外方次元界でアクシアマイトによって発明され作られたことを起源とするイネヴァタブル(避けがたきもの)は、彼らが訪れるところにいる混沌の使者を見つけ出し破壊することをただひとつの目的とする、生きた機械である。
秩序と混沌の最初の戦いのもっとも厳しい時期、外方次元界はまだ原初の物質の未加工の混沌そのものから形作られているところであったが、イネヴァタブルはアクシアマイトに怯むことのない軍隊――物質を破壊し全てを自らの崇拝する原初の混沌に戻そうとする者プロティアンの狂気の大軍に対し進軍を行うことに専心する強力な兵士――として作り出された。この戦争は煮える程度に冷えてしまって久しく、外方次元界の物質は今はプロティアンやその原住次元界からのエントロピー的影響によって容易に脅かされることはない。しかしアクシアマイトの原住次元界の防護は、イネヴァタブルの原初の目的のままである。プロティアンによる即座の適応とイネヴァタブルの攻撃により抗う最良の方法への研究にも関わらず、依然としてこの人造戦士は明確に有効なままである。
現在、多くのイネヴァタブル――そのほとんどが物質界で遭遇する――は元々の指令の新しい側面を遂行している。多次元宇宙の秩序だった自然を維持するために、著しく秩序の力を侮辱するものを見つけ出してその償いをさせるか、(しばしば)危険な存在を殺害する。裏で糸を引くイメンテッシュ・プロティアンによる混沌と対峙すると、代理人戦争に固定されたことに気づいて新しいイネヴァタブルが目覚める。そして物質界が混沌に負けることは彼らの主を危険な状況に陥らせることを知る。
性別もなく公平で力や個人の出世など省みもしないイネヴァタブルは、秩序の執行を行う狡猾で勇敢な突撃隊だ。彼らは定期的に出身次元界にいる自身を創造した種族と情報をやり取りするが、イネヴァタブルは自らの社会を持たず、他の次元界ではそのほとんどと単体でいるところに出会う。それぞれが自らの任務を遂行するのに十分以上の能力を持っているのだ。彼ら個人個人の十字行は重要であったり優先度が高かったりする契約や法の執行から、なんとか死を免れようとする定命のものを強制的に正しい状態にすることにまで及ぶ。このような罪をどのように扱うかは、その罪状ごとに様々である:目標が自らの悪事を正し法の道から再びそれることがないよう、単に ギアスやマーク・オヴ・ジャスティスを使用することもあるが、しばしば、イネヴァタブルの興味を引くほどに不法な行いは、その場で法の執行を行うだけでは十分とは言えないほど重大なものになる。このような決定は必ずしも一般的とはいえない――死すべき定めを超越した優しいプリーストや、悪だが正当な王相手に戦う自由戦士は、墓を荒らす死霊術士や悪魔崇拝者と同程度に犯罪者なのだ――が、イネヴァタブルは常に正当であり、ほとんどの場合審判結果を覆すことはない。与えられた使命を成し遂げたイネヴァタブルは彼らが見つけるすべての社会をさまよい歩き、彼らが職務を全うするに値する無法者を探す。大義ある勇敢な魂によるイネヴァタブルへの接近とその理念の公示はいつでも歓迎されるが、この強力で一意専心の存在の力を借りるなら用心するべきだ――イネヴァタブルは状況を勇者のようには捉えないかもしれないし、全てのイネヴァタブルは罪なき命を守ろうと全力をつくすものの、より強大な無法者を挫くためであれば仲間や罪なき人を平気で犠牲にするのだから。
物理的な姿としてはイネヴァタブルは人型生物の姿やその一面を持っていることが多いが、その肉体は機械仕掛けの人造と最も古い様式に則った出来の良い石像の間に位置するようだ。石、アダマンティン、あるいはそれより高価な材質によって作られている個々のイネヴァタブルはアクシアマイトの鍛冶場において感性を与えられ、最優先目標の詳細が既に組み込まれている。イネヴァタブルは秩序の次元界の外にいる全てのものはその内に混沌を抱いていると知っているが、そのような精神的葛藤を抱えたクリーチャーは混沌と同じくらい秩序を行うかもしれないと理解しており、それゆえ最も目に余る侮辱でもなければ見て見ぬふりをする。一般に知られているイネヴァタブルの種類のほとんどは以下のとおりである。
