迅速かつ秘密裏に片付けなければならない敵が存在するとき、富と権力を有する者はニンジャを求める。敵が城壁に取り付く前に敵方の攻城兵器を破壊する必要があるとき、将軍はニンジャを求める。そして、愚かにもニンジャやその仲間と敵対しようとする者達は、夜中枕元に刃を振り下ろすニンジャの姿を見ることになる。このように影に潜む殺し屋であるニンジャは潜入や破壊工作、暗殺の達人であり、自らの目的を達成するのに様々な武器や練り上げられた技術、そして不思議な力を用いる。
役割:ニンジャは技術の研鑽と実践、次なる任務への従事に大半の時間を費やす。特定の任務に従事していない時でも、状況に応じていつでも牙を剥くことができるように心構えを絶やさない。ニンジャはその稼業ゆえに多くの敵を作るが、暗殺と誤誘導によりその数は頻繁に減ることとなる。ニンジャはローグ基本クラスの代替的クラスである。
属性:どれでも。
ヒット・ダイス:d8。
下の表は本書(UC)で追加されたクラスの初期所持金を示したものである。加えて、キャラクターはそれぞれ、10GP以下の衣服を1着持った状態でゲームを始める。
平均 | ||
---|---|---|
4d6×10GP |
140GP |
ニンジャのクラス技能は以下の通り:〈威圧〉【魅】、〈隠密〉【敏】、〈軽業〉【敏】、〈鑑定〉【知】、〈芸能〉【魅】、〈言語学〉【知】、〈交渉〉【魅】、〈職能〉【判】、〈真意看破〉【判】、〈水泳〉【筋】、〈製作〉【知】、〈装置無力化〉【敏】、〈脱出術〉【敏】、〈知覚〉【判】、〈知識:貴族〉【知】、〈知識:地域〉【知】、〈手先の早業〉【敏】、〈登攀〉【筋】、〈はったり〉【魅】、〈変装〉【魅】、〈魔法装置使用〉【魅】。
1 |
+0 |
+0 |
+2 |
+0 |
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2 |
+1 |
+0 |
+3 |
+0 |
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3 |
+2 |
+1 |
+3 |
+1 |
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4 |
+3 |
+1 |
+4 |
+1 |
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5 |
+3 |
+1 |
+4 |
+1 |
急所攻撃+3d6 |
6 |
+4 |
+2 |
+5 |
+2 |
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7 |
+5 |
+2 |
+5 |
+2 |
急所攻撃+4d6 |
8 |
+6/+1 |
+2 |
+6 |
+2 |
|
9 |
+6/+1 |
+3 |
+6 |
+3 |
|
10 |
+7/+2 |
+3 |
+7 |
+3 |
|
11 |
+8/+3 |
+3 |
+7 |
+3 |
急所攻撃+6d6 |
12 |
+9/+4 |
+4 |
+8 |
+4 |
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13 |
+9/+4 |
+4 |
+8 |
+4 |
急所攻撃+7d6 |
14 |
+10/+5 |
+4 |
+9 |
+4 |
|
15 |
+11/+6/+1 |
+5 |
+9 |
+5 |
|
16 |
+12/+7/+2 |
+5 |
+10 |
+5 |
|
17 |
+12/+7/+2 |
+5 |
+10 |
+5 |
急所攻撃+9d6 |
18 |
+13/+8/+3 |
+6 |
+11 |
+6 |
|
19 |
+14/+9/+4 |
+6 |
+11 |
+6 |
急所攻撃+10d6 |
20 |
+15/+10/+5 |
+6 |
+12 |
+6 |
武器と防具の習熟:ニンジャは全ての単純武器、そしてカタナ、カマ、クサリガマ、サイ、シャンガム、シュリケン、ショート・ソード、ショートボウ、ヌンチャク、ワキザシに習熟している。また、ニンジャは軽装鎧に習熟しているが、いかなる盾にも習熟していない。
