調査

調査 Research

出典 Ultimate Intrigue 148ページ

知識だ。それは古代のダンジョンでも女王の宮廷でも変わらない。パスファインダー・ロールプレイング・ゲームでは、様々な〈知識〉技能でキャラクターが様々な分野の研究に通じていることを表している。〈知識〉判定はしばしば特定の質問に答えるために使われる。しかし、にキャラクターが〈知識〉判定に失敗する可能性があったり成功のがない場合もある。そのようなほど、探している知識が忘れられたものであったり、隠されたものであったり、単純技能判定で明らかにすると盛り上がりに欠けるような物語で重要なものであったりする。

そこで調査がゲームに登場する。以下のルールでは、キャラクターは図書館を訪れ、その文献を使って新しい情報発見することができる。パスファインダーRPGコア・ルールブックに記載されているように、モンスター識別や地域の噂、神格聖印聖職者を対応づけるなど、単純な質問は依然として一回の〈知識〉判定で回答できるだろう。しかしこのルールでは歴史から名前の失われた古代ファラオの詳細な研究、地獄の契約の解釈、難解な伝承に関する包括的な文献調査といった、より複雑な問題に対応している。多くのキャラクターの構想は知識の探究に焦点を当てているため、以下のルールを使って図書館でテーマを調べることに時間を費やすことは、キャラクターやパーティのそういった側面を表に出す楽しい方法である。

これらのルールは、あらゆる伝承知識貯蔵庫調査を表現できる。えば、実際の図書館、広大な歴史的保管庫、複雑な法的契約市役所記録保管所、古代の巻物貯蔵庫神秘的な伝承魔法文献、ウィザードの個人的な本と巻物のコレクション、サイキックの記憶宮殿など。ただし、これらのルールでは、図書館という用語でこれらありうる要素を包括して表現する。


図書館の使用 Using a Library

出典 Ultimate Intrigue 148ページ

どの図書館にも主要なデータが2つある。1つは複雑度であり、図書館の蔵書がどれだけ複雑で紛らわしいかを示す。もう1つは知識ポイント(KPと略記する)であり、図書館の収集した情報の合計を抽象的に示したものだ。

図書館内の特定の項や質問を調査するために、キャラクターは図書館データ・ブロックに書かれている技能のいずれか1つを使用して、調査判定に成功する必要がある。ここでは、図書館のサンプルデータ・ブロックを示す。調査判定〈知識〉判定に似ているが、それぞれの図書館データ・ブロックには、その図書館の蔵書の性質に基づいて、調査判定に使用できる特定の技能が記載されている。図書館複雑度は、その図書館手がかりを解明しようとする調査判定難易度として機能する。

調査判定を試みるには、連続した8時間調査期間が必要で、出10や出20を使用できない。8時間調査時間を費やすたびに、調査判定累積する+1のボーナスを得る。調査者が1ヶ以上同じ図書館での調査をやめた場合、これまでのその図書館で獲得した累積ボーナスは失われる。主となる調査者を援護するために、追加でキャラクター2人までが援護アクションを行うことができる。加えて、一部の図書館はその蔵書の深さと完全性により、知識ボーナスを与える。このボーナスは、図書館内で行われる特定の〈知識〉判定調査判定を含む)に対するボーナスを与える。通常調査判定は未訓練の技能を使うことはできない。ただし、図書館の蔵書が極めて広範囲で、未訓練であっても判定できる場合もある。この情報は、図書館データ・ブロックに記載されている。

調査判定に成功すると、クリーチャーヒット・ポイントダメージを与える場合と同じように、図書館のKPを減らすことができる。KPが減少すると、KPが調査の閾値に達するたびに、キャラクターは図書館データ・ブロックに記載されている情報を取得する。調査判定が成功した場合にどれだけのKPが減らされるかは、主の調査者の性質と図書館種類によって決まる。これは通常、キャラクターの訓練と【知力】を反映したもので、キャラクターの能力値修正によって修正されたダイス・ロールで表現される。詳細は後述の専門知識による調査参照

