このステップは術者の配役を用いるモンスター用のものだ。(主として呪文発動に注力しているわけではないが)わずかな呪文のみを知っているモンスターの場合、術者以外の配役を選択し、ステップ7で副次魔法共通選択能力を与えるとよい。
単純なモンスター作成ルールで作成されたモンスターは1回の戦闘ないしシナリオで用いるのに十分な呪文を持つように作ればいいので、術者モンスターの呪文選択は、通常の完全なNPCが行うそれに比べると強い制限を受けている。この方法で作成されたモンスターが最終的に複数のシナリオで登場することになったなら、そのモンスターの生態やテーマに合うよう、そのたびに呪文を入れ替えればよい。
このステップでモンスターに選択する呪文は、遭遇1回の呪文発動総数を示している。巻物、ワンド、スタッフから呪文をいくつか発動させたいと思うなら、プレイ中にそのように表現すること。発生源にかかわらず、追加の呪文はモンスターが発動できる合計呪文数に数えられる。
また、これらのリストには出現しない呪文の種類があることにも注意しよう――特に、単にデータを増強するもの、フォールス・ライフ、ブルズ・ストレンクス、メイジ・アーマーなどだ。これらの呪文は戦闘前に発動されることが多く、単純モンスター作成ルールはこれらの呪文の効果が既にモンスターの基本値に適用済みであることを示している。
呪文難易度:呪文レベルとモンスターの配役の“呪文難易度”列に記載された数を加算して、モンスターが発動する呪文の難易度を決定する。複数のクラスで発動できる呪文の場合、クレリックあるいはウィザード/ソーサラーの呪文レベルを用いる。それらのクラスにない呪文の場合、呪文の説明文にある最も高い呪文レベルを用いる。
モンスターの呪文を選ぶ最も簡単な方法は、本章の選択肢として掲載されているものの中からテーマに最も合う呪文リストを1つ、以降のページから選択することだ。強力な擬似呪文能力を持つフェイは欺き、自然、心術、フェイの呪文リストから選ぶことになるだろう。火に傾倒したウィザードは火の呪文リストを選ぶだろうし、変成術士は変成術のリストを選ぶだろう。そして器用な術者は秘術あるいは魔法を選ぶかもしれない。
呪文リストを1つ選択したなら、モンスターは脅威度帯――脅威度に見合った呪文発動範囲――に従い、以下の呪文一式を獲得する。
この設定により、滅多に使用できない強力な呪文をごくわずかと、幾分弱いが有益な呪文を数多くと、戦闘で頻繁に使用するのは困難なほどに弱い呪文を頻繁に使用できる術者が作られる。
脅威度0~3のモンスターは回数無制限の呪文も1日に3回使用できる呪文も獲得せず、脅威度4~7のモンスターは回数無制限の呪文を獲得しないことに注意。
呪文とその使用できる回数を書き記すこと。本章で後に登場するサンプルモンスターでは、呪文は攻撃呪文、防御呪文、汎用呪文に分けられているが、このステップではどうまとめてもよい。
呪文リストを1つ選ぶと、モンスターは自動t系に呪文リストの末尾に記載された利益を得る。独自の呪文リストを作成して選ぶ場合、そのモンスターに最も合う利益を選択するか、代わりに独自の利益を作成するかすること。
例えば、異形の呪文リストを用いる脅威度9のモンスターは、以下の呪文を獲得する。(脅威度帯8~11から)1日に1回使用できるスペル・レジスタンスとフィーブルマインド; (脅威度帯4~7から)1日3回使用できるアシッド・アロー、シー・インヴィジビリティ、ビースト・シェイプI、メジャー・イメージ; (脅威度帯0~3から)回数無制限で使用できるコーズ・フィアーとロング・アーム。加えて、呪文リストの利益として、急所防御汎用モンスター能力を得る。
本項の呪文リストは呪文選択を楽に高速化できるように調整しているが、呪文を個々に選びたい場合、自由に主要呪文の代わりに副次呪文を与えたり(これが“脅威度16以上”帯に副次呪文がある理由だ)、主要呪文と副次呪文を混ぜても良い。モンスターのバランスを保つため、強力なレベルの数を大きく変えてはならないが、理由がある限りにおいて呪文の数を増減させることもできる。
