ミスティック・シーアージ(「神秘の術者」ほどの意)は自分の魔法能力に何ら境界をもうけることがなく、秘術と信仰に同じように情熱をそそぐことを両立しえないパラドックスとはまったく見なしていない。ミスティック・シーアージはありとあらゆる形の魔法を探し求め、単一の息苦しい規範だけに自分の知識を制限する事による自身への教えの否定に対し妥当性や論理性を見出さないが、多くのシーアージはただ単純に限りなきパワーを渇望する。動機がどうであろうと、ミスティック・シーアージは、感じとれるものこそ現実であり、多元宇宙の神々の力やアストラルのエネルギーを通じて、感じとれるものを行使することでこの現実のありようだけでなく運命をも操作し支配できる、と信じている。
ミスティック・シーアージは、すでに秘術呪文と信仰呪文の両方を発動できるマルチクラスのキャラクターを引き寄せ、ミスティック・シーアージが得るパワーは両者の体得をいや増させる。
役割:ミスティック・シーアージはどんなパーティーにとっても強力な構成員であり、攻撃に、防御に、そして治療に魔法を提供する。ミスティック・シーアージは秘術のアーティファクトや神聖なアーティファクト、魔法の伝承、信仰の啓示を求めて世界を旅し、そのグループのゴールが自分のそれと競合するのでなければ、ほとんどの者は冒険者のグループと協力することにまったくうしろめたさを覚えない。
属性:ミスティック・シーアージの動機が利他主義や博愛の精神に由来することはまず滅多にないため、ほとんどの者は真なる中立、中立にして善、中立にして悪に偏りがちだ。秩序属性のミスティック・シーアージは、善であれ中立であれ悪であれ、稀であり、しばしばその力を社会の利益ないし支配のために使用する。職業柄強い自制心が一般に求められるため、混沌属性のミスティック・シーアージはそれよりもっと稀だ。
ミスティック・シーアージになるためには、キャラクターは以下の基準すべてを満たさなければならない。
呪文:2レベルの信仰呪文および、2レベルの秘術呪文を発動できる能力。
ミスティック・シーアージのクラス技能(と各技能の対応能力)は、〈呪文学〉【知】、〈真意看破〉【判】、〈知識:宗教〉【知】、〈知識:神秘学〉【魅】。
レベルごとの技能ランク:2+【知力】修正値。
1日の呪文数 | ||||||
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1 |
+0 |
+0 |
+0 |
+1 |
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2 |
+1 |
+1 |
+1 |
+1 |
― |
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3 |
+1 |
+1 |
+1 |
+2 |
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4 |
+2 |
+1 |
+1 |
+2 |
― |
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5 |
+2 |
+2 |
+2 |
+3 |
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6 |
+3 |
+2 |
+2 |
+3 |
― |
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7 |
+3 |
+2 |
+2 |
+4 |
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8 |
+4 |
+3 |
+3 |
+4 |
― |
|
9 |
+4 |
+3 |
+3 |
+5 |
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10 |
+5 |
+3 |
+3 |
+5 |
以下のすべてがミスティック・シーアージ上級クラスのクラス特徴である。
武器と防具の習熟:ミスティック・シーアージはどんな武器にも防具にも習熟していない。
1日の呪文数:新たなミスティック・シーアージのレベルを得た時に、キャラクターは自分がこの上級クラスに就く前に属していた、秘術呪文が発動できるクラスいずれか1つと、および自分がこの上級クラスに就く前に属していた、信仰呪文が発動できるクラスいずれか1つのレベルが上がったかのように、1日に使える呪文数が増える。しかし、追加の1日の呪文数、追加修得呪文数(準備しない呪文の使い手の場合)、呪文を発動する際の有効レベルの上昇以外に、そのクラスのレベルが上がっていたなら得られたはずの他の利益を得ることはない。キャラクターがミスティック・シーアージになる前に秘術呪文が発動できるクラスを複数、信仰呪文が発動できるクラスを複数とっていたなら、レベルの上昇があるたびに、その新たなレベルをどのクラスにそれぞれ、1日の呪文数を決定するために適用するか決めなければならない。
任意発動する呪文の使い手は、任意発動しないクラスがその日に準備した呪文のみを、その呪文がすでに発動済みであっても、この能力を使用するために選択できる。例えば、クレリック/ソーサラー/ミスティック・シーアージは。1レベル・クレリック呪文スロットを使用してブレス呪文を準備していた場合には、その呪文がすでにその日発動済みであったとしても、2レベル・ソーサラー呪文スロットを使用してブレス呪文を任意発動するために、この能力を使用することができる。