大部分の者たちにとっては、防具は世界に荒ぶる脅威や危険から自分を守る最も単純な方法である。キャラクターの多くは最も単純な鎧しか身につけられず、盾を使うことができる者はさらに少ない。
価格:表中に金貨で表された価格は小型ないし中型の人型生物用のものである。その他のクリーチャー用の防具については、『標準的でないクリーチャー用の防具』表を参照。
鎧ボーナス/盾ボーナス:鎧はアーマー・クラスに鎧ボーナスを与え、盾はアーマー・クラスに盾ボーナスを与える。鎧の鎧ボーナスは、鎧ボーナスを与えるその他の効果とは累積しない。これと同様、盾の盾ボーナスは、盾ボーナスを与えるその他の効果とは累積しない。鎧の各分類(軽装、中装、あるいは重装)ごとに、防具は最も低い アーマー・クラス ボーナスから最も高い アーマー・クラス ボーナスへの順で並べられている。
【敏捷力】ボーナス上限:この値は、その種類の鎧が許容するアーマー・クラスへの【敏捷力】ボーナスの上限である。着用者のアーマー・クラスを決定する際、この数値を超える【敏捷力】ボーナスはこの数値まで下がってしまう。重い鎧ほど動きをさまたげ、打撃をかわす能力を落とす。この制限により、他の【敏捷力】に基づく能力が減少することはない。ダッシュ(―)はその防具がキャラクターの【敏捷力】ボーナス上限に影響を与えないことを表す。
たとえ防具によりキャラクターの【敏捷力】ボーナスが0になっても、【敏捷力】ボーナスを失ったものとして扱われるわけではない。
アーマー・クラスに適用される【敏捷力】ボーナス上限は、キャラクターにかかる負荷(=持ち運んでいる装備品の総重量。防具も含む)によっても制限される。
盾:タワー・シールドを除き、盾は【敏捷力】ボーナス上限に影響しない。
防具による判定ペナルティ:レザー(革鎧)よりも重い防具と盾はどれも、【筋力】と【敏捷力】に基づくすべての技能判定に“防具による判定ペナルティ”を適用する。キャラクターの負荷によっても防具による判定ペナルティがかかることがある。
盾:鎧を着け盾を使っている場合、鎧と盾の両方の“防具による判定ペナルティ”が適用される。
つけている防具に習熟していない:習熟していない防具を着けている場合、攻撃ロール、【筋力】と【敏捷力】に基づく能力値及び技能判定に、その防具の“防具による判定ペナルティ”が適用される。鎧に未習熟であることのペナルティと盾に未習熟であることのペナルティは累積する。
鎧を着て眠る時は:中装鎧や重装鎧を着たまま寝たら、翌日は自動的に疲労状態になる。【筋力】と【敏捷力】に-2のペナルティを受け、突撃や疾走ができなくなる。軽装鎧を着たまま寝ても疲労状態にはならない。
秘術呪文失敗確率:防具は秘術呪文を発動する際の身振りを妨げる。秘術呪文の使い手は、防具を着けている場合、秘術呪文失敗の可能性に直面することになる。バード、メイガス、およびサモナーは特定の鎧を着ていたり盾を使ってもクラス呪文リストから呪文を発動する際に秘術呪文失敗確率の影響を受ずに済むクラス特徴を持っている。
防具を着けて秘術呪文を発動するには:防具を着けて秘術呪文を発動する場合、秘術呪文失敗ロールを行なわねばならない。『鎧と盾』表の秘術呪文失敗確率の欄にあるのが、呪文が失敗して失われる確率(%)である。ただし呪文に動作要素がないなら、秘術呪文失敗ロールなしで発動できる。
移動速度:中装鎧や重装鎧を着ていると移動が遅くなる。『鎧と盾』表の移動速度の欄の数字が、その鎧を着ているときの移動速度である。人間、エルフ、ハーフエルフ、ハーフオークは荷重なしの時の移動速度が30フィートである。これらの種族は前者の数字を使う。ドワーフ、ノーム、ハーフリングは荷重なしの時の移動速度が20フィートである。これらの種族は後者の数字を使う。ドワーフの地上での移動速度は中装鎧・重装鎧着用時や、中荷重・重荷重時にも20フィートのままであることに注意。
重量:この欄は中型サイズのクリーチャー用の防具の重量である。小型サイズのキャラクター用なら重量が1/2になり、大型サイズのキャラクター用なら重量が2倍になる。
一部の防具、特に原始的な素材で作られたものは、標準的な装備よりも劣っている。これらの防具は壊れやすい特殊機能を持っている。
壊れやすい/Fragile:壊れやすい品質の防具は重い打撃を受けた時にバラバラになる。攻撃者が壊れやすい防具を着用したクリーチャーへの攻撃ロールを20の出目で命中させ、(そのクリーチャーがクリティカル・ヒットに対する完全耐性を持つ場合でさえ)クリティカル・ヒットが確定した場合、防具は破損状態になる。既に破損状態だった場合、防具は破壊される。壊れやすい防具は20の出目でクリティカル可能状態に入った場合にのみ破損状態になるか破壊される。