毒の使用(変則)/Poison Use:1レベルの時点で、ニンジャは毒を使用することの訓練を積み、武器に毒を塗る際に誤って自らを傷つけることはない。
急所攻撃/Sneak Attack:自分の身を効果的に守れない状況にある敵を攻撃できれば、ニンジャはその敵の急所をつくことで追加ダメージを与えることができる。
基本的に、ニンジャの目標がアーマー・クラスに【敏捷力】ボーナスを加えられない状態にある時(目標が実際に【敏捷力】ボーナスを持っているかどうかは関係ない)、またはニンジャが目標を挟撃した時、ニンジャの攻撃は常に追加ダメージを与える。この追加ダメージはクラス・レベル1の時点で+1d6、以降ニンジャ・レベル2ごとに+1d6ずつ増加する。ニンジャが急所攻撃によりクリティカル・ヒットを与えたとしても、この追加ダメージにクリティカル倍率は適用されない。遠隔攻撃は目標が30フィート以内にいる場合にのみ急所攻撃とみなされる。
非致傷ダメージを与える武器(サップ、ウィップ、素手打撃など)を用いれば、ニンジャは急所攻撃で致傷ダメージではなく非致傷ダメージを与えることができる。ただし急所攻撃を行う場合、たとえ通常の-4ペナルティを負ったとしても、致傷ダメージを与える武器を非致傷ダメージを与えるために用いることはできない。
ニンジャは急所を見極める程度にはっきりと敵を目視しておらねばならず、また相手の急所に届く攻撃手段を持っていなければならない。ニンジャは視認困難を有するクリーチャーに急所攻撃を行うことはできない。
気蓄積(超常)/Ki Pool:2レベルにおいて、ニンジャは 気ポイントのプールを獲得する。気は超自然的なエネルギーであり、使用すれば驚くべき離れ業をやりおおすことができる。 気プール内のポイント数はニンジャ・レベルの1/2+【魅力】修正に等しい。気プールに1ポイントでも残っているなら、ニンジャは跳躍するための〈軽業〉判定において常に助走を付けたかのように扱われる。10レベルの時点において、跳躍のための〈軽業〉判定の難易度は更に半分になるが、自身の移動速度を超える距離を跳躍することはできない。
気プールから1ポイントを消費することで、ニンジャは最大の攻撃ボーナスで1回の追加の攻撃が行えるが、全力攻撃をするときのみしかこれは行えない。また、気プールから1ポイントを消費することで自身の移動速度を1ラウンドの間20フィート上昇させることもできる。さらに、ニンジャは気プールから1ポイントを消費することで1ラウンドの間〈隠密〉判定に+4の洞察ボーナスを得ることができる。これらの力は即行アクションとして起動できる。ニンジャは特定の忍術を選択することで、気プールからポイントを消費する追加の力を獲得できる。
気プールは8時間の瞑想か休息の後の朝ごとに補充される。いずれの場合も連続した8時間である必要はない。ニンジャが気プールの点数を与えるような他のクラスのレベルを有する場合、気プールの点数を算出するに際しそのクラスのレベルとニンジャ・レベルは累積し、いずれか一方で指定された能力値修正のみが共通の気プールの点数に加えられる。いずれの能力値修正を加えるかは、二度目に気蓄積のクラス特徴を得た際に決定しなければならず、この決定は以後変更できない。この場合、ニンジャは共通の気プールの点数を消費して自らの有する気蓄積の能力を与える全てのクラスの能力を使用できる。
忍術/Ninja Tricks:ニンジャは訓練の過程において、敵を撹乱し自らに超常の力を与える様々な技を修得する。2レベル時点においてニンジャはまず1つの忍術を修得し、以降2レベルごとに追加で1つの忍術を修得する。特記のない限り、ニンジャは同じ忍術を複数回選択することはできない。
名称にアスタリスク(*)を付してある忍術はニンジャの急所攻撃に何らかの効果を加えるものである。一度の攻撃にはこれらの忍術のうち1つの効果しか適用することができず、いずれを適用するかは攻撃の前に選択しなければならない。
暗視(超常)/Darkvision:この忍術を修得したニンジャは、気の力を用いて一時的に暗視(60フィート)を得ることができる。この能力の使用は1点の気ポイントを消費する標準アクションである。この強化された感覚は1時間持続する。