アービター:偵察であり交渉役である。ウィザードが秩序に傾倒することを期待して、その使い魔になることも多い。
コリャルート:マントを着て人目を忍ぶ人間型の戦士である。彼らは契約を破るものを追跡し、罰を与える。
ゼレフート:翼の生えたケンタウロスのような人造である。彼らは適切で正当な罰から逃れるものを追跡し、正当な審判に引き戻したり彼ら自身が下した判決を実行したりする。
マールート:石、鋼鉄、嵐のそびえる存在である。彼らは永遠に生きようとして死を欺こうとする定命のものに、ふさわしい死をもたらす。
ラークシャラット:永続的な違反や次元界間のつながりを探し、一方から他方への侵略を見張る絶対的な力である。
ラークシャラットがイネヴァタブルにおける最も力ある階級階級であると一般に考えられているが、より優れた技能や力を持つものが存在する――彼らはプライマル・イネヴァタブル(原初のイネヴァタブル)として知られる。この偉大なるものはプロティアンの脅威と戦うためにアクシアマイトによって作り出された、戦争の最初の武器の1つである――作成方法はアクシアマイトにおいてもはるか昔に失われており、現在も生き残るプライマル・イネヴァタブルがほとんどいないため、伝説となっている。現存する記録に遭遇したというものはないが、プライマル・イネヴァタブルが出現する可能性は、プロティアンがイネヴァタブルの原住次元界を再び侵略しようと考えたならば十分にあるだろう。
この翼を持つクリーチャーは青銅と銅の球体を組み合わせて1つの目としており、2つの爪の伸びた手を持つ。手の一方にはナイフが握られている。
経験点600
秩序にして中立/超小型サイズの来訪者(イネヴァタブル、他次元界、秩序)
イニシアチブ +3; 感覚 暗視60フィート、ディテクト・ケイオス、夜目; 〈知覚〉+5
アーマー・クラス 16、接触15、立ちすくみ13(+1外皮、+2サイズ、+3【敏】)
ヒット・ポイント 15(2d10+4); 再生2([混沌])
頑健 +5、反応 +3、意志 +3
防御能力 常時警戒、造られしもの; 呪文抵抗 13
移動速度 20フィート、飛行50フィート(標準)
近接 ショート・ソード=+7(1d3/19~20)
接敵面 2・1/2フィート; 間合い 0フィート
特殊攻撃 電気の爆発
擬似呪文能力 (術者レベル2; 精神集中+4)
常時:ディテクト・ケイオス
3回/日:コマンド(難易度13)、プロテクション・フロム・ケイオス、メイク・ホウル
1回/週:コミューン(術者レベル12、6つの質問)
【筋】11、【敏】16、【耐】14、【知】11、【判】11、【魅】14
基本攻撃 +2; 戦技ボーナス +3; 戦技防御値 13
特技 《かすめ飛び攻撃》、《武器の妙技》 (B)
技能 〈隠密〉+16、〈交渉〉+7、〈真意看破〉+5、〈知覚〉+5、〈知識:次元界〉+5、〈飛行〉+12
言語 真言
その他の特殊能力 イネヴァタブル感知
出現環境 気候問わず/地形問わず
編成 単体、2体、または編隊(3~14)
宝物 なし
常時警戒(超常)/Constant Vigilance アービターは(混沌)の副種別を持つものによって作られた幻術や、[混沌]の補足説明を持つ幻術を見分け見破るための判定に+4のボーナスを得る。
電気の爆発(変則)/Electrical Burst アービターは半径10フィート爆発の範囲に3d6の[雷撃]ダメージ(難易度13、反応・半減)を与える電気のエネルギーを、自らの肉体から解き放つことができる。この爆発を解き放つとすぐに、アービターは24時間の間朦朧状態となる。このセーヴ難易度は【耐久力】に基づいている。