呪文を1つずつ選びたいなら、それぞれの脅威度帯ごとに以下の呪文レベルを使用すること。
以下の呪文リストは魔法の異なる使用法をテーマにしたもので、血脈、領域、他の主要な呪文のテーマに関連している。クラス補正を持つモンスターの場合、補正の推奨呪文リストがモンスターの呪文を選択する役に立つだろう。
脅威度帯 |
主要呪文 |
副次呪文 |
---|---|---|
0~3 |
アラーム、プロテクション・フロム・イーヴル/グッド/ケイオス/ロー |
|
4~7 |
||
8~11 |
||
12~15 |
||
16以上 |
||
利益:モンスターの全てのセーヴィング・スローのボーナスが1増加する。 |
脅威度帯 |
主要呪文 |
副次呪文 |
---|---|---|
0~3 |
||
4~7 |
||
8~11 |
||
12~15 |
||
16以上 |
||
利益:モンスターは[音波]に対する抵抗5を得る。脅威度12の時点で、この抵抗は10に増加する。脅威度16の時点で、モンスターは[音波]に対する完全耐性を得る。 |
脅威度帯 |
主要呪文 |
副次呪文 |
---|---|---|
0~3 |
||
4~7 |
||
8~11 |
||
12~15 |
||
16以上 |
||
利益:モンスターは以下の利益のうち1つを得る:飛行移動速度60フィート(機動性は標準)、穴掘り移動速度30フィート、基本移動速度が30フィート増加、水泳移動速度60フィート。 |
脅威度帯 |
主要呪文 |
副次呪文 |
---|---|---|
0~3 |
||
4~7 |
||
8~11 |
||
12~15 |
||
16以上 |
||
利益:モンスターがこのリストから呪文を発動する際、1ラウンドの間、アーマー・クラスに呪文のレベルに等しい反発ボーナスを得る。 |
脅威度帯 |
主要呪文 |
副次呪文 |
---|---|---|
0~3 |
||
4~7 |
||
8~11 |
||
12~15 |
||
16以上 |
||
利益:モンスターは[強酸]に対する抵抗5を得る。脅威度12の時点で、この抵抗は10に増加する。脅威度16の時点で、モンスターは[強酸]に対する完全耐性を得る。 |
脅威度帯 |
主要呪文 |
副次呪文 |
---|---|---|
0~3 |
||
4~7 |
||
8~11 |
||
12~15 |
||
16以上 |
||
利益:モンスターは[火炎]に対する抵抗5と毒に対するセーヴィング・スローに+2のボーナスを得る。脅威度9の時点で、[火炎]に対する抵抗は10に、毒に対するセーヴィング・スローへのボーナスは+4に増加する。 |
脅威度帯 |
主要呪文 |
副次呪文 |
---|---|---|
0~3 |
||
4~7 |
||
8~11 |
||
12~15 |
||
16以上 |
||
利益:モンスターは[強酸]に対する抵抗5を得る。脅威度12の時点で、この抵抗は10に増加する。脅威度16の時点で、モンスターは[強酸]に対する完全耐性を得る。 |
脅威度帯 |
主要呪文 |
副次呪文 |
---|---|---|
0~3 |
||
4~7 |
||
8~11 |
||
12~15 |
||
16以上 |
||
利益:モンスターの【筋力】修正値を1増加する。脅威度12の時点で、代わりに2増加させる。脅威度16の時点で、代わりに3増加させる。 |
脅威度帯 |
主要呪文 |
副次呪文 |
---|---|---|
0~3 |
||
4~7 |
エレメンタル・オーラ([雷撃]のみ)、エレメンタル・タッチ([雷撃]のみ) | |
8~11 |
ドラゴンズ・ブレス([雷撃]のみ)、ボール・ライトニング | |
12~15 |
||
16以上 |
||
利益:モンスターは[雷撃]に対する抵抗5を得る。脅威度12の時点で、この抵抗は10に増加する。脅威度16の時点で、モンスターは[雷撃]に対する完全耐性を得る。 |