隠し刃(変則)/Hidden Weapons:この忍術を修得したニンジャは、自らの体に容易に武器を隠すことができ、武器を隠し持つための〈手先の早業〉の対抗判定に自身のニンジャ・レベルに等しいボーナスを得る。加えて、隠し持った武器を通常の標準アクションではなく移動アクションとして抜くことができる。
隠れ身の術(超常)/Vanishing:この忍術を修得したニンジャは、即行アクションでレベル毎に1ラウンドの間、自身の姿を消すことができる。この能力はインヴィジビリティの呪文と同様に働く。この能力の使用には1点の気ポイントを消費する。
影分身(超常)/Shadow Clone:この忍術を修得したニンジャは、1d4体の影でできた自己の分身を作り出し自らの位置を隠すことができる。この能力はニンジャ・レベルを術者レベルとするミラー・イメージの呪文のように作用する。この能力の使用は1点の気ポイントを消費する標準アクションである。
型の体得/Style Master:この忍術を修得したニンジャは、ボーナス特技として前提条件を満たしているスタイル特技1つを修得する。
壁登り(超常)/Wall Climber:この忍術を修得したニンジャは、地面に垂直な壁を登るためにのみ用いることができる登攀速度20フィートを得る。この能力を用いても、凹凸の全く無い平らな面に張り付いたり地面と水平な面の下に張り付いたりすることはできない。
軽業体得(超常)/Acrobatic Master:この忍術を修得したニンジャは、即行アクションとして自身の気の力を用いることで、次の自身のターンの開始時までに行われる1回の〈軽業〉判定に+20のボーナスを得ることができる。この能力の使用には1ポイントの気ポイントを消費する。
偽装工作(変則)/Undetected Sabotage:この忍術を修得したニンジャが〈装置無力化〉技能を用いて装置の解除や破壊を行う場合、同時にレベルに等しいボーナスを得て、〈隠密〉判定を行うことができる。そうした場合、後にその装置を調べた者は〈知覚〉の対抗判定で上記の〈隠密〉の判定値に勝利しない限り装置が正常に動作するものと誤認する。
気の阻害*(超常)/Ki Block:この忍術を修得したニンジャは、クリーチャーが気の力を用いるのを妨害することができる。ニンジャが急所攻撃による追加ダメージを与えたとき、目標は意志セーヴに成功しない限りニンジャの【魅力】修正値に等しいラウンドの間、自身の気プールのポイントを使用できなくなる。意志セーヴの難易度は10+ニンジャ・レベルの半分+ニンジャの【魅力】修正値である。目標の気プールに現在残っている気ポイントには影響せず、気を消費する必要のない能力は機能し続ける。
気の注入(超常)/Ki Charge:この忍術を修得したニンジャは、標準アクションとして自らの気の一部をシュリケン等の1つの投擲武器に込め、それを投げつけることができる。こうして投げられた武器は命中の瞬間半径5フィートの爆発を起こし、範囲内の者に1d6+2レベルを超えるニンジャ・レベル4レベルごとに1d6(18レベルの時点で最大の4d6)の[火炎]のダメージを与える。爆発に巻き込まれた者は反応セーヴを行い、成功すればダメージを半減できる。セーヴ難易度は10+ニンジャ・レベルの半分+ニンジャの【魅力】修正値に等しい。投げられた武器が目標に命中した場合、目標は上記のセーヴに-2のペナルティを受ける。武器が命中しなかった場合は飛散武器の投擲として扱うこと。この能力の使用には1点の気ポイントを使用する。
急所知識*(変則)/Pressure Points:この忍術を修得したニンジャは、敵の肉体の急所を狙って攻撃し、衰弱と強烈な痛みをもたらすことができる。ニンジャが急所攻撃のダメージを与えた場合、目標は【筋力】または【敏捷力】に1ポイントのダメージを受ける(いずれの能力値ダメージを与えるかはニンジャが決定する)。他の場合の能力値ダメージと異なり、このダメージは難易度15の〈治療〉判定に成功することで治療することができる。判定に成功するごとに、この忍術で受けた能力ダメージを1ポイント回復すること。この忍術を修得しているものは上記の〈治療〉判定に+10の洞察ボーナスを得る。