これらの基本値に加えて、調査判定図書館複雑値を5上回るごとに、図書館のKPが1ポイント減少する。調査判定で出20を出すことは、クリティカル可能状態と同様に扱われる。調査者がまったく同じ修正値を使用してもう一度調査判定を行って(この判定には追加の時間はかからない)成功すればクリティカル・ヒットが確定し、KPの減少量は2倍になる。逆に調査判定の出が1だった場合、自動的に失敗するだけでなく、図書館複雑さのために調査者が間違った調査の道を辿ることにより、図書館のKPが最大KPの1/4だけ増加する。

図書館のKPが0になると、キャラクターはその図書館からできるだけのことを学び、図書館脅威度に従って経験点を得る。追加の情報を得るためには、他の図書館を訪れ、そこで調査を続ける必要がある。

専門知識による調査 Research by Expertise

出典 Ultimate Intrigue 148ページ

調査判定に成功すると、図書館のKPがある程度減少する。これはちょうど、戦闘での攻撃ロールが成功すると、クリーチャーヒット・ポイントが減少するのと同じだ。この量は、調査判定に使用した技能における主の調査者の訓練によって決まる。主の調査者がその技能に10ランクを割り振っているか、その技能に対する《技能熟練》を修得しているか、その技能クラス技能でかつ5ランクを割り振っているかのいずれかならば、1d12+【知力】修正値に等しい値だけKPを減少させる。主の調査者がその技能に5ランクを割り振っているか、その技能クラス技能であるかのいずれか(だが両方ではない)場合、1d8+【知力】修正値に等しい値だけKPを減少させる。それ以外の場合、主の研究者は1d4+【知力】修正に等しい値だけKPを減少させる。

代替能力値/Alternate Ability Scores:GMが望むなら、〈知識〉判定で用いる能力値【知力】から別の能力値に置き換える能を持つキャラクター(伝承オラクルシャーマンなど)は、KPを減少させる際、同様に【知力】の代わりにその能を使用しても良い。さらに、特定の図書館での調査に適したキャラクターは、別の能力値修正を用いて判定の結果を変更することができる場合がある。えば、戦闘学校図書館で研究を行っているファイターブローラーは、その結果に【知力】修正値ではなく【筋力】修正値を使用することができるかもしれない。キャラクター・クラスアーキタイプ上級クラスその他の選択できる項に使用可能な様々なオプションを使用して、特定の図書館での調査にどのキャラクターが最も適しているかを決定するのは、最終的にはGMの仕事だ。

キャラクター・クラスを用いる選択ルール/Character Class Variant:この選択ルールでは、図書館のKPがどの程度減少するかは、記載された技能の訓練度合いではなく、調査しているキャラクターのクラスによって異なる。この選択ルール的において、キャラクター・クラスは3つの大まかな調査者区分、博学者、学者、初心者に分けることができる。博学者はスカルドバードローアマスターのような、未訓練の〈知識〉判定を行える能を持つキャラクターである。博学者は調査判定に成功すると、図書館のKPを1d12+【知力】修正値だけ減少させる。学者は学術的な人物で、【知力】に基づく呪文使いアルケミストインヴェスティゲーター伝承オラクル伝承シャーマンである。学者調査判定に成功すると、図書館のKPを1d8+【知力】修正値だけ減少させる。他の全てのキャラクターは初心者として扱われ、教育を受けていないか学術調査の訓練を受けていない。初心者は調査判定に成功すると、図書館のKPを1d4+【知力】修正値だけ減少させる。

しかし、特定のキャラクター・クラスはそのクラスと能に特に関連のある研究分野に焦点を当てた蔵書を持つ、特定の図書館での調査に適しているかもしれない。えば、自分の信仰と関連の深い宗教図書館調査するインクィジタークレリックは、初心者ではなく博学者や学者とみなされるかもしれない。また、有名な国防大学調査するキャヴァリアーウォープリースト学者とみなされる一方で、アーケイニストウィザードは初心者として扱われるかもしれない。


