呪いは最も古く、最も恐れられている魔法の一種である。呪いは、それを生み出した元の悪意ある言葉や墓暴きの行為を遥かに超えて残る。もっともよく知られ、簡単に破壊される種類の呪いは呪文ではあるが、他には、悪意に満ちたライカンスロピーの呪いから、ミイラ腐敗病の腐臭、リノームの難解な断末魔の呪いなど様々な苦難である。この節で紹介する新しい呪いはすべて苦難であり、結果としての特定の機能を共有している。
この節には、新しい呪いと、呪いの選択ルールを収録している。また、ゲーム内で様々な種類の呪いを使用するためのアドバイスを提供する。
呪いは様々な方法でキャラクターを苦しめることができるが、それを取り除くのは破壊的に難しいため、頻繁に現れるとゲームの雰囲気が変わってしまう。ほとんどの呪い――特に取り除くために単にリムーヴ・カース呪文以上の行為が必要となるもの――は重要で記憶に残る挑戦を加えるために、または重要な選択の結果として使用されるべきである。呪いの冷酷な噴出は神秘性を減らし、パーティの有効性を劇的に下げ、適切な脅威度の遭遇に対処するPCの能力を潜在的に取り除いてしまう。
多くの呪文は不幸な犠牲者に呪いをかけることができる。その効果は通常単純なものであり、適切な呪文で終了する(しかし、ディスペル・マジックであることはない)。全ての呪い呪文は[呪い]の補足説明を持つ。最もよく知られているのはビストウ・カースであり、術者は記載された選択肢に沿って、自分の効果を生み出すことができる(50%の確率でアクションを失わせる、判定に-4のペナルティを受ける、能力値に-6のペナルティを受ける、のいずれか)。そのパワー・レベルに沿った効果には以下のものが含まれるが、最終的には術者の想像力とGMの裁量によってのみ制限される。被害者がダメージを与える呪文や擬似呪文効果の範囲に隣接している時(自分が作成したものであっても)、範囲は犠牲者を含むように拡大する。犠牲者は自然治癒されず、魔法による治癒は通常の半分の量しか回復しない(最小1ポイント)。犠牲者が高速治癒または再生を持つ場合、それも半分となる。犠牲者は自身のみが見聞きできる不協和音とストロボ光に悩まされる。犠牲者はわずらわされ(〈知覚〉判定に-5のペナルティ)、技能判定で出目10を行えず、呪文の発動に成功するために精神集中判定(難易度20+呪文レベル)に成功しなければならない。犠牲者が物体を拾い上げたり取り出したりするたび(武器や矢弾を引き抜くことを含む)、50%の確率でそれを落とす可能性がある。遠隔攻撃を試みている最中に矢弾を落とすと、その特定の攻撃は失われる。
セーヴ難易度/Save DCs:呪いのデータはセーヴ難易度を持つ。呪文によって作成される呪いの場合、通常最小難易度を示す。呪いを生み出すために呪文を使用する場合、通常通り、術者の能力値と呪文レベルを使用して難易度を計算する。
効果 犠牲者の心と身体は頼りにならなくなり、全ての能力値に-4のペナルティを与える。犠牲者が戦闘に入る時は、呪いの難易度に対して頑健セーヴに成功するか疲労状態とならなければならない。
効果 犠牲者は軽度の霊障で説明されているように、ゴーストに取り憑かれる。
治癒 軽度の霊障とは異なり、ゴーストを休ませることによってのみ重度の霊障は終了できるが、ゴーストを破壊した直後にリムーヴ・カースを発動すると24時間の間復活できなくなる。
効果 犠牲者はポルターガイストに取り憑かれる。1日1回、犠牲者は呪いに対して意志セーヴを試みなければならない。成功すると、呪いに対する将来のセーヴィング・スローに累積する-1のペナルティを受ける。失敗すると、ポルターガイストは300フィート以内に顕現し、2d12時間に亘り犠牲者を追跡し始め、最も弱いと思われる時に現れて殺そうとする。戦闘が始まると犠牲者は1分間の間自動的に怯え状態となる。この呪いは次にこの呪いに対するセーヴィング・スローに失敗した時に再び破壊されたポルターガイストを復活させ、犠牲者に取り憑かせる。
