擬似次元界 は、通常はアストラル界やエーテル界に接続している小さな、有限の次元界のことを言う。概ね共通した性格を持ち、同じ呪文で取り扱うことができる。以下のような世界が良く知られている。
ゴブリンの信仰する4柱のバーゲスト半神格の領域。かつてはヘルの第1階層アヴェルヌスにあったが、自らの影響力拡大を望むラマーシュトゥの誘いに乗り、アビスへ引き抜かれた。地獄と奈落の特徴が混ざり合っている世界。
カスマロンにある巨大な裂け目 the Pit of Gormuz を降り、ダークランドの各階層を抜けた先にある、かつてサーレンレイとアスモデウスが破壊神ロヴァググを封印した次元。ロヴァググ本体の脱出は妨げているものの、時折ロヴァググの落とし子とよばれる強大なクリーチャーが地表に出てくる。
エーテル界には物質界で眠る定命の者の夢の影響で、夢の次元が生まれることが良くある。それらは夢見る者が目覚めた瞬間、泡のようにはじける儚い物だが、セレファイスの鍵のようなアーティファクトを使えば、それらを通じて集合無意識が作り上げたさらに大きな夢の次元に行くことができる。その入り口は旅する者の文化的背景によって決まる風景だが、奥に入るにつれて幻想的な光景が広がり、その者の無意識を反映して周囲が形作られていく。悪夢を生み出すナイト・ハグや、定命の恋人の夢の中に住むアザータのような住人がいることもある。
多くの賢者たちが捜し求めている次元界。元素界や中継界とは別種の世界で、内方次元界全体に接しているらしい。神々の影響からは守られているが、定命の者がそこに踏み込むことが稀にある。その中心には1つの戸口があり、旅する者の人生の1時点に赴くことができる。しかし時間には強力な復元力があり、過去を改変する者はタイムパラドックスのループに引き込まれ、もう戻ることはできない。
始まりの世界は、ゴラリオンの暗く幻想的な神話や御伽噺の多くで言及される、時にそれ自体意思を持つ不思議な自然とフェイの世界である。物質界との境界は薄く、ゴラリオンでも文明の手の触れない自然の地域や、フェイが目印を残した丘や石、キノコの輪などでこの世界とつながっていることがある。
この世界の住人であるフェイは、2つの世界を簡単に行き来することができ、友好的なピクシーから危険なレッドキャップまで、さまざまなフェイが物質界に遊びに来る。また、ノームもこの世界の出身であり、何らかの災害を避けるために物質界に移住してきた。
物質界のいたるところに、奇妙に傷の1つもないルビーを売り、奴隷を買う商人たちがいる。自らの母港がどこかを話すことを拒む彼らがレンの住人である。その故郷には、彼ら自身とより非人間的な同類が住み、彼らが持ち帰る生きた獲物に飢えているのだといわれる。
レンは、夢の次元を通じて到達できる、あるいはその一部である荒涼とした荒野で、崩れかけた太古文明の遺跡が点在し、黄色い絹の服と仮面をまとった神官たちが住む。物質界か外方次元界のどこかに実在する地なのかもしれないし、集合的な恐怖と悪夢によって実体を与えられた実在しない世界なのかもしれない。
[1] Todd Stewart(2009). The Great Beyond, . Paizo Publishing, LLC. ISBN 978-1-60125-167-1