レンジャーが搦め手を選択したなら、戦闘スタイル特技を得る際、以下の一覧から特技を選択できる:《遠隔フェイント》、《二刀のフェイント》、《フェイント強化》、《離脱フェイント》。6レベルの時点で、この一覧に《上級フェイント》と《逸らし戦術》を加える。10レベルの時点で、この一覧に《すり抜けフェイント》と《離脱攻撃》を加える。
レンジャーが威嚇を選択したなら、戦闘スタイル特技を得る際、以下の一覧から特技を選択できる:《威圧演舞》、《脅し屋》、《残虐なとどめ》、《腕力による威圧》。6レベルの時点で、この一覧に《武力による圧力》と《防御崩し》を加える。10レベルの時点で、この一覧に《恐るべき虐殺》と《クリティカル強化》を加える。
レンジャーが狡猾を選択したなら、戦闘スタイル特技を得る際、以下の一覧から特技を選択できる。《攻防一体》を選択する場合、レンジャーはこの特技と《攻防一体》を前提条件とする時、【知力】が13以上あるものとして扱う:《攻防一体》、《回避》、《裏技強化》、《盗み取り強化》。6レベルの時点で、この一覧に《上級裏技》と《上級盗み取り》を加える。10レベルの時点で、この一覧に《迅速な裏技》と《迅速な盗み取り》を加える。
秘文の飛脚は密かに、そして速やかに秘密のメッセージを送る専門家だ。彼らは遠く離れた国の間を駆け抜け、ときには大陸を渡り異なる地形を横断する。彼らは長いメッセージを記録し、秘密の文言を盗まれないように注意を払う。
クラス技能:秘文の飛脚はクラス技能の一覧に〈言語学〉と〈知識:地域〉を加え、〈治療〉と〈動物使い〉を取り除く。
記憶術の才能(変則)/Mnemonic Genius:秘文の飛脚は情報を記録し性格に思い出す方法を身に着けた。その情報を得た時点で言語を話せなくても、理解できていなくても構わない。秘文の飛脚は1時間を費やし難易度15の〈言語学〉判定に成功することで、自分が理解できる450文字までの情報を記憶しておくことができる。
この難易度を5上回る毎に、秘文の飛脚は追加で450文字までの言葉を記憶できる。文章が暗号であったり自分の理解できないものであった場合、難易度は10増加する。一度に記憶できる情報は1つだけである。文章の記憶に失敗しても何度でも再挑戦を行えるが、そのたびに1時間かかる。文章が記憶されると、異なる文章を記憶するまで秘文の飛脚は完璧にその文章を思い出すことができる。
傍受抵抗(変則)/Resist Interrogation:4レベルの時点で、秘文の飛脚は占術効果に対するセーヴィング・スローに、レンジャー・レベルの半分に等しいボーナスを得る。11レベルの時点で、術者に〈知識:地域〉や情報を与える占術効果に対するセーヴィング・スローに秘文の飛脚が成功したなら、術者はセーヴィング・スローに成功されたことに気づかない。加えて、秘文の飛脚は偽りの情報を術者に送るために〈はったり〉判定を行うことができる。これは術者の〈真意看破〉判定との対抗判定となる。
あらっぽい野蛮人と対極にある洒落者は、貴族が闊歩する宮廷の細かなエチケットの達人にして闇の噂をささやくものであり、文明世界の慣習に深い造詣がある。それにもかかわらず、洒落者の芯の部分はレンジャーである。ほとんどのレンジャーが荒野で敵を探すのと同じように、裕福で権力を持つ豪奢な舞踏場のいたるところで噂とゴシップを狩り立てる。
クラス技能:洒落者は〈交渉〉、〈真意看破〉、〈知識:貴族〉、〈知識:地域〉、〈はったり〉をクラス技能に加え、〈生存〉、〈知識:自然〉、〈知識:ダンジョン探検〉、〈知識:地理〉、〈動物使い〉をクラス技能から取り除く。
得意な国(変則)/Favored Nation:得意な敵の種類を選択するするたびに、洒落者は代わりに自分が深く熟知し身につけてきた貴族の品位を備えた国を1つ選択する。洒落者はその国の廷臣、貴族、上流階級に対する〈交渉〉、〈真意看破〉、〈生存〉、〈知覚〉、〈知識〉、〈はったり〉判定、及び武器攻撃ロールとダメージ・ロールに+2のボーナスを得る。
洒落者は選択した国の上記の人々を識別するために行う適切な〈知識〉を行う際、未訓練でも判定を行える。洒落者が追加の得意な国を修得する際、通常のレンジャーにおける得意な敵の処理と同様に、現在の得意な国1つのボーナスを増加させる。
噂への共感(変則)/Rumor Empathy:洒落者は自分の望むように噂の流れや広がりを替えることができる。これは野生動物との共感と同様に機能するが、1分ではなく1日かかり(この内作業時間は8時間)、効果は自然動物ではなく噂の全体的な流れに作用する。
