標準のファンタジーシナリオから離れて科学技術に関するキャンペーンを準備する際、一般的でない未来的なアイテムがたくさん必要になる。しかし恐るべき敵の手に握られたレーザー銃や奇妙なほどに画一的な金属製のダンジョンで見つかった財宝に埋もれた奇妙な重力鎧一揃いなど、未来の科学技術(あるいは現実世界においては過去の技術)をファンタジー世界に持って行く場合には、ある意味で魔法のアイテムとして取り扱うべきである。Pathfinder Roleplaying Gameでもそのように扱う。
多くの科学技術アイテムは特定の呪文や魔法の効果を再現する。しかし、それらは決して魔法を使っているのではない。そのため、アンティマジックの場や始原の魔術の範囲でも通常通り機能し、その他、魔法のアイテムを目標にしたり魔法のアイテムに効果を及ぼす効果の影響を受けない。
本項は以下の分類ごとに、新しいアイテムを無数に取りそろえている。
武器:科学技術の武器の多くは遠隔武器だ。しかしダンジョンの中で見つかる先進科学技術の近接武器もある。
防具:科学技術の防具は標準の鎧と同様に機能する。しかしその機能を全て使用するには電力源が必要な場合が多い。
調合薬/Pharmaceuticals:調合薬には薬、毒、医療品が含まれる。それらは摂取型のものもあれば致傷型のものもあり、一般には比較的わずかな効果か一時的な効果をもたらす。
サイバー技術/Cybertech:サイバー技術は機能させる前に肉体に埋め込まなければならない科学技術の形態である。サイバー技術は一般にキャラクターの能力と一般データを変更する。
科学技術の装備/Technological Gear:この包括的な分類には、ジップスティックのような割合簡単な仕掛けからクローン培養槽のような科学技術の神秘まで、多様な装備が含まれている。
多くの科学技術アイテムは、(ナノマシン注射銃、力場フィールド、重力クリップなど)類似のアイテムを整理してその力全体を表すために、色コードを用いる。色毎の能力の強さを以下に示す。用いられる色は9色であることに注意――個々の色のアイテムの効果は、おおよそ関連するレベルの呪文に合わせた能力の強さに相当する。これらの色の内、7つは7つのスカイメタルに関係している。最低の色であるブラウン(茶色)は原鉱に関連した色を示し、最も偉大な色であるプリズマティック(虹色)は全てスカイメタルで作られている。科学技術アイテムの中には、実際に適切な色のスカイメタルがその物体を作成する過程で使用されることもある。しかしほとんどの場合、人工的なプラスティックや金属が、ずっと高価なスカイメタルの代わりに用いられる。
ブラウン(茶色):おおよそ1レベル呪文と等価である。この色はスカイメタルに基づいたものではない。
ブラック(黒):おおよそ2レベル呪文と等価である。この色はアダマンティンに基づいたものだ。
ホワイト(白):おおよそ3レベル呪文と等価である。この色はシカタイトに基づいたものだ。
グレー(灰色):おおよそ4レベル呪文と等価である。この色はイヌーブリクスに基づいたものだ。
グリーン(緑):おおよそ5レベル呪文と等価である。この色はノクワールに基づいたものだ。
レッド(赤):おおよそ6レベル呪文と等価である。この色はジェゼットに基づいたものだ。
ブルー(青):おおよそ7レベル呪文と等価である。この色はアビジウムに基づいたものだ。
オレンジ(橙色):おおよそ8レベル呪文と等価である。この色はホラカルコンに基づいたものだ。
プリズマティック(虹色):おおよそ9レベル呪文と等価である。この色は全てスカイメタルに基づいたものだ。
本項に掲載する科学技術の神秘のほとんどは、機能する貯めにエネルギーが必要となる。このようなアイテムはそれぞれ容量値を持つ。この値はそのアイテムが一度に保持できるチャージの最大値を意味している。使用された際にアイテムが消費するチャージ数は、アイテム毎に様々である。アイテムの容量は、標準アクションとして電力源――バッテリーもしくはジェネレーター――から補充することができる。アイテムがチャージされる際、接続された電力源からそのアイテムが保持できるだけのチャージを補い、可能な限り容量に近づけるように補充する。ジェネレーターからアイテムにチャージするのはより効果的であることに注意。バッテリーから吸い上げたチャージがアイテムの保持できるチャージ上限を超えた場合、超過分は失われる。
本項で掲載する装備品は、完全に機能する状態であるものとして記載されており、その場合の価格が記載されている。先進科学技術の舞台によっては、完全に機能する科学技術装置が多くあるかもしれない。しかしこのキャンペーン・セッティングではそうではない。時間が経つにつれダメージを受けたり性能が劣化した装備はさほど安定的にはどうさせず、新品の科学技術アイテムに比べるとずっと少ない価値しかない。このような装備品は「経年劣化」と呼ばれる。