煙玉(超常)/Smoke Bomb:この忍術を修得したニンジャは、半径15フィートを煙幕で覆う煙玉を投げることができる。この煙は発煙棒から生じたものと同様に働く。煙幕は自身を中心として発生させても良いし、射程20フィートの遠隔接触攻撃として投擲することも出来る。この能力の使用は標準アクションである。この能力を使用するたびに気ポイントを1ポイント消費する。
高速隠密(変則)/Fast Stealth:この忍術を修得したニンジャは、自身の移動速度分まで移動しても〈隠密〉判定にペナルティを受けない。
失伝技術(変則)/Forgotten Trick:この忍術を修得したニンジャは、老指南役に昔教わった技を思い出すことができる。この能力を使用したニンジャは、未修得の忍術(上位忍術やローグの技は不可)を1つ指定し、それを自身のニンジャ・レベル毎に1ラウンドの間使用することができる。その忍術の使用に必要な気ポイントは通常通り消費すること。この能力の使用は、気ポイントを2ポイントに加え、指定した忍術に必要な気ポイントを消費する。
出血攻撃*(変則)/Bleeding Attack:この忍術を修得したニンジャは、急所攻撃により生きている目標を出血させることができる。この攻撃は毎ラウンド、急所攻撃のダイス1個につき1ポイントの追加ダメージを与える。出血しているクリーチャーは毎ラウンド自身のターンの開始時にこのダメージを受ける。出血は難易度15の〈治療〉判定もしくはヒット・ポイントへのダメージを回復する何らかの効果の適用により止めることができる。この能力を複数回使用しても出血ダメージは累積しない。出血ダメージは目標の有するいかなるダメージ減少も無視する。
戦闘技術/Combat Trick:この忍術を修得したニンジャは、戦闘特技1つをボーナス特技として得る。
代謝抑制(変則)/Slow Metabolism:この忍術を修得したニンジャは、常人よりも代謝速度が低下する。これにより通常の倍の時間(【耐久力】能力値の4倍のラウンド)息を止めるまでは【耐久力】判定を要求されない。加えて、毒を受けた場合でもセーヴィング・スローの間隔(毒の「頻度」)は2倍になる。例えば、頻度:1回/ラウンド(6ラウンド間)の毒なら頻度:1回/2ラウンド(12ラウンド間)であるかのように働く。
体術訓練/Unarmed Combat Training:この忍術を修得したニンジャは、ボーナス特技として《素手打撃強化》の特技を修得する。
高跳び(変則)/High Jumper:この忍術を修得したニンジャが高跳びを行う場合、難易度は通常の半分になる。この忍術を修得するには、予め軽業体得の忍術を修得していなければならない。
致死の間合い(変則)/Deadly Range:この忍術を修得したニンジャは、急所攻撃を用いて追加ダメージを与えることのできる距離が10フィート増加する。この忍術は複数回選択することができ、効果は累積する。
窒息玉(変則)/Choking Bomb:ニンジャが煙玉を投げる場合、煙の範囲内に存在する生きているクリーチャーは全て頑健セーヴィング・スローを行わねばならず、失敗すると黒い煙で窒息して1d4ラウンドの間よろめき状態になる。頑健セーヴの難易度は10+ニンジャ・レベルの半分+ニンジャの【魅力】修正である。ニンジャは普通の煙玉を作成しても良いし、通常通り毒を加えても(つまり毒入り玉を使用しても)良い。この技を修得するためには、予め毒入り玉の忍術を修得していなければならない。
毒入り玉(変則)/Poison Bomb:この忍術を修得したニンジャが煙玉を投げる際、所持している1服の吸入毒を混ぜ込むことができる。この毒は煙の範囲内に存在する全てのクリーチャーに効果を及ぼし、煙玉の煙が残留している限り効果を発揮する。使用した毒のコストは通常通り支払うこと。この技を修得するためには予め煙玉の忍術を修得していなければならない。
軟着陸(超常)/Feather Fall:この忍術を修得したニンジャは、割り込みアクションとして自身にフェザー・フォールの呪文を使用したかのように落下速度を軽減することができる。この能力はニンジャ・レベルを術者レベルとして扱う。この能力を使用するたび1点の気ポイントを消費する。
鈍らせ*(変則)/Slow Reactions:この忍術を修得したニンジャの急所攻撃ダメージを受けた敵は、1ラウンドの間機会攻撃を行うことができない。