治癒 呪いを取り除くための通常の手段に加えて、ポルターガイストが存在する理由を見つけ、平和的に休むことを妨げるものを正しく修正することによって終了させることができる。
効果 ブギーマンの狩りで詳述されるように、アンコウによって犠牲者は狩られる。
効果 犠牲者はブギーマンに狩られる。 1日1回、犠牲者は呪いに対して意志セーヴを試みなければならない。成功すると、呪いに対する将来のセーヴィング・スローに累積する-1のペナルティを受ける。失敗すると、ブギーマンは1マイル以内に顕現し、2d12時間に渡り犠牲者を追跡し始め、最も弱いと思われる時に現れて殺そうとする。ブギーマンとの戦闘が始まると犠牲者は1分間の間自動的に怯え状態となる。この呪いは、呪いに対するセーヴィング・スローに失敗した次の時に殺されたブギーマンを復活させ、再び犠牲者を狩らせる。
治癒 ウィッシュ、ミラクルまたはリミテッド・ウィッシュのみが犠牲者を解放する。
効果 目標は指定された方法で死ぬ運命にある(この呪いは、他の手段による目標の死を防ごうとする試みの意図しない結果である可能性もある)。犠牲者は指定された死因に関連する負傷で苦しんでいない限り、死亡するときの容態安定化のための【耐久力】判定に+4の幸運ボーナスを得る。指定された死因によって目標がダメージを受けた場合、その死因に対するセーヴに失敗した場合、またはダメージあるいはセーヴィング・スローを伴わない方法で名前のついた死因に耐えられなかった場合(例えば窒息に対する【耐久力】判定に失敗したなど)、この呪いに対して頑健セーヴを試みなければならない。失敗すると即座に死亡する。成功すると1ラウンドの間よろめき状態となる。
治癒 封じられた運命はウィッシュまたはミラクルによってのみ取り除くことができる。
効果 犠牲者の心は2つの共存するペルソナに分かれる。1つは通常のもの、もう一つは悪意ある自己破壊衝動のあるものである。自己破壊的なペルソナが制御している時、自己破壊的なペルソナは、犠牲者の努力を妨害し、犠牲者の友人や愛する者の死亡を企む。この人格は他人から自らの行動と意図を隠すように注意する。通常のペルソナに時間を失っているという感覚はない。代わりのペルソナが制御を行う正確な時間はGMが決定するが、1日1回しか制御されない。代わりのペルソナが表面化するたびに、犠牲者はセーヴを行わねばならず、失敗すると代わりのペルソナが1d6分間制御する。通常この乗っ取りは、犠牲者が一人でいるときや、二人っきりのときに発生するが、極度の精神的重圧がある瞬間も犠牲者にこの効果に対してセーヴを試みることを強制するかもしれない。代わりのペルソナは、通常のペルソナの記憶と能力の使用権を完全に得、その存在を隠すための〈はったり〉判定に+10のボーナスを得る。この苦悩の悪意に満ちた性質にもかかわらず、呪いの効果下にある場合も犠牲者の属性は変わらない。例えば、自己破壊的なペルソナはパラディンの犠牲者の能力を依然として使用することができる。
治癒 自我崩壊はリムーヴ・カースと、ヒール、グレーター・レストレーション、またはサイキック・サージェリーのいずれかを犠牲者に1分間以内に発動することにのみ治癒できる。
効果 目標は、重大な瞬間に彼の気を散らす恐ろしい幻想的な光景に悩まされる。犠牲者は精神集中判定または次の状態異常を課す効果に対するセーヴィング・スローに対して-4のペナルティを受ける:混乱状態、幻惑状態、吐き気がする状態、怯え状態、不調状態、朦朧状態。1日1回、一人でいるときか斬新で奇妙な何かに直面した時、意志セーヴに成功するか1d3ポイントの【判断力】ダメージ(正気度のシステムを使用している場合は1d6ポイントの正気度ダメージ)を受けなければならない。
