータ・ブロックで参照される(しかし、丸写しされるわけではない)ものである。それぞれのルールには、モンスターの項のどの位置に、どう表記されるかという書式のガイドラインが示されている。モンスターの共通ルールではないが Pathfinder Roleplaying Game:Mythic Adventuresに掲載されているいくつかの神話能力を利便性を考慮しここに掲載した。それらには『MA』の上付き表記を持って示している。
アークデヴィルは地獄界ヘルの領界を支配する。アークデヴィルは全て、秩序にして悪の来訪者であり、最低でも脅威度は26。(クリーチャーの項に記載されていない限り)アークデヴィルは特に、以下に示す特性とデヴィルの副種別を共有している。
アークデヴィルは自らが神格であるかのように、自分の信者に呪文を与えることができる。アークデヴィルの領域は悪と秩序に加え、その主題と興味に関連した領域を2つと副領域を4つ持つ。
畏怖すべき存在(超常)/Frightful Presence:アークデヴィルは攻撃、擬似呪文能力、特殊攻撃、大きく声を上げることなどの一部として、フリー・アクションとして畏怖すべき存在を起動できる。
言語体得(変則)/Language Mastery:アークデヴィルはすべての言語を理解している。これはタンズ呪文と同様に扱うが、この能力は超常能力ではなく、解呪されない。〈言語学〉は常にアークデヴィルのクラス技能である。
再生(変則)/Regeneration:神話ダメージ、あるいは自身と同等かより上位の力を持つクリーチャー(他のアークデヴィル、クリフォト・ロード、グレート・オールド・ワン、神格、至高天の王、デーモン・ロード、ホースマンなど)によるダメージのみが、アークデヴィルの再生を妨げる。
地獄の蘇生(変則)/Infernal Resurrection:アークデヴィルが死亡すると、その肉体は速やかに腐敗しながら溶けていく(身につけていた装備品だけをその場に残す)。その魂はこの領界の隠された場所に帰り、その場で即座に(トゥルー・リザレクションとして)息を吹き返す。一度使用すると、丸一年が経過するまでアークデヴィルはこの能力を再度使用することができず、一年が経過するまでの間は可能な限り直接戦闘を避ける。アークデヴィルが丸一年が経過する前に再び殺されたり、特殊な方法(本当の神格の手で、あるいはこの目的のために作られたアーティファクトを用いて)で殺されると、永遠に死亡する。領界を統制しないアークデヴィルはこの能力を得ない(そのようなものは厳密には真のアークデヴィルではなく、地獄の公爵である)。
デヴィル招来(擬呪)/Summon Devils:1日3回、即行アクションとして、アークデヴィルは合計脅威度が20以下となる任意の組み合わせで、デヴィル1体もしくは複数体を招来することができる。その他の点についてはこの能力は招来として機能するが、100%の確率で成功し、9レベル呪文の効果として扱う。
テレパシー300フィート。
悪臭の特殊能力を持つクリーチャーは、ほとんどすべての他のクリーチャーにとって不快と感じられる油状の化学物質を分泌する。30フィート以内にいる全てのクリーチャー(悪臭の特殊能力を持つクリーチャーを除く)は、頑健セーヴ(難易度10+悪臭クリーチャーの種族ヒット・ダイスの1/2+悪臭クリーチャーの【耐久力】修正値; 正確な難易度は各クリーチャーの説明文に書かれている)に成功しない限り、不調状態になる。不調状態の持続時間は各クリーチャーの説明文を参照。セーヴに成功したクリーチャーは、以後24時間の間、同一個体のクリーチャーの悪臭能力の作用を受けることはない。ディレイ・ポイズン、ニュートラライズ・ポイズンの呪文は不調状態に陥ったクリーチャーからこの状態を取り去る。“毒に対する完全耐性”を持つクリーチャーはこの悪臭の作用を受けない。“毒に対する抵抗”を持つクリーチャーは、セーヴィング・スローに通常のボーナスを得る。
足払いの特殊能力を伴う攻撃を命中させたクリーチャーは、機会攻撃を誘発せずにフリー・アクションで足払いを行うことができる。足払いが失敗しても相手はこのクリーチャーを足払いし返すことはできない。
暗視を持つクリーチャーは全くの暗闇であっても見ることができ、通常60フィートの有効距離を持つ。この範囲内でクリーチャーは明るい光の範囲で目が見えるクリーチャーが見えるものと同程度明確に見ることができる。暗視は白黒であるが、それ以外は通常通り見えることができる。
アンデッドは、[精神作用]効果((強制)、士気効果、(魅惑)、(紋様)、そして(惑乱))、睡眠効果、[即死]効果、毒、病気、麻痺、朦朧化、頑健セーヴを要求する全ての効果(ただし特に物体に対しても働くか、(無害)である場合は除く)に対する完全耐性を持つ。アンデッドは生命力吸収、能力値吸収、非致傷ダメージの対象とならない。肉体系能力値(【筋力】、【敏捷力】、【耐久力】)へのダメージと疲労および過労効果に対する完全耐性を持つ。大規模ダメージによって即死する危険性はない。
書式:アンデッドの種別特性; 位置:完全耐性。
クリーチャーは、溺れの危険が生じるまでに、【耐久力】値の6倍に等しい分数の間、息を止めておくことができる。
(訳注:MAが必要。)このクリーチャーの敵が息を止めている場合、クリーチャーは目標が窒息判定を試みなければならなくなるまでの時間を減少させることができる。フリー・アクションとして、この敵に対してクリーチャーは組みつき戦技判定を試みることができる。成功すると、目標は息を止めておくことのできる残りの時間が1d6ラウンドだけ減少する。
この能力を待ったクリーチャーは存在するだけで敵の心をかき乱す。この能力の使用はフリー・アクションであり、通常は攻撃や突撃の一部として使用される。有効距離内にいる敵のうち、そのアクションを知覚したものは恐れ状態あるいは怯え状態となりうる。通常、有効距離は30フィート、持続時間は5d6ラウンドである。この能力は、クリーチャーよりもヒット・ダイスやレベルが低い敵にしか作用しない。作用を受けた敵は、意志セーヴ(難易度10+畏怖すべきクリーチャーの種族ヒット・ダイス数の1/2+畏怖すべきクリーチャーの【魅力】修正値; 難易度の具体的な値についてはクリーチャーの説明文を参照)に成功すれば、効果に抵抗できる。セーヴィング・スローに成功した敵は、そのクリーチャーの“畏怖すべき存在”能力に対し、24時間の間、完全耐性を持つ。セーヴに失敗した場合、4ヒット・ダイス以下の敵は恐慌状態に、それより高ければ怯え状態になる。“畏怖すべき存在”は[精神作用]の[恐怖]効果である。
主人が難易度25の〈動物使い〉判定か〈騎乗〉判定か野生動物との共感判定に成功しない限り、動物は自ら望んでこのクリーチャーに近づくことはない。
クリーチャー(少なくとも大型サイズでなければならない)は、小型、中型、大型サイズの岩または同様の形状をした投射物をつかみとることができる。1ラウンドに1回、岩に打たれそうになったクリーチャーは、反応セーヴに成功すれば、フリー・アクションで岩をつかみとることができる。セーヴ難易度は、小型サイズの岩なら15、中型サイズの岩なら20、大型サイズの岩なら25である(投射物に攻撃ロールに対する魔法のボーナスがある場合は、そのボーナスの分だけセーヴ難易度は上昇する)。岩つかみを試みるためには、クリーチャーはその攻撃に気がついていなければならない。
このクリーチャーは岩を投げることに熟達しており、岩投げによる攻撃ロールに+1の種族ボーナスを得る。クリーチャーは自身のサイズ分類よりも2段階小さなサイズまでの岩を放り投げることができる。例えば、大型サイズのヒル・ジャイアントは小型サイズの岩を投げることができる。“岩”とは、大きくてかさ張る、比較的まとまった形をした物体であり、少なくとも硬度5以上の材質でできている。クリーチャーは岩を射程単位の5倍の距離まで放り投げることができる。射程単位の大きさはクリーチャーごとに異なる。岩投げのダメージは通常は、クリーチャーの叩きつけの基本ダメージの2倍+【筋力】ボーナスの1.5倍である。
この能力によってクリーチャーは嗅覚を用いて、近付いてくる敵を感知したり、隠れている敵を探したり、嗅覚を頼りに追跡したりすることができる。また鋭敏嗅覚の能力を待ったクリーチャーは馴染みのある匂いを、ちょうど人間が馴染みのある風景を見分けるように、嗅ぎ分けることができる。
クリーチャーは嗅覚によって、30フィート以内の敵を感知することができる。敵が風上にいるなら有効距離は60フィートに伸びる。風下なら、有効距離は15フィートに縮まる。煙や腐ったゴミなどの強い匂いは、上記の2倍先の距離から感知することができる、スカンクの臭気やトログロダイトの悪臭といった強烈な匂いは、通常の3倍の距離から感知できる。
クリーチャーが匂いを感知した場合、そのはっきりとした位置を知ることはできず、有効距離内のどこかに居るということしかわからない。クリーチャーは1回の移動アクションを使用して、匂いの方向を調べることができる。クリーチャーは匂いの元から5フィート以内にいる場合は匂いの元の位置を特定できる。
鋭敏嗅覚を持つクリーチャーは匂いで迫跡を行なえる。痕跡を発見したり追跡できたかどうかを知るために【判断力】(または〈生存〉)判定を行なう。新しい痕跡の典型的な難易度は10である(地面の状態は関係ない)。難易度は、匂いの強さ、クリーチャーの数、痕跡の古さなどによって上下する。痕跡ができてから1時間たつごとに、難易度を2上昇させること。この他の点では、この能力は〈生存〉技能のルールに従う。鋭敏嗅覚を用いて相手を追跡しているクリーチャーは、地面の状態や貧弱な視界を無視する。
このモンスターはリング・オヴ・Xレイ・ヴィジョンを身につけているかのように、固体を見通すことができる。この能力を使用すると、このモンスターが実際にこのリングを使用しているかのように消耗する。
この“その他の特殊能力”を持つクリーチャーは、記載されたタイプのダメージのうちいくらかを、そのタイプ(通常は[強酸][雷撃][火炎][氷雪])のダメージを受けるたびに無視することができる。各クリーチャーの行に無視することのできるダメージの量とタイプが示されている。
この“その他の特殊能力”を持つクリーチャー(通常はアンデッド)は、通常よりもクレリックやパラディンによる作用を受けにくい。“エネルギー放出に対する抵抗”を持つクリーチャーは、エネルギー放出の効果に抵抗するためのセーヴに所定のボーナスを得る。この効果には、エネルギー放出の使用を前提とする効果(《アンデッド威伏》特技など)も含む。
書式:エネルギー放出に対する抵抗+4; 位置:防御的能力。
クリーチャーは一定の音や特定の声を完全に真似することができる。クリーチャーは、聞いた者が真似を見抜くための〈真意看破〉判定に対抗して〈はったり〉判定を行う。聞いた者が真似されている人物やクリーチャーの種類に慣れ親しんでいない場合は、〈真意看破〉判定に-8のペナルティを被る。クリーチャーは、少なくとも10分間聞いた音を真似るため(声を真似る場合はアクセントや喋りの癖を含む)の〈はったり〉判定に+8の種族ボーナスを得る。クリーチャーは魔法的な効果(バードの呪芸やハーピーの心を奪う歌など)を複製することはできないが、そのような能力の音を真似することはできる。この能力によってクリーチャーが知らない言語を話せるようになったり理解できるようになったりはしない。