図書館のデザイン Designing a Library

出典 Ultimate Intrigue 149ページ

本章の最後にいくつかの図書館のサンプル紹介するが、冒険の物語や登場人物と対話するために特別に設計された図書館と合わせて使用すると、調査ルールを最も活かすことができる。次の指を使用することで、キャンペーンの要求に合わせた図書館作成できる。

ステップ1図書館の蔵書の性質の決定/Step 1 - Determine the Nature of a Library's Collection:まず、どのような種類図書館を作りたいのか、どのような種類知識を保管しているのか、一般的なアイデアを考え出すこと。それは小さな村の図書館だろうか、首都の広大な、歴史的な蔵書量を誇るものだろうか? 最近発見された、忘れられていた修道院の保管庫だろうか、それとも有名な作家のメモを集めたものだろうか? 魔法と不穏な儀式でいっぱいの古代の蔵書なのかもしれない。この図書館PCが得られる情報は、その内容次第である。つまり、行方不明の王位継承者の正当な祖先について収められている図書館は、死霊術師による不死者の疫病の治療方法を収めた図書館とは異なる可能性が高い。

ステップ2調査判定技能の決定/Step 2 - Determine Research Check Skills:調査判定で使用できる〈知識〉を割り当てること。これらの技能図書館全体のテーマに関連するものでなければならない。図書館には通常調査判定に使用できる〈知識〉が3つある。しかし小規模図書館では2つしか割り当てられないこともあるし、ほかに類を見ないほど大規模な蔵書を持つなら4つ以上割り当てられることもあり得る。もし図書館をこれらの技能のいずれかは未訓練でも使用できるものとするなら、それも決めておくこと。

ステップ3知識ボーナスの決定/Step 3 - Determine Knowledge Bonus:調査判定に使用される〈知識〉判定ボーナスを与えるかどうかを決定すること。全ての図書館ボーナスを与えるわけではないが、特定の研究分野に焦点を当てている図書館は、ほとんどの場合関連する〈知識〉知識ボーナスを与える。典型的な図書館では、図書館規模と蔵書の質に応じて、+2~+5までの知識ボーナスを与える。

ステップ4脅威度の決定/Step 4 - Determine 脅威度特定の冒険やキャンペーンの要望に応じて、通常PCの平均パーティ・レベル(APL)に基づいて図書館脅威度を決めること。脅威度が高ければ高いほど、キャラクターが調査を終わらせるのが難しくなる。表12-1を参照し、パーティに適した脅威度を決定すること。このとき、遭遇と同じ難易度の指(簡単、並、歯応えがある、困難、伝説的)を用いること。えば、6レベルのPC4人のパーティなら、脅威度6図書館は並の難易度であり、脅威度5は簡単で、脅威度7は歯応えがあり、脅威度8困難で、脅威度9は伝説的だ。図書館脅威度を増やしても時間制約(ステップ7参照)も失敗に対するペナルティその他の要素参照)も存在しないため、いつかは調査が成功することを止められないことは覚えておこう。これらの要素をいずれも使用せずに、低レベルのパーティに対して極めて高い脅威度図書館を設定する場合、同じ脅威度モンスターと同様ではなく、適切な経験点に変更すること(減少させるか、一切与えないかになる)。

ステップ5複雑度の決定/Step 5 - Determine Complexity:図書館複雑度はかなり挑戦的なものであるべきだ。なぜなら、調査のルールでは、最高の調査者が主の調査者となり、他の調査者が援護するために2回の判定が認められ、しかも調査判定に追加のボーナスが加えられることは多く、継続する調査判定累積するボーナスが与えられるのが前提だからである。単純図書館については、表3-3に基本難易度を示す。並の図書館の場合、難易度に5を加えること。歯応えがある図書館の場合、難易度に10を加えること。極めて困難図書館の場合、君は更に複雑度を上げることさえできるが、このような図書館での調査非常に困難であるため、代わりに図書館脅威度を増やす方が理にかなっているかもしれないことに注意。

