アルケミストは冒険者パーティーと凶悪組織におけるマッド・サイエンティストである。このセクションでは新しいアルケミストの発見と新しいアルケミスト・アーキタイプを紹介する。
以下の新しい発見は前提条件を満たすいかなるアルケミストでも取得することができる。爆弾を修正する発見および単一のアスタリスク(*)が付されている発見は累積しない。そのような発見は個々の爆弾に1つだけ適用することができる。
生贄爆弾/Immolation Bomb*:爆弾を作成するとき、アルケミストはその爆弾の構成物が直撃させた目標の肉体を覆い、一度にすべてのダメージを与える代わりに、時間が経過するにつれダメージを与えるようにすることを選択できる。爆弾の効果は爆弾が通常与えるであろうダメージ・ダイスの数に等しいラウンドだけ持続する(例えば、5d6爆弾は5ラウンド持続する)。爆弾が目標に直接命中すると、爆弾は1d6+アルケミストの【知力】修正値のダメージを与え、飛散範囲内にいるものは1+アルケミストの【知力】修正値のダメージを受ける。爆弾の直撃を受けた目標に対するこのダメージは、生贄爆弾が持続中の各ラウンドに繰り返され、アルケミストのターンの開始時にダメージを与える。飛散ダメージは、生贄爆弾からダメージを受けるときに、直撃を受けた目標に隣接しているクリーチャーに対して再度与えられる。生贄爆弾の直撃によるダメージを受けたクリーチャーは、反応セーヴ(難易度=10+アルケミスト・レベルの1/2+アルケミストの【知力】修正値)を必要とする全ラウンド・アクションにより消火を試みることができる。この爆弾の錬金術的性質のため、地面を転がることでセーヴィング・スローにボーナスが与えられることはなく、クリーチャーが水中に突っ込んでも炎上は止まらない。これらの爆弾は水中で使用することができる。アルケミストは最低3レベルでなければこの発見を選択できない。
攻城爆弾/Siege Bomb*:標準アクションにより、アルケミストは攻城兵器に装填された1発の矢弾に自身の爆弾の力を吹き込むことができる。攻城兵器が次のアルケミストのターンの開始までにこの矢弾を射撃する限り、その矢弾は通常のダメージを与え、さらにアルケミストの爆弾のダメージを与える。爆弾の飛散半径は5フィートではなく20フィートになる。爆弾のダメージ(直撃ダメージまたは飛散ダメージのいずれか)を受けたクリーチャーは、火が消火されるまで毎ラウンド1d6ポイントの[火炎]ダメージを受ける。炎の消火は反応セーヴを要する全ラウンド・アクションである。地面を転がることで目標はセーヴに+2のボーナスを得ることができる。少なくとも2ガロンの水に突っ込んだ目標は自動的に炎を消火する。アルケミストは最低12レベルで爆散爆弾の発見を修得していなければこの発見を選択できない。
毒変換/Poison Conversion:1分間を費やすことにより、アルケミストは1服の毒を元の種別(接触、摂取、吸入、あるいは致傷)から別の種別に変換することができる。例えば、アルケミストは1服の小型センチピード毒(致傷毒)を吸入毒に変換できる。この手順には錬金術実験道具を必要とする。アルケミストは最低6レベルでなければこの発見を選択できない。
吐き気がする肉/Nauseating Flesh:アルケミストの肉体は毒の影響を受ける。アルケミストに噛みつき、包み込み、あるいは飲み込みを行ったいかなるクリーチャーも、頑健セーヴィング・スローに成功しなければ1d4ラウンドの間吐き気がする状態になる。アルケミストは最低12レベルでなければこの発見を選択できない。この発見を取得したアルケミストが自身の吐き気がする肉の効果の影響をうけることはない。
爆発する矢弾/Explosive Missile:標準アクションとして、アルケミストは単一のアロー、クロスボウ・ボルト、あるいは片手火器のブリットに自身の爆弾の力を吹き込み、その矢弾を装填して、遠隔武器で射出することができる。アルケミストがこれを実行するためには、その武器に習熟していなければならない。力を吹き込んだ矢弾はその目標に命中する際に通常のダメージを与え、アルケミストがその目標に投擲した爆弾であるかのように爆発する。外れた場合は爆発する矢弾は爆発しない。アルケミストは最低4レベルでなければこの発見を選択できない。