1ラウンドの間に複数の肉体攻撃を命中させた場合、かきむしりの特殊攻撃を持つクリーチャーは相手の肉体に爪を立て肉を裂くことで途轍もないダメージを与える攻撃ができる。この攻撃は追加で多量のダメージを与えるが、1ラウンドに複数回発生しない。この命中させなければならない攻撃の種類と追加ダメージはクリーチャーの説明に含まれている。追加ダメージは通常その攻撃の1つに加えクリーチャーの【筋力】ボーナスの1.5倍で与えられるダメージに等しい。
このクリーチャーは困難な試練に打ち勝つために、神話パワーを呼び下ろすことができる。このクリーチャーは神話パワーを1回分消費することで、ダイス1つをロールして今まさに行ったd20ロールの結果に加えることができる。この能力の使用は割り込みアクションを必要とし、元のロールの出目が明らかになった後に使用する。これによりロールの結果を変更することができる。ボーナス・ダイスはクリーチャーの神話ランクによって決定される。例え精神のないクリーチャーや動物程度の知性しか持たないクリーチャーであっても、モンスターはこの能力を使用することができる。
活性はモンスターの性能の区画の内で独立した項目を持つ事はない――活性ダイスは神話パワー能力の内に記載される。
クリーチャーは適切な形状の無生物の物体(彫像、菌類の苗床、など)であるかのように自身を保つことができる。クリーチャーはこの種の無生物の物体として風景の中に溶け込んで隠れるための〈隠密〉判定に出目20を行うことができる。
この能力を持つクリーチャーは、渦巻く混沌とした感情の範囲で自分を包む。これらの感情は術者が感情要素を持つ呪文を発動するのを難しくする。30フィート以内の生きているクリーチャーは感情要素を持つ呪文を発動するために精神集中判定に成功しなければならない(難易度=10+感情オーラを持つクリーチャーのヒット・ダイスの1/2+クリーチャーの【魅力】修正値)。この判定に失敗するとその呪文は何の効果も及ぼさず失われる。これに加え、このオーラの中の目標に[感情]もしくは[恐怖]の補足説明のある呪文を発動する術者は、この判定に成功しない限り、オーラ内にいる目標に対し呪文の影響を与えるのに失敗してしまう(しかし範囲外の者は通常通り影響を受ける)。この能力を持つクリーチャーは、その影響に完全耐性を持ち、通常通り呪文を発動することができる。
完全耐性を持つクリーチャーは、記載されているダメージ源からのダメージを受けない。完全耐性は苦痛、状態、呪文(特定の呪文の系統やレベル、セーヴの種類のものに対してのみ適用されることもある)にも適用される。完全耐性を持つクリーチャーは、完全耐性の対象である効果から引き起こされる二次的な効果からも悪影響を被らない。
この能力は非視覚的感知と似ているが、それよりもはっきりと認識できる。視覚によらない感覚、例えば振動を感じる能力や鋭い嗅覚、鋭い聴覚、超音波などの反響を感じ取る能力などによって、擬似視覚を持つクリーチャーは目の見えるクリーチャーと同じように動いたり戦うことができる。不可視状態、暗闇、ほとんどの種類の視認困難は無意味だが、擬似視覚を持つクリーチャーがクリーチャーや物体を知覚するためには、そのクリーチャーや物体に対して効果線が通ってなくてはならない。能力の効果範囲はクリーチャーの説明文に明記されている。クリーチャーは通常、自らの擬似視覚の有効距離内にいるクリーチャーに気付くために〈知覚〉判定を行う必要はない。特に明記されていない限り、擬似視覚は常に働き続けており、クリーチャーはその使用のために何かを行う必要はない。しかしながら、擬似視覚の中には1回のフリー・アクションとして起動しなければならないものもある。クリーチャーが擬似視覚能力の起動を行わなければならない場合、クリーチャーは自らのターン中にしか擬似視覚の利益を得られない。
擬似呪文能力は魔法的なものであり、呪文と同様に作用する(しかし呪文そのものではないので、音声要素、動作要素、物質要素、焦点具は必要としない)。アンティマジック・フィールドで遮断され、その能力が呪文抵抗の対象に該当する場合はその対象となる。
通常は擬似呪文能力には使用回数の制限がある。“常時”または“回数無制限”の擬似呪文能力には使用の制限はない。特に断りのない限り、クリーチャーは“常時”の擬似呪文能力を自身自身にのみ使用することができる。“常時”の擬似呪文能力を再活性化することは即行アクションである。その他の全ての擬似呪文能力の使用は、特に明記されていない限り標準アクションである。呪文を使用する場合と同様に、擬似呪文能力で機会攻撃を誘発しないように防御的発動するための精神集中判定を行うことができる。擬似呪文能力は呪文と同様に発動を妨害することができる。擬似呪文能力で呪文相殺を行ったり、呪文相殺の対象になったりすることはない。
擬似呪文能力を持つクリーチャーの項には擬似呪文能力の術者レベルが明記されており、擬似呪文能力を解呪する際の難易度やレベルに依存する変数(効果範囲や効果時間など)を決定することができる。クリーチャーが呪文の術者レベルを有していても、それが擬似呪文能力に影響することはない。時に擬似呪文能力の術者レベルが、同名の呪文を発動する際に必要な術者レベルを下回ることがある。術者レベルが特に記されていない時は、そのクリーチャーのヒット・ダイスの数と等しい術者レベルを持つ。擬似呪文能力に抵抗するためのセーヴィング・スローがある場合は、それは10+その能力が模倣ないし複製している呪文のレベル+クリーチャーの【魅力】修正値である。
擬似呪文能力の一部が複製している呪文は、使用するキャラクターのクラスによって異なる作用を及ぼすことがある。モンスターの擬似呪文能力はウィザード/ソーサラーの呪文と同様のものであるとする。問題の呪文がウィザード/ソーサラー呪文ではない場合は、クレリック、ドルイド、バード、パラディン、レンジャーの順であてはまるものを使う。
クリーチャーは敵に組みついている場合、そのターンの終わりに吸血し、【耐久力】ダメージを与える。
このクリーチャーは死亡していない限り、8時間の休息後にヒット・ポイントを全て回復する。加えて、神話パワーを1回分消費して1時間休息することで、最大ヒット・ポイントの半分に等しいヒット・ポイントを回復し(最大でヒット・ポイントの最大値まで)、1日の使用回数に制限のあるクラス特徴(バーバリアンの激怒、バードの呪芸、1日の呪文数など)の使用回数を回復する。この休息はこのような能力については8時間の休息として扱われる。この休息を使用しても、神話パワーや1日の使用回数に制限のある神話能力を回復することはできない。
(訳注:MAが必要。)このモンスターは、まるでモデレット・フォーティフィケーション鎧を装備しているかのように、クリティカル・ヒットや急所攻撃を通常の攻撃として扱う可能性が50%存在する。
このクリーチャーは、イニシアチブ判定に神話ランクに等しいボーナスを得る。加えて、君のターンにフリー・アクションとして神話パワーを1回分消費することで、そのターンの間に追加の標準アクションを1回行うことができる。この追加の標準アクションでは呪文の発動を行うことはできない。君はこの方法で1ラウンドに1回より多くの追加のアクションを得ることはできない。
凝視攻撃による特殊攻撃は、敵がこのクリーチャーの目を見た時に効果を持つ。この攻撃は、石化、[即死]、(魅惑)などほぼどんな効果でも持ちうる。典型的な有効距離は30フィートであるが、詳細は各クリーチャーの項を参照せよ。凝視攻撃に対して使用するセーヴィング・スローの種類はさまざまだが、通常は意志か頑健セーヴ(難易度10+凝視を行うクリーチャーの種族ヒット・ダイス数の1/2+凝視を行うクリーチャーの【魅力】修正値; 難易度の具体的な値についてはクリーチャーの説明文を参照)である。セーヴィング・スローに成功すれば効果を無効にする。モンスターの凝視攻撃は説明文中に短く省略された形で記載されている。凝視攻撃の範囲内にいる敵は全て、毎ラウンドイニシアチブ順の自身のターンの開始時に、セーヴィング・スローを試みなければならない。敵はこのクリーチャーを直接見ている場合にのみ凝視の効果を受けうる。敵はセーヴィング・スローを行うことを避けるために、このクリーチャーを見ないようにすることができる。これには2つの方法がある。
目をそむける:敵はこのクリーチャーの顔を見ることを避け、その身体や影を見たり、鏡状の面に映った姿を見て相手の姿を知ろうとするといったことなどができる。各ラウンド、敵は50%の確率で凝視攻撃に対するセーヴィング・スローを要求されることから免れる。しかしながら、凝視攻撃を持つクリーチャーは、その敵からの視認困難を得る。
目隠しをする:敵はこのクリーチャーを全く見ることができない(このクリーチャーに背を向けたり、目をとじたりする事でも同じことが得られる)。凝視攻撃を持つクリーチャーは、その敵からの完全視認困難を得る。
凝視攻撃を持つクリーチャーは、1回の攻撃アクションとして、有効距離内の目標1体を選んで能動的に凝視を行うことができる。その敵はセーヴィング・スローを行わなければならないが、上記で説明した方法でこれを避けることはできる。敵は1ラウンドに2回、あるクリーチャーの凝視攻撃に対してセーヴを行うこともありうる。自分自身のアクションの前に1回、このクリーチャーのターン中に1回である。
凝視攻撃はエーテル状態の敵に対しても作用する。クリーチャーは特に明記されていない限り、同じクリーチャー種の他の個体の凝視攻撃に対して完全耐性を持つ。凝視攻撃を持つクリーチャーの仲間は凝視攻撃の作用を受けてしまうこともありうる。凝視攻撃を持つクリーチャーの仲間はみなそのクリーチャーから目をそむけているとみなされ、そのため各ラウンドにつき凝視攻撃に対するセーヴィング・スローを行わなくてもよい確率が50%ある。クリーチャーは自らの目を何かで覆うことによって自分の凝視能力を無効化することもできる。
[恐怖]のオーラ(超常)/Fear Auraこの能力の使用は1回のフリー・アクションである。オーラは敵を恐怖のあまり動けなくするか(たとえばミイラの“絶望”)、あるいはフィアー呪文のように機能する。これ以外の効果を持つものもありうる。[恐怖]のオーラは範囲効果である。範囲の広さや種類に関してはそれぞれの説明文に明記されている。
フィアーの円錐形(擬呪)および光線(超常)/Fear Cone and Rayこれらは通常、フィアーの呪文のように働く。
[恐怖]効果に対してセーヴィング・スローが許されている場合、それは意志セーヴ(難易度:10+恐怖の対象となるクリーチャーの種族ヒット・ダイスの1/2+恐怖の対象となるクリーチャーの【魅力】修正値; 難易度の具体的な値については各クリーチャーの説明文を参照)である。全ての[恐怖]攻撃は[精神作用]の[恐怖]効果である。
凶暴性を持つクリーチャーは、ヒット・ポイントが0未満になったときでも意識を保ち戦い続けることができる。クリーチャーはよろめき状態となり、毎ラウンド1ポイントのヒット・ポイントを失うのは変わらない。凶暴性を持つクリーチャーでも、負のヒット・ポイントの合計が【耐久力】能力値に達してしまった時死亡する。
(訳注:MAが必要。)特定の攻撃は、ダメージ・ロールに通常の【筋力】ボーナスや【筋力】ボーナスの半分ではなく、このクリーチャーの【筋力】ボーナスの1.5倍を加える。