ステップ6-KPの計算/Step 6 - Calculate Knowledge Points:図書館のKPの合計値は、図書館脅威度×3に等しいことが多い。

表3-3:脅威度ごとの図書館の複雑度 Library Complexity by 脅威度

脅威度

基本難易度

1

11

2

13

3

14

4

15

5

16

6

18

7

19

8

20

9

22

10

24

11

26

12

27

13

28

14

30

15

31

16

33

17

34

18

36

19

38

20

40

ステップ7時間制約の決定/Step 7 - Determine the Time Pressure:調査判定における累積ボーナスのおかげで、最終的には調査技能を訓練済みの1レベルのキャラクターであっても、脅威度20図書館を完全に調査できるようになる。時間制約や失敗によるペナルティその他の要素参照)がなければ、調査ルールはストーリーの進行を不必要に遅らせるだけになる。なぜなら、結果は問題にならないからだ。そのため、ほとんどの調査任務では、PCが成功するまでの日数に厳しい制限を設ける必要がある。図書館のKPを減らすPCの能は、図書館のKPほど迅速には拡大しない。そのため、低レベル図書館はKPを0に減少させるために1~2回の調査判定を成功させる必要がある。その一方で、最も学術的な人物であっても、脅威度20図書館のKPを0にすることを期待するには6回の成功(より劣った調査者が率いている場合には、最低でも12回の成功)が必要だ。このように、低い脅威度図書館はその調査の完了までに1週間程度の時間制約で十分だが、高い脅威度図書館は、その調査の完了までに2週間~1ヶを必要とする。いつものように、時間制約を設計するときは、自分のグループを把握しておこう。もし高レベルのパーティに関連する技能のどれかで数ランク以上の人がいなければ、図書館調査が完了する前に累積ボーナスを貯めるために、より多くの時間がかかるだろう。

ステップ8調査閾値の決定/Step 8 - Determine Research Thresholds:図書館のデザインの最後のステップは、調査閾値の設定だ。一般に、25KP以下の図書館では5KP間隔で1つの調査閾値を持ち、5KP毎に調査結果が明らかになる。また、30KP以上の図書館では10KP間隔で1つの研究閾値を持ち、10KP毎に調査結果が明らかになる。しかしこれはあくまでも指であり、調査閾値の正確な数とその頻度は、図書館にどれだけの情報が収められているか、あるいは物語がどれだけの情報を必要としているかによって決定されるべきだ。えば、30KPの図書館は、20KP、10KP、0KPの調査閾値を持つように設定することもできるし、その代わりに25KP、20KP、10KP、8KP、0KPで情報を明らかにしても良い。

図書館調査閾値の数と頻度を決定したら、それぞれの調査閾値で明らかになる特定の情報を決定すること。調査の段階で得られた知識は、伝えたい物語やキャラクターが調査している内容に基づいている、独自のものでなければならない。また、新しく明らかになる情報は前に得られた情報に基づいて構築されており、より具体的な情報と役に立つ側面に絞り込まれるものだ。