噂への共感の判定に成功したなら、洒落者は噂の論調を一段階上げるか下げる化することができる。例えば、中立的な噂を有効的なものにして目標へ良い印象を与えたり、非協力的な噂を敵対的なものにして目標により悪い印象を与えたりすることができる。
噂に影響を与える難易度は、広めようとする共同体の規模によって決まる。村やそれより小さな居住地では、難易度は15である。居住区のサイズが村より1段階大きくなるたびに、難易度は5ずつ上昇し、噂に影響を与えるのに必要な日数は2日ずつ伸びる。巨大都市全体に噂を広める場合が最も難しく、難易度40で11日かかる。
巨大都市の中にあるエルフ居住区のように、噂を人口全体よりも小さな範囲に広めるだけなら、噂への共感に必要な日数と難易度を決定する際、その小さい範囲の人口を用いること。噂が洒落者自身のものである場合、難易度は10増加する。自分自身が伝えてくる噂には、明らかにバイアスがかかっているからである。
得意な地形(変則)/Favored Terrain:3レベルの時点で、洒落者は得意な地形(都市)を得る。この能力は通常と同じレベルで成長していくが、他の地形を得ることはない。しかし、8レベルの時点で、洒落者が宮廷の行事やパーティにいる間、得意な地形のボーナスは更に2だけ増加するようになる。
歓談(変則)/Hobnob:4レベルの時点で、洒落者は狩人の絆を結ぶ際、仲間一人を選択しなければならない。この仲間は、動物の相棒であってはならない。通常の狩人の絆能力に加えて、洒落者は10分を費やして特定のイベントやパーティ1つで適切な人物にその仲間を紹介して懇談することで、そのイベントの間、その仲間に得意な国の利益を与えることができる。ただし、この効果で攻撃ロールとダメージ・ロールへのボーナスを与えることはできない。
洒落者の呪文(超常)/Dandy Spells:4レベルの時点で、洒落者は通常のレンジャーとは異なる呪文発動の手法を身につける。洒落者が1日の呪文数、難易度、その他呪文発動に関連する要素を決定する際、【判断力】ではなく【魅力】を用いる。洒落者はレンジャー呪文リストではなく、バード呪文リストから呪文を任意発動する。また、レンジャー・レベルに等しいミーディアムであるかのように修得呪文数と1日の呪文数を決定する。
押しかけ客(変則)/Party Crasher:7レベルの時点で、洒落者は楽しいパーティ、王族の舞踏会、その他社会の最上流階級が関わる社交的なイベントに自分を偽って入り込むことができるようになる。そうするには、洒落者は難易度25の〈交渉〉判定を行わなければならない。この判定には1d4時間かかる。成功したなら、洒落者は自分への招待状、連れ添いを探す招待客、別の用事があるスタッフ、その他パーティに入る手段を見つけることができる。ただしこの効果では制限された場所に侵入したり、秘密の談合のような極めて秘匿性の高い会合に入り込むことはできない。社交的なイベントに入れるようになるだけである。
武器を突き出し、特定の種別のクリーチャーと戦うことに汗水を垂らすたぐいのレンジャーばかりではない。その代わりに敵の組織をばらばらにするために力を注ぐ抜け目のない戦士もいる。組織壊しは敵同士の対立に燃料を注ぎ、対立する組織の動きに目を見張らせる訓練を受けている。時には密かな情報を集めるために敵組織に潜入することさえある。
クラス技能:組織の壊し屋はクラス技能に〈変装〉、〈知識:地域〉、〈はったり〉を加え、〈知識:地理〉、〈治療〉、〈動物使い〉を取り除く。
得意な組織(変則)/Favored Organization:組織の壊し屋が得意な敵を選択する際、特定のクリーチャー種別1つではなく、ある盗賊ギルド1つ、のように特定の組織を1つ指定することができる。組織の壊し屋は最初の得意な敵を選択する際には必ずこの形で対象を指定しなければならない。しかし、それ以降の得意な敵については、本来の形で対象を指定しても良い。この組織の一員に対する組織の壊し屋の得意な敵からのボーナスはクリーチャー種別には影響しないが、組織の仲間や雇われた傭兵、強制労働者には適用されない。この能力は、対象がその組織の一員であることを組織の壊し屋が知っている場合にのみ適用される。
都市読解(変則)/Read the City:組織の壊し屋はほとんどの時間を都市や人口の多い中心街で過ごす。その結果、組織の壊し屋は周囲を駆け抜ける行き交うものに対して鋭い感覚を持つ。都市環境にいる間、組織の壊し屋は情報収集のために〈生存〉技能を使用できる。ただし、これでわかるのはクリーチャーの移動についてと、どのような類の人(種族、社会階級、最も人口の多い職業、など)が街の中にいるかに関する情報に限られる。通常の情報収集とは異なり、組織の壊し屋は周辺に声をかけるのではなく都市の兆しに気づくため、質問を他人にすることで情報が広がることはない。