高品質または魔法の壊れやすい防具はそのアイテムの説明や特殊な素材の説明に別記がない限り、こうした欠点を持たない。
この方法によって破損状態になった場合、その防具はそのヒット・ポイントの半分+1ポイントのダメージを受けているものと見なす。このダメージは、(《野外修理》特技のような)防具に破損状態を与えた効果に対処する何らかの手段か、あるいは破損状態で説明されている修理方法のいずれかによって修復される。破損状態を与える効果が取り除かれた場合、防具は破損状態が適用された時に失ったヒット・ポイントを回復する。(武器破壊の戦技のような)防具に対する攻撃によるダメージは、破損状態を取り除く効果によって回復することはできない。
武器と同様、鎧や盾も高品質版のものが買える。この見事なつくりの品々は、普通の鎧や盾と同じように機能するが、ただ“防具による判定ペナルティ”が1少ない。
マスターワーク・トランスフォーメーション呪文は高品質でない武器を高品質の武器に変換する。魔法を用いることなく製作後に高品質という性質を鎧または盾に加えることはできない; 高品質のアイテムとして製作される必要がある(〈製作〉技能参照)。
高品質の鎧や盾の価格は、同じ種類の通常の鎧や盾の市価に150GPを加えたものである。
鎧や盾が高品質だからといって、攻撃ロールやダメージ・ロールにボーナスが付くことはない。たとえその鎧や武器を武器として使ってもである。
鎧や盾の一部は武器として用いることができるにも拘らず、攻撃ロールへの強化ボーナスを付与するためにそのようなアイテムを高品質に製作することはできない。しかしながら、スパイクによって行われる攻撃の攻撃ロールへの強化ボーナスを付与するために高品質のアーマー・スパイクおよびシールド・スパイクを製作することはできる。
防具とアーマー・クラスのシステムは目標にしっかりと当てられなかったか、あるいは害をもたらすほど十分な精度を得られなかった攻撃を、実際の失敗と同様に表される“失敗した”攻撃ロールに抽象化している。一部のプレイヤーと GM は、失敗した攻撃ロールが実際の失敗で、成功した攻撃によるダメージ・ポイントを防具が吸収するような、異なるシステムを好むかもしれない。
このようなゲーム装置のための変則ルールは『Ultimate Combat』で紹介されている。このシステムにおいては、クリーチャーはアーマー・クラスの代わりに(クリーチャーに命中させることがどのくらい簡単、あるいは難しいかを表す)防御値を持ち、防具のアーマー・クラスの値は迫り来る攻撃に対して何ポイントの ダメージ減少 を与えられるかを示す。これにより防具を着用するクリーチャーにとって記録の手間は増えるが、より多くの満足な結果を与える可能性がある。
パスファインダー・ロールプレイング・ゲームにおけるすべての防具は、君が一揃いの全身鎧を扱うとき、完全に身に着けているか、まったく身に着けていないかのどちらかであると仮定している。しかしながら、時には全身鎧を完全に装着する時間がなかったり、完全な全身鎧に手が届かなかったりして、完全なセットの一部だけを着用して間に合わせなければならないこともある。このような選択のための変則ルールは『Ultimate Combat』で紹介されている。これにより防具を着用するクリーチャーにとって記録の手間は増えるが、より多くの満足な結果を与える可能性がある。
飛び抜けて大きいクリーチャーや小さいクリーチャー用の防具、(ホースのような)人型生物以外のクリーチャー用の防具は、『鎧と盾』表にあるものとは市価も重量も違う。以下の表のしかるべき横列を参照して、市価と重量の項にある倍数を、その防具の市価と重量に掛け合わせること。
非人型 | ||||
---|---|---|---|---|
×1/2 |
×1/10 |
×1 |
×1/10 | |
×1 |
×1/2 |
×2 |
×1/2 | |
×1 |
×1 |
×2 |
×1 | |
×2 |
×2 |
×4 |
×2 | |
×4 |
×5 |
×8 |
×5 | |
×8 |
×8 |
×16 |
×8 | |
×16 |
×12 |
×32 |
×12 |
鎧ボーナスを1/2にすること。
鎧を着たり脱いだりすることは、時には複雑な手順となる。鎧を着るのにかかる時間は、鎧のタイプによって違う(以下の表を参照)。
着る:この欄は、その鎧を着るのにかかる時間を示す(1分=10ラウンド)。盾を準備する(盾に腕を通す)のは1移動アクションですむ。