武器訓練/Weapon Training:この忍術を修得したニンジャは、ボーナス特技として《武器熟練》を修得する。
腹話術(超常)/Ventriloquism:この忍術を修得したニンジャは、即行アクションでヴェントリロキズムの呪文を使用したかのように自らの声を離れた場所から発生させることができるようになる。この能力の使用には1点の気ポイントを消費し、効果はニンジャ・レベルごとに1分の間持続する。
変化の術(超常)/Suddon Disguise:この忍術を修得したニンジャは、即行アクションで自らの容姿をレベルにつき1分間のあいだ変えることができる。この能力はディスガイズ・セルフの呪文のように働く。この能力の使用には1点の気ポイントを消費する。
矢止め/Deflect Arrows:この忍術を修得したニンジャは、ボーナス特技として《矢止め》の特技を修得する。この忍術を選択するには、予め《素手打撃強化》の特技を修得していなければならない。
矢つかみ/Snatch Arrows:この忍術を修得したニンジャは、ボーナス特技として《矢つかみ》の特技を修得する。この忍術を修得するためには、予め《矢止め》の特技を修得していなければならない。
連星(変則)/Flurry of Stars:この忍術を取得したニンジャは、シュリケンを使用する全力攻撃アクションを行う前に即行アクションとして自身の気プールから1点の気ポイントを消費することができる。そうした場合、全力攻撃アクションにおいて追加で2回、最も高い攻撃ボーナスを用いてシュリケンを用いた攻撃を行うことができるが、追加の攻撃を含む全ての攻撃の攻撃ロールに-2のペナルティを受ける。
ローグの技/Rogue Talent:ニンジャは、忍術の代わりにローグの技を1つ修得することもできる。ただし、忍術に同名のものが存在するローグの技を修得することはできない。ニンジャはこの忍術を複数回修得できる。
痕跡消去(変則)/No Trace:3レベルの時点で、ニンジャは自らの痕跡を消去し、自らの存在を隠して隠密裏に行動することができるようになる。〈生存〉技能を用いてニンジャを追跡する判定の難易度は+1される。加えて、最低でも1ラウンドの間何も行動しない場合、ニンジャは〈隠密〉判定および〈変装〉の対抗判定に+1の洞察ボーナスを得る。以降3レベルごとに、これらのボーナスおよび〈生存〉判定の難易度は1ずつ上昇する。
直感回避(変則)/Uncanny Dodge:クラス・レベル4以降、ニンジャはまだ気付いてもいないうちから危険に対処するという、通常なら不可能な行為を可能とする能力を獲得する。彼女は立ちすくみ状態にならず、不可視状態の敵に攻撃された場合にアーマー・クラスに対する【敏】ボーナスを失わない。とはいえ、動けない状態になれば、やはりアーマー・クラスへの【敏捷力】ボーナスは失われてしまう。また敵がフェイントを成功させた場合(戦闘を参照)、やはりアーマー・クラスへの【敏捷力】ボーナスは失われる。
ニンジャがすでに他のクラスで直感回避を獲得していた場合、直感回避の代わりに直感回避強化(後述)を獲得する。
軽快なる走り(変則)/Light Steps:6レベルの時点で、ニンジャは足場をほとんど蹴らずに走ることができるようになる。全ラウンド・アクションとしてニンジャは移動困難な地形の影響を受けずに、自身の移動速度の2倍までの距離を移動することができる。このように移動する限り、その重量に関わらずニンジャはいかなる平面でも蹴ることができ、水面や溶岩、細い木の枝の上ですら移動することができる。ただし、ニンジャは空中を歩くことはできないし、壁その他の地面と垂直な平面を登ることもできない。この方法で移動する場合、溶岩などの平面やまきびしなどの接触に応じて発生する表面や災害からダメージを受けることはないし、またでこぼこしていたり滑りやすい平面を転ばずに移動するために〈軽業〉判定を行う必要もない。さらに、軽快なる走りを使用しているとき、ニンジャはある場所への侵入を検知することで発動する型の機械的な罠を発動しない。
直感回避強化(変則)/Improved Uncanny Dodge:8レベル以降、ニンジャは挟撃されなくなる。この能力を持つニンジャに対して、他のニンジャ(あるいはローグ)は挟撃による急所攻撃を行うことができない。ただし、ニンジャのクラス・レベルが、目標のニンジャ(あるいはローグ)・レベルより4以上高い場合、ニンジャ(あるいはローグ)は挟撃(および急所攻撃)を行うことができる。
