生と死を超えて、善と悪と超えて、栄誉はそこにある。それは永遠の住居であり、誰も奪うことはできないが、一回の早まった行為で破壊されるだろう。これは社会の中でのその人の位置の尺度であり、万人に知られており、多くによって求められる。サムライの文化のなかや北国の極寒の海賊の浪費、ビザンチン王国の目のくらむような法廷の陰謀をたくらむかどうかにかかわらず、栄誉は拠り所と安定した基盤を提供する。君が栄誉を欠くならば、不実で信頼できず、不誠実で、不当であるとほかの人は君を見る。栄誉は評判と地位、伝説に影響するが、それらすべてを超越する。
誉れある者は文化によって変化する。いくつかの文化では、皇帝から最も格下の百姓に至るまで誰でも栄誉を追い求めることができ、栄誉に従って送る人生は最も高い達成感である。もう一つの土地では、栄誉とは気高さの為だけのゲームであり、地位を超えた戦いを測る手段である。栄誉はその大部分が戦闘員の間で理解されているより原始的な暗黙の了解であり、純粋な戦士の行動規範かもしれない。
いくつかの土地で、毒の使用はその人の栄誉を即座に失墜させる。ほかでは、その巧妙で効果的な使用法は、戦争を避け純真な流血を避けたい本当に文化人的な人物の目安かもしれない。最後の兵士が倒れるまで戦う将軍は、いくつかの領域で尊敬すべきとみなされる; ほかでは、降伏するのが将軍であり、兵士の命を犠牲にするのが無駄であると認める。犯罪者の栄誉の行動規範は聖職者のものと異なり、ウィザードの学派はソーサラーの秘密結社とは異なる栄誉の行動規範を有するかもしれない。
どのような形式をとっていても、栄誉とは個人よりも大きな行動規範の認識であり、その行動規範に尽くそうという願いを包含する意欲である。栄誉は自己犠牲を必要とする。栄誉は最適な行動方針でも最も実際的なものでもないことがある。コストと共に来るが、それ自体が報酬である。君の栄誉はいつでも保護され、支持されていなければならない; 他者がそれに泥を塗ることを許すのは、自身が恥ずべき行為を実行するほどに見逃せない侮辱である。不名誉な人は君の誉れ高き行動規範を逆用して君に立ち向かおうとするかもしれないが、しかし栄誉は愚かさと同義ではない。
この項では、騎士道の行動規範、犯罪者の行動規範、サムライの行動規範を含む様々な行動規範を例として栄誉を表現するためのシステムを提示する。
栄誉は0から100までの目盛りのポイントで表される。0ポイントは完全に信頼できず、瞬間的な利益のために何でも誰でも犠牲として見られる人を表す。100ポイントの人は、評判に汚名なく伝説的な才能の人を表す。栄誉は忠誠心、信頼性、公平性でなく、属性や名声の測定値ですらない――ある者は0栄誉ポイントを持つ心の優しいが突飛な将軍かもしれないし、100栄誉ポイントを持つ容赦ないが頑強なモンクであるかもしれない。
NPCの基本栄誉ポイント:NPCの基本栄誉ポイントは脅威度×5に等しい。GMは栄誉の得失の項では、GMはこの値を修正する。彼の社会的な非難から外れるNPCはこの基本値とは異なる栄誉ポイントを有していてもよい。ほとんどのNPCの栄誉ポイントは変化しないが、GMはPCのストーリーやアドベンチャー・フックとして特定のNPCに幸運や不名誉を選択するかもしれない。
PCの基本栄誉ポイント:君は【魅力】+君のキャラクター・レベルに等しい栄誉ポイントから開始する。例えば、【魅力】13を持つ1レベルのPCは14の栄誉ポイントを持って開始する。君の経験レベルや【魅力】の永久的な変更はそれに応じて君の栄誉ポイントも調整する。君はプレイ中に栄誉ポイントを得失することもできる。
君はイベントを通じて栄誉ポイントを得失する。いくつかのイベントはパーティのPC全員に影響があり(村を攻撃しているデーモンを破壊するような)、他のものは君にのみ影響がある(尊敬できないようなライバルに対して決闘で負けるなど)。大部分のこれらのイベントは何が起こったのかの話を広める目撃者を必要とする; 誰も外からイベントを見ておらず、パーティ内の誰もそれについて話さないのなら、君の栄誉に影響はない。ニュースが伝わるのに必要な時間を反映し、1d6日かそれ以上の遅れが栄誉が変更されるのに適切であるとGMは決定するかもしれない。