この特殊攻撃を持つクリーチャーが突撃する際、通常の突撃の利益と不利益に加え追加でダメージを与える。攻撃と攻撃によるダメージの量はクリーチャーの解説に書かれている。
(訳注:MAが必要。)このモンスターは濃霧、霧、濁った水を完全に透明なものであるかのように見通すことができ、これらで妨害されることによる失敗確率を受けない。この効果は通常の視覚が届くところまで及ぶ。
フリー・アクションとして、君は神話パワーを1回分消費して【筋力】の技を示そうと試みることで、【筋力】基準の技能判定か【筋力】能力値判定に+20の状況ボーナスを得ることができる。また、君はこの能力を使用することで自分の神話ランクに等しい時間の間、君の運搬能力を決定する目的における【筋力】値に+20の状況ボーナスを得る。
この能力を持つクリーチャーに組みつかれている相手は、話したり音声要素を有する呪文を発動したりすることができない。
蜘蛛の糸の能力を持つクリーチャーは自分自身と追加で最大1体の同じサイズのクリーチャーを支えるために蜘蛛の糸を使うことができる。加えて、1日に最大8回まで蜘蛛の糸を投擲することができる。これはネットによる攻撃と同様だが、最大有効距離は50フィート、射程単位は10フィートで、蜘蛛の糸を紡いだものより最大で1サイズ大きいものまでに対して効果がある。絡みつかれたクリーチャーは〈脱出術〉判定に成功するか【筋力】判定で蜘蛛の糸を破るかすれば脱出することができる。どちらも難易度が10+クリーチャーのヒット・ダイスの1/2+クリーチャーの【耐】修正値である、標準アクションだ。蜘蛛の糸にとらわれたものがそれを破ろうとする試みは-4のペナルティをこうむる。
蜘蛛の糸を紡ぐものは最大で自身のサイズの3倍のねばねばする蜘蛛の糸の布をつくることができる。これは通常飛行するクリーチャーを捕えるのに向いたものだが地上の獲物を捕えるのに使うこともできる。接近したクリーチャーは蜘蛛の糸に気付くために難易度20の〈知覚〉判定に成功しなければならない; 失敗したら蜘蛛の糸へ入り込み蜘蛛の糸による攻撃が成功したかのように捕えられる。もし捕えられたクリーチャーが自由になろうとする間歩いたり掴んだりするための何かがあれば、蜘蛛の糸から脱出しようとしたり破る試みは+5のボーナスを得る。蜘蛛の糸の5フィートのマスごとにそれをつくったクリーチャーのヒット・ダイスに等しいヒット・ポイントと、ダメージ減少5/―を持つ。
クリーチャーは自身の蜘蛛の糸を登攀移動速度で通過することができ、自身の蜘蛛の糸に触れているクリーチャーの位置を特定できる。
クリーチャーは表示されている攻撃が成功した場合、自動的に目標にまといつく。クリーチャーは組みつき状態にあると見なされるが、目標は組みつき状態とは見なされない。目標はこのクリーチャーに通常通り攻撃または組みつきを行うことができ、あるいは組みつき判定または〈脱出術〉判定を成功することで食らいつきをもぎ離すことができる。この能力を有するほとんどのクリーチャーは組みつきを維持するための種族ボーナスを持つ(戦技ボーナスの項目に表記)。
クリーチャーはディーパー・ダークネス呪文で作られたものも含め、あらゆる暗闇を完全に見通すことができる。
クリフォト・ロードは奈落界アビスの区域をかつて支配していたが、奈落界アビスにある忘れられた真なる深淵の片隅に逃避せざるを得なくなった、強力で固有のクリフォトである。天地創造の曙には、クリフォト・ロードは強力なクリーチャーであり、おそらく神格と同等の力を持ってさえいただろう。しかし今ではその力は薄れてしまった。それでも、稀に遭遇した場合には定命のものの命を脅かす危険な存在であることに変わりはない。全てのクリフォト・ロードは脅威度21~25の、混沌にして悪のクリフォトである。(クリーチャーの項に別に記載されている物を除き)クリフォト・ロードは以下に示す特定の特性一揃いを備えている。
クリフォト・ロードは自らが神格であるかのように、自分の信者に呪文を与えることができる。クリフォト・ロードの領域は悪と混沌に加え、その主題と興味に関連した領域を2つと副領域を4つ持つ。神格と同じように、クリフォト・ロードは好む武器を1つ持つ。
クリフォト・ロードの肉体武器とその他の手にした武器は、ダメージ減少を克服する際、悪、エピック、混沌の武器として扱われる。
身の毛のよだつ姿(超常)/Horrific Appearance:この能力は同名のクリフォトの能力と似た形で機能する。クリフォト・ロードの身の毛のよだつ姿は物理的な効果を及ぼし、犠牲者を変えてしまう。その物理的な効果にも拘らず、クリフォト・ロードの身の毛のよだつ姿は[精神作用]効果である。
クリフォト招来(擬呪)/Summon Qlippoth:1日3回、即行アクションとして、クリフォト・ロードは合計脅威度が20以下となる任意の組み合わせで、クリフォト1体もしくは複数体を招来することができる。その他の点についてはこの能力は招来として機能するが、100%の確率で成功し、9レベル呪文の効果として扱う。
テレパシー300フィート。
高速治癒の特殊能力を持つクリーチャーはそのクリーチャーの説明に書かれている通り、異常な割合、通常はラウンドごと、自分の手番が来た時点で1ポイント以上の割合でヒット・ポイントを回復する。ここの記述を除いて、高速治癒は自然治癒と同様である。高速治癒は餓え、渇き、窒息によって失われたヒット・ポイントを回復しないし、失われた肉体部位の再生もしない。特別な記載がある場合を除き、失われた肉体的部位をくっつけ直すこともできない。高速治癒は(ヒット・ポイントが-1以下であっても)クリーチャーが死ぬまで機能し続け、死ねば高速治癒の効果は直ちに終了する。
クリーチャーは飲み込み能力をターンの開始時ではなく、自らのターンの間ならいつでもフリー・アクションとして行うことができる。
硬度を持つクリーチャーがダメージを受けるとき、その硬度をダメージから引く。その硬度を上回るダメージだけをヒット・ポイントから引く。物体と同様に、硬度を持つクリーチャーはエネルギー攻撃、遠隔攻撃、攻撃からの他の種別からのダメージを減少しない。アダマンティン武器は20以下の硬度を無視する。
クリーチャーはあたかも実際のサイズよりもサイズ分類が1段階小さいかのように武器を用いる。
この能力を持つクリーチャーは殺すのが困難である。再生を持つクリーチャーは高速治癒を持つもの同様、決まった量のダメージを治癒するが、それらは再生が機能している限り死なない(しかしながら再生を持つクリーチャーはヒット・ポイントが0を下回ったら気絶状態になる)。ある一定の攻撃形態、一般的には火や酸、は攻撃後のラウンド中クリーチャーの再生の機能を停止する。このラウンドの間、そのクリーチャーはダメージを治癒できず通常通り死ぬ。クリーチャーの説明文には再生の機能停止を引き起こすダメージの種別が書かれている。
ヒット・ポイントへのダメージを与えるのではない攻撃は再生では治癒できない。再生はまた、餓え、渇き、窒息によって失われたヒット・ポイントを回復しない。再生するクリーチャーはその肉体の失われた部分を再生でき、切断された四肢や体の一部を切断から一時間以内ならくっつけることができる。くっつけられなかった切断部位は通常通り萎え、死ぬ。
クリーチャーが再生能力を持つためには【耐久力】を持っている必要がある。
案内人がボーンヤードの領域を支配している。案内人は最小25の脅威度をもつ中立の来訪者である。案内人は特に明記していない限り、以下の特性を共有し、サイコポンプの副種別を持つ。
案内人の肉体武器、および用いているすべての武器はエピックとして扱われ、ダメージ抵抗と完全耐性を克服する目的でゴースト・タッチの特殊能力を持っているかのように扱われる。
畏怖すべき存在(超常)/Frightful Presence:案内人は攻撃、特殊能力、擬似呪文能力の一部として、または声を出して話すことにより、畏怖すべき存在をフリー・アクションとして活性化することができる。
サイコポンプ招来(超常)/Summon Psychopomps:1日3回即行アクションとして、案内人は合計脅威度が20以下となるようにサイコポンプを組み合わせて招来することができる。それ以外の点では、100%の確率の招来のモンスターの共通ルールのように機能し、9レベル呪文の効果としてみなされる。
死と歩む(超常)/Walk with Death:案内人は死の女神ファラズマと親密な絆を共有しており、ボーンヤードにいる間はヒット・ポイントを0未満に減少させることはできない。ボーンヤードの外で殺された案内人は霧と羽根へと溶け、持っていた装備を残し、領域内の選択した場所で即座に復活する(トゥルー・リザレクションとして)。
テレパシー300フィート。
案内人は自身が神格であるかのように呪文を与えることができる。各案内人は好む武器を持っており、安息の領域に加えて、他の3つの領域と4つの副領域を与える。
加えて、サイコポンプの案内人は、その領域にいる間以下の力を得る(データにはこれらの能力は含まれていない):
感知力向上(変則)/Heightened Awareness:案内人は〈真意看破〉とイニシアチブ判定に+10の洞察ボーナスを得る。
神話:案内人は神話ランク10のクリーチャーとして機能し、神話パワーの能力を持つ(10回/日、活性+1d12)。能力が神話呪文であるかのように、”神”のつく擬似呪文能力の神話級を使うものとして、神話パワーの使用を消費するかもしれない。
擬似呪文能力:回数無制限—ディサーン・ロケーション、ファブリケイト、ポリモーフ・エニィ・オブジェクト(領域に固有の物体またはクリーチャーに使用すると、ポリモーフの持続時間の係数が6増加する)、レスト・エターナル; 1回/日—ミラクル(領域を操作する物理的効果または案内人の関心する範囲に関連する効果に限定される)、トゥルー・リザレクション(案内人はトゥルー・リザレクションを使用して殺害された来訪者を復活させることができる)。
出典 Pathfinder #143:Borne by the Sun's Grace 81ページ
この能力を持つクリーチャーは指定された範囲内(通常60フィート)で、意識のあるクリーチャーを自動的に感知し、定位する。この能力は擬似視覚と同様に機能する。ノンディテクション、マインド・ブランクと同様の効果は思考感知を妨げることができる。思考感知は感覚のあるクリーチャー(【知力】3以上)と感覚のないクリーチャー(【知力】1~2)を区別することはできるが、それ以外では定位するクリーチャーについて何の情報も提供しない。
至高天の王はアガシオン、エンジェル、アルコン、アザータといった種族の中で最も偉大なものであり、神格のように信仰されることもある。至高天の王は全て善の来訪者で、最低脅威度は21である。アガシオン、エンジェル、アルコン、アザータの特性に加え、至高天の王は(クリーチャーの項に特に示されていない限り)以下に示す特定の特性群を備える。
至高天の王の肉体武器と身につけている武器は、ダメージ減少を克服する際、エピックかつ善の武器として扱う。至高天の王が混沌もしくは秩序の場合、その攻撃はダメージ減少を克服する際、その属性の武器としても扱う。