その他の要素 Additional Elements

出典 Ultimate Intrigue 151ページ

以下の要素を組み込むことで、調査をより困難にし、恩恵を与えるようにし、あるいは危険になるように図書館調整できるようになる。

追加言語/Additional Languages:共通語以外の言語で書かれた書物だけで図書館を構成することもできる。そのような図書館調査判定を試みるには、その言語を話せないキャラクターは〈言語学〉判定に成功するか、コンプリヘンド・ランゲージズのような魔法を通してでなければならず、この場合の魔法調査の8時間の間でずっと効果を発揮していなければならない。〈言語学〉判定難易度言語調査者によって決まる。民族語や国民語のような現在の人間の言語や、キャラクターの種族ボーナス言語に含まれる人間以外の言語エルフが森語の文書を調査しようとする場合など)の場合、難易度は20だ。キャラクターの種族ボーナス言語に含まれない、人間以外の言語ドワーフノール図書館調査する場合など)や秘密の言語ドルイド語など)の場合、難易度は25だ。古代語や古文、忘れられた言語、異世界の言語、極めて珍しい言語の場合、難易度は30だ。〈言語学〉を使用するキャラクターは翻訳を行うため、通常頻度の1/3の頻度進行する(累積する+1のボーナスを得るために8時間調査を3回行う必要がある)。また、〈言語学〉あるいは魔法を使用するキャラクターは、母語であれば明らかにわかる意図の把握により多くの間がかかるため、調査判定に-2のペナルティを受ける。

迷宮と隠し部屋/Labyrinths and Secret Chambers:図書館の中には迷宮になっているものもある。それはごちゃごちゃしすぎてパズルのようになっているものもあれば、意図的に秘密を隠すように設計されているものもある。迷路じみてないものの、深淵の秘密は隠されたの中や、最も意志の強いものだけが発見できる秘密の部屋の中にあるかもしれない。

迷宮の場合、到達したKPの閾値毎に、調査者は図書館混乱した隘路や曲がり道に深く入り込む。自分の求める道を見つけたり、次のKPの閾値への経路を見つけたりするには、慎重計画するか(物体痕跡だったり、糸を辿って戻ったり)、経路を見つけるために【知力】判定に成功する必要がある。【知力】判定難易度は10、15、20などがあるが、図書館の大きさに応じた時間がかかる。それぞれの試みは数分や数時間だが、図書館が本当に巨大か異次元のものであれば数日かかってもおかしくない。調査者が出口を探している間、調査を進めることはできない。

隠し部屋の場合、一般には、KPの閾値が破られる前に、そのような場所への発見されなければならない。あるいは、そうした部屋シークレット・ページで隠され不可視の墨で書かれた一枚のようなより象徴的な物かも知れないし、秘密が明らかになり調査を進められるようになる前に念術決闘が要求されるかも知れない。

図書館での遭遇/Library Encounters:図書館にあるのは本と巻物だけではない。図書館は独立した部屋部屋を異なる遭遇場所として扱うことで、冒険やダンジョンに変えることができる。PC図書館調査を行う際には、図書館に住むモンスターうことも、自分の調査に没しているNPCとロールプレイすることもできるし、災厄やその他障害(崩れそうな天井やイクスプローシヴ・ルーングリフ・オヴ・フォーディングシークレット・ページシンボルファイアー・トラップ、あるいは単にガタガタの梯子や不安定な棚)を突破することもあり得る。

加えて、図書館のあるひと部屋調査するだけでは、キャラクターが図書館のKPを限られた値しか減らせないかもしれない。図書館のKPを完全に0にするには、PCはおそらく図書館内の複数の蔵書にあたり、調査完了までにそれらの部屋の全ての危険に対面しなければならない。ある図書館では定期的に護衛を生み出し、PC図書館のKPを0に減らすまで毎日あるいは毎週、遭遇しなければならなくなるかもしれない。

失敗によるペナルティ/Penalty for Failure:図書館の中には非常に複雑混乱させるものがある。それらでは調査判定に失敗すると、調査者の進捗が妨げられたり、頓挫したりする。これは何十年にも渡って蓄積されてきた、老齢のウィザードの本の寄せ集めのように極端に整理されていなかったものかもしれないし、地獄の契約のように意図的に読みにくくしていることが原因かもしれない。そのような図書館では、特定の回数の調査判定の後、あるいは調査判定が失敗した後に、様々な特殊ペナルティが発生する可能性がある。このような図書館では、調査判定における8時間毎の累積ボーナスが得られないかもしれない。加えて、調査判定に2回連続して失敗することで、調査者が調査の行き詰まりに達し、図書館のKPをこれ以上減らせないことになる場合もある。この場合、図書館のKPは最大値に戻り、調査者は図書館に関連した技能の1つ以上にランクを新たに割り振るか、解読するのに役立つなんらかの鍵または掛かりを取り戻すまで、特定の図書館での調査を再び試みられなくなる。