治癒 苦悩の光景の呪いは、リムーヴ・カースを発動してから、バニッシュメントを発動することによってのみ取り除く事ができ、各呪文をお互いから1分以内に発動する。
効果 犠牲者は治癒できない傷を負い、最大ヒット・ポイントを自身のレベルか5のどちらか高い方だけ減少させる。この減少した最大値を超えて犠牲者のヒット・ポイントを上昇させる魔法の治癒は無駄なものとなる。
術者は他の者よりも容易に目標を呪うことができるが、大きな感情と復讐の必要性があるとき、術者でないクリーチャーは信仰または秘術のエネルギーを放出して衝動的な呪いを作り出すことができる。呪いは深い侮蔑、逆巻く憎しみ、冷酷な復讐、あるいは瀕死での行為(全てGMの裁量による)という極度の精神的負担を受けている間にのみ即興で創造されるが、どの場合でも、一ヵ月に1回を超えないものである。衝動的な呪いはタブーや神聖な場所や不浄な場所を破る者にもっともよく降りかかる。時折、神またはその他の超常的な存在は、人格を試す試練に失敗するか、歓迎されないところに不法侵入するかした定命の者を呪う。
GMがクリーチャーに衝動的な呪いをかけることを許可する場合、そのクリーチャーは〈知識:神秘学〉または〈知識:宗教〉を少なくとも5ランク持っていなければならない。クリーチャーはリストにある難易度が10+技能ランクの数以下の呪いを使用することを試みることができる。呪い能力を持つクリーチャー、および呪いに密接に関連するクリーチャー(エンジェル、フェイ、ハグ、アンデッドなど)はこの必要条件を満たさずに目標を呪うことができる。呪いを強化すると呪われているクリーチャーの【魅力】が2減少し、この減少は呪いが残る限り継続される。呪われているクリーチャーは強化された呪いを解呪することはできない。
呪いは苦難のリストにある効果に限定される必要はない。ただし、新しい呪いをデザインするときは行き過ぎたものにならないように注意せよ。壊滅的な呪いは死や石に変わるほど深刻な結果をもたらす。確かに、逃げることができない目前の破滅を約束する恐ろしい呪いにはふさわしい場所があるが、呪いの下での悪戦苦闘は即死がもたらすよりも高い緊張感をもたらせる一方で、そのような呪いを生き延び逃れることはそれ自体が冒険になりうるため、しばらく耐えておかねばならない呪いはゲームに遥かに恐ろしいものをもたらす。呪いを作成するときはこのガイドラインを考慮せよ。
論理的に/Make It Logical:キャラクターは通常、自分のことを気にかけているという理由で呪いを得ることはない。それより、被害者は強力な力に手を出すか、古代の墓場の安息を乱すか、復讐を誓う占い師を不当に扱うことさえすることの方が多い。食べられなくなった大食い、偏見の標的となる偏見持ち、日光の光で燃える墓荒らしなど、呪いをもたらした行為に呪いを合わせてみよう。
興味深く/Make It Interesting:面白くない呪いはゲーム内の時間を消費する価値のないものである。良い呪いは、不気味、コミカル、恥ずかしい、または恐ろしいものでなければならず、その背後に良いストーリーがあると役立つだろう。
相互作用するように/Make It Interactive:一部の呪いはプレイヤーとGMに、嘘をつけなくなる、盗みを働く衝動といったロールプレイの働きを要求する。この種類の呪いは、動機付けのあるグループにとって非常にやりがいがあるものである。起こり得る効果はゲームの機械的な命令を遥かに超えるかもしれないからである。
