ほとんどの英雄は1つの道を進む――恐るべきファイター、敬虔なるクレリック、強力なウィザードになることを選ぶ――。しかし、複数の道を進むものもいる。彼らにしてみれば、異なるクラスから得られた能力のバランスを見出すことは大変なことだろう。混成クラスは2つのクラスの特徴を混ぜ合わせ、混じり合って機能するようにルールを加えることで、このジレンマを解消する。
継承クラス:以下に示すクラスには、それぞれのクラスに2つのクラスが掲載されている。これはそのクラスが持つ主題の基盤を形作るクラスである。キャラクターは継承クラスと混成クラスのマルチクラスとなることもできるが、普通、冗長な能力を手に入れることとなる。こういった能力は特記がなければ累積しない。クラスの1つが持つクラス特徴が(血脈のように)キャラクターに一度だけ選択させる場合、その選択は継承クラスでなされる類似の選択と適合していなければならないし、その逆も成り立つ(同じ血脈を選択するなど)。
新しい10種のクラスが本項に掲載されている。これらは全て、既存のクラス2種の混成クラスである。新しいクラスを以下に示す。
アーケイニスト:ソーサラーの力にウィザードの多様性を組み合わせたのがアーケイニストだ。アーケイニストは魔法と自らの意志を混ぜ合わせ、力の蓄積を組み上げる。
インヴェスティゲーター:ローグの賢さをアルケミストの魔法の才能で補強したのがインヴェスティゲーターだ。インヴェスティゲーターは他に類を見ない問題解決の名手である。
ウォープリースト:クレリックの神の力とファイターの武術を混ぜ合わせたのがウォープリーストだ。ウォープリーストは信仰の敵に戦いをもたらす。
シャーマン:オラクルの信仰の力とウィッチの呪術を喚び出すのがシャーマンだ。シャーマンは敵に破滅をもたらすため、霊獣と心を通わせる。
スカルド:歌と行動で怒りを分け合うのがスカルドだ。スカルドはバーバリアンの心に住まう怒りを理解し、バードの呪芸で他人の怒りを鼓舞する。
スレイヤー:ローグの精密な攻撃とレンジャーの特別な訓練を混ぜ合わせたのがスレイヤーだ。スレイヤーは冷酷と言える効率で敵を狩る。
スワッシュバックラー:ファイターの武威とガンスリンガーの決意を組み合わせたのがスワッシュバックラーだ。スワッシュバックラーは曲芸のような接近戦を行う。
ハンター:ドルイドとレンジャーはいずれも動物の相棒を持つ。しかしハンターはこの絆をさらに一段高め、獰猛な仲間と恐るべき連係攻撃を行う。
ブラッドレイジャー:バーバリアンの狂乱にソーサラーの血脈の力を注ぎ込んだのがブラッドレイジャーだ。ブラッドレイジャーは自分に超常的な能力を与えるため、生来の力を呼び下ろす。
ブローラー:白兵戦に特化したブローラーは、モンクの武芸にファイターの専門的な訓練を組み合わせている。
以下のルールは、Pathfinder RPG Core Rulebookに掲載された種族の一員が、本書に掲載されたクラスから選択した適性クラスのレベルを得た際の代替報酬である。種族適性クラス・オプションはPathfinder RPG Advanced Race Guideで導入されたもので、Core Rulebook、Pathfinder RPG Advanced Player's Guide、Pathfinder RPG Ultimate Combat、Pathfinder RPG Ultimate Magicの基本クラス全てに対応している。
これらの報酬は適性クラスのレベルを得たときに得られる通常の報酬(1追加ヒット・ポイントもしくは1追加技能ランクを得る)を置き換える。このような通常の報酬とは異なり、代替適性クラス・オプションは特定のクラスの特徴と多様な種族の一般的な傾向に目を向けたものだ。
レベルを得る際、君はどの適性クラス・オプションを得るかを選択することができる。特記無い限り、これらの利益は常に互いに累積する。
多くの代替クラス・オプションは(1ではなく)わずか1/2、1/3、1/4、1/6をその利益を得るたびにロールに加えたり、1/2、1/3、1/4、1/6をクラス能力に加える(ブラッドレイジャーの1日の血の激怒の回数やスワッシュバックラーの心意気ポイントの合計に加える、など)。こういった利益をダイス・ロールやクラス能力に適用する際、常に切り捨てる(最低0)。そのため、利益を得られるまでには、何回かこういったオプションを選択する必要があるだろう。