一つのイベントは複数の理由で君に栄誉ポイントをもたらすことができる。例えば、君が騎士道の行動規範を使用しているパラディンで、君のパーティ平均レベルが8の場合、脅威度11のヘズロウ・デーモンに対処することはパーティ全員に一般イベントの「歯ごたえのある遭遇をパーティは克服した」ため1栄誉ポイントをもたらし、騎士道のイベントの「対抗する属性の歯ごたえのあるモンスターを打ち破った」ため2栄誉ポイントを君にもたらした。
様々な行動規範の栄誉ポイントの調整表は君に栄誉ポイントを与えるか失わせるイベントの例を提供する。栄誉ポイントの値はガイドラインである; GMが状況とキャンペーンにふさわしく調節しなければならない。
大切な人への贈り物、貸与、紹介などで、自分自身に一時的な有利をつけるために、君はゲーム・セッション毎に1回栄誉ポイントを費やすことができる。支出それぞれはGMによって決められる量だけ君の栄誉を減らす。君が現在持っているよりも多くのポイントがかかる有利のために栄誉ポイントを費やそうとすると、君は栄誉ポイントが0に減少し、その有利は得られない――高みに手を伸ばし過ぎることで君は栄誉を失い、何も得ない。栄誉ポイントの支出の例として以下のようなものが挙げられる。
助力:君は、味方のNPCに厚意を求める。例は、私的な資源へのアクセス(ウィザードの図書館など)や、敵の領土を通る妨害されない道(官職に君が通過するための手紙を書かせるなど)や、重要人物との謁見(大司祭や都知事など)を含む。コスト:1d6から5d6の栄誉ポイントで、助力の困難と君に対するNPCの態度に依存する。GMが伝手のルールを使っているならば、特有のコストは仕事の危険レベルにつき1d6栄誉ポイントである。
贈り物と貸与:君はNPCの味方に価値のある何かを貰うか貸してもらえるよう頼む。贈り物や貸与は、富や単一のアイテムの形式でなければならない。GMは、NPCは特に珍しいか高価なアイテムを渡すことを拒否すると決定するかもしれない。そのアイテムはそのNPCが実際に与えられるものでなければならない――君は鎧一式を農民に、あるいは皇帝の個人的な剣をローニンに求めることはできない。贈り物は恒久的であるが、貸与はそれを得たゲーム・セッションの間のみ持つ。コスト:2,000GPの価値のある贈り物につき1d6栄誉ポイント。贈り物の代わりに貸与を要求するならば、栄誉ポイントのコストは半分になるが、セッションの終わりにアイテムを返却しなければ、アイテムを返却するまで各セッションの始まりにこの栄誉ポイントのコストを払わなければならない。これは、そのセッションで栄誉ポイントを費やす機会1回として数える; 君がアイテムを返却するまで君はほかのものに栄誉を費やすことはできない。
技能ボーナス:〈はったり〉、〈交渉〉、〈威圧〉のいずれかを選択する。君はゲームのセッションの残りの間、その技能の判定に+5の状況ボーナスを得る。コスト:1d6栄誉ポイント。
栄誉が0に到達すると君は意志セーヴィング・スローと【魅力】に基づく判定に-2のペナルティを被り、これは君の羞恥心を表している。君が栄誉に結び付いた機関の一員ならば、君の栄誉の欠如は機関の名を汚すものかもしれず、指導者は君を罰するかもしれない。
君はいつでも栄誉の行動規範を捨てて良い。全ての栄誉ポイントと栄誉からの利益を失うが、0栄誉ポイント用のペナルティは受けない(行動規範を持っていないことは行動規範を誇示していることと同じではない)。その行動規範を信じているキャラクターはしなければならないことを超えて君と話したり対処することを拒否する。君のNPCの仲間は君を避ける。君の尊敬すべき機関は君を敵だと認識する。君の前の行動規範と関係がない人々でさえ君の尊敬すべき機関からの懲罰を恐れて君を避けるかもしれない。
これらのイベントは、下記の個々の行動規範を含む大部分の栄誉の行動規範に適切である。
適切な脅威度のアドベンチャー・パスを完了した |
+10 |
+2 | |
+2 | |
+2 | |
+2 | |
+1 | |