イネヴァタブル感知(超常)/Locate Inevitable アービターはこの次元界にいる、アービター以外の最も近いイネヴァタブルのいる方向を常に認識している。これは上位の存在に報告することができるようにである。このイネヴァタブルとの距離を認識することはできない。
密やかで観察眼を持ち、しばしば説得力を持つアービター・イネヴァタブルは、イネヴァタブル種族の偵察であり渉外役である。アービターは多次元宇宙の裁判所や戦場のいたるところで見られ、混沌の力に目を近づけ、正道から外れぬよう秩序を維持するよう全力を尽くす。その一方、救われたかもしれないものの心を一斉につかむこともある。その種々様々の能力が彼らを極端に役に立つものとしているが、アービターは自らを従者ではなく、助言者や相談相手と見なしている。彼らは召喚者の肩に乗り、秩序の道において「相棒」の一助となることを好む。彼らは混沌により招来された存在を嫌悪し、そのようなクリーチャーとチームを組む場合、彼らは招来者の友人に働きかけたり彼らに組み込まれていることの正反対の行為を請け負わないようにするため、ためらいなく〈交渉〉を使用する。
与えられた次元界で混沌の著しい暴動の証拠を見つけたアービターは、その危険な不安定に対して仲間を集めるために自らの力でできることをなんでもし、自分の力が及ばないことが明白な状況では、自身への手助けに同意する集団が最寄りの上位イネヴァタブルへと面会し完全な報告を終えるまで進展を断念するかも知れないし、あるいは自らユートピアに赴き、緊急の情報を直接伝えるかもしれない。
アービターは一般に輝く金属製の翼を持つ、小さな機械仕掛けの球体の姿をしている。アービターは真なる混沌のクリーチャーと戦う場合を除けば、いつも平和的である。彼らは仲間にプロテクション・フロム・ケイオスを発動し、コマンドを使用して敵の武器を落とさせ逃亡させることを好む。彼らの最大の武器である、致命的な爆発として内部のエネルギーを解き放つ能力は、喫緊に必要に迫られた場合や秩序の極限なる行使として持つものであり、その結果として訪れる闇の期間はこの小さい自動機械を本当に怯えさせる唯一のものだ。
アービター・イネヴァタブルは使い魔として呪文の使い手に使役されることがある。この呪文の使い手は秩序にして中立でなければならず、少なくとも術者レベル7を持ち、《上級使い魔》特技を修得していなければならない。アービター・イネヴァタブルは直径1フィート(30cm)だが、60ポンド(約27.2kg)と極端に重い。金属の翼による飛行能力は物理的な能力ではなく、超常能力である。
経験点19,200
秩序にして中立/中型サイズの来訪者(イネヴァタブル、他次元界、秩序)
イニシアチブ +8; 感覚 暗視60フィート、夜目; 〈知覚〉+22
アーマー・クラス 26、接触14、立ちすくみ22(+12外皮、+4【敏】)
ヒット・ポイント 158(12d10+92); 再生5([混沌])
頑健 +14、反応 +10、意志 +11
防御能力 造られしもの; ダメージ減少 10/混沌; 呪文抵抗 23
移動速度 30フィート
近接 +2バスタード・ソード=+20/+15/+10(1d10+8/19~20)、叩きつけ=+13(2d6+3)または叩きつけ(×2)=+18(2d6+6)
擬似呪文能力 (術者レベル12; 精神集中+15)
回数無制限:インヴィジビリティ(自身のみ)、ヴァンピリック・タッチ、エナヴェイション、サジェスチョン(難易度16)、ディサーン・ライズ(難易度17)、ディスガイズ・セルフ、フィアー(難易度17)、ホールド・パースン(難易度16)、ロケート・クリーチャー
