現存する最も古く、強力で、気まぐれなクリーチャーの1つであるドラゴンは、時に疑りもしていない定命の者と逢い引きを交わしたり、人並みはずれた者とまじわって子をなしたりする。同様に、この種のクリーチャーが有する強大なパワーは長らく、己が身体にドラゴンのパワーを取り込まんとしてさまざまな魔法的手段を探し求めてきたウィザードや錬金術師の好奇の対象となっていた。結果として、ドラゴンの血は多くの種族の血筋に流れている。一部の者では、この血統はソーサラーの血脈と魔法への偏愛として顕現する。しかし他の者にとっては、ドラゴンの先祖のパワーは強迫観念になる。
ドラゴンの血統にいだかれ自分の能力を引き出す術を学んだ呪文の使い手は、熟練のソーサラーのレパートリーだけでなく敵にドラゴンの猛烈なるパワーを食らわせる能力を有するおそるべき戦士たるドラゴン・ディサイプル(ドラゴンの徒弟)となることができる。ドラゴン・ディサイプルが祖先のパワーを見出していくにつれて、ドラゴン・ディサイプルは火のブレスを吐き、皮の翼で空を飛び、そしてその能力の頂点たるドラゴンの姿をとる術を修得することができる。数こそ少ないが、ドラゴン・ディサイプルはドラゴンが定命の者と関わりを持つ土地であればどんなところででも見かけられる。
役割:思い通りの呪文を発動するクラスの魔法を用いて、ドラゴン・ディサイプルは魔法使いの典型的な役割を果たすことができ、敵の移動を妨げたり、相手にダメージを与える呪文を投げつけたりする。しかし、ブレス攻撃や飛行能力を使用して敵を直接打ち倒さんとする、ドラゴン・ディサイプルの竜のごとき能力は、この多芸な呪文の使い手をよりいっそう手強くする。
属性:ドラゴン・ディサイプルはどのような属性でもありうるが、秩序属性よりは混沌属性に偏りがちである。獣のごときホワイト・ドラゴンやおそるべきレッド・ドラゴンなどのクロマティック・ドラゴンの特性を採るドラゴン・ディサイプルは悪属性の気質を持つ。対照的に、禁欲的なブラス・ドラゴンや騎士道精神を持つゴールド・ドラゴンなどのメタリック・ドラゴンに似るドラゴン・ディサイプルはしばしば善属性である。
ドラゴン・ディサイプルになるためには、キャラクターは以下の基準すべてを満たさなければならない。
呪文:準備なしに1レベルの秘術呪文を発動する能力。キャラクターがソーサラー・レベルを持っていたら、竜の血脈を持っていなければならない。このクラスを取った後でソーサラーのレベルを得たら、そのキャラクターは竜の血脈を取らなければならない。
ドラゴン・ディサイプルのクラス技能(と各技能の対応能力)は、〈交渉〉【魅】、〈呪文学〉【知】、〈脱出術〉【敏】、〈知覚〉【判】、〈知識〉(どれでも、別々の技能として修得すること)【知】、〈飛行〉【敏】。
レベルごとの技能ランク:2+【知力】修正値。
1日の呪文数 | ||||||
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1 |
+0 |
+1 |
+0 |
+1 |
― | |
2 |
+1 |
+1 |
+1 |
+1 |
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3 |
+2 |
+2 |
+1 |
+2 |
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4 |
+3 |
+2 |
+1 |
+2 |
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5 |
+3 |
+3 |
+2 |
+3 |
― | |
6 |
+4 |
+3 |
+2 |
+3 |
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7 |
+5 |
+4 |
+2 |
+4 |
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8 |
+6 |
+4 |
+3 |
+4 |
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9 |
+6 |
+5 |
+3 |
+5 |
― | |
10 |
+7 |
+5 |
+3 |
+5 |
以下のすべてがドラゴン・ディサイプル上級クラスのクラス特徴である。
武器と防具の習熟:ドラゴン・ディサイプルはどんな武器にも防具にも習熟していない。
1日の呪文数/Spells per Day:指示されたレベルの時点で、ドラゴン・ディサイプルはこの上級クラスに就く前に属していた秘術呪文発動能力のあるクラスのレベルが上がったかのように、1日に使える呪文数が増える。しかし、追加の1日の呪文数、追加修得呪文数(準備しない呪文の使い手の場合)、呪文を発動する際の有効レベルの上昇以外に、そのクラスのレベルが上がっていたなら得られたはずの他の利益を得ることはない。キャラクターがドラゴン・ディサイプルになる前に複数の呪文発動能力のあるクラスをとっていたなら、レベルの上昇があるたび、その新たなレベルをどのクラスに、1日の呪文数を決定するために適用するか決めなければならない。