直感回避の能力を他のクラスからも得ている場合、ニンジャ(またはローグ)に挟撃されるかどうかを判断する際、直感回避を授けるクラスのクラス・レベルを全て累積させる。
上位忍術/Master Tricks:10レベルの時点および以降2レベルごとに、ニンジャは忍術の代わりに以下の上位忍術から1つを選択して修得することができる。
暗殺術(変則)/Assasinate:この上位忍術を修得したニンジャは防御の構えを取っていない敵を一撃で殺すことができる。暗殺を試みるためには、まずニンジャは1ラウンドの間標準アクションで目標を観察しなければならない。次のラウンドにおいてニンジャが目標に急所攻撃ダメージを与え、その際目標がアーマー・クラスに対する【敏捷力】修正値を失っていたならば、目標は頑健セーヴに成功しない限り死亡する。このセーヴィング・スローの難易度は10+ニンジャ・レベルの半分+ニンジャの【魅力】修正値である。なお、目標がニンジャを敵として認識していたならば暗殺の試みは自動的に失敗する。仮にセーヴィング・スローに成功したとしても、目標は通常通りに急所攻撃のダメージを受けるが、1日の間同じニンジャの暗殺術に対し完全耐性を得る。
恐るべきシュリケン(変則)/Deadly Shuriken:この上位忍術を修得したニンジャは、全ラウンド・アクションとして、狙いを定め自らの攻撃能力の全てを込めた恐るべきシュリケンの一投を放つことができる。この能力を使用した場合、ニンジャは単一の目標に対し1回のシュリケンを用いた攻撃を行うが、自らの基本攻撃ボーナスが許す限りの回数の攻撃ロールを行うこと。この攻撃ロールは、全力攻撃を行う場合のように最も高い攻撃ボーナスを用いたものから低い攻撃ボーナスを用いたものへと順に行うこと。いずれかの攻撃ロールで命中を得たならばこの攻撃は命中し、2回目以降命中を得る度に攻撃のダメージは1d6上昇する。正確さに基づくダメージやフレイミングのような武器の特殊能力によるダメージもダメージ修正に加算されるが、これらのダメージがこの上位忍術により上昇することはない。いずれかの攻撃ロールがクリティカル可能状態となった場合、最後に一括して最大の攻撃ボーナスに-5のペナルティを受けてクリティカル・ロールを行うが、2回目以降攻撃ロールがクリティカル可能状態となるたびにこのペナルティは1ずつ減少する(最低0)。
影分離(超常)/Shadow Split:この上位忍術を修得したニンジャは、敵を撹乱するため自身から離れて移動する影分身を作り出すことができる。この能力を使用すると、ニンジャの幻影が1体現れ移動を開始する。この幻影は壁を登り、落とし穴を飛び越え、あるいは単に障害物をすり抜けてニンジャの2倍の移動速度で移動する。幻影の移動方向は能力の使用時に決定しなければならず、以降変更することはできない。幻影はニンジャ・レベルごとに1ラウンドの間持続する。幻影と相対した者はそれが偽者であることを見破るための意志セーヴを行うことができ、その難易度は10+ニンジャ・レベルの半分+ニンジャの【魅力】修正値である。この能力の使用には1点の気ポイントを消費する。この上位忍術を修得するためには、予め影分身の忍術を修得していなければならない。
壁抜けの術(超常)/Ghost Step:この上位忍術を修得しているニンジャは、即行アクションでゴーストのように壁をすりぬけることができるようになる。この能力を使用したニンジャは、自身のターンの終了時まで、非実体状態であるかのようにニンジャ・レベルにつき5フィートの厚さの壁その他の平面を通り抜けることができるが、自身のターンの終了時にはそのような固体の外に居なければならない。この能力の使用には1点の気ポイントを消費する。
雲走り(超常)/Unbound Steps:この上位忍術を修得したニンジャは、気の力を用いることで空中を歩くことができる。軽快なる走りの能力を使用する際空中を歩くことができ、望むように上昇・下降ができるようになるが、きちんとした足場の上で移動を終えなければならない。この能力の使用には1点の気ポイントを消費する。