3回/日:呪文高速化サジェスチョン(難易度16)、ホールド・モンスター(難易度18)、マーク・オヴ・ジャスティス
1回/週:ギアス/クエスト
【筋】22、【敏】19、【耐】23、【知】10、【判】17、【魅】16
基本攻撃 +12; 戦技ボーナス +18; 戦技防御値 32
特技 《イニシアチブ強化》、《鋭敏感覚》、《擬似呪文能力高速化:サジェスチョン》、《神速の反応》、《戦闘発動》、《迎え討ち》
技能 〈交渉〉+22、〈真意看破〉+22、〈生存〉+18、〈知覚〉+22、〈知識:次元界〉+15、〈変装〉+22; 種族修正 +4〈交渉〉、+4〈変装〉
言語 真言
出現環境 気候問わず/地形問わず
編成 単体、2体、または審問団(3~6)
宝物 標準(+2バスタード・ソード、その他の宝物)
コリャルートは交渉の守り手である。秩序を破壊するものを罰し、契約が守られていることを見届けるために次元界の端にまで旅をする。彼らは問題になっている契約の内容に興味を持つことはない。契約が履行されているか、負債は支払われているか、バランスは継続しているかだけが重要なのである。
その生来の姿であってさえ、コリャルートはイネヴァタブルで最も違和感がない。彼らは背の高い人間ほどの大きさだが、その組成により体重はずっと重い。人間の国で完全に気付かれないように、コリャルートはインヴィジビリティとディスガイズ・セルフを使用する能力を持つ。彼らはよくできたバスタード・ソードを佩き、外套をまとった戦士の姿でしばしば現れる。彼らがその頭巾をとり敵にその機械仕掛けの顔を晒すその時まで、他の人は金属質な雑音が隠した鎧のガチャガチャなる音だと考えている。そしてこの奇妙な異邦人の正体を理解したときにはあまりにも遅かったということになる。
おそらく彼らのミッションはあまりに陰惨で誤解を受けることが非常に多いために、コリャルートはイネヴァタブルの中で群を抜いて口数が多い。彼らは宮廷風の優雅さと社会慣習に関する豊富な知識を持ち、これらの双方を使用して目標の情報収集と戦場での挑戦(あるいは堂々とした判決の執行)に使用する。彼らの同種は生まれつき単独で行動するが、コリャルートはときどき他種族のものに付き添い、共通した目的を達成するために支援する。しかし彼らは、それが彼らの任務の推敲をもたらすのでもない限りは、彼らをこのような「同志」を見捨てたり悪用したりすることはない。
このクリーチャーは機械のケンタウロスのように見える。金色の機械仕掛けの翼がその背中から生えており、その腕の先には棘のついた鎖がつながっている。
経験点6,400
秩序にして中立/大型サイズの来訪者(イネヴァタブル、他次元界、秩序)
イニシアチブ +9; 感覚 暗視60フィート、トゥルー・シーイング、夜目; 〈知覚〉+20
アーマー・クラス 24、接触15、立ちすくみ18(+1回避、+9外皮、-1サイズ、+5【敏】)
ヒット・ポイント 115(10d10+60); 再生5([混沌])
頑健 +10、反応 +8、意志 +10
防御能力 造られしもの; ダメージ減少 10/混沌; 呪文抵抗 20
移動速度 50フィート、飛行60フィート(標準)
近接 鎖(×2)=+17(2d6+7、加えて1d6[雷撃]および“足払い”)
接敵面 10フィート; 間合い 10フィート
擬似呪文能力 (術者レベル10; 精神集中+13)
常時:トゥルー・シーイング
回数無制限:クレアオーディエンス/クレアヴォイアンス、ディスペル・マジック、ディメンジョナル・アンカー、フィアー(難易度17)、ホールド・パースン(難易度16)、ロケート・クリーチャー
3回/日:ホールド・モンスター(難易度18)、マーク・オヴ・ジャスティス
1回/週:レッサー・ギアス(難易度17)
【筋】25、【敏】20、【耐】16、【知】10、【判】17、【魅】17
基本攻撃 +10; 戦技ボーナス +18; 戦技防御値 34(対足払い38)
