おそるべき戦士にして呪文の使い手たるエルドリッチ・ナイト(秘術騎士)は、魔法使いには珍しいその能力で、ファイターやバーバリアンなどの戦闘クラスの者の横に立って戦闘に身を投じていく。戦闘でエルドリッチ・ナイトと相対しなければならない者たちは、戦場においてその多才さはとてつもない優位を持つがために、エルドリッチ・ナイトを大いに恐れる。重武装の相手に対しては弱体化呪文を向ければよく、相対する呪文の使い手はエルドリッチ・ナイトの刃の前に最期を迎えるのだ。
エルドリッチ・ナイトとなる道は武勇と秘術のパワーの双方を要求するため、エルドリッチ・ナイトは大抵がその道を、ウィザード/ファイターやソーサラー/レンジャーなど、マルチクラスのキャラクターとして歩み始める。エルドリッチ・ナイトは秘術の研究が戦闘訓練と同じくらい広く行なわれている所ならどこででも見かけられる。
役割:エルドリッチ・ナイトは戦闘クラスと呪文の使い手の能力を融合し、ある時は敵に魔法を投じ、またある時は鋼で相手を叩き伏せる。エルドリッチ・ナイトは、戦闘のまっただ中で戦うことにも、同胞らの後ろで安全なまま敵に向けて呪文を発動することにも、まったく同じように慣れ親しんでいる。その多才さは、来るべき戦いの状況が見通せぬ時に、エルドリッチ・ナイトを価値ある仲間たらしめる。
属性:エルドリッチ・ナイトとなる道は、ウィザードの下での見習い期間や兵士としての経歴につながる道と同じくらいさまざまであり、それゆえにエルドリッチ・ナイトはどのような属性でもありうる。しかしながら、秘術知識の研究と戦闘技術のバランスを維持するのにはたいへんな自制心が要求され、その理由から多くの者は秩序属性を好む。
エルドリッチ・ナイトになるためには、キャラクターは以下の基準すべてを満たさなければならない。
エルドリッチ・ナイトのクラス技能(と各技能の対応能力)は、〈騎乗〉【敏】、〈言語学〉【知】、〈水泳〉【筋】、〈呪文学〉【知】、〈真意看破〉【判】、〈知識:貴族〉【知】、〈知識:神秘学〉【知】、〈登攀〉【筋】。
レベルごとの技能ランク:2 + 【知力】修正値。
1日の呪文数 | ||||||
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1 |
+1 |
+1 |
+0 |
+0 |
― | |
2 |
+2 |
+1 |
+1 |
+1 |
― |
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3 |
+3 |
+2 |
+1 |
+1 |
― |
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4 |
+4 |
+2 |
+1 |
+1 |
― |
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5 |
+5 |
+3 |
+2 |
+2 |
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6 |
+6 |
+3 |
+2 |
+2 |
― |
|
7 |
+7 |
+4 |
+2 |
+2 |
― |
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8 |
+8 |
+4 |
+3 |
+3 |
― |
|
9 |
+9 |
+5 |
+3 |
+3 |
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10 |
+10 |
+5 |
+3 |
+3 |
以下のすべてがエルドリッチ・ナイト上級クラスのクラス特徴である。
武器と防具の習熟:エルドリッチ・ナイトはどんな武器にも防具にも習熟していない。
ボーナス特技/Bonus Feat:1レベルにおいて、エルドリッチ・ナイトはボーナス戦闘特技1つを選んでよい。これはすべてのキャラクターがレベルの上昇により通常獲得する特技とは別に追加で得られる特技である。キャラクターはやはりこのボーナス特技の前提条件を満たしていなければならない。エルドリッチ・ナイトはクラス・レベル5および9の時点で追加の戦闘特技を獲得する。
多角的訓練/Diverse Training:エルドリッチ・ナイトは、特技の前提条件を満たす用途において、自分の持つファイター・レベルにエルドリッチ・ナイト・レベルを加えることができる。ファイター・レベルを持っていない場合は、エルドリッチ・ナイト・レベルをファイター・レベルとして扱うこと。エルドリッチ・ナイトは、特技の前提条件を満たす用途において、秘術呪文が発動できるクラスのレベルにエルドリッチ・ナイト・レベルを加えることもできる。
1日の呪文数/Spells per Day:指示されたレベルの時点で、エルドリッチ・ナイトはこの上級クラスに就く前に属していた秘術呪文が発動できるクラスのレベルが上がったかのように、1日に使える呪文数が増える。しかし、追加の1日の呪文数、追加修得呪文数(準備しない呪文の使い手の場合)、呪文を発動する際の有効レベルの上昇以外に、そのクラスのレベルが上がっていたなら得られたはずの他の利益を得ることはない。キャラクターがエルドリッチ・ナイトになる前に複数の呪文発動能力のあるクラスをとっていたなら、レベルの上昇があるたび、その新たなレベルをどのクラスに、1日の呪文数を決定するために適用するか決めなければならない。
呪文クリティカル(超常)/Spell Critical:クラス・レベルが10レベルに達したエルドリッチ・ナイトがクリティカル・ロールに成功した場合はいつでも、即行アクションとして呪文1つを発動できる。この呪文は先の攻撃の目標を、目標の内の1体とするか、効果範囲内に収めるかしていなければならない。この呪文を発動することで機会攻撃を誘発することはない。術者はやはり呪文の構成要素すべてを満たしていなければならず、必要なら秘術呪文失敗確率をロールしなければならない。