至高天の王は自らが神格であるかのように、自分の信者に呪文を与えることができる。至高天の王の領域は善と混沌(混沌属性の場合)、秩序(秩序属性の場合)に加え、その主題と興味に関連した領域を2つ持つ。神格と同様、至高天の王は好む武器を1つ持つ。
非視覚的感知60フィート。
グレーター・テレポート(擬呪)/Greater Teleport至高天の王はグレーター・テレポート(術者レベル20)を回数無制限で使用することができる。
原初のオーラ(超常)/Primal Aura至高天の王は、原初の力のオーラをまとっている。このオーラの効果は至高天の王それぞれに固有のものである。
再生(変則)/Regenerationエピックにして悪のダメージか、そのクリーチャーと同等かより上位の力(アークデヴィル、神格、デーモン・ロード、至高天の王など)によるダメージのみが、至高天の王の再生を妨げる。
命の種(擬呪)/Seed of Life至高天の王は同意しているクリーチャーに接触し、魔法の治癒力を注ぎ込むことができる。目標は来訪者のように善のオーラを放ち、負のエネルギーと[即死]効果に対する全てのセーヴィング・スローに+2の洞察ボーナスを得る。標準アクションとして、目標はこのエネルギーを解き放つことができる。そのようにするならば、内側に解放して自分にヒール呪文の効果を与えるか、外側に解放して30フィート以内にいる味方にマス・キュア・ライト・ウーンズの効果を及ぼすかを選択する(術者レベルはいずれも15)。解放しない場合、このエネルギーは24時間後に失われるが、その際に有害な効果はもたらさない。至高天の王は1日に5回までこの能力を使用できるが、それぞれは別のクリーチャーに使用しなければならない。
このクリーチャーはブレス攻撃を使用してフリー・アクションとして神話パワーを1回分消費することで、(ブレス攻撃と同じ種別の)エネルギー・ダメージを与える範囲を作り出すことができる。このブレス攻撃の範囲にいたり、入ったり、通り抜けたりした全てのクリーチャーは、このクリーチャーのサイズに基づいたダメージを受ける。この能力はエネルギー・ダメージを与えないブレス攻撃には何の効果ももたらさない。
エネルギー・ダメージ量 | |
---|---|
中型以下 |
2d4 |
2d6 | |
2d8 | |
4d6 | |
4d8 |
この特殊攻撃を持つクリーチャーは組みつき判定に成功した際、敵を締めつけて潰し、(追加ダメージを含む判定に成功した際に与える他の効果に加え)殴打ダメージを与える。ダメージの量はクリーチャーの説明に書かれており、一般的にはクリーチャーが近接攻撃で与えるダメージの量に等しい。
クリーチャーはその接敵面の1/4の幅の場所を無理矢理入り込むことなく通ることができ、あるいは1/8の幅の場所に無理矢理入りこむことができる。
全ラウンド・アクションとして、蹂躙能力を持ったクリーチャーは自身よりも少なくとも1サイズ分類小さいクリーチャーを蹂躙しようとすることができる。これは戦技の蹴散らしのように働くが、蹂躙を行なうクリーチャーは判定を行なう必要がなく、単に進路上の敵を通過するだけでよい。蹂躙の対象は蹂躙を行なったクリーチャーの叩きつけのダメージ+自身の【筋力】修正値の1.5倍に等しいダメージを受ける。蹂躙の対象は機会攻撃を行なえるが、-4のペナルティを受ける。対象は機会攻撃を行なわなかったら、蹂躙するクリーチャーを回避してダメージを半分にするために反応セーヴを行なえる。クリーチャーの蹂躙攻撃に対するセーヴの難易度は10+1/2クリーチャーのヒット・ダイス+クリーチャーの【筋力】修正値である(正確な難易度はクリーチャーの説明文に書かれている)。蹂躙するクリーチャーは何度移動によって対象のクリーチャーを通過したかに拘わらず、各対象につきラウンドごとに1度のみ蹂躙によるダメージを与えることができる。
この能力を持つクリーチャーは出血し続ける傷を与え、各ラウンドの効果を受けたクリーチャーのターンの最初に追加ダメージを与える。この出血は難易度15の〈治療〉判定に成功するか、何らかの魔法的治療によって止めることができる。各ラウンドごとのダメージはクリーチャーの説明に書かれている。
クリーチャーは呪文発動クラスの一員のように魔法の呪文を発動することができる。クリーチャーはそのクラスとして呪文を発動することに関係するあらゆる効果や能力において、そのクラスの一員であると数えられる。例えば、そのクラスによって呪文完成型もしくは呪文解放型のアイテムを使用する、もしくはクラスの呪文発動能力に影響する魔法のアイテムを使用することである(インセンス・オヴ・メディテイションやパール・オヴ・パワーなど)。クリーチャーがそのクラスに関する他の能力を持つならば(クレリックの領域やソーサラーの血脈など)、それはこの項目で説明される。クリーチャーが呪文発動クラスのレベルを得ている場合、これらの能力は累積する(例えば、ソーサラー3レベルを得たスピリット・ナーガは10レベル・ソーサラーとして呪文を発動できる)。いくつかのクリーチャーはそうしたクラスの術者では利用できない変わった能力を持つかもしれない(例えば、スピリット・ナーガのクレリック呪文をソーサラーの修得呪文として学ぶ能力など)。
呪文抵抗を持つクリーチャーは自身に直接効果を与える呪文や擬似呪文能力を回避してしまう可能性がある。呪文や擬似呪文能力が呪文抵抗を持つクリーチャーに機能するかを決定するに際し、術者は術者レベル判定(1d20+術者レベル)を行わなければならない。結果がクリーチャーの呪文抵抗以上だった場合その呪文は通常どおり働くが、呪文抵抗を持つクリーチャーは依然としてセーヴィング・スローが可能である。
この能力を持つクリーチャーはこの能力を持たない者にとっては精神集中が困難になる場を作り出す。30フィート以内の生きているクリーチャーは思考要素を持つ呪文を発動するために精神集中判定に成功しなければならない(難易度=10+1/2従容自若オーラを持つクリーチャーのヒット・ダイス+クリーチャーの【魅力】修正値)。この判定に失敗すると呪文は効果を及ぼさず失敗する。加えて、全ての術者は、呪文もしくは効果の起動に精神集中している場合、そのターンの開始時にこの判定を試みなければならない。失敗は呪文または効果のための精神集中が途切れることを意味する。この能力を持つクリーチャーは、その影響に完全耐性を持ち、通常通り呪文を発動することができる。
招来能力を持つクリーチャーはサモン・モンスターを使用したかのように特定のクリーチャーを招来することができるが、通常成功の可能性は限られている(クリーチャーの説明文に記載されている)。d%ロールを行なう:失敗したら、招来にこたえるクリーチャーはない。招来されたクリーチャーは到着してから1時間後に自動的に帰還する。この方法で招来されたクリーチャーは、1GP以上の価値のある物質要素が必要となる呪文や擬似呪文能力をその物質要素が供給されたのでない限り使用できないし、1時間の間自身の招来能力を使用できない。招来能力ごとに意志セーヴや術者レベル判定や精神集中判定のための適切な呪文レベルが定められている。招来されたクリーチャーを倒しても経験点は与えられない。
植物はあらゆる[精神作用]効果((強制)、士気効果、(魅惑)、(紋様)、そして(惑乱))効果、麻痺、毒、(ポリモーフ)、睡眠、朦朧を無効化する。
このクリーチャーから半径1マイル以内にいる植物は全て通常の2倍の速度で成長し、いかなる病気の影響も受けない。さらに、クリーチャーの30フィート以内にいる仲間の植物クリーチャーは、クリーチャーの神話ランクに等しい高速治癒を得る。クリーチャーがプラント・シェイプを使用するか植物の形態をとるために自然の化身を使用する際、このクリーチャーは植物形態においてこの高速治癒を得る。
人造は[即死]効果、病気、[精神作用]効果((強制)、士気効果、(魅惑)、(紋様)、そして(惑乱))、死霊術効果、麻痺、毒、睡眠、朦朧と、全ての頑健セーヴを要求する効果(物体に対しても働くか、(無害)である場合を除き)を無効化する。人造は非致傷ダメージ、能力値ダメージ、能力値吸収、疲労、過労、生命力吸収の対象にならない。人造は大規模ダメージによって死ぬ危険性はない。
振動感知を持ったクリーチャーは地面の振動に敏感で、自動的に地面に触れているものの位置を特定する。振動感知を持った水棲のクリーチャーは同様に水中を移動するクリーチャーの位置を感知する。この能力の有効距離はクリーチャーの説明文中に記載されている。
このクリーチャーが死亡した際、24時間後に息を吹き返す。肉体の状態や死亡した理由がなんであれ影響しない。息を吹き返した時点ではこのクリーチャーが休息したものとは見なされないし、次の休息まで休息によって使用回数の回復する能力を取り戻すこともない。この能力はこのクリーチャーが神話級クリーチャー(もしくはより強力な力を持つクリーチャー)、あるいはエピック・ダメージ減少を貫くことのできる武器を装備した非神話級クリーチャーにとどめの一撃もしくはクリティカル・ヒットで殺された場合には適用されない。クリーチャーの神話ランクが10ならば、このクリーチャーを殺すことができるのはアーティファクトを用いたとどめの一撃もしくはクリティカル・ヒットによってのみとなる。(この能力はPathfinder Roleplaying Game:Mythic Adventuresでは“不死性/Immortal”と呼ばれている)。
1日3回まで、このクリーチャーが呪文を発動する際、その呪文の神話版を発動することができる(あらゆる神話呪文と同様、このクリーチャーはこの方法で神話呪文を発動するために神話パワーを1回分消費しなければならない)。
この神話モンスターは驚くべき行動を成し遂げ運命に手を入れる水源から力を引き出すことができる。毎日このモンスターは自分の神話ランクに等しい神話パワーの使用回数を得る。この総量は神話パワーの最大値である。もし神話パワーを回復するものがあっても、この総量を超えることはない。このモンスターは自動的に活性能力を持ち、この神話パワーを用いて使用することができる。このモンスターは神話パワーに関係する他の能力を持つかもしれない。
この特殊能力を有するクリーチャーは、水中でも無制限に呼吸をすることができる。水に潜っている間、自由にブレス攻撃、呪文、そのほかの能力を用いることができる。
この能力を持つクリーチャーは(水棲)の副種別を持っているにも拘わらず、陸地でいつまでも生存できる。
脆弱性を持ったクリーチャーは、セーヴィング・スローが許可されているかや、セーヴが成功したか失敗したかに関わりなく、特定のエネルギーの種類から受けるダメージが半分増し(+50%)される。エネルギーの種類にない脆弱性を持ったクリーチャーは記載された脆弱性をもたらすか用いる呪文や効果(たとえば[光]の補足説明を持った呪文)に対するセーヴに-4のペナルティをこうむる。一部のクリーチャーは、その解説に記載されたさらなる効果を受けることがある。
クリーチャーはあたかも擬似視覚の能力を有しているかのように、60フィート以内の生きているクリーチャーを感知し、その位置を特定できる。