特技 《イニシアチブ強化》、《回避》、《強行突破》、《渾身の一打》、《武器熟練:鎖》
技能 〈軽業〉+18(跳躍+26)、〈交渉〉+16、〈真意看破〉+20、〈生存〉+16、〈知覚〉+20、〈飛行〉+16; 種族修正 +4〈真意看破〉、+4〈知覚〉
言語 真言
その他の特殊能力 鎖
出現環境 気候問わず/地上(秩序属性の次元界)
編成 単体
宝物 なし
鎖(変則)/Chains ゼレフートの腕には長く棘の生えた金属製の鎖が付けられている。この鎖は斬撃ダメージを与え、命中するたびに1d6ポイントの[雷撃]ダメージを与える。
ゼレフートは逃亡者を捕えるものと死刑執行者を兼ねた存在である。彼らは裁きから逃れ続けるもの――それが能動的に逃亡したのであれ、権力や状況に基づいたものであれ――を探し、多元宇宙の悪名高い逃亡者と犯罪者に法と裁きを下す。
皮肉にも、ゼレフートは無慈悲で自らの職務を怠ることはないが、彼らは彼ら自身の裁きを逃れたことにわずかの興味も持たず、そのために他の種族をしばしば混乱させる。それどころか、ゼレフートは与えられた社会の法が執行されていることに満足する。有罪となった連続殺人犯や6つもの次元界を渡り歩いた悪名高い泥棒を狩る一方で、このような無法が支配者にとって適法であるかぎり、10回を超える不法行為を行う汚職にまみれた支配者を捕えるために行動を開始しない。ゼレフートは皆、法は次元界ごとに異なっていなければならないと考えている。そしてゼレフートの仕事は道徳に則ることではなく、彼らの法から逃れたものを探すものだと捉えている。
経験点51,200
秩序にして中立/大型サイズの来訪者(イネヴァタブル、他次元界、秩序)
イニシアチブ +3; 感覚 暗視60フィート、トゥルー・シーイング、夜目; 〈知覚〉+26
アーマー・クラス 30、接触13、立ちすくみ26(+1回避、+17外皮、-1サイズ、+3【敏】)
ヒット・ポイント 214(16d10+126); 再生10([混沌])
頑健 +16、反応 +8、意志 +13
防御能力 造られしもの; ダメージ減少 15/混沌; 呪文抵抗 26
移動速度 30フィート
近接 叩きつけ(×2)=+27(2d6+12、加えて3d6[雷撃]または[音波]および盲目または聴覚喪失)
接敵面 10フィート; 間合い 10フィート
特殊攻撃 雷と稲妻の拳
擬似呪文能力 (術者レベル16; 精神集中+23)
常時:エア・ウォーク、トゥルー・シーイング
回数無制限:マス・インフリクト・ライト・ウーンズ(難易度22)、グレーター・コマンド(難易度22)、グレーター・ディスペル・マジック、ディメンジョン・ドア、フィアー(難易度21)、ロケート・クリーチャー
1回/日:ウォール・オヴ・フォース、サークル・オヴ・デス(難易度23)、チェイン・ライトニング(難易度23)、マーク・オヴ・ジャスティス
1回/週:アースクウェイク(難易度25)、ギアス/クエスト、プレイン・シフト(難易度22)
【筋】35、【敏】16、【耐】23、【知】12、【判】17、【魅】24
基本攻撃 +16; 戦技ボーナス +29; 戦技防御値 43
特技 《回避》、《強打》、《渾身の一打》、《渾身の一打強化》、《戦闘発動》、《突き飛ばし強化》、《能力熟練:雷と稲妻の拳》、《ふっとばし攻撃》
技能 〈威圧〉+26、〈交渉〉+26、〈真意看破〉+22、〈生存〉+22、〈知覚〉+26、〈知識:次元界〉+20、〈知識:宗教〉+20; 種族修正 +4〈知覚〉
言語 真言
出現環境 気候問わず/地形問わず
編成 単体、2体、または巡視体(3~5)
宝物 なし