なりすまし(超常、変則)/Deep Cover:組織の壊し屋は敵の権力構造を内側からバラバラにするために行動することができる。彼らは組織の一員に扮するために必要な資源と象徴を集める方法を知っているのだ。4レベルの時点で、組織の壊し屋は得意な組織で指定した組織の一員だと見せかけるための〈はったり〉および〈変装〉判定に、得意な組織のボーナスの2倍に等しい状況ボーナスを得る。このボーナスは特定の人物に扮装するための〈変装〉判定には適用されないが、組織の一般的な構成員として振る舞うための判定には適用される。
騙そうとする相手が得意な組織で指定した組織の構成員である場合、“なりすまし”による〈はったり〉判定へのボーナスは、得意な組織から得られるボーナスと累積する。
得意な組織の一員として振る舞う組織の壊し屋は、組織の一員だと主張する場合にのみ真実を語らせる魔法に自動的に打ち勝つ(グリブネスの効果を受けている場合と同様)。異なる方向の質問(宗教によらない邪悪な組織の一員が、守護神格を組織の壊し屋に問う場合など)であれば、真実を語らせる魔法はその嘘を暴く。
群衆渡り(変則)/Crowd Stride:7レベルの時点で、組織の壊し屋は簡単に群衆に満たされた通りをすり抜けることができるようになる。組織の壊し屋の移動速度は、群衆の中を通過する際に減少しない。
歩哨はすべての感覚を研ぎ澄まし、密偵や対立派閥のために行動するものを暴く専門家だ。彼らは油断なき監視者をすり抜けようとするものを根絶する。その超人的な技術は都市の衛兵、事業主、そして質の悪い評判以上の権威を保ちたいと考える犯罪組織にさえいつも求められている。
人相記憶(擬呪)/Mugshot:歩哨は1分を費やして画像、彫刻、視覚による幻術によって目標の外見や特徴を学び、完全な形で記憶することができる。記憶が完了した時点から、歩哨は変装していたり群衆に紛れたりしている目標に気づくための〈知覚〉判定に+4のボーナスを得る。例え目標が興味を引くような行為をしていない場合でも、歩哨は目標が視界に入っただけで〈知覚〉判定を試みることができる。歩哨は一度に【判断力】修正値に等しい数(最低1)まで目標の姿を記憶できる。記憶できる外見の数まで記憶してしまうと、歩哨は新しい目標を記憶する前に記憶した外見を1つ忘れなければならない。
直感警戒(変則)/Uncanny Alertness:4レベルの時点で、歩哨は迫り来る攻撃に対して常に対処する準備を怠らなくなる。歩哨は戦闘を行う前に決して立ちすくみ状態になることはない。これには不意討ちを受けた場合も含まれるが、他の効果や状況によって立ちすくみ状態になることは避けられない。
7レベルの時点で、歩哨は不意討ちラウンドで常に行動できるようになる。何らかの行動を不意討ちラウンドに行動する場合や、そもそも不意討ちラウンドがない場合、歩哨はイニシアチブ判定にレンジャー・レベルの半分に等しいボーナスを得る。
侵入者感知(超常)/Sense Intruder:6レベルの時点で、歩哨は直立不動で信じられないほど効果的な監視を行い、一度に全ての感覚を向ける能力を得る。どのような時でも、歩哨は1分を費やすことでこの能力を使用することができる。そうするなら、歩哨は直立不動で周囲を見張る以外のアクションを一切行えない。会話のようなフリー・アクションさえも行えない。研ぎ澄まされた感覚により、歩哨は周囲20フィート以内について超自然的な知覚力を得る。感覚が研ぎ澄まされている間、この範囲にサイズが超小型以上のクリーチャーが侵入したなら、歩哨は自動的にそのことに気付く。この能力の一部は占術効果であり、感覚を妨げる呪文による妨害を受けない。マインド・ブランクのような強力な効果のみ影響を受ける。加えて、そのクリーチャーが視覚、聴覚、嗅覚の全てで検出されない状況(例えば、インヴィジビリティ、サイレンス、ネゲイト・アロマAPGの効果を同時に受けているような場合)でない限り、歩哨は侵入者の場所を知覚するために割り込みアクションで〈知覚〉判定を試みることができる。この判定には、インヴィジビリティやカモフラージュ、その他の呪文や効果によって感覚を妨げられることで侵入者が得ている〈隠密〉へのボーナスを無視する。