この攻撃は生きている敵から生命力を奪いさるもので、近接あるいは遠隔攻撃が命中するたびに自動的に起こる。生命力吸収が命中するたびに敵に対して1かそれ以上(クリーチャーの解説に数値は明記されている)の負のレベルを与える。生命力吸収を含む攻撃がクリティカル・ヒットならば、記載されている負のレベルの量の2倍与える。クリーチャーの解説に特別な記載がある場合を除き、生命力吸収を行なったクリーチャーは敵に与えた負のレベル1ごとに5ポイントの一時的ヒット・ポイントを得る。この一時的ヒット・ポイントは最大1時間残る。負のレベルは24時間経過するか、レストレーションのような呪文によって除去されるまで残る。もし負のレベルが24時間経過まえに除去されなかったら、効果を受けたクリーチャーは頑健セーヴ(難易度10+生命力吸収を行なったクリーチャーの種族ヒット・ダイスの1/2+生命力吸収を行なったクリーチャーの【魅】修正値; 正確な難易度はクリーチャーの説明文に書かれている)に成功したらクリーチャーに何の害をもたらすことなく負のレベルは消え去る。失敗したら、負のレベルは永続化する。負のレベル1ごとに別々のセーヴィング・スローが求められる。
この能力は常に働いており、クリーチャーは攻撃を行うときですら不可視状態のままでいられる。この能力は生得の物であり、インヴィジビリティ・パージの呪文の対象とならない。
クリーチャーは一度に全方向を見ることができる。挟撃されることがない。
このクリーチャーは、持続時間が1ラウンドを超える効果に対するセーヴィング・スローに失敗した際、その効果を振り払おうと試み続けることができる。自分のターンの開始時にその効果が未だ影響を与えている場合、フリー・アクションとしてもう一度セーヴを試みることができる。このセーヴに成功したなら、その効果は最初のセーヴィング・スローに成功したかのようにこのクリーチャーに影響を及ぼす。もしその効果が既に(ホールド・モンスターなどの)効果を終了させるために以後のターンにセーヴィング・スローを行えるものである場合、この能力によってその効果から追加でセーヴィング・スローを行うことができる。
書式:第二のセーヴ; 位置:セーヴィング・スローの後。
一部のクリーチャーは竜巻に変化することができる。この変化は2HDごとに1ラウンド持続する。クリーチャーが飛行速度を有する場合は、竜巻形態をとっている間同じ速度で飛行できる。それ以外の場合は竜巻形態の間は基本地上速度と同じだけの飛行速度(標準の機動性)を得る。
竜巻の基底部の幅は5フィートだが、高さと頂部の幅はクリーチャーによって異なる(最低で高さ10フィート)。竜巻の頂部の幅は高さの半分に等しい。クリーチャーは自身の高さを調整できるが、最低でも10フィート以上でなければならない。
竜巻形態での移動は機会攻撃を誘発しない。たとえ他のクリーチャーの占めている接敵面に入ったとしても。他のクリーチャーは竜巻に接触したり中に入ったりした場合や、竜巻がそのクリーチャーの接敵面に入ったり通り抜けたりした場合、竜巻に巻き込まれたことになる。竜巻形態のクリーチャーは通常攻撃を行うことができず、周囲のマスを機会攻撃範囲に収めることもできない。
竜巻より1段階以上サイズの小さいクリーチャーは竜巻に巻き込まれるとダメージを受ける(一般的にそのクリーチャーと同じサイズ分類のモンスターの叩きつけ攻撃のダメージと等しい)可能性や、空中に巻き上げられてしまう可能性がある。作用を受けたクリーチャーは、まず竜巻と接触した時点で反応セーヴ(難易度10+モンスターのヒット・ダイスの1/2+モンスターの【筋力】修正値)を行わなければならず、失敗すると竜巻クリーチャーの叩きつけ攻撃に等しいダメージを受ける。さらに2回目の反応セーヴを行わなければならず、これに失敗すると体が巻き上げられ、強力な風で身動きが取れなくなってしまう。この間、クリーチャーは毎ラウンド自動的に記載されたダメージを受ける。飛行できるクリーチャーは1ラウンドに1回反応セーヴを行って、竜巻からの脱出を試みることができる。成功するとクリーチャーは脱出できるが、成否に拘わらずダメージは受ける。
竜巻の中に閉じ込められているクリーチャーは、竜巻に運搬されて一緒に移動する場合と竜巻から脱出する場合を除いて、移動をすることができない。その他の点では、竜巻に閉じ込められているクリーチャーは通常通り行動できる。ただし、呪文を発動するには精神集中判定(難易度15+呪文レベル)に成功しなければならない。竜巻に閉じ込められているクリーチャーは、【敏捷力】に-4のペナルティを、攻撃ロールに-2のペナルティを負う。竜巻はその容積が許す限り、同時に何体のクリーチャーでも竜巻の内部へ閉じ込めておくことができる。竜巻は運搬しているクリーチャーをどれでも、いつでも好きな時に1回のフリー・アクションとして竜巻から外に出し、その時点で竜巻のいた場所に捨て去ることができる。
基底面が地面に接しているなら、竜巻は砂塵や小石を巻き上げて雲を作り出す。この雲はクリーチャーを中心に、竜巻形態時の身長の半分の直径を持つ。雲は暗視能力を含む全ての視覚をかすませ、5フィートより先を見えなくしてしまう。5フィート先にいるクリーチャーは視認困難、それよりも遠くのクリーチャーは完全視認困難を得る。雲の範囲内にいるものは、精神集中判定(難易度15+呪文レベル)に成功しなければ呪文を発動することができない。
クリーチャーは複数の武器で戦っても攻撃ロールにペナルティを被らない。
このその他の特殊能力を持つクリーチャーはほとんどの武器と肉体攻撃によるダメージを無視する。クリーチャーは即座に傷が治癒するか、あるいは傷を負う事なく武器を弾き返す。いずれの場合も、敵は攻撃が効果的でなかったことを知る。クリーチャーは、エネルギー攻撃(魔法的でないものも含む)、呪文、擬似呪文能力、超常能力から通常のダメージを受ける。以下で述べる通り特定の種類の武器がクリーチャーに通常どおりのダメージを与えることもある。
各クリーチャーの項には、無視できるダメージの量(通常は5~15ポイント)と、この能力を無効化できる武器のタイプが記されている。
モンスターの中には殴打、斬撃、刺突のいずれかのタイプのダメージを弱点とするものがいる。特定の物質、例えば、アダマンティン、錬金術銀、冷たい鉄などを弱点とするものもいる。適切なタイプ以外の武器や適切な物質以外の物質で作られた武器での攻撃はダメージが減少させられるが、高い強化ボーナスを持つ武器はこれらの種類のダメージ減少を克服できる。
魔法の武器に弱いモンスターもいる。攻撃ロールおよびダメージ・ロールに+1以上の魔法的な強化ボーナスを持つ武器であれば、こういったモンスターのダメージ減少を克服することができる。こういったモンスターの肉体武器はダメージ減少の克服に関しては魔法の武器として扱われる(武器を用いて攻撃した場合はこのような扱いとならない)。
一部の非常に強力なモンスターは、エピック武器のみを弱点とする。エピック武器というのは+6以上の強化ボーナスを持つ武器のことである。こういったモンスターの肉体武器は、やはりダメージ減少の克服に関してはエピック武器として扱われる。
モンスターの中には善、悪、混沌、秩序などの属性を持つ武器を弱点とするものもいる。クレリックがアライン・ウェポンの呪文を発動した場合、作用を受けた武器はこのような性質を1つないし複数持つことができる。また魔法の武器の中にもこのような性質を持つものがある。属性に応じた副種別(混沌、悪、善、秩序)を持つクリーチャーは対応する種類のダメージ減少を、肉体武器や使用する武器を用いて、まるで武器や肉体武器が副種別に対応する(1種類または複数種類の)属性を持つかのように、克服することができる。
ダメージ減少の“/”の後に“―”が記されているのなら、どんな武器であってもそのダメージ減少を無効化することはできない。
複数種類の武器によって害されるクリーチャーも僅かながらいる。どちらかの種類のダメージを与える武器であればこのダメージ減少を克服できる。
ダメージ減少を克服するのに複数種類の攻撃の組み合わせが必要となるクリーチャーもいる。このタイプのダメージ減少を克服するには武器が全ての種類に当てはまっておらねばならず、一方の条件には当てはまるがもう一方の条件には当てはまらない武器は依然としてダメージ減少の対象となる。
このクリーチャーは戦闘でダメージを受けた時、次の自身のターンにフリー・アクションとして狂乱状態に陥る事ができる。+2【耐久力】と+2【筋力】を得るが、アーマー・クラスに-2のペナルティを被る。狂乱状態は戦闘終了か1分間の、どちらか短い方まで継続する。自発的に狂乱状態を終わらせることはできない。
クリーチャーが地中を移動する場合 石や泥など、金属を除くほぼどんな種類の地面の中でも、あたかも魚が水中を泳ぐかのように通り抜けることができる。[火炎]ダメージに対する防御を得ていたら、溶岩の中さえも通り抜けることができる。こうして進んだ跡には、トンネルや穴が残ることはない。また、地面にさざ波を起こしたりといった、その存在を示す痕跡を生じさせることもない。地中移動中のクリーチャーが内部にいる範囲にムーヴ・アース呪文を発動した場合、そのクリーチャーは30フィート押し戻され、難易度15の頑健セーヴに成功しなければ1ラウンドの間、朦朧状態になる。
着火の特殊攻撃を持つクリーチャーは、近接攻撃が命中した場合、追加の[火炎]ダメージを与えることができる。着火能力の効果を受けた相手は反応セーヴ(難易度10+着火クリーチャーの種族ヒット・ダイスの1/2+着火クリーチャーの【耐久力】修正値)を行わなければならず、失敗すれば引火し、1d4ラウンドの間、自身のターンの初めに所定のダメージを受ける。引火したクリーチャーは全ラウンド・アクションとして新しいセーヴを試みることができる。地面を転がりまわることでこのセーヴに+4のボーナスを得ることができる。肉体武器または素手攻撃で着火クリーチャーに攻撃を命中させたクリーチャーは、着火クリーチャーの攻撃を受けたのと同様に[火炎]ダメージを受け、引火を避けるための反応セーヴを行わなければならない。
クリーチャーは嗅覚によって水中で180フィート以内の他のクリーチャーを察知でき、そして1マイル以内の血を見つけることができる。
この特殊能力を持つクリーチャーが規定されている攻撃(通常は爪か噛みつき)を命中させたなら、通常のダメージを与えるのに加えて1回のフリー・アクションとして、機会攻撃を誘発せずに組みつきに入ろうと試みることができる。特に記載がない限り、つかみはクリーチャーとサイズ分類が同じかそれよりも小さな相手に対してのみ行うことができる。クリーチャーが通常とは異なるサイズにもつかみを行うことができる場合、これはクリーチャーの特殊攻撃の行に記載される。クリーチャーは通常通りに組みつきを行ってもかまわないし、つかみに使用した身体の部位だけを使って相手を捕らえることもできる。後者を選択した場合、組みつきを開始または維持するための戦技判定には-20のペナルティを受けるが、自らは“組みつき状態”であるとはみなされない。捕らえる試みに成功しても、クリーチャーが“締めつけ”の特殊攻撃を持たない限り、追加のダメージは与えない。クリーチャーが締めつけを持っていない場合、以降のラウンドで組みつき判定に成功するたびに、捕らえる際に使用した攻撃のダメージを自動的に与える。締めつけを持っている場合にはそのダメージを与える(与えるダメージの量についてはそのクリーチャーの説明文を参照)。
つかみの特殊攻撃を持つクリーチャーは、組みつきを開始または維持するための戦技判定に+4のボーナスを得る。