雷と稲妻の拳(超常)/Fists of Lightning and Thunder マールートの拳は雷雨の力と共に放たれる。全ての叩きつけ攻撃において、マールートはその攻撃に雷を使用するか稲妻を使用するかを選択することができる。雷攻撃は追加で3d6ポイントの[雷撃]ダメージを与え、その閃光により目標は2d6ラウンドの間盲目状態となる(盲目状態は頑健・難易度26・無効)。稲妻攻撃は追加で3d6ポイントの[音波]ダメージを与え、その轟音により目標を2d6ラウンドの間聴覚喪失状態とする(聴覚喪失状態は頑健・難易度26・無効)。このセーヴ難易度は【耐久力】に基づいている。
漆黒と黄金の鎧の巨大な存在、マールートは歩けば地が揺れ、その鳴り響く歩みはくるものに終わりを告げる。マールートは急ぐことなどほとんど無い。彼らの襲来は熟考した上でのものであり、目的が明確で無慈悲なものとなる。獲物となったものは邪魔をしたり何十年何百年と走って逃げるかもしれない。しかし初めの遭遇の時点で、その目標は自らの死を頭に叩き込まれる。マールートはその足でゆっくりと確実に近づいてきて、イネヴァタブルが忘れることなどないバランスをもたらすのだと。
マールートは主として、その種族に相応しい寿命を人為的に引き伸ばした定命の魂(リッチや他の強力な魔法の使い手)を標的とする。通常成し得ないがあるがままに死を免れた方法であっても、ときに罰されることがある。自らを救うために飢餓に苦しむ町の住人全てを殺した判事や、啓示を受ける魔法によって自らの死を予見し、それゆえにその死から逃れることができたもののように。
彼らはどのような言語であっても雄弁に語ることができ、その存在感のみで圧倒された人からしばしば多くの情報を集めてみせる。しかしマールートはほとんど会話に加わることはなく、定命のものと戦略的な提携を結ぶこともない。戦場においてさえ、この絶対的な力は音を立てないことを好む。その目標がすでに自らの罪に気づき、全ての定命のものが死から免れる夢に密かにこがれていることを知っているからだ。
経験点307,200
秩序にして中立/超大型サイズの来訪者(イネヴァタブル、他次元界、秩序)
イニシアチブ +5; 感覚 暗視60フィート、ディテクト・ケイオス、ディテクト・マジック、トゥルー・シーイング、夜目; 〈知覚〉+34
オーラ シールド・オヴ・ロー(難易度23)
アーマー・クラス 36、接触18、立ちすくみ35(+18外皮、-2サイズ、+5 洞察、+4反発、+1【敏】)
ヒット・ポイント 337(22d10+216); 再生10([混沌])
頑健 +25、反応 +12、意志 +22
防御能力 造られしもの; ダメージ減少 15/混沌; 完全耐性 エネルギー呪文; 呪文抵抗 31
移動速度 飛行60フィート(完璧)
近接 +2ウーンディング・スピア=+32/+27/+22/+17(3d6+17/×3、加えて1“出血”)、+2ウーンディング・ロングソード=+32(3d6+12/19~20、加えて1“出血”)、+2ウーンディング・モーニングスター=+32(3d6+12加えて1“出血”)または叩きつけ(×4)=+30(2d8+10)
遠隔 エネルギーの矢(×2)=+21(10d6エネルギー)
接敵面 15フィート; 間合い 15フィート
特殊攻撃 完全予測、狡知なる反応、多刀流体得、流血武器
擬似呪文能力 (術者レベル22; 精神集中+27)
常時:シールド・オヴ・ロー(難易度23)、ディテクト・ケイオス、ディテクト・マジック、トゥルー・シーイング
回数無制限:センディング、ディスペル・マジック、グレーター・テレポート(自身と50ポンドまでの物体のみ)
3回/日:ウォール・オヴ・フォース、グレーター・スクライング(難易度22)、ディクタム(難易度22)、ディスインテグレイト(難易度21)、ディスミサル(難易度20)、ディメンジョナル・アンカー(難易度19)、ディメンジョナル・ロック(難易度23)、プレイン・シフト(難易度20)
