最も純粋なクリーチャーでさえ、暗黒の潮に屈することがある。小さな悪癖や誤った考えから始まるものは、なにか悪意のあるものに成長するかもしれない――君のモラルを覆い隠し、君の判断を曇らせ、最終的には君の魂を喰らい尽くすだろう腐敗の広がりへと。吸血鬼の飢えから、プロメテウスの恐ろしい変容まで、様々な種類の腐敗がある。腐敗とともに生きることは恐ろしい経験であるが、暗黒の恵みの誘惑にもなる。宿主は腐敗と戦わず、むしろそれを受け入れて進行させることを選択することもある。この不幸な人々は、腐敗の力を欲するか、腐敗の忌みを制御し、その恵みより大きな利益のために使用しようとする。
以下のページで詳しく説明されている各腐敗には一般的な説明があり、その後に、発端と発現がある。発端の節では、クリーチャーが腐敗にどのように対処するのか、どのように進行するのか、どのように治療されるのかについて説明する。クリーチャーが最初に腐敗に曝露し、その発現レベルが上がると、腐敗したクリーチャーは発現を得る。発現には有益な恵みと有害な忌みの両方が含まれている。また、発現レベルが増加するにつれて、以前の発現の忌みや恵みがより強力になる可能性がある。最後に、クリーチャーの発現レベルが増加すると、その宿主を永遠に腐敗させる可能性も高まる。
腐敗に関連する用語の端的なリストを以下に示す。
発端/Catalyst:完全な腐敗に向けて進行していく方法が組み合わさった、ゲーム・ストーリーで君を腐敗させた刺激的な事件。
腐敗/Corruption:時間の経過とともに変化する悪または異界の影響への暗い兆候。
腐敗段階/Corruption Stage:腐敗にどれだけ近づいているのかの尺度。君の魂が腐敗によってどれだけ変化したかを考えるもの。腐敗段階3では、君は屈服し、もはやPCではない。
発現/Manifestation:発現は腐敗がより顕著になる方法である。腐敗とともに過ごすおよそ2キャラクター・レベル毎に発現を得る。各発現は恵みと忌みの両方があるが、君は両方を得るとは限らない。
発現レベル/Manifestation Level:これは君の腐敗が身体と精神をどれだけ変えたかの尺度である。君の発現レベルは君の持つ発現の数に等しい。
忌み/Stain:君の腐敗の発現によって与えられる負の効果。
各腐敗の発端の節は、その腐敗に対処するためのいくつかの可能な方法を提供している。一度腐敗に曝露すると、即座に発現を得る。発現レベルは1となり、発現レベルで説明されているように、君の発現の数と発現レベルは増加する可能性がある。また腐敗段階に代表されるように、魂を失うことに近づいていく。これについては腐敗の進行で説明している。
複数の腐敗/Multiple Corruptions:通常君は腐敗を1つだけ持つ。複数の影響を受ける非常にまれな状態が発生した場合、通常は両方の腐敗の発現から忌みを得るが、最初に曝露したものからのみ恵みを得る。2つ目の腐敗はより遅い割合で発現を与えていく。文章が発現レベルを指す場合、発現の攻撃ではなく、2番目の腐敗の発現レベルのみを使用する。
君は腐敗に初めて曝露した時、呪いの発現を得、後のレベルでより多くの得る。各発現には恵みと忌みの両方が含まれている(ただし、キャンペーンの選択ルールでは、以下の選択ルールの節で説明するように、この恵みと忌みの取得方法を変更できる)。多くの発現には、腐敗のさらに進んだキャラクターに限定する前提条件があるアスタリスク(*)の印がついた前提条件は同じ節の異なる発現である。
特段の定めがない限り、セーヴィング・スローを行わせる恵みの難易度は10+君のレベル+君の発現レベル(下記参照)に等しい。君は最大9つの発現を持つことができる。
腐敗の恵みと忌みは一緒に発現する必要はない。GMは以下の選択ルールを使用して、恵みや忌みの獲得方法を変更できる。
有用な腐敗/Useful Corruption:この形式のキャンペーンでは、腐敗の恵みにより、不吉な力と戦うことができる。腐敗が発生した場合、および発現レベルが上がるたびにどの発現を取得するかを選択する。君は恵みを得るが、忌みを受け入れる必要はない。忌みを拒否した場合、その発現は発現レベルを増加させず、追加の発現を得ることができない。発現の忌みはいつでも受け入れることができ、発現レベルが直ちに増加する。
不浄なる腐敗/Vile Corruption:この形式のキャンペーンでは、腐敗は可能な限り早急に取り除くべき酷い負担となるものである。君が腐敗に曝露するか君の発現レベルが増加すると、GMは君が得る発現を決定する。君は常に汚れを取得するが、恵みを受け取らないことを選択できる。恵みを拒否すると、腐敗の進行に関連するセーヴィング・スローに+1の状況ボーナスを得る。拒否する追加の恵み毎に、このボーナスは1ずつ増加する。発現の恵みはいつでも受け取ることができるが、一度受け取ると、セーヴィング・スローへのボーナスは即座に失われる。
腐敗した各クリーチャーには発現レベルがあり、これは通常腐敗したクリーチャーが持つ発現の数に等しい(例外については選択ルール参照)。時々、クリーチャーの発現レベルが上がると恵みと忌みがより極端なものとなることがある。
およそ2レベル毎に新しい発現を得る。GMは1キャラクター・レベルとくらい早く腐敗を導入することができる。腐敗の標準的な速度は、PCが1レベルの時点で最初の忌みを得、3レベルで2つ目、5レベル、7レベル、9レベルで次のものを得ていく。発現は9つに制限されているため、発現レベルは9を超えることはできない。
この標準的な速度は、厳密なルールではなくガイドラインである。多くの腐敗は、プロセスを加速または減速される可能性のあるストーリーの考慮事項を特徴としており、個々のGMはキャンペーンの物語を提供するために、その腐敗の速度を変更できる。GMはより高いレベルで腐敗を導入する場合、最初の発現を得る速度を加速したり、複数の発現を一度に与えることができる。いずれにせよ、君ではなくGMは腐敗の進行時期を決定する(ただし選択ルールで説明されれるように、選択ルールはこれを変更する)。
全ての腐敗にはセーヴィング・スローが関連付けられている。失敗する度、腐敗は次の腐敗段階へと進む。腐敗段階3で完全に回復不可能になるまで、各段階でより深刻な変化が生じる。腐敗を得ると、有効段階0から開始し、直接的なペナルティはない。君は暗黒に向かって引っ張られている時にセーヴィング・スローを試みなければならなず、これらのセーヴは通常長期間に渡る(多くの場合数週間や数ヶ月)。そのためこのセーヴィング・スローは再ロールを行ったり、強制する(もしくは2回ロールして高い方や低い方を採用する)能力を使用することはできず、一時的なボーナスはたとえ長時間継続するものであっても、進行セーヴィング・スローには適用されない。