上級の技/Advanced Talents:ニンジャは上位忍術の代わりにローグの上級の技を修得することもできる。ただし、同名の忍術が存在する上級の技を修得することはできず、身かわし強化の上級の技は身かわしの忍術を修得しているか、または他のクラスで得られる身かわしのクラス特徴を有していない限り選択できない。
心眼(超常)/See the Unseen:この上位忍術を修得したニンジャは、目に見えないものを視る術を学び、即行アクションとして、自身にニンジャ・レベルを術者レベルとするシー・インヴィジビリティの呪文を掛けることができるようになる。この能力の使用には1点の気ポイントを消費する。
体術体得/Unarmed Combat Mastery:この上位忍術を修得したニンジャの素手打撃によるダメージはニンジャ・レベル-4レベルのモンクと同等になる。ニンジャがモンク・レベルを有する場合、素手打撃の威力を決定するにあたり上記のレベルとモンク・レベルは累積する。この上位忍術を取得するためには、予め《素手打撃強化》の特技を修得していなければならない。
特技/Feat:ニンジャは上位忍術の代わりに、ボーナス特技として自身が前提条件を満たしている特技を1つ修得することもできる。
百面相(超常)/Master Disguise:この上位忍術を修得しているニンジャは、自らの容姿を特定の他人のものに変えることができる。ニンジャが変化の術を使用した際、その持続時間は延長しニンジャ・レベルごとに10分間になる。また、ニンジャは変化の術を使用することで過去にニンジャ・レベル毎に1分間の間見ていたことがある特定の個人の姿をとれる。その変装する相手についてよく知っているクリーチャーは、幻術を見破るための意志セーヴィング・スローを行うことができる。そのセーヴィング・スローの難易度は10+ニンジャ・レベルの1/2+ニンジャの【魅力】修正値である。ニンジャが変装の目標が話すのを聞いたことがあり、かつ同じ言語を話せるなら、この幻術によってニンジャの声も変わる。この上位忍術を修得するためには、予め変化の術の忍術を修得していなければならない。
不可視の刃(超常)/Invisible Blade:この上位忍術を修得しているニンジャが隠れ身の術を使用した場合、グレーター・インヴィジビリティの呪文の影響下にあるかのように扱われる。この上位忍術を修得するためには、予め隠れ身の術の忍術を修得していなければならない。
身かわし(変則)/Evasion:この上位忍術を修得したニンジャは、魔法その他の特殊攻撃さえも見事な体捌きで避けることができる。ニンジャがある攻撃のダメージを半減させるための反応セーヴに成功した場合、代わりにニンジャは全くダメージを受けない。身かわしの能力による利益を受けることができるのは、ニンジャが鎧を着ていないかまたは軽装鎧を着ている場合であり、かつ無防備状態でない場合に限られる。
目潰し玉(変則)/Blinding Bomb:この上位忍術を修得したニンジャが煙玉を投げた場合、煙の範囲内に存在するクリーチャーは全て頑健セーヴに成功しない限り1d4ラウンドの間盲目状態になる。このセーヴィング・スローの難易度は 10+ニンジャ・レベルの半分+ニンジャの【魅力】修正値 である。この上位忍術を窒息玉の忍術と組み合わせることはできないが、毒入り玉の忍術と組み合わせることはできる。この上位忍術を修得するためには、予め窒息玉の忍術を修得していなければならない。
隠形体得/Hidden Master:20レベルの時点で、ニンジャは自らの技術を真の意味で体得することができる。ニンジャは標準アクションとして自身にグレーター・インヴィジビリティの呪文を掛けることができ、これにより透明化している間インヴィジビリティ・パージ、シー・インヴィジビリティ、トゥルー・シーイングといった呪文によってさえ発見されなくなる。この能力の使用には、気プールから3点の気ポイントを消費する。さらに、ニンジャが急所攻撃のダメージを与える際、急所攻撃による追加のダメージ・ダイスを放棄することで1分間の間目標のいずれか1つの能力値に放棄したダイスの数に等しいペナルティを与えることができる。この能力を複数回使用してもペナルティは累積せず、この能力値ペナルティによって能力値が1未満になることもない。