オプションの中には数値的な上限が定められているものもある。上限を超えてこういった適性クラス・オプションを選択しても、一切効果はない。このような場合、君はいつも適性クラスのレベルを得る際に標準の報酬(1追加ヒット・ポイントもしくは1追加技能ランクを得る)を選択することができる。
エルフの優雅さと知性は多くのクラスで役に立つ。掲載された適性クラスを持つエルフ全ては、以下のオプションを選択することができる。
アーケイニスト:アーケイニストの秘術蓄積のポイント合計を1だけ増加させる。
インヴェスティゲーター:インヴェスティゲーターの閃きプールの合計ポイントを1/3だけ増加させる。
ウォープリースト:1日にウォープリーストが使用できる祝福の使用回数に1/2を加える。この追加の祝福は風、植物、太陽、動物、魔術、魅了の領域用としてのみ使用することができる。
シャーマン:選択したシャーマンの呪術1つの距離に5フィートを加える。この能力から得られた複数のボーナスを同じ呪術に適用することもできるが、呪術1つには最大で追加30フィートまでしか適用できない。
スカルド:熟達者クラス特徴から得られるボーナスを1/4だけ増加させる(最大+8)。
スレイヤー:〈生存〉判定及び〈知覚〉判定に対する観察のボーナスを1/4だけ増加させる。スレイヤーが忍び寄るものクラス特徴を得たなら、〈隠密〉判定に対する観察のボーナスにもこの増加を適用する。
スワッシュバックラー:スワッシュバックラーの心意気のポイント合計を1/4だけ増加する。
ハンター:以下から武器を1つ選択する。ショートソード、ショートボウ、レイピア、ロングソード、ロングボウ、名前に“エルヴン”とある武器。この種別の武器を使用した際のクリティカル・ロールに+1/2ボーナスを得る(最大+4)。このボーナスは《クリティカル熟練》や類似の効果から得られたボーナスと累積しない。
ブラッドレイジャー:ブラッドレイジャーの基本移動速度に1フィートを加える。戦闘において、この効果は基本移動速度が5フィート増加するたびに効果を現す。このボーナスはブラッドレイジャーの高速移動クラス特徴と累積し、高速移動と同じ状況や条件で効果を現す。
ブローラー:ブローラーの基本移動速度に1フィートを加える。戦闘において、この効果は基本移動速度が5フィート増加するたびに効果を現す。
ドワーフのたくましさと屈強な意志は、とりわけ武勇を誇るクラスに向いている。しかし魔法を失うことを想像したものは、自らの過ちをすぐに学び取る。掲載された適性クラスを持つドワーフ全ては、以下のオプションを選択することができる。
アーケイニスト:アーケイニストの秘技にある秘術の障壁と秘術の武器の効果を決める際、アーケイニストの有効クラス・レベルに1/4を加える。
インヴェスティゲーター:地下にいるときの〈知覚〉判定に+1/4のボーナスと、石造りの罠に関するインヴェスティゲーターの罠感知能力に+1/2のボーナスを得る。
ウォープリースト:ウォープリーストが1日に祝福を使用する回数に1/3を加える。ただし、この追加の使用回数は、武器もしくは防具に効果を及ぼす祝福にのみ使用することができる。
シャーマン:シャーマンの霊獣の外皮ボーナスに1/4を加える。
スカルド:重装鎧を身につけてスカルド呪文を発動する際、秘術呪文失敗確率を1%軽減する。減少量の合計が10%になったなら、スカルドは(既に修得していなければ)《鎧習熟:重装》を得る。
スレイヤー:地下における〈生存〉判定と〈知識:ダンジョン探検〉判定に+1/3のボーナスを得る。スレイヤーがこの能力で〈知識:ダンジョン探検〉判定に+1のボーナスを得たなら、この技能を訓練したものと見なす。
スワッシュバックラー:ヘヴィ・ピックかライト・ピックを用いた精密打撃の発露による追加ダメージを決定する際、スワッシュバックラーの有効レベルに1/4を加える。《斬撃の優美》特技もしくは類似の効果を得ている場合、スワッシュバックラーはバトルアックスおよびハンドアックスを刺突ダメージを与える片手近接武器として扱うことができ、その特技の適切な武器を手にしている際にもこの利益を得る。
ハンター:ハンターが地下に住む動物や魔獣に影響を及ぼすために行う、野生動物との共感判定に+1/2のボーナスを得る。
