アイテムには誰かがそれに対する代金を支払うものだけの価値がある。芸術の収集家にとって、適当に塗料を塗りつけたキャンバスは傑作かもしれない; プリーストは風化した顎骨を聖人の聖遺物と思っているかもしれない。ここで紹介するルールは君が地下墓所から持ってきたり、男爵の寝室から解放したり、ドラゴンの宝物庫から盗まれた商品を売却する手続きで遊ぶ方法を提供する。それらはまた、プレイヤーに地元の故買人、洗浄屋、古物商、蒐集家との接触を確立させることを可能にする。
〈鑑定〉の技能はキャラクターが正確に物を評価することができる。しかしながら、宝石商、古物商、愛書家の芸術は複雑である。貴重な絵画は汚れて隠されているかもしれないし、途方も無く貴重な本はボロボロの革のカバーで丁重されているかもしれない。失敗は不正確な予想を意味するので、GMは秘密裏にこの技能判定を試みるべきである。
一般的に、キャラクターは記載されている半分の価格でアイテムを売ることができる。これによってプレイヤーはNPCとの取引において10,000gpのアイテムに10gpを上乗せするかで行き詰まらないようになり、低価格で買い高価格で売ることによるレベルに応じた財産のガイドラインを超える価格交渉の使用をプレイヤーに認めないことでゲーム・バランスを維持する。「半値で売る」ルールは通常の状況における標準的なアイテム用の公正な価格を見込んでいる。
珍しいアイテムや唯一のアイテムや特定の場合では、GMは価格交渉を許可したり推奨するかもしれない。価格交渉では通常他のPCが待っている間に1人のPCがNPCと話していることを含んでおり、他の人が価格交渉をしているのを見ていて面白いのは稀だということを心に留めておくこと。価格交渉は稀なものでなくてはならず、物語にとって重要な場合のみに起こるべきである。
価格交渉のルールを使用することで、君はPCがする決定の統制を一部諦め、より良い価格を得る可能性を得るために失敗に終わる取引上のリスクを受け入れる。
売り手は買い手に価格を提案する。言い値がアイテムの実際の価格の150%を超える場合、買い手は単に価格交渉を拒否することができる。売り手が売ることのできる最低値は言い値の75%である。
買い手はアイテムの価格を推定するための〈鑑定〉判定か、売り手の〈はったり〉判定に対抗する〈真意看破〉判定(失敗することは買い手は売り手が適正であると信じることを意味する)のいずれかを試みることを選択する。売り手の値段がアイテムの価格の買い手の評価と同じである場合、〈真意看破〉判定の必要はなく買い手は売り手を信じる。
アイテムのグループは一塊で販売することができる。買い手が本人では鑑定かそれ以外での推測しか出来ないアイテムのまとまりと関わる場合、彼女がより技能ランクを有するものに応じて〈鑑定〉または〈真意看破〉のいずれかを使用する。
GMは、魔法に関する珍しい本を売るための〈知識:神秘学〉のように、〈鑑定〉または〈真意看破〉から適切な〈知識〉技能へとPCに代用させる事を認めても良い。GMはまた、特定のアイテムの種別に関する専門知識や無知、良いロールプレイ、NPCの買い手や売り手に対する侮辱的な振る舞いを反映させる為に技能判定に修正を割り当てて良い。
値切り率は、買い手の最初と最終の買値を決定するために用いられるアイテムの値段や価格の一部である。
値切り率を決定するために、売り手の〈真意看破〉判定に対する対抗〈はったり〉判定を買い手に試みさせること。値切り率は2%で、それに〈真意看破〉判定を超えた〈はったり〉判定のポイントそれぞれにつき1%加える(最小0%)。
最初の買値は売り手の言い値への買い手の最初の代案である。最終買値は買い手が喜んで支払う最大の金額である。売り手と買い手は折衝を行き来させるが、買い手はこの買値を上回らない。例えば、売り手の言い値が1,000gpである場合、買い手の最初の買値は800gpで最終買値は900gpであるかもしれない。これらの買値は、買い手はそのアイテムは売り手の言い値と比べてどれだけ価値があるかと考えているかによって決まる。
公正(〈鑑定〉もしくは〈真意看破〉):売り手の言い値が買い手が考えるアイテムの価値の量以下であった場合、売り手の価格から値切り率を引く事で最終買値を求め、値切り率の2倍を引く事で最初の買値を求めること。
不当(〈鑑定〉):買い手の〈鑑定〉判定の結果がそのアイテムは売り手の言い値より低い価値しかないと思わせたならば、買い手によるそのアイテムの見積もり価格から値切り率を引いて最終買値を算出し、値切り率×2を引いて最初の買値を算出すること。
不当(〈真意看破〉):買い手の〈鑑定〉判定の結果が売り手の言い値は高すぎると信じるよう導いたならば、最終買値を得るために売り手の言い値から値切り率の2倍を引き、最初の買値を得る為に値切り率の4倍を引くこと。
買い手は売り手の最初の買値の売値と対抗することで価格交渉を開始する。買い手と売り手が価格に同意するか、一方の側が交渉を打ち切るまでこのステップを繰り返す。