脅威度帯 |
主要呪文 |
副次呪文 |
---|---|---|
0~3 |
||
4~7 |
||
8~11 |
||
12~15 |
||
16以上 |
||
利益:モンスターは[雷撃]に対する抵抗5を得る。脅威度12の時点で、この抵抗は10に増加する。脅威度16の時点で、モンスターは[雷撃]に対する完全耐性を得る。 |
脅威度帯 |
主要呪文 |
副次呪文 |
---|---|---|
0~3 |
||
4~7 |
||
8~11 |
||
12~15 |
||
16以上 |
||
利益:モンスターの【筋力】修正値を1増加する。脅威度13の時点で、代わりに2増加させる。脅威度17の時点で、代わりに3増加させる。 |
脅威度帯 |
主要呪文 |
副次呪文 |
---|---|---|
0~3 |
||
4~7 |
||
8~11 |
||
12~15 |
||
16以上 |
||
利益:モンスターは[火炎]に対する抵抗5を得る。脅威度12の時点で、この抵抗は10に増加する。脅威度16の時点で、モンスターは[火炎]に対する完全耐性を得る。 |
脅威度帯 |
主要呪文 |
副次呪文 |
---|---|---|
0~3 |
||
4~7 |
||
8~11 |
||
12~15 |
||
16以上 |
||
利益:モンスターは非致傷ダメージに対するダメージ減少5/―を得る。脅威度8の時点で、このダメージ減少は10/―に増加する。 |
脅威度帯 |
主要呪文 |
副次呪文 |
---|---|---|
0~3 |
エンデュア・エレメンツ、プロテクション・フロム・イーヴル/グッド/ケイオス/ロー |
|
4~7 |
||
8~11 |
||
12~15 |
||
16以上 |
||
利益:エネルギー種別を1つ選択する。モンスターはそのエネルギー種別に対する抵抗5を得る。脅威度12の時点で、この抵抗は10に増加する。脅威度16の時点で、この抵抗は20に増加する。 |
脅威度帯 |
主要呪文 |
副次呪文 |
---|---|---|
0~3 |
||
4~7 |
||
8~11 |
||
12~15 |
||
16以上 |
||
利益:モンスターは[氷雪]に対する抵抗5を得る。脅威度12の時点で、この抵抗は10に増加する。脅威度16の時点で、モンスターは[氷雪]に対する完全耐性を得る。 |
脅威度帯 |
主要呪文 |
副次呪文 |
---|---|---|
0~3 |
||
4~7 |
ダークネス、ブラインドネス/デフネス(盲目化のみ) | |
8~11 |
サモン・モンスターV(シャドウ1d3体)、シャドウ・エヴォケーション |
|
12~15 |
||
16以上 |
||
脅威度帯 |
主要呪文 |
副次呪文 |
---|---|---|
0~3 |
||
4~7 |
||
8~11 |
||
12~15 |
||
16以上 |
||
利益:モンスターのアーマー・クラスと立ちすくみアーマー・クラスは2増加する。加えて、モンスターは[強酸]、[雷撃]、[火炎]、[氷雪]のいずれか1つ(君が選択する)に対する抵抗5を得る。 |
脅威度帯 |
主要呪文 |
副次呪文 |
---|---|---|
0~3 |
アーケイン・マーク、プロテクション・フロム・イーヴル/グッド/ケイオス/ロー | |
4~7 |
||
8~11 |
||
12~15 |
||
16以上 |
||
利益:エネルギー種別を1つ選択する。モンスターはそのエネルギー種別に対する抵抗5を得る。脅威度12の時点で、この抵抗は10に増加する。脅威度16の時点で、その抵抗は20に増加する。 |
脅威度帯 |
主要呪文 |
副次呪文 |
---|---|---|
0~3 |
||
4~7 |
||
8~11 |
||
12~15 |
||
16以上 |
||
利益:モンスターは[氷雪]に対する抵抗5を得る。脅威度12の時点で、この抵抗は10に増加する。脅威度16の時点で、モンスターは[氷雪]に対する完全耐性を得る。 |