ブラッドレイジャー:ブラッドレイジャーが1日に使用できる血の激怒のラウンド数が1だけ増加する。
ブローラー:ブローラーが素手打撃で攻撃した、粘土、石、金属で作られた物体の硬度を1だけ減少させる(最低0)。
人間は新しいやり方にすぐに順応し、自分達が有利になるのであればすぐに新しい隙間を埋めてしまうことで、Pathfinderキャンペーン・セッティングにおいて最も目につく種族という地位を得た。掲載された適性クラスを持つ人間全ては、以下のオプションを選択することができる。
アーケイニスト:アーケイニスト呪文リストから呪文を1つ選び、アーケイニストの呪文書に加える。この呪文はアーケイニストが発動できる最高レベルから、1レベル以上低いものでなければならない。
インヴェスティゲーター:インヴェスティゲーターの処方リストからエキスの処方を1つ選び、処方書に加える。この処方はインヴェスティゲーターが作成できる最高レベルから、1レベル以上低いものでなければならない。
シャーマン:シャーマン呪文リストに掲載されていないがクレリック呪文リストに掲載されている呪文を1つ選び、シャーマンが修得している呪文の一覧に加える。この呪文はシャーマンが発動できる最高レベルから、1レベル以上低いものでなければならない。
スカルド:スカルド呪文リストから呪文を1つ選び、スカルドが修得している呪文の一覧に加える。この呪文はスカルドが発動できる最高レベルから、1レベル以上低いものでなければならない。
スワッシュバックラー:スワッシュバックラーの心意気ポイントの総数が1/4だけ増加する。
ハンター:ハンターの動物の相棒に1技能ランクを加える。ハンターが動物の相棒を変更すると、新しい動物の相棒がこのボーナスを得る。
ブラッドレイジャー:ブラッドレイジャーが1日に血の激怒を行えるラウンド数が1ラウンドだけ増加する。
ブローラー:ブローラーは戦技を2つ選択する。選択した戦技に抵抗する際、ブローラーの戦技防御値に+1のボーナスを得る。
ノームは生まれながらに好奇心旺盛で、選んだものが何であれそれを完遂しようと没頭する。しばしば力強く新しい方向に向けて実践を行う。掲載された適性クラスを持つノーム全ては、以下のオプションを選択することができる。
アーケイニスト:1日に得られる秘術蓄積ポイントに1/6を加える。
インヴェスティゲーター:インヴェスティゲーターの処方リストからエキスの処方を1つ選び、処方書に加える。この処方はインヴェスティゲーターが作成できる最高レベルから、1レベル以上低いものでなければならない。
ウォープリースト:種別が植物、動物、フェイであるクリーチャーの傷を癒やす際、ウォープリーストのエネルギー放出の結果に1/2を加える。
シャーマン:シャーマンは新しいシャーマンの呪術を1/6個得る。
スカルド:スカルド呪文を発動する際、精神集中判定に+1のボーナスを得る。
スレイヤー:スレイヤーは新しいスレイヤーの技を1/6個得る。
スワッシュバックラー:スワッシュバックラーが1日に使用できる不死身の回数が1/4回だけ増加する。
ハンター:ハンターの動物の相棒にダメージ減少1/魔法を加える。更にレベルが上がってこのオプションを選択するたびに、ダメージ減少は1/2だけ増加する(最大ダメージ減少10/魔法)。ハンターが動物の相棒を変更すると、新しい動物の相棒がこのボーナスを得る。
ブラッドレイジャー:ブラッドレイジャーの血脈の力による能力を決定する際、ブラッドレイジャーの有効レベルに1/4を加える。
ブローラー:ブローラーが多様なる武術を1日に使用する回数が1/4回だけ増加する。
ハーフエルフの両親の長所を併せ持ち、素晴らしい多様性を備える。掲載された適性クラスを持つハーフエルフ全ては、以下のオプションを選択することができる。
アーケイニスト:アーケイニストの心術呪文を発動する際、有効術者レベルに1/3を加える。この効果は、持続時間を決定する際にのみ有効である。
インヴェスティゲーター:全ての閃きロールに+1/4のボーナスを得る。
ウォープリースト:ウォープリーストのエネルギー放出能力でダメージを与えたり回復したりする値に+1/3のボーナスを得る。
シャーマン:シャーマン呪文リストにないクレリック呪文リストの呪文1つを、シャーマンの修得している呪文の一覧に加える。この呪文はシャーマンが発動できる最も高い呪文レベルから、少なくとも1レベル低いものでなければならない。
