ノームは奇妙な種族である。彼らは過ちを楽々と切り抜け、ちょっとしたイタズラができるだけの時間があるならどんな代価を払ってもそれを行って嘲りを笑いに変え、敵をまごつかせる。ノームは音楽と魔法を愛するが、製作、カラクリ、手仕事も好きである。ノームは何事であれ情熱を持つことに絶対的に没頭する。ひとたび取り付かれ注意を注げば、その気が向いているのが自分の家での新しい冒険であろうと世界にまたがるものであろうと、ノームは他のことはほとんど考えない。
彼らのフェイから受け継いだ性向により、ノームはいとこであるフェイが集まる自然の地を愛する。しかしながら、このような場所を避けて都市を選ぶノームも増えてきている。彼らの生来の好奇心と創造を愛することから、商業、取引、最新の発見をたどりそれに寄与することができる所での商業、取引、製造にひきつけられるためである。そのようなノームはしばしば岩や木の間で育ったノームとは異なる種族特性を有している。
ノームは試練を越えるのに知力と個性的な力を使う。概して善良な気質と忍耐力を持つが、追い詰められれば速やかに獰猛になることができる。
アルケミスト:錬金術はノームの最も尊敬をうける職業の1つであり、魔法への愛情と理論の実用化を融合させ、発見の機会が毎日ある分野にみな夢中になる。
インクィジター:ノームの一部は世界の残酷さと、特に過酷な心を持つ種族たちについて学び、それに入れ込みすぎたものは、心無い者から人々を保護し、自分の国を守護するためにインクィジターの衣をまとう。
ウィザード:ノームは幻術と元素の魔法の領域に特化した長い魔法の伝統を有する。彼らは魔法の可能性の範囲を押し広げ、しばしば前代未聞の躍進をもたらす歴史家、研究者、学者として大いに尊敬される。
ウィッチ:奇怪な古代の力を熱心に受け入れるノームは、欺きを得意とするウィッチとなる。ほとんどは自らの個性に良くあった奇妙で特殊な使い魔を得る。
オラクル:古代のフェイの魂を受け継ぐものとして、ノームはとても自然にオラクルとして身を捧げ、他の世界の前兆と自然の力のささやきを解釈する。
キャヴァリアー:ノームのキャヴァリアーは滅多にいないものの、彼らは誓いに誠実であり、愛する人々や土地を守るため幅広い戦術を身につけるだろう。
クレリック:ノームはしばしば神々、特に芸術、音楽、冒険、発見、お祭り騒ぎの神のしもべとなり、その創造への情熱と宗教的熱狂を混ぜ合わせる。
サモナー:ノームは慢性的な製作者でその創造力は尽きることがなく、幻獣のデザインと形成を喜びをもって行う。ノームのサモナーのしもべはしばしば機械製品や妖精のクリーチャーに似る。
ソーサラー:フェイの血脈に生来備わる秘術の力はほとんどのノームの家系で普通に見られ、他のソーサラーの血脈もしばしば出現する。暗黒の源から力を得るものは疑いと軽蔑を受けるが、ノーム社会では普通に受け入れられるものがほとんどである。
ドルイド:多くのノームがドルイドの衣をまとい動物や自然の精霊と密に交流しながら、大地と森を守る。
バード:物語、歌、ジョークの収集に取り憑かれているノームは多い。そのためノームのバードは幅広いレパートリー、エネルギッシュな話し振り、その芸に魔法を織り込むことで名高い。
バーバリアン:自然のフェイの仲間と荒野の獣たちの中で生活しているものの間で育てられたノームのバーバリアンは多い。彼らは自然の精霊の具現化したような、ほとんど野生そのものとなる。
パラディン:自らの生を宗教的熱狂と周りの人々を守りたいという情熱によって変えられたノームは、パラディンの召命に応えるだろう。ほとんどのものは動物と会話する能力を、乗騎と話をすることと悪を為す者を狩ることにおける、特別な恩恵と考えるようになる。
ファイター:ノームのファイターはもっとも小さな闘士でも戦場では巨人になりうると証明することを熱望する頑強な輩である。
モンク:生来ノームは多彩で、情熱的で、派手だが、そのような物好きさを肉体と才能の完成という未来に向ける。そのため多くのノームの武術の型は融通無碍で、長い修練による技術というよりは即興の舞踏に近くなる。
レンジャー:ノームの戦闘要員はほとんどの場合レンジャーとなり、自然との緊密な関係と、その賜物と会話する能力を用いる。
ローグ:ノームのローグは様々な技能の達人であることが多く、魅力のある人格によって他者を使い、錠と罠を作り出したり解除したりする技能を高めるためにちょっとした魔法を使うこともある。
以下の種族特性は、既存のノームの種族特性と交換するものである。こうした新しい選択肢を選ぶ前に、君のGMに意見を聞くこと。