単純なものに/Make It Simple:良い呪いには扱いやすいメカニズムがある。ほとんどの呪いには1つまたは2つの効果しかなく、プレイ中に解決できるものであるべきである。戦闘中に複雑な効果を参照する必要性を避けること。そうでないならば、簡単に参照できるものとして使用する呪いの詳細を記載したインデックスカードを準備すべきである。
呪いには様々な効果があり、これは新しい呪いをデザインする際に留意すべきことである。これは断続的にのみトリガーされるか、一定のペナルティを提供していくか、時間とともに悪化していく。さらに、呪いはゲームのメカニクスのみを使用して機能するか、ロールプレイの考慮を組み込むことができる。
断続的/Intermittent:不運など一部の呪いは、特定の状況下でのみトリガーされるが、それ以外の場合は効果に一貫性がある。
機械的/Mechanical:これらの呪いは、ペナルティの適用、能力値ダメージ、負の状態などその効果を大部分のゲームの仕組みに依存させている。呪いに安定した一貫した効果が必要な場合、この種の呪いは良い選択肢である。ただし特定の状態がある場合は、その状態によって引き起こされる他の能力との相互作用がないか検討をする必要がある。
進行的/Progressive:進行的な呪いは病気のように機能し、障害が進行するかを定期的に判定する必要がある。ただし、病気に苦しむこととは異なり、これらの呪いの犠牲者はセーヴィング・スローに成功するだけでは回復しない。各セーヴが失敗するたびに進行的呪いは悪化し、しばしば無力化や死に至る。ミイラ腐敗病は典型的な進行的呪いである。
静的/Static:ベイルフル・ポリモーフのような呪いは、呪いの持続時間全体に効果を適用し、その重大度は変化しない。
呪いの犠牲者を取り除く最も一般的な方法は、リムーヴ・カースであり、時には他のより強力な魔法の助けを借りる。新しい呪いを、特にストーリーの背景が強い呪いを作るときは、コンディショナル・カース呪文のように、呪文を発動するだけでなく呪いを取り除く新しい方法を検討すること。強盗は不正な手段で得たコインをすべて返すまで呪われ、傲慢な貴族は数十人の物乞いの足元を綺麗にするまで苦しむかもしれない。そうした場合、犠牲者に苦しみを終わらせる方法を漠然と認識させるのが最善であるが、調査や試行錯誤のいずれかによって自力で固有の具体的な方法を発見させること。ストーリーに基づいた治癒方法を持つ呪いはリムーヴ・カースとブレイク・エンチャントメントで破壊することはしばしば難しい。呪いの力に基づいて、取り除く難易度を2、5、10と増加させる。特に強力な魔法は取り除くための特定の条件や、ウィッシュ、ミラクルまたはリミテッド・ウィッシュの適用いずれかを必要とし、リムーヴ・カースとブレイク・エンチャントメントに完全に抵抗する。
いくつかの呪いは通常よりも簡単に取り除くことができる; 代用の呪いはその即席の性質のため、取り除きやすい傾向がある。取り除くのは単純な浄化の儀式で十分かもしれず、その手法はPCが探索、調査、〈知識:宗教〉判定の成功で発見できる。そのような呪いは数日から数週間で消えるかもしれない。多くのNPCの術者は質問なしに呪いを取り除くが、呪いが偶然にも獲得されることは滅多に無いことは常識である。そうした術者の一部は、呪いの背後にある状況を知りたいと思うかもしれない(会話している間に〈真意看破〉や占術の魔法さえ使用するだろう)。善属性の教会は、理由があって得てしまった呪いを取り除くための部分的な報酬として、贖罪や慈善行為を期待するかもしれない。
呪いが通常または条件のある手段で終わらせることが不可能であると思われる場合、犠牲者は苦痛からの一時的な救済として絶望的な措置をとるかもしれない。このような方法の多くは、呪われたクリーチャーがこれは単に呪われているよりも悪いと考えるほどに悲惨なものである。