調査報酬/Research Rewards:キャラクターは図書館知識以上のものを得ることができる。貴重な財宝も見つかるかもしれない。GMは図書館のKPが特定の調査閾値にまで減少したときにのみ発見される財宝を図書館に配置できる。そのような財宝は巻物呪文書魔法手順書や書物の形をしていることが多く、また、ヘッドバンド・オヴ・ヴァスト・インテリジェンスヘルム・オヴ・コンプリヘンド・ランゲージズ・アンド・リード・マジックのような「知的な」アイテムの形をしていることもある。ロッドワンドフィギュリーン・オヴ・ワンドラス・パワークリスタル・ボールのような物体は、熱心な調査者によって発見されるのを待ちながら、より大きな本の山に埋れたり、隠されていることもある。

技能/Specialized Skills:特定の〈知識〉技能図書館調査判定に割り当てる代わりに、デフォルトの調査判定技能〈言語学〉を使用し、図書館の蔵書の特定の性質を反映する専技能を割り当てることもできる。このような図書館調査を行うためには、キャラクターは〈言語学〉判定か、図書館データ・ブロックに書かれている専技能1つの判定に成功しなければならない。この〈言語学〉判定調査判定通常のルール全てに従うが、調査者が専技能調査を進める場合、一般的な〈言語学〉を用いた場合とは異なり、+2の状況ボーナスを得る。これは、その図書館におけるより適正な技能を使用したことを示している。それ以外の点については、この要素は調査判定の他の全てのルールに従う。〈知識〉以外の技能も専技能になり得る。えば、軍事図書館では専技能として〈職能:軍人〉を持つかもしれないし、有名な戯曲をまとめた保管所では〈芸能:演劇〉を持つかもしれない。難解な魔法の書籍であれば専技能〈呪文学〉を持つ場合もあるだろう。専技能による状況ボーナスは、図書館が専技能ルールを採用していなければ与えていたであろう知識ボーナスを置き換える。もし図書館が極めて有益なら、+2を超える状況ボーナスを与える可能性もある。


図書館のサンプル Sample Libraries

出典 Ultimate Intrigue 152ページ

図書館は印刷された本、書きの巻物、索引がついた一揃いの本のような実際のコレクションから、難解な知恵を集めた単一の百科事典、難解な言語に満ちたの折れるほど細かい法的契約文書まで、様々な形態で存在しうる。以下に示すのは、キャラクターが調査のために訪れる図書館示だ。これらのサンプル図書館には特定の名前ではなく、蔵書の性質や保存場所を示す一般的な名前がつけられている。これらのは、GMが特定の用途の図書館を自作する際のガイドラインとして使用できる。

図書館データ・ブロックの読み方 Reading a Library Stat Block

出典 Ultimate Intrigue 152ページ

以下の示す図書館は、以下の形式を使用する。

図書館名/Library Name:図書館、保管所、書物、その他知識の集積の名前。

脅威度図書館脅威度複雑さとそこに潜む危険の度合いを示している。

経験点図書館のKPを0に減らすことで得られる経験値が示されている。

複雑度/Complexity:この値は図書館のKPを減らすために必要な調査判定難易度を示している。

言語/Languages:ここには魔法の補助や〈言語学〉判定なく図書館を調べて回るのに必要な言語が記載されている。もし図書館が複数の言語を持っており、記載された全ての言語を読解する能調査者が持っていない場合でも、調査者は判定を行うことができるが、調査者は自身の知らない言語1つにつき、調査判定で-2のペナルティを受ける。