1回/日:インプリズンメント(難易度24)
【筋】31、【敏】13、【耐】26、【知】14、【判】21、【魅】20
基本攻撃 +22; 戦技ボーナス +34; 戦技防御値 50(足払いされない)
特技 《イニシアチブ強化》、《強打》、《攻防一体》、《渾身の一打》、《渾身の一打強化》、《上級渾身の一打》、《上級突き飛ばし》、《突き飛ばし強化》、《武器落とし強化》、《迎え討ち》、《無視界戦闘》
技能 〈威圧〉+30、〈呪文学〉+24、〈真意看破〉+30、〈知覚〉+34、〈知識:次元界〉+27、〈知識:神秘学〉+24、〈知識:地理〉+24、〈飛行〉+30; 種族修正 +4〈知覚〉
言語 真言
その他の特殊能力 完全予測
出現環境 気候問わず/地形問わず
編成 単体
宝物 ×2(+2ロングソード、+2スピア、+2モーニングスター、その他の宝物)
エネルギーの矢(超常)/Energy Bolt ラークシャラットはその6つの腕の2つから元素のエネルギーでできた矢を射出することができる――これらの手に武器を持つことはない。この攻撃は射程単位100フィートを持ち、このイネヴァタブルが選択した10d6のエネルギー・ダメージを与える([強酸]、[雷撃]、[火炎]、[氷雪]から、それぞれの矢が放たれる際に選択する)。標準アクションとして2つのエネルギーの矢を放つことができる。他の腕で武器攻撃や叩きつけ攻撃を行う場合、この2本の手で攻撃することはできない。
エネルギー呪文に対する完全耐性(変則)/Immunity to Energy Spells ラークシャラットは[音波]、[強酸]、[雷撃]、[火炎]、[氷雪]の補足説明を持ち、呪文抵抗を行える呪文及び擬似呪文能力の全てに完全耐性を持つ。
完全予測(超常)/Perfect Prediction ラークシャラットはアーマー・クラスに、自らの【判断力】ボーナスに等しい洞察ボーナスを得る。
狡知なる反応(変則)/Cunning Reflexes ラークシャラットは《迎え討ち》特技により得られる追加の機会攻撃回数を考慮する際、【敏捷力】修正値ではなく【判断力】修正値を使用する。ほとんどのラークシャラット・イネヴァタブルにとって、この利益により1ラウンドに5回の機会攻撃を得ることになる。
多刀流体得(変則)/Multiweapon Mastery ラークシャラットは複数の武器で戦うことによって、攻撃ロールに一切のペナルティを受けない。
流血武器(超常)/Wounding Weapons ラークシャラットが持ついかなる武器も、このクリーチャーが手に持っている限りウーンディング武器特性を有する。
一般的なラークシャラットは6つの腕を持つ人造であり、金属と石の組み合わせから造られているように見える。人間ならば脚があるところに、太陽系儀の形にも似た、唸りながら回転する輪の組み合わさった球体が置かれている――ラークシャラットに飛行能力を与えているのは、この唸りを上げる機械に他ならない。ラークシャラットは大きな金属製の翼を持つが、これらは飛行する際には姿勢制御以上の役には立たない。この人造の腕のうち4本は武器を組み合わせて持つことができる、通常に機能する手がついている。ラークシャラットの下側2つの腕には、大きな燃え盛る金属球がその手につながっている――彼らはこの球体を元素のエネルギーの矢を作り出すために使用する。この元素の矢を投げ、離れたところにいる敵にダメージを与えることができる。
ラークシャラットは異なる次元界間、特に元素次元界間の分離を維持するという任務を負っている。彼らはある次元界から別の次元界へ行き来する人の不法侵入をほとんど気にかけない。小型の次元界をたまに作り出したり、他の次元界の基礎として役立てるために世界を乗っ取ることでさえ、注目されることはほとんどない。ラークシャラットが問題だと判断するのは次元界間に永続的なつながりを作り出すこと、他の次元界からある次元界を侵略し支配するために居住者が動き始めることなどである。彼らは気付くと強力な来訪者――圧倒的な侵略のために発射台として使用する、他の次元界の橋頭堡を作ろうとしている――の企みと衝突していることが多い。