学識/Academician:一部のノームは同族よりも学問を好む傾向があるこの種族特性を有するノームはいずれか1つの〈知識〉技能に+2のボーナスを得る。この種族特性はノームの種族特性である偏執狂の代わりに取得できる。
永遠の希望/Eternal Hope:ノームは滅多に希望を失わず、絶望的な状況であっても切り抜けることができると確信している。この種族特性を有するノームは[恐怖]と[絶望]効果に対するセーヴィング・スローに+2の種族ボーナスを得る。1日1回、d20ロールで1が出た場合、ノームは振り直して2回目の結果を使うことができる。この種族特性はノームの種族特性である防御修練と嫌悪の代わりに取得できる。
弁舌の才/Gift of Tongues:ノームは言語と自らが出会った者について学ぶことを愛する。この種族特性を有するノームは〈はったり〉と〈交渉〉判定に+1のボーナスを得、〈言語学〉技能のランクを上げた時は毎回追加の言語を1つ学ぶ。この種族特性はノームの種族特性である防御修練と嫌悪の代わりに取得できる。
魔法言語学者/Magical Linguist:ノームは言語を通常のものとしても超自然的なものの現れとしても学習する。この種族特性を有するノームは、言語に依存する記述を持つ呪文や、グリフ、シンボル、その他の魔法の文様を作り出す呪文のセーヴ難易度を+1する。そのような呪文に対するセーヴィング・スローに+2の種族ボーナスを得る。また、【魅力】が11以上のノームは以下の擬似呪文能力を得る:1回/日―アーケイン・マーク、コンプリヘンド・ランゲージズ、メッセージ、リード・マジック。これらの効果の術者レベルはノームのキャラクター・レベルに等しい。この種族特性はノームの種族特性であるノームの魔法と幻術抵抗の代わりに取得できる。
カラクリの達人/Master Tinker:ノームはあらゆる種類の機械装置について経験を積む。この種族特性を有するノームは〈装置無力化〉と〈知識:工学〉に+1のボーナスを得る。自分で製作したいかなる武器にも習熟しているものとして扱う。この種族特性はノームの種族特性である防御修練と嫌悪の代わりに取得できる。
炎使い/Pyromaniac:この種族特性を有するノームは[火炎]の補足説明を有する呪文を発動する場合、火の領域の領域能力、火の元素の血脈の力、オラクルの炎の神秘の啓示を使用する場合、アルケミストの[火炎]ダメージを与える爆弾のダメージを決定する場合に、1レベル高いものとして扱う(この能力はレベルを基準とした力には影響を与えず、この能力なしで自身が発動できる効果にのみ影響を与える)。【魅力】が11以上のノームは以下の擬似呪文能力を得る:1回/日―ダンシング・ライツ、フレア、プレスティディジテイション、プロデュース・フレイム。これらの効果の術者レベルはノームのキャラクター・レベルに等しい。セーヴ難易度は【魅力】修正値に基づいて算出される。この種族特性はノームの種族特性であるノームの魔法と幻術抵抗の代わりに取得できる。
自然の守り手/Warden of Nature:ノームはしばしば自らの故郷を反自然の存在や疫病の流行から守らなければならない。この種族特性を有するノームは、特別な戦闘訓練のため、異形、粘体、蟲に対するアーマー・クラスに+2の回避ボーナスを得、それらに対する攻撃ロールに+1のボーナスを得る。この種族特性はノームの種族特性である防御修練と嫌悪の代わりに取得できる。
適性クラスのレベルを獲得する際の追加技能ランクまたは追加ヒット・ポイントを獲得する代わりに、ノームは他の多くのオプションからボーナスを選ぶことができる。以下に記載された適性クラスを持つ全てのノームはオプションを利用できる。特に明記しない限り、君が選択した記載された適性クラスの恩恵を選択する毎にボーナスは適用される。
ウィザード:秘術系統の力の1日の使用回数に+1/2を加える。この上昇は1レベルの時点で利用可能であり、通常であれば1日の使用回数が3+ウィザードの【知力】修正値に等しい力にのみ適用できる。
オラクル:オラクルの呪いの効果を決定する際のノームのレベルを+1/2として扱う。
ドルイド:[強酸]、[氷雪]、[雷撃]、[火炎]のいずれか1つの抵抗を獲得する。この恩恵を選択する度に1つの抵抗を選択し、そのエネルギーの種類に対する1上昇させること(1つの種類につき最大で10)。
レンジャー:動物の相棒のダメージ減少に1/魔法を加える。この恩恵を選択するたびにダメージ減少/魔法は+1/2(最大10/魔法)増加する。動物の相棒を変えるならば、新しい動物の相棒は即座にこのボーナスダメージ減少を獲得する。