ブレス攻撃爆弾/Breath Weapon Bomb*:構成要素を引きぬき、爆弾を作成し、投擲する代わりに、アルケミストは構成要素を引き抜き、それを飲み、自らの肉体と混合して、標準アクションによりそれらをブレス攻撃として排出することができる。このブレス攻撃は15フィートの円錐形で、爆弾と同じ 難易度である。円錐内の各クリーチャーはアルケミストの爆弾の直撃を受けたかのようにダメージを受けるが、反応セーヴ(難易度=10+アルケミスト・レベルの1/2+アルケミストの【知力】修正値)に成功するとダメージは半減される。通常の爆弾の投擲、準備、飲用、および排出と異なり、ブレス攻撃爆弾は機会攻撃を誘発しない。アルケミストは最低6レベルでなければこの発見を選択できない。
獣化能力者は怪物の解剖学を研究し、その不思議な力を得る方法を学ぶ。彼らはこれらの能力を複製するためにその知識を使うが、非人間形態を取るためのコストとして変異薬を使用する。
獣化変異薬/Beastform Mutagen:3レベルの時点で、獣化能力者の変異薬は動物的特徴を引き出すようになる──動物、魔獣、動物的人型生物(リザードフォークのような)、あるいは人型怪物のいずれか。例えば、獣化能力者は自身の変異薬を使用するときに、ワーウルフのような毛皮で覆われた鼻口と尖った耳、リザードフォークやサフアグンのような鱗の肌、あるいは巨大昆虫のような複眼と大顎を得る。獣化能力者はまたオルター・セルフ呪文の能力リストから1つを選択し、変異薬が持続する限りこれを獲得する。獣化能力者は変異薬を作成するたびに異なる能力を選択してよい。この能力は即行錬金術と置き換える。
獣化変異薬強化/Improved Beastform Mutagen:6レベルの時点で、獣化能力者の変異薬は獣化能力者に追加の能力とオプションを与える。アルケミストはビースト・シェイプI呪文の能力リストから2つを選択して、変異薬が持続する限りこれを獲得する。獣化能力者は変異薬を作成するたびに異なる能力2つを選択してよい。この能力は即行毒と置き換える。
上級獣化変異薬/Greater Beastform Mutagen:10レベルの時点で、獣化能力者の変異薬は獣化能力者にビースト・シェイプII呪文の能力リストから3つの能力を変異薬の持続する限り与える。獣化能力者は変異薬を作成するたびに、異なる能力3つを選択してよい。この能力は毒に対する抵抗+2、+4、および+6、さらに毒に対する完全耐性と置き換える。
大いなる獣化変異薬/Grand Beastform Mutagen:14レベルの時点で、獣化能力者の変異薬は獣化能力者にビースト・シェイプIII呪文の能力リストから4つの能力を変異薬の持続する限り与える。獣化能力者は変異薬を作成するたびに、異なる能力4つを選択してよい。この能力は持続変異薬と置き換える。
発見:以下の発見は獣化能力者アーキタイプを補完する:大いなる変異薬、凶暴変異薬、上級変異薬、触手、翼、任意治癒、変異薬注入、ミイラ化。
アルケミストの一部はその物理的な変身の原動力として原初の怒りを呼び起こす変異薬を作成する。これらのアルケミストは変質した自己をほとんど制御しない。
激怒変異薬/Rage Mutagen:2レベルの時点で、激怒する錬金術師が【筋力】を向上する変異薬を作成する時、その変異薬の【筋力】へのボーナスは2向上し、アルケミストの【知力】能力値にペナルティを与える。さらに、この変異薬の影響下にある間、アルケミストがダメージを受けるたびにその激怒は大きくなり、有害な影響を伴う。ヒット・ポイントにダメージを受けた各ターンの終了時に、激怒する錬金術師は意志セーヴィング・スロー(難易度15、あるいはそのターンにクリティカル・ヒットから受けたダメージがあれば 難易度20)に成功しなければ、意志セーヴィング・スローと【知力】に-2ペナルティを負う。これらのペナルティは変異薬が終了した1時間後に終了し、自身と累積する。ペナルティによって激怒する錬金術師の【知力】が0に減少した場合、激怒する錬金術師は変異薬の持続時間が終了した1時間後まで昏睡する。この能力は毒の使用と置き換える。
頑丈な激怒/Sturdy Rage:6レベルの時点で、激怒変異薬を使用するたびに、激怒する錬金術師はまた外皮への+4ボーナスを得るが、ダメージを受けたときの意志セーヴィング・スローと【知力】へのペナルティが-4に増加する。この能力は即行毒と置き換える。
ぎこちない激怒/Lumbering Rage:10レベルの時点で、激怒変異薬の能力を使用するたびに、激怒する錬金術師はまた【耐久力】への+2士気ボーナスを得るが、意志セーヴィング・スローと【知力】にペナルティを負う際に【敏捷力】への-1ペナルティも負う。この能力は毒に対する完全耐性と置き換える。