突き押しの特殊能力を持つクリーチャーは、特定の攻撃(多くの場合叩きつけ)を命中させたなら、1回のフリー・アクションとして戦技判定を行うことができる。判定に成功すれば、突き飛ばしと同様に相手を押し戻すが、移動させる距離はこの特殊能力で決められている。突き押しをひきおこす攻撃の種類と押し戻す距離は、各クリーチャーの説明文を参照。この能力は、突き押すクリーチャーと同じかより小さなサイズのクリーチャーに対してのみ作用する。このように突き押されたクリーチャーは、この移動により機会攻撃を誘発せず、固い物体か他のクリーチャーにぶつかったら停止する。
クリーチャーは標準アクションの一部として移動経路上にいるクリーチャーを包み込むことができる。包み込みを行うラウンドには他の攻撃は行えない。クリーチャーは単に相手のいるところを通って移動するだけでよく、移動経路上にあるもの全てに作用を及ぼす。目標となったクリーチャーはクリーチャーに機会攻撃を行えるが、機会攻撃を行ったら包み込み攻撃に対するセーヴィング・スローは行えなくなる。機会攻撃を行わないものは包み込みを避けるために反応セーヴを行うことができ、成功すればクリーチャーが前進するにつれて、それに押される形で後ろや横(目標側が選択)へ進む。包み込まれた相手は押さえ込まれた状態になり、窒息の危険にさらされ、押さえ込まれた状態から逃れるまで体内に閉じ込められ、そしてクリーチャーのほかの特殊攻撃の対象となるかもしれない。
デーモン・ロードは強力な唯一無二のデーモンであり、アビスの層1つを支配している。デーモン・ロードは全て混沌にして悪の来訪者であり、最低でも脅威度は26。(クリーチャーの項に別に記載されている物を除き)デーモン・ロードは特に、以下に示すような特性一揃いを備えている。
デーモン・ロードは自らが神格であるかのように、自分の信者に呪文を与えることができる。デーモン・ロードの領域は悪と混沌に加え、その主題と興味に関連した領域を2つ持つ。神格と同様、デーモン・ロードは好む武器を1つ持つ。
アビスの蘇生(変則)/Abyssal Resurrectionデーモン・ロードはアビスの領地を支配している。この非常に広大な地はデーモン・ロードの単なる住み処というわけではなく、彼らに力を与えてくれる。デーモン・ロードが死亡すると、その肉体は速やかに腐敗しながら溶けていく(身につけていた装備品だけをその場に残す)。その魂はこの領域の隠された場所に帰り、その場で即座に(トゥルー・リザレクションとして)息を吹き返す。一度使用すると、丸一年が経過するまでデーモン・ロードはこの能力を再度使用することができない。デーモン・ロードはこの期間の自らの弱さに気付いており、通常は一年の残りの期間、これ以上戦闘を行うような危険は冒さず、自分を守るために領土の防衛力と手下の軍勢を頼りとする。デーモン・ロードが丸一年が経過する前に再び殺されたり、特殊な方法(本当の神格の手で、あるいはこの目的のために作られたアーティファクトを用いて)で殺されると、永遠に死亡する――その死体はかつて死亡した他のデーモン・ロードと同様、アビスのどこか深くに姿を見せる。領域を統制しないデーモン・ロードはこの能力を得ない。
畏怖すべき存在、(超常)/Frightful Presenceデーモン・ロードは攻撃、擬似呪文能力、特殊攻撃、大きく声を上げることなどの一部として、フリー・アクションとして畏怖すべき存在を起動することができる。
再生(変則)/Regenerationエピックにして善のダメージ、あるいは自身と同等かより上位の力を持つクリーチャー(アークデヴィル、神格、デーモン・ロード、至高天の王など)によるダメージのみが、デーモン・ロードの再生を妨げる。
デーモン招来(擬呪)/Summon Demons 1日3回即行アクションとして、デーモン・ロードは合計脅威度が20以下となる任意の組み合わせで、デーモン1体もしくは複数体を招来することができる。その他の点についてはこの能力は招来として機能するが、100%の確率で成功し、9レベル呪文の効果として扱う。
テレパシー300フィート。
クリーチャーは有効距離内(各クリーチャーの項に明記されているが、通常は100フィート)にいて言語を持つどんなクリーチャーとも精神的に意志の疎通を図ることができる。テレパシーで同時に複数のクリーチャーに呼びかけることは可能だが、複数のクリーチャーと同時にテレパシーでの会話を維持することは、一度に複数の人に話しかけ、彼ら全員の言うことを聞くのと同じくらい難しい。
この特殊能力を有するクリーチャーは突撃攻撃として体当たりをして戦技判定を行い、ボートや船を転覆させようと試みることができる。この判定の難易度は25、または船長の〈職能:船乗り〉判定の結果のどちらか高い方である。船のサイズ分類が船を転覆させようとするクリーチャーのサイズよりも1段階大きいごとに、船を転覆させようとするクリーチャーはこの戦技判定に-10の累積するペナルティを受ける。
この特殊能力を持つクリーチャーは、攻撃した相手を毒で冒すことができる。毒の効果、セーヴ、頻度、治癒は各クリーチャーの説明文に書かれている。毒に抵抗するためのセーヴィング・スローは通常は頑健セーヴ(難易度10+毒をもつクリーチャーの種族ヒット・ダイスの1/2+クリーチャーの【耐久力】修正値; 具体的な難易度は各クリーチャーの説明文を参照)である。毒はニュートラライズ・ポイズンや同種の効果によって治癒することができる。
書式:毒の名前(変則)針―致傷; セーヴ頑健・難易度22、頻度 1/ラウンド(6ラウンド)、効果 1d4【耐久力】、治癒 2回連続成功; 位置:特殊攻撃および個別の攻撃手段。
この特殊攻撃を持つクリーチャーは突撃した場合、全力攻撃(“引っかき”特殊能力があるなら引っかき攻撃を含めて)を行うことができる。
クリーチャーのほとんどは1つないし複数の肉体攻撃(武器によらない攻撃)を有している。これらの攻撃は2つの分類のいずれかに属する。主要攻撃と二次的攻撃である。主要攻撃はクリーチャーの完全な攻撃ボーナスを用い、ダメージ・ロールにクリーチャーの【筋力】ボーナスの全てを加える。二次的攻撃はクリーチャーの基本攻撃ボーナス-5を用いて行い、ダメージ・ロールにはクリーチャーの【筋力】ボーナスの1/2を加える。クリーチャーが肉体攻撃を1つしか持たない場合は、その攻撃は常にクリーチャーの完全な攻撃ボーナスを用い、ダメージ・ロールにクリーチャーの【筋力】ボーナスの1.5倍を加える。この修正は、クリーチャーが複数回攻撃を行えるにもかかわらず、ターン中に1回しか攻撃を行わない場合には適用されない。クリーチャーが1種類の攻撃しか持たないが1ラウンドに複数回の攻撃ができるなら、その肉体攻撃はその種類に拘らず主要攻撃であるとみなされる。『表:サイズごとの肉体攻撃』はもっともよく見られる肉体攻撃の一部とその分類が記載されている。
クリーチャーの一部には、その攻撃の1つないし複数にこれとは違う扱いがされるものがある。例えばドラゴンは、噛みつき攻撃のダメージ・ロールに【筋力】ボーナスの1.5倍が加えられる。これらの例外は各クリーチャーの説明文に記載されている。
肉体攻撃と武器による攻撃を持つクリーチャーは、全力攻撃をその両方を使用して行うことができる(しかしながら、多くの場合クリーチャーは武器を握っている付属肢による肉体攻撃による攻撃(爪、触手、叩きつけ等)をあきらめなければならない)。このようなクリーチャーが武器を使って攻撃を行うなら、その攻撃の間は肉体攻撃はその種類に拘らず、すべて二次的攻撃として扱われる。
攻撃のタイプ | |||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 |
1d2 |
1d3 |
1d4 |
1d6 |
1d8 |
2d6 |
2d8 |
4d6 |
殴打/斬撃/刺突 |
主要 | |
― |
1 |
1d2 |
1d3 |
1d4 |
1d6 |
1d8 |
2d6 |
2d8 |
殴打/斬撃 |
主要 | |
1 |
1d2 |
1d3 |
1d4 |
1d6 |
1d8 |
2d6 |
2d8 |
4d6 |
刺突 |
主要 | |
― |
1 |
1d2 |
1d3 |
1d4 |
1d6 |
1d8 |
2d6 |
2d8 |
殴打 |
二次的 | |
1 |
1d2 |
1d3 |
1d4 |
1d6 |
1d8 |
2d6 |
2d8 |
4d6 |
殴打 |
二次的 | |
― |
1 |
1d2 |
1d3 |
1d4 |
1d6 |
1d8 |
2d6 |
2d8 |
殴打 |
主要 | |
― |
1 |
1d2 |
1d3 |
1d4 |
1d6 |
1d8 |
2d6 |
2d8 |
刺突 |
主要 | |
― |
1 |
1d2 |
1d3 |
1d4 |
1d6 |
1d8 |
2d6 |
2d8 |
斬撃 |
主要 | |
― |
1 |
1d2 |
1d3 |
1d4 |
1d6 |
1d8 |
2d6 |
2d8 |
殴打/斬撃/刺突 |
二次的 |
個々のクリーチャーによってこの値は適切に変更される。
ダメージ種別の列はその肉体攻撃が与えるダメージの典型的な種類(殴打/斬撃/刺突)を示す。攻撃の一部は複数のタイプのダメージを与える。このような場合、ダメージ減少を克服する際にダメージの全てがリストにあるタイプであるとみなされる。
フェイ、人型生物、人型怪物、来訪者の一部は肉体攻撃を持たない。これらのクリーチャーは素手打撃を行うことができるが、攻撃ボーナスを決定する際に、それらは武器であるとみなされ、両手で攻撃するためには二刀流ルールを使用しなければならない。クリーチャーのサイズごとの肉体攻撃の典型的なダメージ量に関しては『表:サイズごとの肉体攻撃』を参照。
書式:噛みつき +5(1d6+1)、爪(×2)+5(1d4+2)、触手(×4)+0(1d4+1); 位置:近接および遠隔。
このモンスターは毎ラウンドターンを2つ得る。1つ目はイニシアチブ値の時点で、2つ目はイニシアチブ値-20の時点である。例えば、このモンスターのイニシアチブ値が23の場合、最初のターンとしてイニシアチブ値23で(5フィート・ステップを行うとともに)全力攻撃を行い、二回目のターンとしてイニシアチブ値3で移動アクションを行って呪文を発動することができる。これによりこのモンスターは、サモン・モンスターなど、通常ならラウンド全体を使用するようなアクションを2回行うことができるようになる。1ラウンド以上の持続時間を持っていたり、継続的な効果に対するセーヴィング・スローや出血ダメージを受けるなど、そのクリーチャーのラウンドの開始に起動する呪文や効果について考慮する際、持続時間の間このモンスターの毎ラウンドの最初のターンのみを考慮する。
書式:+21/+1; 位置:イニシアチブ。
太陽光(デイライトや同種の呪文ではない)に曝されたクリーチャーは攻撃を行なえず、かつよろめき状態になる。
クリーチャーは高熱を発するため、ただ触れただけでも追加の1d6ポイントの[火炎]ダメージを与える。クリーチャーの持つ金属製の武器もこの熱気を伝える。
この能力を持つクリーチャーは多くの念術呪文の効果に抵抗がある。全ての念術呪文に対するセーヴィング・スローに+4のボーナスを得る。