急いで着る:この欄は、鎧を急いで着る時にかかる時間を示す。急いで着た鎧は、“防具による判定ペナルティ”も鎧ボーナスも普通より1ポイント悪くなる。
脱ぐ:この欄は、鎧を脱ぐのにかかる時間を示す。盾を腕から外して落とすのは1移動アクションですむ。
30フィート |
20フィート | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
3GP |
+1 |
― |
0 |
0% |
30フィート |
20フィート |
1ポンド | |
5GP |
+1 |
+8 |
0 |
5% |
30フィート |
20フィート |
10ポンド | |
100GP |
+1 |
+8 |
0 |
10% |
30フィート |
20フィート |
15ポンド | |
30GP |
+1 |
― |
0 |
0% |
30フィート |
20フィート |
4ポンド | |
15GP |
+2 |
+4 |
0 |
5% |
30フィート |
20フィート |
8ポンド | |
10GP |
+2 |
+6 |
0 |
10% |
30フィート |
20フィート |
15ポンド | |
25GP |
+3 |
+5 |
-1 |
15% |
30フィート |
20フィート |
20ポンド | |
25GP |
+3 |
+5 |
-1 |
15% |
30フィート |
20フィート |
20ポンド | |
20GP |
+3 |
+3 |
-1 |
15% |
30フィート |
20フィート |
25ポンド | |
100GP |
+4 |
+4 |
-2 |
20% |
30フィート |
20フィート |
25ポンド | |
60GP |
+4 |
+3 |
-2 |
20% |
30フィート |
20フィート |
25ポンド | |
30フィート |
20フィート | |||||||
50GP |
+4 |
+3 |
-2 |
20% |
20フィート |
15フィート |
20ポンド | |
15GP |
+4 |
+4 |
-3 |
20% |
20フィート |
15フィート |
25ポンド | |
200GP |
+5 |
+4 |
-4 |
25% |
20フィート |
15フィート |
30ポンド | |
250GP |
+5 |
+4 |
-3 |
20% |
20フィート |
15フィート |
25ポンド | |
100GP |
+5 |
+3 |
-4 |
25% |
20フィート |
15フィート |
30ポンド | |
50GP |
+5 |
+3 |
-4 |
25% |
20フィート |
15フィート |
30ポンド | |
400GP |
+6 |
+3 |
-4 |
25% |
20フィート |
15フィート |
25ポンド | |
200GP |
+6 |
+3 |
-4 |
25% |
20フィート |
15フィート |
30ポンド | |
150GP |
+6 |
+2 |
-5 |
30% |
20フィート |
15フィート |
40ポンド | |
125GP |
+6 |
+2 |
-5 |
30% |
20フィート |
15フィート |
45ポンド | |
150GP |
+6 |
+3 |
-5 |
25% |
20フィート |
15フィート |
35ポンド | |
250GP |
+6 |
+3 |
-4 |
30% |
20フィート |
15フィート |
40ポンド | |
30フィート |
20フィート | |||||||
250GP |
+7 |
+1 |
-6 |
35% |
20フィート2 |
15フィート2 |
35ポンド | |
350GP |
+7 |
+1 |
-7 |
35% |
20フィート2 |
15フィート2 |
45ポンド | |
200GP |
+7 |
+0 |
-7 |
40% |
20フィート2 |
15フィート2 |
50ポンド | |
200GP |
+7 |
+0 |
-7 |
40% |
20フィート2 |
15フィート2 |
45ポンド | |
1,000GP |
+7 |
+3 |
-6 |
35% |
20フィート2 |
15フィート2 |
45ポンド | |
850GP |
+8 |
+0 |
-7 |
40% |
20フィート3 |
15フィート3 |
55ポンド | |
600GP |
+8 |
+0 |
-7 |
40% |
20フィート2 |
15フィート2 |
50ポンド | |
500GP |
+8 |
+0 |