可能であれば、ラークシャラットは危険な裂け目を作り出す装置を破壊する、複数の次元界を溶けこませ混ぜ込もうとするクリーチャーを全て殺戮する、といった単純な手段で次元界の分離を成し遂げる。このイネヴァタブルはなぜこのような違反が起こったのかを考慮することはなく、一時的な次元界の接続が最善手なのだという弁解にすらほとんど耳を傾けない。しかしその一方で、選抜された存在、ラークシャラットは心がないわけでも理性がないわけでもない。彼らに感情はないが、違反者を粉砕し殺すことで問題が解決できないと説得することはできる。
滅多に無いことだが、ラークシャラットは一時的なものであれば、次元界のつながりを維持することが重要なことで、ゲートを立てても構わないと考えることさえある。そのような場合、閉じる時が訪れるまで、ラークシャラットは常にこのポータルの見張りを買って出る。このような準備には、望む一連の行為がラークシャラットの目的との合致に至ることを詳細に説明しなければならない。はるかに圧倒的で強力な敵との対決によってラークシャラットが自身の主要な機能に関係しない仕事を助ける同意をするようになった時のみ、ラークシャラットは既に失敗した分野において成功を果たす手伝いをする仲間を獲得する為だけに行動する。このような同盟を請け負うよう説得されたとしてさえ、ラークシャラットは自分の使命を先に遂行すべきだと主張するだろう。純粋な規則のクリーチャーであるラークシャラットは誠実で約束を破ることがない。しかし彼らは全てのクリーチャーがそのように束縛されたわけではないことに気づいている。ある理由で仲間の必要とすることを最初にしなければならない場合、ラークシャラットは彼らが望むものを得ればすぐに、その仲間が契約に従うことを保証するよう要求する。
戦闘においては、ラークシャラットはその速度と機動性を使い敵に近づく。ラークシャラットは集団を不完全な機械と見なし、彼らを制圧する最良の方法はその連携をバラバラにすることだと理解している。必要であればこのイネヴァタブルを直接傷つけることができるクリーチャーを始末するが、彼らは強力な戦士や呪文の使い手を相手にするよりも、はじめに癒し手、偵察、壁役を撃退することを好む。ラークシャラットは自身の行動方針を変える為の挑発や誘惑に乗ることがない――彼には全く感情がなく、戦闘計画の効率性のみを気にかけている。彼らは生き残る事を気にすることなく戦う。自らの再生能力が命を呼び起こすか、新しいイネヴァタブルが自分を修理するために造られるだろうと信じているからだ。
次元界の境界の尊厳への脅威に気付いていないか、そもそも脅かされていない場合、ラークシャラットは意外にも善き話し相手となる。彼らは拠点の類を維持するものとして虚空の中を漂うところが見られることもある。ラークシャラットは彼らが見回りをしたいと思う領域はあまりに広く、どんなに効率的にやっても直接見ることなどできないということを理解している。そのため多くの次元界を巡回する事のできる情報提供者のネットワークを構築し、明らかな違反に警戒するためにイネヴァタブルに知らせるラークシャラットもいる。この人造は罪人から集めた宝物に必要性を感じない。そのため次元界の違反に導いてくれたチップとして支払ってくれることもある。価値のある情報提供者であることが判明したものは尊敬を持って扱われ、ラークシャラットの広範な知識から次元界における洞察を授けることさえあるかもしれない。ただしその質問が2つの次元界を組み合わせた、危険な領域をさまようものでない場合に限られる。