代案が最終買値を下回る:買い手の最終買値未満の価格で売り手が対抗してきた場合、売り手は〈交渉〉判定(難易度15+買い手の【魅力】修正値)を試みる。成功は買い手が売り手の代案を受け入れ、アイテムを購入することを意味する。失敗は買い手の最初の買値の保持を意味する。売り手は再び試みることができるが、価格を下げないかぎり〈交渉〉判定の難易度は5増加する。
代案が最終買値に等しい:買い手の最終買値と同じ価格で売り手が対抗してきた場合、売り手は〈交渉〉判定(難易度20+買い手の【魅力】修正値)を試みる。成功は買い手が売り手の代案を受け入れアイテムを購入することを意味する。失敗は最初の買値と最終買値の間の価格で買い手は代案を出すことを意味する。売り手は再び試みることができるが、価格を下げないかぎり〈交渉〉判定の難易度は5増加する。
代案が最終買値を上回る:買い手の最終買値より高い価格で売り手が対抗してきた場合、売り手は〈交渉〉判定(難易度25+買い手の【魅力】修正値)を試みる。成功は最初の買値と最終買値の間の価格で買い手は代案を出すことを意味する。失敗は買い手は最初の買値を保持し続ける事を意味する。5以上の差による失敗は、買い手が侮辱され、買値の引き下げか売り手との折衝の拒否を意味する。売り手は再び試みることができるが、価格を下げないかぎり〈交渉〉判定の難易度は5増加する。
オルショックは彼が2,000gpと誤って鑑定した1,800gpの価値のある宝石の偶像を持っている。彼は収集家が低価格で対抗することを知って、2,200gpの言い値で美術品の収集家に販売しようとする。収集家は〈鑑定〉判定に成功し、偶像の実際の価格が分かった。収集家はオルショックの〈真意看破〉判定に対して〈はったり〉判定を試み1差で成功したので、値切り率は3%である(基準の2%に判定で上まった1の1%を加えた)。収集家は偶像がオルショックの価格未満の価値があると考えているので、最初の買値は価格の推定より6%低いものであり(1,692gp)、最終買値は推定より3%低い(1,746gp)。彼女が最初の買値をした時は、オルショックは2,000gpの価格で対抗する。これは収集家の最終買値よりも高いので、オルショックは買い手の関心を保ちさせ続けるために、25+買い手の【魅力】修正値に等しい難易度の〈交渉〉判定を試みる。彼は判定に成功し、買い手は1,740gpを代案としてだした(彼女の最初の買値と最終買値の間の額)。オルショックは目前の収集家がそれほど高値を付けると思わず、他の買い手を見つけることを決める。
その後オルショックは偶像に関心はあるが芸術について何も知らない香辛料商に偶像を売ろうとする。オルショックは今一度2,200gpの価格から開始する。商人の〈真意看破〉判定が〈はったり〉判定を勝ったので、彼女は彼が適正な価格を提供していないと理解する。商人はオルショックの〈真意看破〉判定に〈はったり〉判定を試み、4差で成功したので、値切り率は6%である(基準の2%に判定で上まった4の4%を加えた)。商人の最初の買値はオルショックの価格より12%低く(1,936gp)、最終買値は6%オルショックの価格より低い(2,068gp)。オルショックは2,000gpの値段で対抗する。これは商人の最終買値よりも低いので15+買い手の【魅力】修正値に等しい難易度の〈交渉〉判定を試みる。彼は判定に成功し、商人はオルショックの代案を受け入れ2,000gpでアイテムを購入する。
GMは少数のNPCを、PCたちの冒険のあと彼らが集めた変わったアイテムに興味を持つ収集家、商人、古物商として定義できる。PCが時間をかけてこれらの収集家との好意的な関係を確立する場合、特にNPCの利益の要求を満たすならばGMは基準の値切り率を1%または0%にさえ下げることができる。同様に、PCは1人以上の買い手の持つ負の感情を成長させるかもしれない; そのような買い手の値切り率は5%以上に上昇したり、その買い手はPCとの取引を完全に拒否するかもしれない。
PCが耐久財を数倍の値で売ろうとする時、GMはその場所の市場の飽和を反映して10%かそれ以上だけ買値を下げて良い。例えば、クロスボウを持つ衛兵が警邏をする国境の街は常に更なる+1ボルトを使っているかもしれないが、荷馬車一台分の高品質スパイクト・チェインの積荷は限定的にしか使用しないため、スパイクト・チェインの最初と最終の買値は10%低くなる。
不誠実なキャラクターは買い手に法外な値段を受け入れるように魅了したり騙したりするために魔法を使うかもしれない。チャーム・パースンと同様の単純なものは交渉全体が術者に有利になるように〈交渉〉と〈真意看破〉の難易度を5変動することができ、特定のサジェスチョンは術者の有利になるように1つのロールの結果を10変動させることができる。買い手が魔法が交渉に影響を与えたことを認識した場合、術者と取引することを拒否し、お金を取り戻そうとするか、少なくとも地元当局に術者を報告するかもしれない。