Magic Jar/魔法の壷
系統 死霊術; 呪文レベル ウィザード/ソーサラー5
発動時間 1標準アクション
構成要素 音声、動作、焦点(100GPの価値のある宝石や水晶)
距離 中距離(100フィート+10フィート/レベル)
目標 クリーチャー1体
持続時間 1時間/レベル、あるいは術者が自分の肉体に戻るまで
セーヴィング・スロー 意志・無効; 本文参照; 呪文抵抗 可
マジック・ジャーを使用することで、術者は自分の魂を宝石か大きな水晶(これをマジック・ジャー、すなわち“魔法の壷”と呼ぶ)の中に入れ、己の肉体を魂の抜けた状態にする。次に、術者は近くにいるクリーチャーの魂をマジック・ジャーの中に閉じ込め、その肉体のコントロールを奪おうとすることができる。術者は壷の中へと戻り(壷に捕らわれていた魂は元の肉体へと戻る)、また別の肉体に憑依しようとすることができる。術者の魂が術者本来の肉体に戻れば(壷は空っぽになる)、呪文は終了する。この呪文を使用するには、マジック・ジャーが呪文の距離内にあり、術者がその在処を知っていなければならないが、視線や効果線が通っている必要はない。発動時に術者の魂がマジック・ジャーに入ると、術者の肉体は誰が見ても死亡状態同然となる。
マジック・ジャーの中にいる間、術者は(同じ次元界内の)術者レベルごとに10フィート以内の生命力を感知し、攻撃できる。壷からそのクリーチャーへの効果線が通っている必要がある。しかし、術者はそのクリーチャーの正確なクリーチャー種別や位置を知ることはできない。一団の生命力の中では、術者はその一団の中でヒット・ダイスに4以上の差があるものがいるならそれを感知し、どの生命力が正あるいは負のエネルギーを持っているか知ることができる(アンデッド・クリーチャーは負のエネルギーによって動いている。知性あるアンデッド・クリーチャーのみが魂を持っているか、それ自体が魂であるかする)。
術者は強い方のクリーチャーでも弱い方のクリーチャーでも乗っ取ることができるが、強い方あるいは弱い方のどのクリーチャーに憑依するかはランダムに決定される。
肉体に憑依する試みは全ラウンド・アクションである。この試みはプロテクション・フロム・イーヴルやそれに類する防御によって防がれてしまう。術者は対象が意志セーヴに成功しない限り、その肉体に憑依し、そのクリーチャーの魂をマジック・ジャーに閉じ込める。宿主への憑依に失敗すると、術者の生命力はマジック・ジャーの中に留まり、目標はそれ以降、術者が再びその肉体に憑依しようとした場合のセーヴィング・スローに自動的に成功する。
憑依に成功すると、術者の生命力は宿主の肉体を占領し、宿主の生命力はマジック・ジャーの中に閉じ込められる。術者の【知力】、【判断力】、【魅力】、レベル、クラス、基本攻撃ボーナス、基本セーヴ・ボーナス、属性、精神能力は保たれる。肉体には【筋力】、【敏捷力】、【耐久力】、ヒット・ポイント、通常能力と自動的に働く能力が残る。たとえば、魚の肉体はエラ呼吸をし、トロルの肉体は再生する。肉体に余分な手足があっても、術者が通常より多くの攻撃(あるいは、より効果的な2つの武器での攻撃)ができるようになるわけではない。術者はその肉体の変則的能力や超常能力を起動させようとすることはできない。そのクリーチャーの呪文や擬似呪文能力は肉体には残らない。
術者はマジック・ジャーが距離内にあれば、標準アクションとして自由に宿主からマジック・ジャーへと移動できる。そうした場合、閉じ込められていた魂は元の肉体へと戻される。術者が壷から自分自身の肉体へと移動すると、呪文は終了する。
宿主の肉体が殺されると、術者はマジック・ジャーが距離内にあればそこに戻り、宿主の生命力は逝去する(つまり、死亡状態となる)。宿主の肉体が呪文の距離外で殺された場合、術者と宿主の両方が死ぬ。行くべき場所のない生命力はどれも殺されたものとして扱う。
術者がマジック・ジャーの中にいる間に呪文が終了した場合、術者は自分の肉体に戻る(あるいは、術者の肉体が距離外にあったり、破壊された場合は死ぬ)。術者が宿主の中にいる間に呪文が終了した場合、術者は自分の肉体に戻り(あるいは、術者の肉体がその時点での宿主の肉体の位置から距離外にあった場合は死ぬ)、マジック・ジャーの中に閉じ込められていた魂はその肉体に戻る(距離外にあった場合は死ぬ)。壷を壊せば呪文は終了し、また、マジック・ジャーか宿主のどちらに対して解呪を行なっても、この呪文を解呪できる。