君は、滑らかな市壁やごつごつした崖といった垂直の表面を登る技術を持っている。
判定:〈登攀〉判定に成功すれば、坂や壁、その他の急斜面を(それどころか手がかりさえあれば天井すら)通常の移動速度の1/4で登ったり、降りたり、横切ったりすることができる。傾斜角60°未満のすべての傾斜は“坂”と見なされ、60°以上の険しい傾斜はすべて“壁”と見なされる。
〈登攀〉判定に4以下の差で失敗すると移動できなかったことになり、5以上の差で失敗すれば、すでに登っただけの高さから落ちることになる。
判定の難易度は登攀の条件による。次の表を参照して、作業の内容からしかるべき難易度を導き出すこと。
表面または活動の例 | |
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0 |
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5 |
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10 |
取りついたり上に立ったりできる出っぱりのある表面。たとえば、非常にでこぼこした壁や船の索具など。 |
15 |
(自然のものであれ、人工のものであれ)適度な手がかり足がかりのある表面。たとえば、非常にでこぼこした自然石の表面や木、結び目のないロープなど。 |
20 |
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25 |
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30 |
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― |
完全に滑らかで平らな垂直面(あるいは天井)を登ることはできない。 |
これらの修正値は累積する。当てはまるものをすべて加算すること。
登攀時には両手が自由でなければならない。ただし片方の手で壁にしがみつき、もう一方の手を使って動作要素のある呪文を発動したり、その他片手でできる作業をすることは可能である。登攀中は攻撃をよけるために動くことはできないので、アーマー・クラスへの【敏捷力】ボーナスを(もしあれば)失う。登攀中に盾を使うことはできない。登攀中にダメージを受けた場合、坂や壁の難易度に対して〈登攀〉判定を行なうこと。失敗すれば、君はその時点での高さから落ち、落ちた距離に対応するダメージを被る。
登攀速度の上昇:通常より速く登攀しようと試みることもできる。〈登攀〉判定に-5のペナルティを受けて判定に成功すれば、移動速度の1/4ではなく、半分で移動できる。
自分で手がかりや足がかりを作る:壁にピトン(くさび)を打ち込んで、手がかりや足がかりを作ることもできる。そうするにはピトン1本あたり1分かかり、5フィート(約150cm)ごとに1本のピトンが必要である。ピトンの打ち込まれた壁の難易度は、手がかりや足がかりのあるすべての表面と同様、15である。これと同様、ハンドアックスやそれに類する道具を持った登り手は、氷壁に手がかりを刻むことができる。
落下中にしがみついたり踏みとどまったりする:落下中に“壁”にしがみつくのはほとんど不可能である。それでもなお、この難しい行為を試みるならば、そうするためには〈登攀〉判定を行なうこと(難易度は壁の難易度+20)。“坂”で落下中に踏みとどまるのはそれよりかなり容易である(難易度=坂の難易度+10)。
落下するキャラクターをつかまえる:君の上や隣で登攀中だったキャラクターが落下し、かつ君の手が届く範囲にいるなら、君は相手をつかまえようとすることができる。そうするためには、落下するキャラクターに対して近接接触攻撃に成功する必要がある。このとき、落下するキャラクターはアーマー・クラスへの【敏捷力】ボーナスを使わないことにしてもよい。接触攻撃に成功したなら、君は即座に〈登攀〉判定を行なうこと(難易度=表面の難易度+10)。成功すれば、君は落下するキャラクターをつかまえることができた。ただし、相手の装備込みの総重量が君の重荷重の上限を越えていてはならない。もし越えていれば、君たちは自動的に落下する。4以下の差で失敗すれば、君は落下するキャラクターをつかまえることはできないが、自分自身は落ちずにすむ。5以上の差で失敗すれば、君は相手をつかまえることができず、自分も落ちる。
アクション:登攀は移動の一部である。そのため、普通は移動アクションの一部として処理され、1回の移動アクションの中で他の種類の移動と組み合わせて使うこともできる。登攀を含む移動アクション1回ごとに、別々の〈登攀〉判定が必要となる。“落下中にしがみついたり踏みとどまったりする”ことや、“落下するキャラクターをつかまえる”ことはアクションを要しない。
特殊:ロープを使えば、技能を使わず単に力だけでキャラクターを上に引き上げたり下に下ろしたりできる。あるキャラクターがどれだけの重さを引き上げることができるかは、最大荷重の2倍の数値を使うこと。
登攀移動速度のあるクリーチャーは、あらゆる〈登攀〉判定に+8の種族ボーナスを得る。こうしたクリーチャーも、難易度1以上の壁や坂に登る場合、〈登攀〉判定は必要だが、常に“出目10”を選択できる。どんなに急いでいても脅威が迫っていても、である。
登攀移動速度のあるキャラクターが“登攀速度の上昇”(上記参照)を試みる場合、1回の〈登攀〉判定を-5のペナルティを付けて行なうこと。成功すれば登攀移動速度の2倍か地上移動速度か、どちらか低い方の速度で移動できる。こうしたクリーチャーは登攀中に攻撃されてもアーマー・クラスへの【敏捷力】ボーナスを失わず、敵はそのクリーチャーを攻撃する際に特別なボーナスを得ることがない。しかし、こうしたクリーチャーも登攀中に“疾走”アクションをとることはできない。