調査判定/Research Check:本項には調査判定を試みる際に使用される技能通常〈知識〉)が示されている。図書館がその広範さのために未訓練でも〈知識〉判定を行える場合、それも本項に記載される。

知識ボーナス/Knowledge Bonus:本項は、図書館が特定の〈知識〉判定に与えるボーナスが(存在する場合)記載されている。このボーナスは、その図書館調査判定に使用できる全ての〈知識〉に適用される。その判定調査判定か独立した〈知識〉判定であるかにかかわらず、図書館内でキャラクターが行なった、あるいはその蔵書で学習している際の全ての〈知識〉響する。

KP:この項は、図書館のKPの最大値を示している。

調査閾値/Research Thresholds:本項には図書館調査閾値と、各閾値で調べた特定の情報が書かれている。


町の賢者の放棄された研究室 Town Sage's Abandoned Study

町の賢者が行方不明になって約1ヶになる。彼の研究で用いられた様々なメモや書物には、その故郷についての秘密が書かれているだけではなく、注意深い調査によって失踪に関する掛かりが見つかることもある。

町の賢者の放棄された研究室 脅威度 2 Town Sage's Abandoned Study

経験点 600
複雑 13(簡単)
言語 共通語
調査判定 〈知識:自然〉または〈知識:地域〉知識ボーナス +0
KP 6

調査閾値 Research Thresholds

KP3 干潮には、地下の洞窟に入る隠れた入り口が町の港の下に見える。多くの元の伝説によれば、海賊たちは洞窟に利品を隠したという。
KP1 町の広場の花売りは、元の聖職者の認知されていない娘だ。僧侶は純潔の誓いを行なっているので、この知識が公になれば、町民の尊敬を失い、町の僧侶としての位を失うことになる。
KP0 町の外の森をとする盗賊のリーダーは、自分は近隣の男爵が退位させた領主であると主張している。彼はその位と土を取り戻すために軍勢を募ろうとしている。賢者記によれば、賢者はこの盗賊のリーダーを探し、その主張の正しさを証明する段として自分の記録を使おうと計画していた。


ウィザードの秘術図書館 Wizard's Arcane Library

残酷なウィザードが討伐されたため、彼が呪文書に配置していた防護がどのようなものかを知る唯一の手がかりは、彼の難解な図書館にのみ存在する。また、図書館には別の秘密もある。

ウィザードの秘術図書館 脅威度 6 Wizard's Arcane Library

経験点 2,400
複雑 18(簡単)
言語 共通語
調査判定 〈知識:次元界〉〈知識:宗教〉、または〈知識:神秘学〉(未修得); 知識ボーナス +2
KP 18

調査閾値 Research Thresholds

KP15 ウィザードの呪文書にはファイアー・トラップが仕掛けられている。
KP10 呪文書に仕掛けられたファイアー・トラップの合言葉は「エヴァリス」だ。
KP5 ウィザードが塔に閉じ込めゴーストは、結婚指輪ゴーストの子孫に返されたときにのみ、永久に破壊される。ウィザードは結婚指輪を別次元界拠点に隠した。
KP0 エルダー・ゾーンのギシジャークはガーネットが大好物で、特大のを贈与すれば、次元界にあるこのウィザードの別次元界拠点に人を案内できると確信されている。


帝国陸軍大学 Imperial War College

ここの記、図式、戦闘計画のコレクションは膨大なもので、軍事略と要塞建設についてまとめたものが多い。しかし、秘密はより不確かな書物の中に隠されている。これらの秘密は公国の国境に集まっているホブゴブリンに関する洞察と、長い間行方不明だった家宝の運命、それを取り戻す可能性がある方法についてのひらめきを与えてくれる。

帝国陸軍大学 脅威度 12 Imperial War College

経験点 19,200
複雑 32(平均的)
言語 共通語
調査判定 〈職能:軍人〉(未修得)、〈知識:工学〉(未修得)、または〈知識:歴史〉知識ボーナス +4
KP 36