-7 |
40% |
20フィート2 |
15フィート2 |
45ポンド | |
1,700GP |
+8 |
+2 |
-6 |
35% |
20フィート2 |
15フィート2 |
45ポンド | |
1,500GP |
+9 |
+1 |
-6 |
35% |
20フィート2 |
15フィート2 |
50ポンド | |
1,800GP |
+9 |
+1 |
-6 |
35% |
15フィート2 |
10フィート2 |
75ポンド | |
30フィート |
20フィート | |||||||
5GP |
+1 |
― |
-1 |
5% |
― |
― |
5ポンド | |
12GP |
+1 |
― |
-1 |
5% |
― |
― |
6ポンド | |
59GP |
+1 |
― |
-2 |
5% |
― |
― |
7ポンド | |
9GP |
+1 |
― |
-1 |
5% |
― |
― |
6ポンド | |
53GP |
+1 |
― |
-2 |
5% |
― |
― |
6ポンド | |
3GP |
+1 |
― |
-1 |
5% |
― |
― |
5ポンド | |
40GP |
+1 |
― |
-2 |
5% |
― |
― |
5ポンド | |
50GP |
+1 |
― |
-2 |
5% |
― |
― |
6ポンド | |
20GP |
+2 |
― |
-2 |
15% |
― |
― |
15ポンド | |
7GP |
+2 |
― |
-2 |
15% |
― |
― |
10ポンド | |
30GP |
+44 |
+2 |
-10 |
50% |
― |
― |
45ポンド | |
30フィート |
20フィート | |||||||
+50GP |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
+10ポンド | |
+8GP |
― |
― |
該当なし5 |
― |
― |
+5ポンド | ||
+10GP |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
+5ポンド |
鎧にスパイク(棘)を付けることもできる。スパイクつきの鎧を着て組みつき攻撃に成功すれば追加刺突ダメージを与える(軍用武器の表の『スパイクト・アーマー』を参照)。スパイクは軍用武器として扱う。その使用に習熟していないなら、スパイクつきの鎧を使う際、組みつき判定に-4のペナルティを受ける。また、スパイクで通常の近接攻撃(または利き手でない手による攻撃)を行なうこともできる。この場合、スパイクは“軽い武器”とみなす。君が既にアーマー・スパイク以外の利き手でない手の武器で攻撃を行っていたならば、それに加えてアーマー・スパイクで追加攻撃を行なうことはできない。逆もまた真である。鎧に強化ボーナスがあっても、スパイクの効果は増えない。ただしスパイク自体を魔法の武器にすることはできる。
この丈夫な革のコートは、裏地に金属の板を縫いこんで補強されている。アーマード・コートは軽装鎧より扱い辛く、ほとんどの中装鎧ほどの防護効果は望めない。しかしこの鎧の利点は着脱を移動アクションで行うことができる、という点にある(つまり、アーマード・コートでは“急いで着る”オプションを取る必要がない)。もし他の鎧の上に着る場合は、アーマー・クラス・ボーナスでは大きな値を、その他の点では悪い値を適用すること。重装鎧と一緒にアーマード・コートを着用しても、全く効果はない。魔法の効果は、鎧、衣類、アイテムなどのうち一番上に身に着けているものの効果だけが発揮される。
このハーフプレートはいくつかの動作において身体の動きを邪魔しないことを念頭に置き、特別に製作された。〈登攀〉と跳躍の判定に対する鎧による判定ペナルティは-4となる(高品質やミスラル製のこの鎧は、通常どおりこのペナルティを減少させることができる)。さらにほとんどの重装鎧を着用した場合と異なり、着用者は3倍ではなく4倍の速さで疾走を行うことができる。
このブレストプレートはいくつかの動作において身体の動きを邪魔しないことを念頭に置き、特別に製作された。〈登攀〉と跳躍を行う際の〈軽業〉判定に対する鎧による判定ペナルティは-1となる(高品質やミスラル製のこの鎧は、通常どおりこのペナルティを減少させることができる)。
このレザー・アーマーには、火で加工した木の板を急所の上に縫い付けてある。金属製の鎧ほどの防護効果は望めないものの、革製の鎧よりは効果的な防護を提供する。また金属製の鎧とは異なり、木は僅かながら浮力を有しているため、ウッデン・アーマーを着用したまま〈水泳〉を行うときの鎧による判定ペナルティは0になる。