竜の血/Blood of Dragons:ドラゴン・ディサイプルは、自分の血脈から得るパワーを決定する際に、ドラゴン・ディサイプル・レベルをソーサラー・レベルに加える。ドラゴン・ディサイプルがソーサラー・レベルを持っていなければ、ドラゴン・ディサイプルは代わりに自分のドラゴン・ディサイプル・レベルをソーサラー・レベルとして使用してどのボーナスが得られるか決定して、竜の血脈の血脈パワーを獲得する。ドラゴン・ディサイプルはこのクラスの最初のレベルを得る際にドラゴンの種類を選択しなければならず、かつその種類は自分のソーサラーの種類と同じでなければならない。この能力は、ドラゴン・ディサイプルが適切なレベルの呪文スロットを持っていない限り、ソーサラーへのボーナス呪文を授けることはない。得られなかったボーナス呪文は、ソーサラーがその呪文の呪文スロットを得た場合、自動的に授けられる。
外皮上昇(変則)/Natural Armor Increase:その肌が厚くなっていくにつれて、ドラゴン・ディサイプルはますます自分の先祖の外見に近づいていく。1、4、7レベルに達するたびに、ドラゴン・ディサイプルはキャラクターの既存の外皮ボーナス(あれば)を『ドラゴン・ディサイプル』表に示されたように上昇させる。この外皮ボーナスは累積する。
能力値向上(変則)/Ability Boost:ドラゴン・ディサイプルは、この上級クラスのレベルを得ていくにつれ『ドラゴン・ディサイプル』表に示したとおり、能力値が向上する。この向上する数値は累積し、レベル上昇によって得られる数値と同様に得られる。
血脈特技/Bloodline Feat:2レベルに到達した際、および以降の3レベルごとに、ドラゴン・ディサイプルは竜の血脈のボーナス特技リストから選択したボーナス特技を得る。
竜の噛みつき(変則)/Dragon Bite:2レベルに達すると、ドラゴン・ディサイプルが自分の血脈を使用して爪を伸ばす場合はいつでも、ドラゴン・ディサイプルは噛みつき攻撃も得る。これは主要肉体武器で、1d6(ドラゴン・ディサイプルが小型だったら 1d4)+【筋力】修正値の 1.5 倍のダメージを与える。 6レベルに到達した際、この噛みつきは1d6ポイントのエネルギー・ダメージも与える。与えるダメージの種類はドラゴン・ディサイプルの血脈によって決まる。
ブレス攻撃(超常)/Breath Weapon:3レベルに達したドラゴン・ディサイプルは、たとえ自分のレベルがこのパワーをまだ授けない場合であっても、ブレス攻撃の血脈パワーを得る。ドラゴン・ディサイプルのレベルが血脈を通じてこのパワーを得られるほどに高くなったら、ドラゴン・ディサイプルは1日ごとのブレス攻撃使用回数を追加で1回ぶん得る。ブレス攻撃の種類および形状は、竜のソーサラーの血脈の解説の記述通り、ドラゴン・ディサイプルが選んだドラゴンの種類に応じる。
非視覚的感知(変則)/Blindsense:5レベルに達したドラゴン・ディサイプルは範囲30フィートの非視覚的感知を得る。視覚によらない感覚により、ドラゴン・ディサイプルは見ることのできないものの存在に気付くことができる。ドラゴン・ディサイプルは通常、〈知覚〉判定を行なわなくても、この特殊能力の有効距離内にいて効果線が通っているクリーチャーに気付き、位置を特定することができる。
ドラゴン・ディサイプルが非視覚的感知を持っていたとしても、ドラゴン・ディサイプルが見ることのできない敵は、やはりそのドラゴン・ディサイプルに対して完全視認困難(50%の失敗確率)を持つ。そのため視認困難を持つ敵を攻撃する場合には、通常通りの失敗確率を被る。非視覚的感知を持っていても、移動に際してはやはり視界の状態の作用を受ける。非視覚的感知を持つドラゴン・ディサイプルもやはり、見ることのできない敵からの攻撃に関しては、アーマー・クラスへの【敏捷力】ボーナスを失う。10レベルに達すると非視覚的感知の範囲は60フィートに向上する。
竜形態(擬呪)/Dragon Form:7レベルに達したドラゴン・ディサイプルはドラゴンの姿をとることができる。この能力はフォーム・オヴ・ザ・ドラゴンIのように働く。10レベルに達すると、この能力はフォーム・オヴ・ザ・ドラゴンIIのように働き、かつドラゴン・ディサイプルはこの能力を1日に2回使用できる。この効果に関するドラゴン・ディサイプルの術者レベルは、竜の血脈におけるドラゴン・ディサイプルの有効ソーサラー・レベルに等しい。ドラゴン・ディサイプルがフォーム・オヴ・ザ・ドラゴンを発動した場合はいつでも、ドラゴン・ディサイプルは自分の血脈と同じ種類のドラゴンの姿をとらなければならない。
翼(超常)/Wings:9レベルに達したドラゴン・ディサイプルは、たとえ自分のレベルがこのパワーをまだ授けない場合であっても、翼の血脈パワーを得る。ドラゴン・ディサイプルのレベルが血脈を通じてこのパワーを得られるほどに高くなったら、ドラゴン・ディサイプルの移動速度は90フィートに上昇する。