死/Death:一部の呪いは犠牲者の死で終わり、おそらく呪いから解放された死者から蘇生されることを期待して自分の命を奪うように犠牲者を導く。一部の者は、この方法に解放を見出すが、他のものはひどく失望する; 一部の神格はそのような理由のない自殺を微笑まないかもしれない――または犠牲者が蘇り、自分たちがまだ呪いの影響を受けていることに気がつくだけかもしれない。
償いを行う/Making Amends:悪行に対する罰として課された呪いは、悪行を正すことによって中和されるかもしれない。しかし、保証はない。悪行をもとに戻し、引き起こされた厄介ごとの埋め合わせをするために更に相当の努力を提供することで、呪いに対する新たなセーヴィング・スローが呪いを取り除くことができるかもしれない。積まれた呪いからの恩赦はこのセーヴィング・スローに+4のボーナスを与える。償いが必要な呪いの場合、このような償いが行われない限り、リムーヴ・カースは通常は失敗する。
共存/Symbiosis:稀なケースではあるが、キャラクターはこうすれば自分が何らかの制御を得られるだろうと期待して、効果を緩和するための必死の試みとして呪いそのものに自身へと感染させることを許可することがある。呪いとの共存は滅多に成功せず、通常はその呪いがクリーチャーの人格を引き継ぐため、呪われし者の腐敗に暴露することに繋がる。まれに、呪いとの共存によって呪われた者が呪われし者の腐敗を経ることなく呪いに関連したモンスター(ハグなど)に変身する場合もある。
Pathfinder RPG Core RulebookとPathfinder RPG Ultimate Equipmentにはいくつもの呪われたアイテムが収録されている。これらの呪われたアイテムは通常の魔法のアイテムの作成中に、なにか恐ろしいしくじりが起こって生じるのが最も一般的だ。しかしながらこのようなアイテムは死刑を課すために呪いをもたらしたり、意図的な悪意の結果であるような場合もある。呪われたアイテムは、特定の敵を害するために作成された場合、最も有害なものであり、阻止することは困難である。
クリーチャーは、ほとんどの点で同様のアイテムと同じ方法で呪われたアイテムを意図的に作成できる――ユニークな呪われたアイテムと、正反対の効果を持つアイテムを除くが。呪われたアイテムの作成には通常のアイテムと同じ必要条件があり、同じ技能判定が必要であるが、更に意図的な呪われたアイテムにはビストウ・カースまたはメジャー・カースが必要となる。通常のアイテムと誤解させる呪われたアイテムを作成するには、以下の例外を除き通常通り完全に機能するバージョンと同じコストがかかる。ただし、あらゆる魔法のアイテムの価格の指標と同様、以下の割引は呪われたアイテムの最終価格を決定するための出発点としてのみ使用するべきであり、特定の状況の特殊性は恐らく以下の助言を超える特別な調整を要求するだろう。
妄想:使用者が機能していると思うだけのアイテムのコストは、通常の90%となるかそれより低くなる(例えば、ミラー・オヴ・ライフ・トラッピングだと使用者に思わせるアイテムは20,000GPのコストである必要はない)。
副作用と必要条件:副作用と必要条件は呪われたアイテムのコストを全く減少させない(または増加させるかもしれない)。意図的な呪われたアイテムの作成者がこの必要条件を設定したのだから、その作成者は特定の意図を持ってそれを行ったと考えられる。例えば、自身には大して影響を与えないが、盗まれた場合その敵に痛手を被らせる必要条件を選択するとか、誰かに使って欲しかったために必要条件を選択し、それからそのアイテムを贈り物として渡すなど。