全く移動せず一点を見つけているだけにもかかわらず、歩哨の認識能力を高める行為は、同じ時間強行軍を行う場合と同じくらい辛い作業である。歩哨は1時間の間この能力をペナルティを受けることなく使用できる。睡眠することなく“侵入者感知”をさらに1時間使用すると、歩哨は1ポイントの非致傷ダメージを受ける。以降1時間ごとに、直前の1時間にこの能力から受けた非致傷ダメージの2倍の非致傷ダメージを受ける。この能力から非致傷ダメージを受けた歩哨は疲労状態になる。1日に歩哨がどれだけ非致傷ダメージを受けるかどうかを決定する際、“侵入者感知”を使用した時間は、強行軍を行った時間と同様に扱う。
10レベル以降、歩哨が戦闘スタイル特技を修得するたびに、歩哨は戦闘スタイル特技の代わりにこの能力の効果の半径を10フィート伸ばすことを選択しても良い。
この能力は6レベルの時点で得られる戦闘スタイル特技を置き換え、戦闘スタイル特技を変更する。
記憶された獲物(変則)/Mugshot Quarry:11レベルの時点で、歩哨は獲物能力(および19レベルの時点で得られる獲物強化能力)を人相記憶能力で記憶した目標に対して使用する際、目標との間に視線が通っている必要がなくなる。
運び屋は荒々しく移動の困難な地形を効率良く通り抜けて人を運ぶ専門家だ。逃亡中の政治亡命者や危険からの避難者、様々な犯罪者が、みな運び屋のサービスを求める。正義や政治的な理由で活動する運び屋もいれば、安全な運搬の対価として絶望的な人々から大金をせしめることを望む、狡猾な日和見主義者もいる。
足跡隠し(変則)/Trailbreaker:運び屋は常に痕跡をぼかしていく。運び屋および運び屋を含む集団を追跡するための〈生存〉難易度は、運び屋のレンジャー・レベルの半分(最低1)だけ増加する。これは姿なき工作員の痕跡なし能力のような同種の能力とは累積しない。
経路計画(変則)/Plot Course:3レベルの時点で、運び屋は1d4ラウンドを費やして難易度15の〈知識:地理〉判定に成功することで、現在の場所から目的地までのわかりにくい経路を見出すことができる。運び屋の移動経路はまず特定されることはなく、運搬に適している。そのため、見出した経路を移動している間、運び屋はイニシアチブ判定、〈隠密〉、〈生存〉、〈知覚〉、〈知識:地理〉判定に+2のボーナスを得る。
8レベルの時点で、運び屋の〈知識:地理〉判定が難易度を10上回ったなら、このボーナスは+4に増加するようになる。13レベルの時点で、運び屋の〈知識:地理〉判定が難易度を20上回ったなら、このボーナスは+6に増加するようになる。18レベルの時点で、運び屋の〈知識:地理〉判定が難易度を30上回ったなら、このボーナスは+8に増加するようになる。
運び屋は一度に1つの見出した移動経路による利益だけを得ることができる。何らかの理由で現在の経路を捨て、新しい経路を見出そうとするなら、現在の経路による利益を失う。運び屋は1d4時間を費やすことで、この能力による〈知識:地理〉判定を再挑戦できる。
運び屋の絆(変則)/Smuggler’s Bond:4レベルの時点で、運び屋は狩人の絆で仲間との絆を選択しなければならない(動物の相棒との絆を選択することはできない)。運び屋は移動アクションで仲間に得意な敵によるボーナスを与えることはできない。その代わりに、運び屋は常に経路計画によるボーナスを仲間に与える。
隠れ家(変則)/Hideaway:運び屋は1時間を費やして難易度20の〈生存〉判定を行い、隠蔽された避難所を作り出そうと試みることができる。この避難所は敵のクリーチャーの捜索の目から隠れるのに役立つ。避難所は運び屋に加え、難易度を2上回るごとに追加でクリーチャーを1体収納できる。避難所は周辺地域から察知されず、内側にいるクリーチャーは外側にいるクリーチャーの鋭敏嗅覚によって検出されることはない(逆も同様である)。加えて、避難所の床は近くの地面より少し高いか違う材料で構成されているかしており、避難所の外にいるクリーチャーが振動感知によって内側のクリーチャーを検知することはない(逆も同様である)。最後に、隠れ家は巧みな構造をしており、避難所の外にいるクリーチャーは内側にいるクリーチャーに気づくための〈知覚〉判定に-10のペナルティを受ける。これはちょうど、1フィートの厚みの壁によって遮られているものとして扱う。しかし、内側にいるクリーチャーは、外側にいるクリーチャーに気づくための〈知覚〉判定に-2のペナルティしか受けずに済む。
出身地のすぐ近くの場所など、隠れ家が作られた地域に極めて詳しい敵のクリーチャーに対しては、これらのボーナスは適用されない。