+13 | |
+14 | |
+1 | |
-2 | |
-3 | |
-4 | |
-5 | |
反逆罪に当たる行為を行うか、高貴な支配者に対する背信行為を行う |
-10 |
-20 |
32か48ページで出版された長さのシナリオについて
アイテムの価格が40,000GP毎に。
これらのイベントは騎士道やアーサー王の騎士の行動規範に適応される。
主やそれに準ずる位となる |
+50 |
+20 | |
+10 | |
不名誉な敵の救済 |
+6 |
家臣を獲得する |
+4 |
聖域を提供し、その申し出を守る |
+3 |
主君に忠誠を誓う |
+3 |
+2 | |
+2 | |
+2 | |
大きな誓いを立てそれを守る |
+2 |
トーナメントで勝つ |
+2 |
敵の仮釈放を受け入れる |
+1 |
トーナメントに参加する |
+1 |
敵の出獄を受け入れ、身代金の受け取りを拒否する |
-2 |
「救済した」敵を裏切る |
-2 |
軽犯罪で有罪判決を受ける |
-2 |
聖域を提供し、それを裏切る |
-4 |
大きな誓いを立て、それを破る |
-4 |
不正行為によってトーナメントに勝った |
-5 |
これらのイベントは、盗賊ギルドまたはニンジャの一族によって使われるような行動規範に適用される。
+50 | |
+25 | |
+4 | |
+33 | |
+3 | |
+2 | |
上位の犯罪者のために喜んで逮捕される |
+2 |
+1 | |
異議申し立てを破るか、無罪になるか、量刑手続きを避ける |
+1 |
パーティが同意し、重大な犯罪を犯す |
+1 |
+16 | |
重大な犯罪で有罪判決を受ける |
+1 |
-2 | |
-2 | |
-3 | |
-4 | |
-4 | |
-5 | |
君固有の「犯罪者の行動規範」に違反する |
-6 |
ギルドマスターとして倒される |
-30 |
「窃盗犯罪のみを犯す」や「盗みはしない、殺人だけだ」のようなこと。
アイテムの価格40,000GP毎に。
これらのイベントは政治的陰謀、スパイ活動、外交を愛する文化に当てはまる。
国の指導者となる |
+50 |
公爵(もしくは等しい位)になる |
+20 |
貴族の位が上る |
+15 |
重要な使命を受ける |
+10 |
+5 | |
+5 | |
+3 | |
大使としての役割を果たす |
+2 |
+2 | |
+2 | |
望まれている戦争を起こす |
+2 |
条約を書き届ける |
+2 |
+1 | |
ライバルを困らせる |
+1 |
官僚内に味方を作る |
+1 |
+1 | |
-1 | |
-2 | |
-3 | |
君を支持している人を援助するのを拒否する |
-3 |
恥ずかしい任命を受ける |
-4 |
-5 | |
嫌われる戦争を起こす |
-8 |
-10 |
大名や寺院の当主となる |
+80 |
戦闘中に大名や寺院の当主を打ち破る |
+20 |
切腹を確約する |
+10 |
+8 | |
失脚した味方の切腹を介錯する |
+4 |
君の名を汚した者と一騎打ちで挑戦し打ち破る |
+3 |
+3 | |
対抗する権力に捧げている神社を壊す |
+2 |
略奪者から神社を守る |
+2 |
+2 | |
+2 | |
+1 | |
知恵比べでカミを騙す |
+1 |
君の成果を極度に自慢する3 |
-1 |
軽犯罪で有罪判決を受ける |
-2 |
公共の場で酔っ払う |
-2 |
降伏した栄誉ある敵を殺害する |
-5 |
イベントが題材を嘲っており、かつ題材が君より低い栄誉ポイントを持っている場合、君は2栄誉ポイントを得て、被害者は2ポイントを失う。イベントが君より栄誉ポイントを持ってる目標を嘲る場合、イベントが君に関連付けされうるならば-4の中傷ペナルティの危険が君にある。このイベントで賞賛もしくは嘲る追加の題材毎に、この技能判定に-5のペナルティを受ける。2 誓いは君より栄誉ポイントの多い人に対してでなければならない。3 これがクラス能力の一部でない限り、それは君の成果を自慢することを要求する。