繰り返しの攻撃により多くのダメージを与えることができるが、ターンを処理するのに長い時間がかかることになる。キャラクターが行う2回目以降の攻撃は通常よりずっと低いボーナスとなるため、外れた攻撃に多くの時間を費やすことになりうる。この新しいシステムにより、全力攻撃全体は1回のd20ロールで解決される。他の種類の攻撃(攻撃アクション、機会攻撃、《大旋風》特技により与えられる攻撃)は通常通り処理される。
攻撃ロールの結果 |
命中種別 |
与えるダメージ |
---|---|---|
アーマー・クラスを6以上下回る |
ミス |
なし |
アーマー・クラスを1~5下回る |
かすめる打撃 |
最小ダメージの半分 |
アーマー・クラスを上回るがその差が5未満 |
命中 |
|
アーマー・クラスを5以上上回る* |
追加命中 |
全力攻撃を行う際、攻撃ロールを1回だけ行い、その結果を目標のアーマー・クラスと比較する。攻撃の結果が目標のアーマー・クラスより6以上下回っている場合、攻撃は外れ一切ダメージを与えない。攻撃の結果が目標のアーマー・クラスより低いがその差が5以下の場合、君はかすめる打撃を与え、使用している武器が命中した際に通常与えうる最小ダメージの半分に等しいダメージを与える。命中することで起動する効果は、かすめる打撃では起動しない。攻撃の結果が目標のアーマー・クラス以上なら攻撃は命中し、目標のアーマー・クラスを5上回る毎に追加で1回命中する(最大で最大命中回数まで)。1レベルの時点で、君は最大で1回しか命中することはできないが、基本攻撃ボーナスが+6になった時点と、以降基本攻撃ボーナスが+5増加するたびに追加で1回命中させることができるようになる。これは表:最大命中回数に示されているとおりであり、攻撃における通常ルールを用いている場合に得られる攻撃回数の増加と一致している。攻撃が命中するたびに、別々にダメージをロールすること。ダメージ減少はそれぞれの命中に適用される。
例えば、君が基本攻撃ボーナス+8で、命中したら1d10ポイントのダメージを与える近接武器を使用しており、【筋力】修正が+4だとしよう。目標のアーマー・クラスは21だ。攻撃ロールの結果が15以下の場合、攻撃は外れる。結果が16~20の場合、君はかすめる打撃により2ポイントのダメージを与える(ダメージ・ダイスの最小値である1ぶ【筋力】修正値の+4を加え、2で割って端数を切り捨て)。結果が21~25の場合、攻撃が命中し1d10+4ポイントのダメージを与える。結果が26以上の場合、攻撃は2回命中し、1d10+4ポイントのダメージを2回与える。結果が31以上になったとしても、基本攻撃ボーナスが+11を下回っているため、2回しか命中しない。
記録:このルールを使用する場合、キャラクターが使用する武器それぞれにおいて、プレイヤーはかすめる打撃で与えるダメージをあらかじめ計算しておきキャラクター・シートに記入する。GMがモンスターのアーマー・クラス-6、アーマー・クラス+5、アーマー・クラス+10、アーマー・クラス+15をメモすることも助けになる。
最大命中回数が2以上ならば、君は複数の目標に対して全力攻撃を行うことを宣言できる。その場合、目標の中で最も高い目標に対して命中回数を決定する。その後攻撃したい目標全てに対して命中を割り当てることができる――命中する際に用いたアーマー・クラスを持つ目標に命中させないという選択をしてもよい。これにより、通常ならクリーチャーに命中することを妨げる効果を無視することはできない。君は異なるクリーチャーに対して攻撃ロールを行うことで、(最初に要求される意志セーヴに成功していない限り)サンクチュアリの効果を受けているクリーチャーに命中を割り振ることはできない。
クリティカル可能域をロールしたなら、最大のボーナスを用いてクリティカル・ロールを行い、命中した攻撃の1つにクリティカル・ヒットの効果を割り当てること。元の攻撃が複数回命中し、クリティカル・ロールが武器のクリティカル可能域をロールしたなら、クリティカル・ヒットが2回発生したことになり、命中2つに割り当てることができる。
