ハーフオークはしばしば社会の周縁部にいる。外見が獣的で、彼らが出会った非オークには慣例のように怖れられるハーフオークは、頑強で自らの価値を証明する衝動にとらわれる傾向にある。一部の者は自分は野蛮なオークの親類とは違うということを示そうと望み、彼らの天性のより良い面を見出そうと奮闘する。一方他の者は自らの怪物の遺伝を受け入れ、戦闘における獰猛さのおそるべき模範になろうとする。どちらの道をとるにせよ、ほとんど全てのハーフオークは尊敬されることを切望する―自発的に与えられるものにせよ、力ずくで取らなければならないものにせよ。
人間に雑種と嘲られ、オークに弱者とさげすまれるハーフオークは、生まれたときから彼らを打ちのめそうとする苦境にあり、同時に耐え忍び打ち負かそうとする燃えるような意志を持つ。その体格と力により、ハーフオークは生のままの原始の力を体現する。しかしその力が善悪いずれに使われるかは、個々の者にかかっている。
彼らの力強い体型のため、ハーフオークは特に前衛職に適している。斧を振るうバーバリアンであれ、戦の傷が刻まれた兵士であれ、冷たい目をした暗殺者であれ。そして術者クラスである者でさえ、流血に不慣れなわけではない。
アルケミスト:怪物である親族に育てられたハーフオークは滅多に教育を受けることはないが、驚くほどの数が錬金術の訓練に従事し、爆弾、毒、変異薬の破壊的な力を味わう。
インクィジター:すでに多くの種族を威圧しているハーフオークは天性のインクィジターであり、護衛、犯罪捜査員、殺し屋、そしてモンスターハンター(時に彼らの親族のオークに対して活動する)として振る舞う。
ウィザード:オークの社会では、本と秘術の研究にはほとんど近づく手段や興味が無いため、ウィザードは極端に稀だが、人間の社会ではハーフオークのウィザードは時折見られ、彼らが絶望的なまでに願っている尊敬と地位を勝ち取る助けとなる力を求め、熱心に研究する。
ウィッチ:オークの社会は本質的に迷信深く、多くのハーフオークはこの特徴を受け継いでいる。人間社会のハーフオークのウィッチは時としてその獣のような風貌を、威圧的な異質な雰囲気を強化するのに使う。一般にハーフオークのウィッチは、他のウィッチよりもさらに、彼らの力を求める者たちに恐怖と不審の目で見られ、多くの者は自分自身の神秘的な目的を追求する道を選ぶ。
オラクル:神秘と神託の生き物であるハーフオークのオラクルはしばしば印象的な破滅と破壊の預言者であり、死者の魂、戦の力、炎と嵐のより暴力的な元素力に衝き動かされる。
キャヴァリアー:ハーフオークは人間の貴族の家やキャヴァリアーの騎士団に受け入れられるようになった時、しばしば偏見に直面するが、その肉体的な才能と戦闘の適性により、彼らを否定しようとしていた者に考えを改めさせることもある。オークの社会ではキャヴァリアーは多くの場合ウォーロードの標準的な騎手として振る舞う。
クレリック:ハーフオークのクレリックはしばしば共同体の精神的な指導者となり、生者と死者との間を取り持ち、神罰と征服を執り行うと同時に養育と治癒を行おうとする。
サモナー:ハーフオークはしばしば追放者であり、そのため多くは完全に忠実で友情を結べる存在を作る機会としてサモナーというクラスに惹かれる。特にオークの地では、ハーフオークのサモナーは可能な限り大きく脅威となる幻獣を創造する傾向がある。
ソーサラー:オークの社会ではウィザードは稀だが、ソーサラーにはオークが理解し評価できる野蛮な単純さがあり、ハーフオークのソーサラーはその能力をオーク社会と人間社会の双方で称揚される(そして畏怖される)。
ドルイド:ハーフオークのドルイドはしばしば自然の世界を、嵐と捕食者の破壊的な力を呼び起す野生の力の源とみなす。彼らの多くは人型生物の社会から追放されてドルイド教をはじめ、野の獣たちの間に平和と受容を見出す。
バード:ハーフオークは文明化した種族の中で種族的な偏見を克服するため、自らの上品ぶった傾向のためだけではなく、共同体と社会における他のハーフオークの評判を向上させるため、時として芸術、交渉、知識を追求する。
バーバリアン:ハーフオークのバーバリアンは伝説的な戦士であり、彼らの親族の全世界での(良くも悪くも)すさまじい評判と堅く結びついた、止めることのできない戦争機械である。彼らの戦いへの飢えとオークから受け継いだ獣の猛威を呼び起す能力は、ほとんどの冒険者のパーティーで居場所を得るのに必要な全てだ。
パラディン:いくつかの種族はハーフオークのパラディンという考えを笑うが、実際はハーフオークがその主義の擁護者となるために秩序にして善の神格に献身することは珍しいことではなく、大いなる個人の武勇を通じて世間の目を改めようと望む。
ファイター:多くのオークはその威圧的な体格と外見のため、戦闘訓練に選ばれる。多くの他種族は、全てのハーフオークの戦闘要員はバーバリアンの吼えたける突撃を行うと考えているが、実際は多くのものがファイターの磨きぬかれた戦技の訓練、正確さ、多彩さを好む。
モンク:ほとんどのハーフオークのモンクは、その技を人間から学ぶ。そのような訓練はオークには稀だからだ。一部は完全なる調和と抑制によって自らの獣の本性を克服しようとし、他の者は単に素手で敵を打ち破ることを望む。
レンジャー:しばしば社会の周縁で生き、自分自身を守ることを強いられるハーフオークは優れた狩人や斥候になり、時として受け入れられるという希望を持って、自らを拒絶した共同体を守る。
ローグ:社会の隅に追いやられるハーフオークは、しばしば生きるためにこそこそと盗むことを強いられ、一部の者はその生活スタイルが自分に合っていることを見出し、山賊、夜盗、用心棒、殺し屋になる。
以下の種族特性は、既存のハーフオークの種族特性と交換するものである。こうした新しい選択肢を選ぶ前に、君のGMに意見を聞くこと。
適性クラスのレベルを獲得する際の追加技能ランクまたは追加ヒット・ポイントを獲得する代わりに、ハーフオークは他の多くのオプションからボーナスを選ぶことができる。以下に記載された適性クラスを持つ全てのハーフオークはオプションを利用できる。特に明記しない限り、君が選択した記載された適性クラスの恩恵を選択する毎にボーナスは適用される。
インクィジター:〈威圧〉、クリーチャーの識別に関する〈知識:全て〉判定に+1/2する。
ウィッチ:ウィッチの使い魔の技能ランクに+1する。使い魔を変えるならば、新しい使い魔は即座にこのボーナス技能ランクを獲得する。
ソーサラー:[火炎]ダメージを与える呪文のダメージに+1/2する。
ファイター:瀕死状態の際の容態安定化する為の判定に+2する。
レンジャー:動物の相棒のヒット・ポイントに+1する。動物の相棒を変えるならば、新しい動物の相棒は即座にこのボーナスヒット・ポイントを獲得する。