つまり、この呪いのアイテムは通常、呪われたアイテムを商人に売るときの価格に影響する。最小技能ランクや特定の神格の崇拝などの小さな副作用や必要条件は、価格を10%下げる場合がある; 属性の変更、能力値ダメージ、財産を生け贄に捧げる、アイテムを起動するためのクエストの実行など、有害またはコストの掛かる副作用や必要条件は30%; 取り除けない負のレベルや、有情のクリーチャーを定期的にそのアイテムへと生贄に捧げる必要があるといった深刻な副作用や必要条件は50%下げる。
目標への逆の効果/Opposite Effect on Target:これらのアイテムはキャラクターが意図的に作成することに適していることは滅多にない。逆転した攻撃や特定の呪文の解呪が味方に使われた時に実際に有益であったり、その逆となるような奇妙な状況につながる可能性が滅多にないためである。逆の効果が新しい効果ではない場合(キュア・ライト・ウーンズの代わりにインフリクト・ライト・ウーンズなど)、作成者はアイテムの持ち主を騙すつもりがない限り、最初から逆の効果のアイテムを作成するのと同義である。
穢れたアイテム/Stained Items:クリーチャーの死は、そのクリーチャーを殺すために使用された魔法のアイテムや、死の瞬間に近くにあった魔法のアイテム、またはそのクリーチャーの死によって得られた素材を使って作成された魔法のアイテムを汚す可能性がある。穢れたアイテムは、適切な種別の呪われたアイテムに永続的に変換される。呪われたアイテムはその種別の呪われたアイテムと同様に機能するが、呪い部分の死の原因となっているクリーチャーからアイテムの呪いを抑制したり取り除いたりするためのリムーヴ・カースや類似の魔法のための判定の難易度が5増加する。
これらのアイテムは、記載されている通りのアイテムとしてではなく、そのアイテムが生み出す効果を備えた新しいアイテムとして、場合によりけりの作成要項と価格を設定すべきである。
(Scroll of Blood Ink/血のインクの巻物)
この巻物には何らかの呪文が含まれているように見える。持ち主がその呪文を発動しようとすると、インクが血に変わりページから流れ出し、自動的に呪文を無駄なものとする。巻物の端が鋭くなり、装備者の手と手首を切断し、4ポイントの【耐久力】出血状態を与える。難易度15の反応セーヴに成功すると、出血は半減する。出血は魔法の治癒または難易度20の〈治療〉判定に成功することで止まる。
(Staff of Magical Decline/魔法力低下のスタッフ)
このスタッフは普通のスタッフのように見え、戦闘で使用するまでは通常通り機能する。使用者の有効術者レベルはスタッフのレベルまたは使用者の術者レベル-4のどちらか低い方になるように低下する。使用者の呪文発動能力値は、既にそれより低い場合を除いて、10+スタッフの最も高い呪文レベルに減少する。
使用者は他の近接武器や呪文起動型アイテムではなくスタッフを使わなければならない。たとえスタッフが完全にチャージされていたとしても、術者はこのスタッフへ1チャージ回復させる為に呪文スロットを1つ控えない限り、その日の呪文スロットを取り戻すことはできない。ただし、呪いから解放されるまで、スタッフにチャージするのに使用した呪文スロットを取り戻すことはない。使用者がスタッフを取り除く唯一の方法はウィッシュまたはミラクルによるものである。
呪われた土地は神の裁きで印を受けた地域、大きな惨劇で傷ついた地域、または意図的な悪意によって傷ついた地域である。その地域的な呪いの一般的な原因は、その地域でのアンデッドの霊障、住民による重大な罪、強力なスピリットや神を怒らせたこと、大量殺戮や報いを必要とする破壊活動などがある。また、カース・オヴ・ナイト、カース・オヴ・フェル・シーズンズ、カース・テレイン呪文などの呪文で人工的に作成することもできる。地域的な呪いは、あらゆる呪いの特徴に加えて範囲を持つ。あらゆる地域的な呪いは呪いを取り除く目的において難易度を持つが、その効果の多くはセーヴィング・スローを許可しない。地域的な呪いを取り除くためにリムーヴ・カースを発動するとき術者は土地を物体として扱い、通常は呪文に密接に結びつく放射の中心点か、その他の場所にいる必要がある。