高位のサムライによってほぼ独占的に着用されるオオヨロイ(大鎧)――または“グレート・アーマー”――は、プレートとラメラーの要素の双方を含んだ様々な補助的な構成物によって成立する重装戦闘鎧である。それぞれの具足は特定の個人のために製作され、所有者の美学が示されている。完成すると具足は着色され、最終的な漆仕上げにより防水される。オオヨロイの中核は2つの部分――ワイダテ(脇楯)と呼ばれる右面の空いた部分の補強とキッコウの胸当て――からなる胸甲である。ワイダテの上部は鋼鉄板で覆われた革で構成されている。胸甲の革の肩紐――ワタガミ(肩上)と呼ばれる――は同様に金属板で覆われている。胸甲に付属するのは、幅広のラメラーの肩当て、腕を守るキッコウの袖、パッド入りの絹のタイツの上に着用する漆塗りの鉄の脛当て、および股の防具を含むいくつかの補助的な部品である。各具足の所有者を特徴づける要素は階層化されたカブト・ヘルメット(兜)とそれに付随するホオアテ・マスク(頬当て)である。ホオアテ・マスクは硬化した革や金属で作ることができ、オニ、ドラゴン、あるいはその他の神話上の生物の恐ろしい形相を象っている。
キッコウ・アーマーは巧妙に配列して布に縫い付けられた、鉄でできた六角形の板で構成されており、同種の防御を与える多くの防具が提供するよりも大きな柔軟性を着用者に与える。この板は露出したままのものも、布の層によって隠されているものもある。
この強化された形状のパデット・アーマーの内側には、アローやボルト、ダーツ、シュリケン、投擲用ダガーやその他の小さい遠隔刺突武器を防ぐための層が特別に設けられている。これらの武器が君に命中した場合、それらは内側の層に絡め取られてしまい、君を傷付けることができない。キルテッド・クロース・アーマーの着用は、君にこの種類の武器に対して3/―のダメージ減少を与える。この鎧の特別な層は、その他の種類の武器には全く効果を発揮しない。
クサリ・グソク(鎖具足)はタタミドウ・アーマーに似ている; しかしながら、胸部装甲の代わりとしてカタビラ――チェイン・ジャケットの一種――を着用する。
この部族の武器の伝統的な形式はラージ・ホーンド・リザードの頭蓋骨に短い刃を固定するというものだが、熟練の武器鍛冶師は鋼鉄から完全に一体成型で製作することができる。伝統的なクラールはアーマー・スパイク付き木製ライト・シールドとして扱う; 鋼鉄製クラールはアーマー・スパイク付き鋼鉄製ライト・シールドとして扱う(訳注:おそらくどちらもシールド・スパイク)。
一部のシールドからは致命的なスパイクと刃が伸びており、防具のそのような一部をまぎれもない武器に変換する。シールド・スパイク(盾の棘)はシールドを軍用刺突武器にし、盾攻撃のダメージをあたかもサイズ分類が1段階大きいクリーチャー用のシールドであるかのように増やす(軍用武器の表の『スパイクト・シールド』および『スパイクト・ヘヴィ・シールド』を参照)。バックラーやタワー・シールドにスパイクを付けることはできない。そのほかの点では、スパイクト・シールドでの攻撃は盾攻撃と同様に扱う。
スパイクト・シールドの盾ボーナスに対する強化ボーナスがあっても、それによって盾攻撃が強くなることはない。ただしスパイクト・シールドを魔法の武器にすることはできる。
儀式的な展覧用、あるいは時折(特に追加の利点があるわけではないにも拘らず)重装鎧の上に着用して使用されるこれらの長衣は、何層かの布と、複雑な金襴緞子の模様が織り込まれ金属の飾りボタンに覆われた絹の外層で構成されている。
スケイル・メイル(札鎧)は互いに重なり合う数十もの金属の板でできている。スプリント・メイルとバンデッド・メイルの両方に似て、スケイルメイルは着用者の移動性を妨げないように柔軟な構造のスケイルを備えているが、鎧の保護層の追加を省いて犠牲にしている。スケイル・メイルの全身鎧にはガントレット(篭手)が付いている。
レザー・アーマーの改良型であるスタデッド・レザー・アーマーは数十の金属の突起で覆われている。これらの丸みを帯びた鋲は個別にも若干の防護を提供するが、数が揃ったときに致命的な刃を受け止め、重要な箇所から受け流すのに役立つ装甲となるように配列されている。追加した金属によって生じた剛性は、しかしながら、通常のレザー・アーマーよりも若干の移動性を損なう結果になる。
この鎧は錬金術的に強化された玄武岩の板からドワーフの石工によって製作されている。ストーンプレートは重く扱いにくいが、着用者に信じられないほどの保護を提供する。ストーンプレートは主に金属製の鎧を着用できないドワーフのドルイドによって使用される。