この能力を持つクリーチャーは特定の呪文を発動するためにその精神の力を使うことができる。念術魔法を用いて発動する呪文は念術エネルギーを消費する。クリーチャーは夜の眠りの後に回復する、1日毎の念術エネルギー(PE)上限を持つ。この能力を持つクリーチャーは、その呪文のPEコストを支払う為に十分な念術エネルギーを持つ限り、この項目に並んでいる好きな呪文を発動することができる。これらの呪文の難易度は10+呪文を発動するために使用する念術エネルギーの総量+クリーチャーの【魅力】修正値もしくは【知力】修正値(どちらか高いほう)に等しい。この能力によって呪文の下方発動を利用できるクリーチャーは、本来発動されるべき呪文より1レベル低いものにする毎に1PEづつ少なく費やすことで、その呪文の下方発動版を発動することができる。PEのコストが0の念術魔法呪文は何度でも発動することができ、たとえクリーチャーの残りが0PEであっても発動できる。この能力によって得られる念術魔法は、念術呪文と同じく思考要素と感情要素を持つ。モンスターは、呪文修正特技のレベル増加に等しい追加のPEを費やし、通常通り呪文修正した呪文を任意発動するために発動時間を増加させることによって、これらの呪文に呪文修正特技を適用することができる。この能力は念術呪文発動を与えるため、このクリーチャーは心霊技能解放を使用することもできる。
書式:念術魔法(擬呪)(術者レベル10; 精神集中+14) 12念術エネルギー(PE)―チャーム・パースン(1PE、難易度14)、ディスガイズ・セルフ(2PE)、マインド・スラストIII(3PE、難易度16)、タワー・オヴ・アイアン・ウィルI(5PE); 位置:擬似呪文能力の前。
粘体はクリティカル・ヒット、挟撃、正確さに基づく攻撃によるダメージ、[精神作用]効果((強制)、士気効果、(魅惑)、(紋様)、そして(惑乱))、睡眠効果、毒、(ポリモーフ)、麻痺、朦朧化、視覚的効果に完全耐性を持つ。
一部の攻撃ないし特殊能力は能力値ダメージや能力値吸収をひきおこし、指定された能力値を一定の量減少させる。能力値ダメージは自然治癒するが、能力値吸収は恒久的であり、魔法によってのみ回復することができる。
この特殊攻撃を持つクリーチャーが自らのターンの開始時に敵を口で捕らえていた(『つかみ』参照)場合、敵を押さえ込もうとしているかのように、新たな戦技判定を行うことができる。成功したならクリーチャーは獲物を飲み込み、敵は噛みつきダメージを受ける。特に明記されていない限り、自分よりサイズ分類の小さいクリーチャーしか飲み込むことができない。飲み込まれたクリーチャーは毎ラウンドダメージを受ける。ダメージの量と種類はクリーチャーの能力によって異なる。飲み込まれたクリーチャーは組みつき状態であり、飲み込んだクリーチャーは組みつき状態ではない。飲み込まれたクリーチャーは、軽い斬撃武器または軽い刺突武器を用いて、切り開いて脱出する試みを行える(脱出するのに必要なダメージ量は各クリーチャーの総ヒット・ポイントの1/10に等しい)。飲み込みを行ったクリーチャーの内部のアーマー・クラスは通常、10+外皮ボーナスの1/2であり、サイズや【敏捷力】の修正値は適用されない。飲み込まれたクリーチャーが切り開いて脱出した場合、飲み込んだクリーチャーはそのダメージが治癒するまで飲み込みを行うことができない。あるいはまた組みつきからの脱出をこころみることができる。飲み込まれたクリーチャーが組みつきから脱出した場合、口で捕らえられている状態までもどることができる。そこからまた、噛みつかれたり再び飲み込まれたりする可能性もある。
この特殊能力を持つクリーチャーは、敵を呪うことができる。呪いの効果、セーヴ、頻度、治癒は各クリーチャーの説明文に書かれている。呪いがセーヴィング・スローが可能なものなら、それは通常は意志セーヴ(難易度10+呪いをもつクリーチャーのヒット・ダイスの1/2+クリーチャーの【魅力】修正値; 具体的な難易度は各クリーチャーの説明文を参照)である。呪いはリムーヴ・カースや同種の効果によって治癒することができる。
書式:呪いの名前(超常)叩きつけ―接触; セーヴ意志・難易度14、頻度 1日、効果 1d4【筋力】吸収; 位置:特殊攻撃および個別の攻撃手段。
“光に過敏”をもつクリーチャーは、明るい太陽光の下やデイライト呪文の範囲内では目が眩んだ状態になる。
“光による盲目化”を持つクリーチャーは、明るい光(太陽光やデイライト呪文による)にさらされると、1ラウンドの間盲目状態になる。このようなクリーチャーは明るい光の範囲にいる間ずっと目が眩んだ状態のままである。
この特殊能力を持つクリーチャーは、攻撃を命中させた場合1回のフリー・アクションとして戦技判定を行うことができる。判定に成功すれば、クリーチャーを近くに引き寄せることができる。引き寄せる距離はこの特殊能力で決められている。引き寄せをひきおこす攻撃の種類と引き寄せる距離は各クリーチャーの説明文を参照。この能力は、引き寄せるクリーチャーと同じかより小さなサイズのクリーチャーに対してのみ作用する。このように引き寄せられたクリーチャーはこの移動により機会攻撃を誘発せず、固い物体か他のクリーチャーにぶつかったら停止する。
この特殊能力を持つクリーチャーは、1回のフリー・アクションとして飛行能力を中止あるいは再開できる。超常能力であるなら、アンティマジックの場の中では効果を失い、クリーチャーはアンティマジックの効果が続く限り飛行する能力を失う。
書式:飛行30フィート(標準); 位置:速度。
視覚によらない感覚、例えば鋭い嗅覚や聴覚などによって、非視覚的感知を持つクリーチャーは見ることのできない存在に気づくことができる。クリーチャーは通常〈知覚〉判定を行わなくても、非知覚的感知能力の有効距離内にいて効果線が通っているクリーチャーの位置を特定することができる。クリーチャーが非視覚的感知能力を持っていたとしても、そのクリーチャーが見ることができない敵は、やはりそのクリーチャーに対して完全視認困難を持つ。視認困難をもつ敵を攻撃する場合には、通常通り失敗確率を被る。非視覚的感知を持っていても、移動に際してはやはり視界の状態の作用を受ける。非視覚的感知を持つクリーチャーもやはり、見ることのできない敵からの攻撃に対してはアーマー・クラスへの【敏捷力】ボーナスを失う。
非実体クリーチャーは物理的肉体を持たない。それは他の非実体クリーチャーか、魔法の武器や魔法の武器のように攻撃できるクリーチャーか、呪文、擬似呪文能力、超常能力によってのみ傷つけられる。それはすべての非魔法的な攻撃形態を無効化する。呪文や魔法の武器による攻撃が当たったときでさえ、それは実体のある源からのダメージを半減する。非魔法的な攻撃ながら、聖水は非実体のアンデッドに効果を表す。ダメージを与えない実体の呪文および効果は非実体のクリーチャーに50%の確率でしか影響を与えない。マジック・ミサイルのような[力場]の効果および呪文は非実体クリーチャーに通常通り効果を発揮する。
非実体クリーチャーは外皮ボーナスをもたないが、【魅】ボーナスに等しい(クリーチャーの【魅力】がボーナスを得られる値でなくても、最低+1ある)反発ボーナスを得る。
非実体クリーチャーは物体に入り込んだり通り抜けることができるが、物体の外部に隣接し続けていなければならず、自身より大きいスペースの物体を完全に通り抜けることはできない。それは自分が現在いる場所に隣接しているマスにいるクリーチャーや物体を感知できるが、敵は物体の中にいる非実体クリーチャーに対し完全視認困難(50%の失敗確率)を得る。物体の向こうを見ながら通常通り攻撃するためには非実体クリーチャーは姿を現さなければならない。物体の中にいるクリーチャーは完全遮蔽を得るが、物体の外のクリーチャーを攻撃するときには遮蔽のみになるので、外にいるクリーチャーは待機アクションを行うことで非実体クリーチャーに攻撃できる。非実体クリーチャーは[力場]効果を通過することはできない。
非実体クリーチャーは外皮、鎧、盾をすり抜けて(無視して)攻撃するが、反発ボーナスと(メイジ・アーマーのような)[力場]効果は非実体クリーチャーに対し通常通り働く。非実体クリーチャーは大気中同様簡単に水中を移動し行動する。非実体クリーチャーは落下したり落下によりダメージを受けることはない。非実体クリーチャーは組みついたり足払いできないし、組みつかれたり足払いされることもない。事実上、非実体クリーチャーは敵やその装備を動かしたり操ったりするあらゆる物理的行動をとることができないし、それらの行動の対象になることもない。非実体クリーチャーには重量がなく、重量を作動条件にする罠を起動させない。
非実体クリーチャーは静かに動き、望まないなら〈知覚〉判定で聞かれる事はない。非実体クリーチャーは【筋力】がないので近接攻撃、遠隔攻撃、戦技ボーナスに【敏捷力】修正値を加える。鋭敏嗅覚や非視覚的感知のような視覚によらない感知は非実体のクリーチャーに対し、効果がないか部分的に有効である。非実体クリーチャーには生来の方向感覚があり、見ることができないときでも全力で移動することができる。
この特殊攻撃を持つクリーチャーは、特定の状況下(典型的には敵に組みついている時)で、数回の追加の肉体攻撃を得る。通常組みつき状態で使用できる全ての選択肢に加え、引っかき能力を持つクリーチャーは、組みついた敵に対してのみ使用できる2回の追加爪攻撃を得る。これらの攻撃の攻撃ボーナスとダメージは各クリーチャーの説明文を参照。引っかき能力を持つクリーチャーが引っかきを用いるためには、自らのターンが組みつき状態で開始しなければならない。組みつきの開始と引っかきを同じターンに行うことはできない。
この特殊能力を持つクリーチャーは、接触した相手を病気に感染させることができる。病気の効果、セーヴ、頻度、治癒は各クリーチャーの説明文に書かれている。病気に抵抗するためのセーヴィング・スローは通常は頑健セーヴ(難易度10+病気をもつクリーチャーのヒット・ダイスの1/2+クリーチャーの【耐久力】修正値; 具体的な難易度は各クリーチャーの説明文を参照)である。病気はリムーヴ・ディジーズや同種の効果によって治癒することができる。
書式:病気の名前(変則)噛みつき―致傷; セーヴ頑健・難易度15、潜伏期間 1d3日、頻度 1日、効果 1【耐久力】ダメージ、治癒 2回連続成功; 位置:特殊攻撃および個別の攻撃手段。
フォーミアンは森の多い世界からやってきた蟲に似たクリーチャーで、宇宙を旅する種族である。彼らは他の世界に侵略的な植民を行う。(クリーチャーの説明に記載されていない限り)フォーミアンは以下の特性を持つ。
集合知性(変則)/Hive Mindフォーミアンは巣の仲間の知覚力を向上する精神感応による絆を、巣の者たちと結んでいる。巣の仲間1体以上をテレパシーの範囲に収めている限り、フォーミアンはイニシアチブ判定と〈知覚〉判定に+4の種族ボーナスを得る。フォーミアン1体が幻術を看破すると、テレパシーの範囲内にいる全てのフォーミアンもその幻術を看破したものと見なす。フォーミアン1体が戦闘に参加しているものの場所に気付いているならば、テレパシーの範囲内にいる全ての巣の仲間もその場所に気付く。
精神感応術者(変則)/Telepathic Casterフォーミアンの精神感応力のため、呪文を発動する際、擬似呪文能力のように扱う。
テレパシー60フィート。