調査閾値 Research Thresholds

KP30 『槌と金床』の主人サヴァルは、毛は王の祝福であると信じており、みを帯びた髪を持つ士には、高品質の武器魔法の武器の値引きを行っている。
KP25 ゲイシー侯爵が「百い」で命を落としたとき、彼の伝説の、ブルワークは回収されなかった。ホブゴブリン無慈悲長クラトゥックが、それを利品としてに入れたと信じられている。
KP15 詳細な設計図はカリン要塞強固な箇所と脆い箇所を示している。北部国境の国境要塞は、全て同じ計画で建設された。
KP5 斥候の報告書によれば、黄色ヶ丘で軍隊を集めるホブゴブリンの武将が持つは、ブルワークの記述と一致するという。この新しい司令官は、無慈悲なクラトゥックの子孫か、老齢の武将をで倒したかのどちらかだと噂されている。
KP0 ドミナルの南東のにある秘密の通用が、守衛の兵舎への経路となる。は1ヶ前にホブゴブリンの武将に落とされ、その作戦拠点として使っていると考えられている。


アストラル・ドラゴンの記憶宮殿 Astral Dragon's Memory Palace

この難解な図書館は、エインシャント・アストラル・ドラゴンが精巧な雲の宮殿知識と記録を保存した、没入型の心象風景だ。その心象風景は明確で内包型だ。返照は無害で、通常の重力時間を持ち、その中で魔法通常通り作用する。

このドラゴンの記憶宮殿は非常に複雑で、極めて伝承的な形で分類された、数千年存在し続けた全ての経験が記録されている。さらに厄介なことに、外部の人が心象風景にアクセスできるのは、ドラゴンが眠っている間だけだ。ドラゴンは長い間(通常は7~13日)眠り込む傾向があるが、ドラゴンを覚ますと、どんな侵入者も心象風景から追い出される――ドラゴン覚めている間も心象風景の中にとどまるための秘密を見つけ出すまでは。

アストラル・ドラゴンの記憶宮殿 脅威度 18 Astral Dragon's Memory Palace

経験点 153,600
複雑 46(複雑
言語
調査判定 〈知識:次元界〉〈知識:神秘学〉、または〈知識:歴史〉知識ボーナス +5
KP 54

調査閾値 Research Thresholds

KP50 ドラゴンシュルサガの一団を救った。その援助と引き換えに、奇妙な円盤に乗ったこの人型生物は、ドラゴンやその仲間シュルサガ領域に自由に入ることができる合言葉を与えた。
KP40 シュルサガの合言葉は「カイス・ナマスト」だ。
KP30 アストラル界の特に不安定な部分の深みで、シュルサガは他の次元界襲撃するために使用を計画している大船を建造している。彼らは特にボーンヤード、負のエネルギーの次元界正のエネルギー次元界襲撃に執着しているようだ。
KP20 ドラゴンが起きている間、侵入者が記憶宮殿の中にいる方法がある。彼らは記憶宮殿にいる間、最初にディメンジョナル・アンカーを発動し、ドラゴンが起きている間、飲食睡眠をしてはならない。
KP10 次元界図によれば、アストラル界の周囲に多数のポータルが点在しており、他の知られている次元界のほとんどを通過できる。これらのポータルマナサプトラによって生み出されたとドラゴンは信じていたが、それらを開くためにどのような鍵が必要なのかを知ることはできなかった。
KP5 アストラル・ドラゴンは、ジョティの一団のために正のエネルギー次元界に保管していたかなりの財産を渡してきた。ドラゴンジョティがこの財産を返すつもりがないことを心配している。
KP0 図書館にある図と心霊儀式によって、心哲学と結びついたアストラル界にある擬似次元界アカシック・レコードクリーチャーが侵入できるという記述がある。

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