クリーチャーへの罰としての呪いと土地の呪いは同一のものとなることがある。カースド・ロードは呪われた領土に閉じ込められたクリーチャーである。カースド・ロードは領土を統べる力を得るが、呪いが何らかの形で破壊されない限り去る事はできない。これは通常カースド・ロードを殺すか、救済することを伴う。キャラクターはこれを、アーティファクトの破壊に課せられる制限と同様に、非常に特定の状況を成立させることによってのみ達成できる。例えば、呪われた領土は、逃げ出した奴隷や難民に偽物の地図を売って利益を得ていた悪いカースド・ロードを捕らえるかもしれない; ロードが殺され、その死体が元奴隷によって川に置かれるまで、この領土が彼の凶悪な犯罪の汚れから解放されることは有り得ないであろう。
効果 カースド・アースで説明されるように、この範囲は飢餓、生ける死、または疫病で呪われている。
効果 非魔法的な光と通常の光量を生成する魔法の光源は呪われた領域では薄暗い光のみを生成し、直射日光でもその領域ではその領域を薄暗い明かりのみで照らす(満月のときに似ている)。黄昏時と夜は常に暗い。日の光によって害されたり弱体化するクリーチャーは、この領域で日中動き回ることができ、薄暗い日光から受ける唯一の障害はその領域で目が眩んだ状態となることである。ディミニッシュ・プランツの使用によって発育を妨げられたように、この領域の植物の発育は阻害される。 呪いに対する意志セーヴに成功しない限り、術者が範囲内でデイライトを発動したり、真の陽の光や明るい光を作成する呪文の発動する試みは失敗する。成功すると明るい光ではなく通常の光が得られる。
治癒 明けぬ夜は、晴れた日の正午にサンバーストに続いてリムーヴ・カースを発動することに成功することによってのみ解呪される。
効果 十分な記憶、恐怖、または他の強い感情が内部に束縛されるようになると、建物は独自の生命を呈すことができるようになる。そのような建物は、住民に、滞在し、建物と付き合い続けるか、奉仕し続けるか、守り続けるか、建物のこの世のものならぬ飢えを満たし続けるかを強制しようとする。嫉妬深き建物は、【知力】、【判断力】、【魅力】が16で、高速治癒5を持ち、レベル術者11で以下の擬似呪文能力を以下の並んでいる最小使用回数だけ1日に使用することできる、いづれかの悪属性の建物サイズの知性ある魔法のアイテムと類似している:3/日―アニメイト・オブジェクツ(家具のみ)、呪文レベル上昇化フィアー(難易度19)、呪文レベル上昇化テレキネシス(設置されいない物体のみ; 難易度19); 1/日―ガーズ・アンド・ウォーズ。
治癒 嫉妬深き建物は、リムーヴ・カースを発動したあと建物全体にハロウを発動する事によってのみ休息させることができる。
効果 最大7つの障害で、各々が脅威度14以下であることを除いて、重度の危険領域と同様に範囲内のクリーチャーを危険に晒す。この障害複数は配置されており、障害が同時に発生する場合、その遭遇の障害からの有効脅威度は15以下でなければならない(例えば、2つの脅威度13の障害が同時に発生する可能性はある)。
治癒 効果の中心でハロウの発動が続き、次の日暮れか真夜中の前までに各障害にディスインテグレイトが発動される場合のみリムーヴ・カースで大いなる危険領域を取り除くことができる。