このクリーチャーはフリー・アクションとして神話パワーを1回分消費することで、君に効果を及ぼしている以下の状態から1つを直ちに終了させることができるようになる。怯え状態、恐れ状態、絡みつかれた状態、過労状態、恐慌状態、幻惑状態、恍惚状態、混乱状態、出血状態、戦慄状態、聴覚喪失状態、吐き気がする状態、疲労状態、不調状態、麻痺状態、目が眩んだ状態、盲目状態、朦朧状態、よろめき状態。例え選択した状態を引き起こしたまさにその呪文や効果の結果であってさえ、他のあらゆる状態と効果は残ったままである。君は行動を行えないようにする状態を受けていたとしても、この能力を自分のターンの開始時に使用することができる。
クリーチャーの肉体は可塑的で不定形である。この特殊能力を持つクリーチャーは(急所攻撃のような)精度に基づくダメージとクリティカル・ヒットへの完全耐性を有する。
クリーチャーは生きてはいるが、あたかもアンデッドであるかのように正のエネルギーによって害を受け、負のエネルギーによって癒される。
書式:負のエネルギーへの親和性; 位置:防御的能力。
ある種のクリーチャーはエネルギーかその他魔法の効果の円錐形、直線状、気体の息を吐き出すことができる。ブレス攻撃は通常ダメージを与え、しばしば何らかのエネルギーの種別に属する。ブレス攻撃はダメージを半分にするために反応セーヴを行なうことを許す(難易度10+ブレス攻撃を行なうクリーチャーの種族ヒット・ダイスの1/2+ブレス攻撃を行なうクリーチャーの【耐】修正値; 算出された難易度はクリーチャーの説明文に書かれている)。クリーチャーは特別な注記がない限り自身のブレス攻撃を無効化する。ある種のブレス攻撃は反応セーヴの代わりに頑健セーヴか意志セーヴを許す。各ブレス攻撃は、例えそれが日に数回に限られたものであったとしても、どの程度の頻度で使うことができるかの注記が書かれている。
書式:ブレス攻撃(60フィートの円錐形、8d6[火炎]ダメージ、反応・難易度20・半減、1d4ラウンドに1回); 位置:特殊攻撃(ブレス攻撃がダメージよりも複雑な効果を持つ場合は、特殊能力の項にも記載される)。
クリーチャーは全ラウンド・アクションとして表記の速度で後ろ向きに泳ぐことができる。噴射移動の間は一直線に移動しなければならず、その間は機会攻撃を誘発しない。
このクリーチャーは特定の攻撃が命中した際、機会攻撃を誘発しないフリー・アクションとして、同じ目標に盗み取り戦技を試みることができる。
クリーチャーは特定の攻撃または効果を受けることで同一の2体の複製に分裂する。それぞれの複製は分裂前の現在のヒット・ポイントの1/2(端数切捨て)を有する。ヒット・ポイントが表記された数値未満になったクリーチャーはそれ以上分裂することができず、通常通り死んでしまう。
この“その他の特殊能力”を持つクリーチャーは、特定のクリーチャーや特定の種別のクリーチャー(通常は人型生物)の姿をとる能力を持つが、この際、自らの物理的な能力のほとんどを保持し続ける。クリーチャーは元の形態に対してサイズ分類が2段階以上大きかったり小さかったりするような形態に変身することはできない。この能力はポリモーフ系呪文(そのタイプは各クリーチャーの説明文に記載されている)と同様に機能するが、クリーチャーは能力値に対する修正を受けない(しかしながら、模倣するクリーチャーが持つ他の能力は全て得る)。特に記述がない限り、無期限に変身後の形態を維持することができる。一部のクリーチャー、たとえばライカンスロープは、特別の能力値修正と特殊能力を持つ独自の形態へ変化することができる。これらのクリーチャーは、その説明文にあるように能力値の修正も受ける。
書式:変身(ウルフ、ビースト・フォームI); 位置:“その他の特殊能力”および固有の一覧を持つクリーチャーの“特殊能力”。
1ラウンド1回、このクリーチャーに近接攻撃もしくは遠隔攻撃が命中したなら、このクリーチャーは最大の攻撃ボーナスを用いて1回の近接攻撃を試みることができる。この結果が攻撃の結果を上回ったなら、このクリーチャーは(ちょうど攻撃が外れたかのように)攻撃の効果を受けない。
ホースマンは強力で固有のダイモンであり、アバドンの主要な地区を支配し、戦、疫病、飢餓、あるいは死を象徴している。ホースマンは全て、秩序にして悪の来訪者であり、最低でも脅威度は27。(クリーチャーの項に別に記載されている物を除き)ホースマンは特に、以下に示すような特性一揃いを備えている。
ホースマンは自らが神格であるかのように、自分の信者に呪文を与えることができる。ホースマンの領域は悪と秩序に加え、その主題と興味に関連した領域を2つと副領域を4つ持つ。神格と同じように、ホースマンは好む武器を1つ持つ。
黙示録の蘇生(変則)/Apocalyptic Resurrection:ホースマンが死亡すると、その肉体は速やかに腐敗しながら溶けていく(身につけていた装備品だけをその場に残す)。その魂はこの領界の隠された場所に帰り、その場で即座に(トゥルー・リザレクションとして)息を吹き返す。一度使用すると、丸一年が経過するまでホースマンはこの能力を再度使用することができず、一年が経過するまでの間は可能な限り直接戦闘を避ける。ホースマンが丸一年が経過する前に再び殺されたり、特殊な方法(本当の神格の手で、あるいはこの目的のために作られたアーティファクトを用いて)で殺されると、永遠に死亡する。このようなことが起きた場合、残りの3体のホースマンの脅威度は一時的に1だけ増加する(通常、これはヒット・ダイスがわずかに増加するか、能力値が2~4ポイント増加することによって生じる)。これは、その固有の能力を備えた脅威度27の亜神が完全に新しいホースマンが空いた役割を埋めるまで続く。
畏怖すべき存在(超常)/Frightful Presence:ホースマンは攻撃、擬似呪文能力、特殊攻撃、大きく声を上げることなどの一部として、フリー・アクションとして畏怖すべき存在を起動できる。
(強制)効果、生命力吸収、石化、[即死]効果、毒、能力値吸収、能力値ダメージ、病気、および(魅惑)効果に対する完全耐性。
再生(変則)/Regeneration:神話ダメージ、あるいは自身と同等かより上位の力を持つクリーチャー(アークデヴィル、クリフォト・ロード、グレート・オールド・ワン、神格、至高天の王、デーモン・ロード、他のホースマンなど)によるダメージのみが、ホースマンの再生を妨げる。
ダイモン招来(擬呪)/Summon Daemon:1日3回、即行アクションとして、ホースマンは合計脅威度が20以下となる任意の組み合わせで、ダイモン1体もしくは複数体を招来することができる。その他の点についてはこの能力は招来として機能するが、100%の確率で成功し、9レベル呪文の効果として扱う。
テレパシー300フィート。
クリーチャーは、通常は氷、泥、溶岩、網のような物理的攻撃手段で、他のクリーチャーの移動を抑止する能力を持つ。捕獲攻撃の目標は頑健セーヴを行わなければならず、失敗した場合は表記されている効果時間の間絡みつかれた状態になる。目標がすでにこの能力によって絡みつかれた状態にある場合は、2回目の捕獲攻撃によって目標は頑健セーヴを行わなければならず、失敗した場合は表記されている効果時間の間、無防備状態となる。セーヴ難易度は【耐久力】修正値に基づいて算出されている。この能力によって無防備状態となった目標は意識はあるが、肉体的な行動は捕獲している物質が取り除かれるまで、脱出しようと試みること以外何もできない。目標は難易度20の精神集中判定にした場合に音声的要素のみを要する呪文あるいは擬似呪文能力を使用することができる。絡みつかれた状態のクリーチャーは、全ラウンド・アクションとして、捕獲のセーヴィング・スロー難易度と同じ難易度の【筋力】判定に成功することで脱出することができる。無防備状態のクリーチャーの難易度は、そのセーヴィング・スロー難易度よりも5高い。捕獲している物質を破壊すればクリーチャーは自由になる。
この特殊攻撃は犠牲者を固定する。麻痺したクリーチャーは動くこともしゃべることもあらゆる肉体的行動もできなくなる。クリーチャーは釘付けになり、凍りつき無防備になる。麻痺は肉体に作用するので、キャラクターは通常頑健セーヴ(難易度10+1/2麻痺させるクリーチャーの種族ヒット・ダイス+麻痺させるクリーチャーの【耐】修正値; 難易度はクリーチャーの解説にある)でそれに耐えることができる。ホールド・パースンや同様の効果とは異なり、麻痺の効果はラウンドごとの新たなセーヴを許さない。麻痺したときに空を飛んでいる翼をもったクリーチャーは翼をうごかすことができず落下する。泳いでいるものは泳ぐことができず溺れるかもしれない。麻痺の持続時間はさまざまで、クリーチャーの解説に書かれている。
この特殊能力を有するクリーチャーは、【耐久力】×1分の間、水の外でも生き延びられる。この制限時間を超えると、このクリーチャーは窒息の危険が生じる。
(訳注:MAが必要。)このモンスターは濃い植物を透明であるかのように見通すことができる。通常の有効距離は60フィートである。葉、ツタ、青葉、下生えはこのモンスターに一切の視認困難を与えることはないが、中身の詰まった木材は依然として視線を遮る。
モンスターは呼吸をせず、吸入毒など呼吸を前提とする効果に完全耐性を持つ。これによって呼吸を前提としないクラウドあるいはガス攻撃に対する完全耐性は得られない。
(訳注:MAが必要。)このモンスターに刺突近接武器もしくは斬撃近接武器を用いてクリティカル・ヒットを確定させたクリーチャーは、毒を吹きかけられる(間合いを持つ近接武器は、この方法で使用者を危険にさらすことはない)。毒の種類はモンスター毎に決まっている。その他の点については、この毒はその毒の通常の難易度を用いるが、【耐久力】を基準にした毒の難易度を持つモンスターもいる。
夜目を持つクリーチャーは、星明り、月明かり、松明の明かり、あるいはこれらに近い薄暗い照明の状況下で、人間の2倍遠くまでの距離を見通すことができる。またこのような状況下でも色やものの細部を見分ける能力を保持し続ける。
どの形態であっても、先天性ライカンスロープは自分が取ることのできる動物形態と関連のある動物と意思疎通し、交感することができる。そのような動物の態度に影響を与えるための〈交渉〉判定を行うことができ、それをする場合には判定に+4の種族ボーナスを得る。後天性ライカンスロープはこの能力を動物形態または中間形態の場合にのみ得る。
書式:ライカンスロープの共感(ベアとダイア・ベア); 位置:その他の特殊能力。
動物形態あるいは中間形態の先天性ライカンスロープの噛みつき攻撃は目標の人型生物にライカンスロピーを伝染させる(頑健・無効・難易度15)。犠牲者とライカンスロープのサイズ分類差が1段階以内でなかったら、この能力は何の効果もない。
書式:ライカンスロピーの呪い; 位置:個別の攻撃手段。
神話級の竜は秘術呪文を発動することができ、呪文発動クラスに応じたキャントリップを全て自動的に修得しており、回数無制限で発動することができる。
この能力を持つクリーチャーは、ダメージを与えたクリーチャーを吐き気がする状態とすることができる。わずらわす能力を持つクリーチャーからダメージを受けた生きているクリーチャーはすべて、1ラウンドの間吐き気がする状態となる。頑健セーヴ(難易度10+クリーチャーのヒット・ダイスの1/2+クリーチャーの【耐久力】修正値)に成功すればこの効果を無効にできる。