スプリント・メイルは裏打ちされた革か頑丈な布に取り付けられた、重なり合った金属片の層で構成されている。これらの薄片はスケイル・メイルを構成しているものよりも大きなサイズと耐久性を備えており、着用者に与える保護を向上させているが、柔軟性は犠牲になっている。スプリント・メイルにはガントレット(篭手)が含まれている。
オオヨロイのより軽量な代替品としてサムライに着用されるタタミドウ(畳胴)は布の裏地を備えた1つの全身鎧の中に、金属のラメラーとキッコウの要素の双方を兼ね備えた全身を覆う鎧である。一般に折りたたむことのできるカブト・ヘルメットか装甲つきのフード、さらに腕、肩、および太ももの防具が含まれている。
この巨大な木製の盾は、持ち手の背丈と同じほどの高さがある。ふだんは持ち手のアーマー・クラスに、示されているとおりの盾ボーナスを与える。しかし、1回の標準アクションとして、そうでなく自分の次のターンの開始時まで完全遮蔽として使うこともできる。このやり方でタワー・シールドを使う際には、持ち手は自分のマスの1辺を選ばなくてはならない。その1辺は持ち手のみを目標とする攻撃に対し、堅固な壁として扱われる。持ち手はこの1辺からの攻撃に対しては完全遮蔽を得、これ以外の辺からの攻撃に対しては遮蔽を得ない(『遮蔽』を参照)。なおタワー・シールドも、目標型呪文に対する遮蔽は提供してくれない。というのも、呪文の使い手は、君の持っている盾を目標にすることで、君に対して呪文を発動することができるのである。タワー・シールドは盾攻撃には使えない。また、盾を持っている手は、それ以外のことには一切使えない。
戦闘でタワー・シールドを使っていると、盾があまりにかさばるので、攻撃ロールに-2のペナルティが付く。
チェイン・シャツは連結した無数の金属環でできており、胴体を覆う。
胸部だけを覆うチェイン・シャツとは異なり、チェインメイルは胴体と腕を覆い、さらには腰の下まで伸びた、鎖を繋げた完全な網で着用者を保護する。複数の相互に繋がれた部品は致命的な箇所にさらなる保護を提供している。この鎧にはガントレット(篭手)が付いている。
ドウマル(胴丸)は一般にサムライに好まれる防具の中で最も軽量であり、短いアーマード・コートのように着用者の胴まわりを包む。主にラメラーによって構成されており胸甲や袖を欠いており、肩を残して上体はやや露出しているが、大多数のより重い鎧を用いるよりも着用者に大きな柔軟性を保つことができる。
ハーフプレート・アーマーはフル・プレートとチェインメイルの要素を兼ね備えており、基礎となる鎖を編んだ網にいくつかの大きな成形された金属の板を組み込んでいる。この鎧はそれぞれ個々の単一の骨組みには成形されていないいくつかの装甲の層で不可欠な部分を保護する一方、着用者の機動性をフル・プレートの全身鎧よりもさらに低下させる。ハーフプレート・アーマーはガントレット(篭手)とヘルム(兜)を含んでいる。
ハイド・アーマーは特に分厚い皮で覆われた獣のなめし革から作られており、複数の重なり合った未加工の革の層か、あるいは詰め物や毛皮を詰めた革の外装部分を縫い合わせている。鎧へのダメージは通常、深い傷を縫い直すか新しい革を加えることで修復され、よく使い込まれた鎧は独特のパッチワークのような品質を醸す。
この小さな金属製の盾はストラップで前腕に着用して使う。つけていてもボウ(弓)やクロスボウ(弩)はペナルティなしで使える。また、バックラーを付けた手で武器を使用することもできる(利き手でない手で使う武器を持つことも、両手武器に添えることもできる)が、そうしている間は攻撃ロールに-1のペナルティを受ける。このペナルティは利き手でない手の戦闘によるペナルティや二刀流ペナルティに加算される。そしていかなる場合にも、利き手でない手で武器を使ったなら、次の自分のターンまでバックラーのアーマー・クラス・ボーナスを失う。盾を用いたほうの手を使って動作要素のある呪文を発動することもできるが、次の自分のターンまでバックラーのアーマー・クラス・ボーナスを失う。バックラーでは盾攻撃はできない。
単なる衣類よりはマシという程度のパデッド・アーマーは、安価に基本的な防護を作り出すために、重いキルト布と密集した詰め物の層を組み合わせたものである。これらは一般に致死的な戦闘に直面することは想定されていない者か、運動性への影響を可能な限り極小にしたいと考えている者に着用される。