スカルド:スカルドが1日に使用することのできる激怒の歌の使用回数に1を加える。
スレイヤー:フェイントのための〈はったり〉判定と、情報収集を行うための〈交渉〉判定に+1/2のボーナスを得る。
スワッシュバックラー:スワッシュバックラーが1日に不死身を使用する回数が1/4回だけ増加する。
ハンター:ハンターの相棒の基本移動速度に1フィートを加える。戦闘において、この効果は基本移動速度が5フィート増加するたびに効果を現す。
ブラッドレイジャー:血の庇護から得られるボーナスを1/4だけ増加する。
ブローラー:ブローラーが足払いや蹴散らし戦技に抵抗する際、戦技防御値に1を加える。
ハーフオークは人間の多様性とオークの凶暴性を兼ね備えている。掲載された適性クラスを持つハーフオーク全ては、以下のオプションを選択することができる。
アーケイニスト:アーケイニスト呪文を発動する際、ダメージを受けたために行う精神集中判定に+1のボーナスを得る。
インヴェスティゲーター:調査戦闘を使用している間、クリティカル・ロールに+1/3のボーナスを得る(最大ボーナスは+5)。このボーナスは《クリティカル熟練》や類似の効果によって得られたボーナスとは累積しない。
ウォープリースト:瀕死状態の際、容態安定化のために行うロールに+2のボーナスを得る。
シャーマン:シャーマン呪文リストにないクレリック呪文リストの呪文1つを、シャーマンの修得している呪文の一覧に加える。この呪文はシャーマンが発動できる最も高い呪文レベルから、少なくとも1レベル低いものでなければならない。
スカルド:スカルドが1日に使用することのできる激怒の歌のラウンド数を1だけ増加する。
スレイヤー:急所攻撃を使用する間に行うクリティカル・ロールに+1/3のボーナスを得る(最大ボーナスは+5)。このボーナスは《クリティカル熟練》や類似の効果によって得られたボーナスとは累積しない。
スワッシュバックラー:精密打撃の発露を使用している間、全てのクリティカル・ロールに+1/3のボーナスを得る(最大ボーナスは+5)。このボーナスは《クリティカル熟練》や類似の効果によって得られたボーナスとは累積しない。
ハンター:ハンターの動物の相棒に1ヒット・ポイントを加える。ハンターが動物の相棒を入れ替えた場合、新しい動物の相棒はこのボーナス・ヒット・ポイントを得る。
ブラッドレイジャー:ブラッドレイジャーが1日に血の激怒を使用できるラウンド数を1だけ増加する。
ブローラー:素手打撃のダメージを決定する際、ブローラーの有効レベルに1/4を加える。
ハーフリングは他の種族の社会に交じり共存する。彼らは非常に順応性が高く、世界の新しい見方を見つけ、魔法や武術の技を実践する。掲載された適性クラスを持つハーフリング全ては、以下のオプションを選択することができる。
アーケイニスト:新しいアーケイニストの秘技を1/6個得る。
インヴェスティゲーター:インヴェスティゲーターの処方リストから、エキスの処方を1つ処方書に加える。この処方はインヴェスティゲーターが作ることのできる最高レベルの処方よりも1レベル以上低いものでなければならない。
ウォープリースト:清浄なる武器のダメージを決定する際、ウォープリーストの有効レベルに1/4を加える。
シャーマン:霊獣の外皮修正、【知力】、特殊能力を決定する際、シャーマンの有効レベルに1/2を加える。
スカルド:以下の一覧から武器を1つ選択する。スリング、ダガー、名前に“ハーフリング”と付けられた武器。この種別の武器を使用した際のクリティカル・ロールに+1/2ボーナスを得る(最大+4)。このボーナスは《クリティカル熟練》や類似の効果から得られたボーナスと累積しない。
スレイヤー:スレイヤーが観察した目標に対するアーマー・クラスに+1/4の回避ボーナスを加える。
スワッシュバックラー:スワッシュバックラーが1日に不死身を使用する回数が1/4回だけ増加する。
ハンター:ハンターの動物の相棒は、セーヴィング・スローに+1/4の幸運ボーナスを得る。ハンターが動物の相棒を変更すると、新しい動物の相棒がこのボーナスを得る。
ブラッドレイジャー:血の激怒の間、ブラッドレイジャーよりも1段階以上大きいクリーチャーに対するアーマー・クラスに+1/4の回避ボーナスを得る。