二つの武器を手に戦闘する場合、2つの武器のより低い攻撃ボーナスを用いる。1回目の命中の際、利き手でない手の武器も同時に命中する。君が《二刀流強化》を持ち、2回命中したなら、利き手でない手の武器も2回命中し、合計で4回命中する。君が《上級二刀流》を持ち、3回命中したなら、利き手でない手の武器も3回命中し、合計で6回命中する。
二刀流におけるクリティカル・ヒット:二刀流を行っている際にクリティカル・ヒット可能域をロールしたなら、2つの武器のうち低い攻撃ボーナスを用いてクリティカル・ロールを1回だけ行うこと。クリティカル・ヒットが確定したなら、最初の攻撃ロールで両方の武器でクリティカル可能域をロールしていた場合、それぞれの武器で1回ずつクリティカル・ヒットを与える。例えば、君がレイピアとライト・ピックを使用して戦っており、最初の攻撃ロールで18をロールし、クリティカル・ヒットを確定したなら、君はレイピアによる攻撃のみクリティカル・ヒットを与える。しかし、20をロールしクリティカル・ヒットを確定したなら、それぞれの武器でクリティカルを与える。
少なくとも肉体武器を3つもつクリーチャーが肉体武器だけで全力攻撃を行った場合、クリーチャーの命中回数の上限は二次的攻撃の数+主要攻撃の数の半分(端数切り上げ)となる。クリーチャーは攻撃ロールにおいて、主要肉体攻撃の最も低い攻撃ボーナスを用いる。与えた命中ごとに、クリーチャーは主要肉体武器2つでダメージを与えるか、副次肉体武器1つでダメージを与えるかを選択することができる。5以下の差で攻撃が外れた場合、かすめる打撃を与える代わりに、主要肉体攻撃1つを命中させる。
例えば、爪による2回の主要攻撃と尾の打撃による1回の二次的攻撃を持つモンスターは2回まで命中させることができる。このモンスターが1回命中させた場合、爪を両方命中させるか、尾の打撃を与えることができる。5以下の差で外れた場合、爪を1回命中させる。5以上の差で命中した場合、2回命中し、攻撃3つを全て与えることができる。
追加攻撃、再ロール、高いボーナスを与える呪文や能力の適用は、このルール下では幾分変わったものとなる。多くの処理は繰り返しの攻撃に基づいており、調整が必要なすべての効果の種類を記述することはできない。類似の呪文や能力をどう処理するかに迷った場合、GMは以下のルールを指針として用いること。
追加攻撃を与えるヘイストのような効果は、代わりに命中の最大数を1だけ増加させる。この処理を行う効果の中には、人工的な武器による全力攻撃の最後に行われる二次的肉体攻撃も含まれる。
全力攻撃ロールは一連のダイス・ロールを模倣したものなので、再ロール1回を与えたり強制したりする効果は+2のボーナス(攻撃するものがより良い出目を残したり、攻撃するものを助ける意図でキャラクターが再ロールを与えた場合)あるいは-2のペナルティ(攻撃するものがより悪い出目を残したり、攻撃するものを妨害する意図でキャラクターが再ロールを与えた場合)を与える。全力攻撃で行われる全ての攻撃ロールに再ロールを与える効果は、ボーナスやペナルティを与える代わりに、攻撃するものに再ロールを行わせる。
全力攻撃にトゥルー・ストライクを使用した場合、まずトゥルー・ストライクなしで何回命中したかを決定する。トゥルー・ストライクを1回発動すると、最大で1回命中を加える。
攻撃の繰り返しを除外するためのこの選択ルールにより、キャラクターは立ち止まるのではなく、素晴らしい機動性を持って全力攻撃を行うことができるようになる。キャラクターが近接全力攻撃を行う際、攻撃前か攻撃後に、最大で自分の移動速度まで移動することができる。最初の5フィートを超える5フィートごとに、追加の命中を決定する目的においてのみ、キャラクターは攻撃ロールに-5のペナルティを受ける。このペナルティは少なくとも1回命中するかを決定した後に適用すること。
キャラクターは〈軽業〉判定を試みることで、このペナルティを〈軽業〉判定の結果を5で割った値だけ軽減することができる。〈軽業〉判定の結果がどれだけ高くなろうとも、最初の5フィートを超える5フィートごとに-2までしかペナルティは軽減されない。
このルールを使用する際、《一撃離脱》特技を持つキャラクターは攻撃の前後に加え、攻撃の途中に移動することができ、最初の5フィートを超えて移動した5フィートごとのペナルティが-4に減少する。