効果 最大6つの障害で、各々が脅威度10以下であることを除き、重度の危険領域と同様に範囲内のクリーチャーを危険に晒す。この障害複数は配置されており、障害が同時に発生する場合、その遭遇の障害からの有効脅威度は11以下でなければならない(例えば、2つの脅威度9の障害が同時に発生する可能性はある)。
治癒 効果の中心でハロウの発動が続く場合のみリムーヴ・カースで上級危険領域を取り除くことができる。
効果 各々が脅威度6以下で、範囲内のクリーチャーを危険に晒す、最大4つの障害であることを除き、軽度危険領域として機能する。複数の障害と同時に遭遇する場合、その遭遇の障害複数による有効脅威度は7以下でなければならない(例えば、2つの脅威度5の障害が同時に発生する可能性はある)。
効果 各々が脅威度3以下で、最大3つの障害(ホラー環境参照)が範囲内のクリーチャーを危険に晒すが、一度に複数の障害がクリーチャーを襲うことはない。クリーチャーはこの呪いをかけると、その障害を選択できる。障害は地形の種別に適切なものでなければならない(GMの裁量による)。安全化された障害は深夜毎に全て再設置され、再び危険なものとなる。
効果 呪われた地域の天気は劇的に変わり、燃えるような砂漠に雪さえも齎す。この地域は君の選択によって格段の猛暑の状況あるいは頻繁に発生する激しい嵐に襲われている。天気は予測不可能なままであり、時間の経過とともに変化する可能性があるが(GMが決定する)、呪いが残り続けている限り、ベースラインの天気は変更される。
治癒 呪われた気候は、影響を受けた地域の中心でリムーヴ・カースを発動し、続いてコントロール・ウェザーを発動する事によってのみ通常通りに戻すことができる。
一部の呪いは、他の呪いと比較して普通でないくらい機能する。次の項目では、任意の呪いに適用して、その呪いのバリアントを作ることができるいくつかのテンプレートを示している。このテンプレートはクリーチャーに適用できるテンプレートと同様に機能し、複数のテンプレートを1つの呪いに適用して、真に恐ろしい効果を生み出すことができる。
効果 呪いの通常の効果に加えて、この呪いは特定の手段で他のクリーチャーに伝染する。これは病気の伝染方法にも類似している場合があれば、歌や愛などのより難解なものとなる場合もある。
治癒 呪われたクリーチャーによる、自身への呪いを魔法で取り除こうとする試みは自動的に失敗するが、他のクリーチャーは通常通り呪いを取り除くことができる。他の伝達手段が何であれ、元のクリーチャーの呪いを魔法で治癒しようとするクリーチャーは自動的に呪いに曝され、影響を受けることを避けるためにセーヴィング・スローに成功しなければならない。
効果 通常、断末魔の呪いはリノーム、一部のフェイ、ハグの死によって発生するが、他のクリーチャーも殺したものを呪うことがある。セーヴ難易度は呪いの通常の難易度ではなく、10+クリーチャーのヒット・ダイスの半分+クリーチャーの【魅力】修正値に等しい。断末魔の呪いの効果は元の呪いと同じであり、その効果は呪いをかけているクリーチャーのヒット・ダイスに基づいて変化する傾向がある。
治癒 標準的な治癒方法に加えて、断末魔の呪いをかけたクリーチャーが最初に蘇った時、呪われたクリーチャーは呪いを破るための新しいセーヴィング・スローを得る。呪われた者がこの復活に貢献していた場合、このセーヴィング・スローに+4のボーナスを得る。
効果 元の目標となったクリーチャーを呪うことに加えて、この呪いは目標の子供や孫など複数の世代に渡って呪い続ける。特定の子供(娘や長子など)にのみ適用される可能性もある。
治癒 世代間の呪いは、通常特別な手段によってのみ治癒することができるが、家系の根絶はその脅威を終わらせることもある。呪いを取り除くことで個々人の目標の呪いを治癒することができたとしても、世代間の呪いが将来の世代に影響を与えることを止めない。