ベリーウォーマー(腹部加温器)とも呼ばれるハラマキ(腹巻)は、チェインメイルや接合された鋼鉄板で裏打ちした簡単な絹の帯であり、腹に締めつけてこれを保護する。
常備軍を備える裕福な国々のほとんどは、パレードや戴冠式の儀礼などのような華やかな非戦闘的状況に用いるために、通常と異なる制服を制定している。この鎧の外観は元となった国と軍の兵科によって異なるが、兵士が礼装のまま戦闘する必要が生じた場合には、依然としていくらかの保護を提供する。例えば、ある国のパレード・アーマーはチェイン・シャツ、タバード(家紋入りの陣羽織)、革手袋、そして羽根つき兜であるかもしれない。ある国のパレード・アーマーを着用している場合、その国の人に影響を与えるための〈交渉〉および〈威圧〉判定に+2の状況ボーナスを得る。パレード・アーマーは国に応じて、革、金属、あるいは両者を混合して製作され得る。
バンデッド・メイルは互いに重なり合いながら表面を覆う何条もの金属製の細帯を、頑丈に裏打ちされた革と鎖で固定したものである。金属板の大きさ、互いに繋げられた金属製の帯、そして基礎となる鎧の層は、スケイル・メイルやスプリント・メイルといった同種の鎧と比べて、より顕著な防護を与える。
この鎧は共に使用される4枚の鋼鉄板と革の肩紐で構成されている。2枚の円形の鋼鉄板が前面と背面を保護すると同時に、2枚の小さな長方形の鋼鉄板が胴体の側面を覆う。フォーミラー・アーマーは更なる保護を提供するためにチェインメイルの上に着用され、チェインメイルのフードにトゲ付きの兜が付属する。
この金属の鎧は様々な種類のより劣った鎧の利点を組み込んだ、相互に繋げられ重ね合わされた複数の金属板の部品を含んでいる。フル・プレート(またはよく言われるようにプレートメイル)の完全な一揃いにはガントレット(篭手)、じょうぶな革のブーツ、面頬のついた兜、鎧の下に着る分厚い詰め物が付いている。フル・プレートは腕のいい鎧鍛冶が一領一領、持ち主の体に合うように作るものと決まっている。とはいえ、分捕った鎧を新しい持ち主に合うようにしつらえなおすことはでき、これには200~800(2d4×100)GPかかる。
ブレストプレートはフル・プレートの中核部分と同種の、単一の成形した金属で着用者の胴体を保護する。その頑丈なつくりにも拘らずその非柔軟性と背後の開きのため完全な金属製の全身鎧には劣るが、ほとんどの非金属製鎧よりも優れている。
鋼鉄製ヘヴィ・シールド(大盾)は前腕を盾のストラップに通した上で、持ち手を手で持つ。鋼鉄製ヘヴィ・シールドはなにしろ重いので、盾を持つ手では他には何もできない。木製にせよ鋼鉄製にせよ、ヘヴィ・シールドは基本的な保護と攻撃への利点を同じように提供するが、この2種類は(ラスティング・グラスプのような)いくつかの呪文と効果に対する反応が異なる。ドルイドは木製ヘヴィ・シールドを使うことができるが、鋼鉄製ヘヴィ・シールドは使えない。
盾攻撃:盾を使い、敵を殴ることもできる。ヘヴィ・シールドによる盾攻撃のダメージは軍用武器の表の『ヘヴィ・シールド』を参照。この方法で使う場合、ヘヴィ・シールドは軍用殴打武器と見なす。攻撃ペナルティに関しては片手武器として扱う。盾を武器として攻撃に使った場合、その盾のアーマー・クラス・ボーナスは、そのキャラクターの次のターンまでなくなる。盾に強化ボーナスがあっても、それによって盾攻撃が強くなることはない。ただし盾を魔法の武器にすることはできる。
木製ヘヴィ・シールドは(ラスティング・グラスプのような)いくつかの呪文と効果に対する反応が異なることを除き、基本的には鋼鉄製ヘヴィ・シールドと同じである。ドルイドは木製ヘヴィ・シールドを使うことができるが、鋼鉄製ヘヴィ・シールドは使えない。
マウンテン・パターン・アーマー(山文甲)は“山”の字の古代の象形文字に似た形の鋼の部品を噛み合わせた数百の小片で構成される中装鎧である。鎧にはその後、布や革を鋲で裏打ちする。マウンテン・パターン・アーマーは鎖帷子のように着用し、胴体、肩、太ももを覆う。
マドゥは盾の反対側の端から伸びる2本の動物の角――通常はカモシカの――を備えた円形の革製ライト・シールドである。マドゥに習熟している場合、使用者はこれを用いて通常の-4のペナルティではなく-2のペナルティで防御的戦闘を行うことができ、《攻防一体》を使用することによる攻撃ペナルティが+1軽減される(最小で-1のペナルティ)。マドゥを装備した手には何も保持することができない。習熟していない場合、マドゥはライト・スパイクト・シールドとして扱う。マドゥは武器落としできない。伝統的なマドゥは革と動物の骨で作られているが、完全に鋼鉄で作ることもできる。革製にせよ鋼鉄製にせよ、マドゥは基本的な保護と攻撃への利点を同じように提供するが、この2種類は(ラスティング・グラスプのような)いくつかの呪文と効果に対する反応が異なる。ドルイドは革製マドゥを使うことができるが、鋼鉄製マドゥは使えない。
この鋼鉄製ライト・シールドはひと繋がりのストラップによって、この盾に習熟しているキャラクターが迅速かつ容易に背中に背負ったり、着用できたりするように特別に作成された。もし君が+1以上の基本攻撃ボーナスを有しているのであれば、通常どおり移動しながら即行アクションでクイックドロウ・シールドを着用したりしまったりすることができる。もし君が《二刀流》特技を持っているなら、君が通常武器を準備するのと同じように、片方の手で軽い武器か片手用武器を、同時にもう一方の手でクイックドロウ・シールドを着用することができる。もし君が《早抜き》特技を持っているなら、クイックドロウ・シールドを着用したり片付けたりする行動はフリー・アクションとなる。
木製ライト・クイックドロウ・シールドは(ラスティング・グラスプのような)いくつかの呪文と効果に対する反応が異なることを除き、基本的には鋼鉄製ライト・クイックドロウ・シールドと同じである。ドルイドは木製ライト・クイックドロウ・シールドを使うことができるが、鋼鉄製ライト・クイックドロウ・シールドは使えない。
鋼鉄製ライト・シールド(小盾)は前腕を盾のストラップに通した上で、持ち手を手で持つ。鋼鉄製ライト・シールドは重さが軽いので、盾を持つ手で他のものも持てる(が、武器を使うことはできない)。木製にせよ鋼鉄製にせよ、ライト・シールドは基本的な保護と攻撃への利点を同じように提供するが、この2種類は(ラスティング・グラスプのような)いくつかの呪文と効果に対する反応が異なる。ドルイドは木製ライト・シールドを使うことができるが、鋼鉄製ライト・シールドは使えない。
盾攻撃:盾を使い、敵を殴ることもできる。ライト・シールドによる盾攻撃のダメージは軍用武器の表の『ライト・シールド』を参照。この方法で使う場合、ライト・シールドは軍用殴打武器と見なす。攻撃ペナルティに関しては“軽い武器”として扱う。盾を武器として攻撃に使った場合、その盾のアーマー・クラス・ボーナスは、そのキャラクターの次のターンまでなくなる。盾に強化ボーナスがあっても、それによって盾攻撃が強くなることはない。ただし盾を魔法の武器にすることはできる。
木製ライト・シールドは(ラスティング・グラスプのような)いくつかの呪文と効果に対する反応が異なることを除き、基本的には鋼鉄製ライト・シールドと同じである。ドルイドは木製ライト・シールドを使うことができるが、鋼鉄製ライト・シールドは使えない。
ラメラー(薄片鎧)は様々な種類の素材の小さな板を細い紐を用いて平行な列に繋ぎあわせた防具の種類である。ラメラーの板は漆塗りの革、角、あるいは石からさえ構成され得るが、鋼と鉄の一揃いが最も一般的である。ラメラー・アーマーは胸甲、脛当てなどのような部分的な部品、あるいはコート全体さえも含む、様々な形状に細工することができる。ラメラー・アーマーの特定のスーツおよび部品の特性は、その材質によって決定される。
この鎧は共に結び付けられた漆塗りの革板で作られた軽量なブレストプレートと肩当てで構成されており、絹のシャツの上に装着する。
レザー・アーマーは自然な強靭さを高めるために煮こんだ後で、故意に一緒に縫い合わされた、複数の重なり合った革の部品で構成される。金属製の鎧ほど頑丈ではないが、広く用いられている鎧の種類の中では着用者に最も大きな柔軟性を与える。
この篭手には小さな鎖や留め金が付いていて、これに武器を取り付けて簡単には落ちないようにすることができる。戦闘中、武器落としを避けるための戦技防御値に+10のボーナスを与える。ロックト・ガントレット(留め金つき篭手)に1個の武器を付けたり外したりするのは1全ラウンド・アクションで、機会攻撃を誘発する。
市価はロックト・ガントレット1つ(片手分)あたりの値段である。また、重量はブレストプレートや軽装鎧を着ているか、そもそも鎧を着ていない時のみ適用する。それ以外の場合は、ロックト・ガントレットはもともと鎧の一部になっている篭手の代わりに付ける(ので、重量は加算しない)。
篭手に武器を固定している間は、この篭手をはめた手は、呪文を発動したり技能を用いたりするのには使えない(もう一方の手が自由であるなら、動作要素のある呪文を発動することができる)。
通常のガントレット(篭手)と同様、ロックト・ガントレットでも、素手打撃で非致傷ダメージではなく致傷ダメージを及ぼすことができる。