生来、ローグは多様で多彩である。都市をうろつくローグも、森を徘徊するローグも、法の代行者であるローグもいる。どこであれ機敏さと機知を有する者の居場所があるのならローグはそこに存在し、公然と、あるいは狡猾さとごまかしを介して、幅広い技能と能力を用いることで自分の居場所を作り出す。そしてローグの生来の狡猾さと閃きだけでは勝利を収めるのに十分ではないところであっても――そう、ナイフを背中に突き立てる選択は常に存在するのである。
以下のローグのテーマはローグのアーキタイプのうち最も一般的で効果的なものの一部である。各アーキタイプは、必ず取らなければならない1つ以上のクラス特徴からなる。加えて、各アーキタイプは、いくつかのローグの技についての提案を含む。それらを必ず取得する必要はないが、この提案はキャラクターに肉付けをする助けとなる。アーキタイプに書かれているローグの技と上級の技でアスタリスク(*)が付いている物は、Pathfinder RPG Core Rulebookにあるものである。
ローグの技:以下の新しいローグの技は前提条件を満たすならどんなローグでも取得することができる。このリストで2重アスタリスク(**)のついたローグの技は、急所攻撃に効果を付与する。これらの技は1回の攻撃につき1種類しか適用することはできず、攻撃ロールの前にどの技を使用するか決定しなければならない。
上級の技:以下の上級の技は前提条件を満たす10レベル以上のいかなるローグも選択することができる。
動き回る剣劇の鑑である活劇剣士は、ほとんど排他的なまでに武器の技術を磨き、大胆な軽業の動きを完璧にし、演劇と紙一重である武器の振りに丹精を込めることに集中しているローグである。
ローグの技:以下のローグの技は活劇剣士アーキタイプを補完する:強力急所攻撃、攻撃的防御、武器訓練*、変位攻撃。
上級の技:以下の上級の技は活劇剣士アーキタイプを補完する:攻撃そらし、弱体化攻撃*、束縛の刃。
敏捷性と大胆さは共にローグの優れた特徴であり、この2つを併せ持つことは目覚ましい軽業の技を生み出す。大胆な盗賊であれ、潜入する暗殺者であれ、不敵な密偵であれ、適切な軽業の訓練はローグにとって価値ある利益となる。
ローグの技:以下のローグの技は軽業師アーキタイプを補完する:跳躍の達人、這い進み*、跳ね起き*、比類なき身のこなし、敏捷なる登攀者、屋根歩き*。
上級の技:以下の上級の技は軽業師アーキタイプを補完する:高速軽業、高速後退、打撃のいなし*、身かわし強化*。
都市に住んでいる者は、金持ちは金持ちであるためには街路や市場を巡っている間は自分の財布を守っていなければならないことを誰でも知っている。巾着切りは日々の基盤の上に立つ地元の商売から、それが恐喝であれスリであれ、ギルド税を徴収するため、しばしばギルドによって訓練される。一部の者は冒険者の服をまとうことにし、その技は一般にその役割において評価されるが、やはり巾着切りはアイテムが消え失せた時に仲間が最初に見る者である。
ローグの技:以下のローグの技は巾着切りアーキタイプを補完する:下級魔法使用*、高速後退、戦場のかっぱらい、素早き指、騙され難さ、鈍らせ*、不意討ち攻撃*。
上級の技:以下の上級の技は巾着切りアーキタイプを補完する:高速軽業、技能体得*、弱体化攻撃*。
全てのローグが都市に住んでいるわけではない。斥候は多くの場合野外をうろつき回り、しばしば集団化して山賊となり、時には案内人、道を拓く者、レンジャーやバーバリアンの戦士の仲間となる。戸外を忍び歩き、隠れることに安息を感じる斥候は、都市やダンジョンにおいてもなお有効である。
ローグの技:以下のローグの技は斥候アーキタイプを補完する:攻撃リーダー、木の葉隠れ、生存技術、巧みな引き金、罠見抜き*。
上級の技:以下の上級の技は斥候アーキタイプを補完する:狩人の奇襲、技能体得*、静かなる狙撃手。
全てのローグが法に反して働いているわけではない。捜査員はしばしば貴族にやとわれ、あるいは貴族を原因とすることを追及するため、その技能を法に仕えるために使う。一部の都市では捜査員の秘密組織が支配者や政府のために働いているが、単独の捜査員はしばしば出くわした謎を何でも追い求めるフリーのエージェントである。もちろん、全ての捜査員が法に仕えているわけではない。犯罪王やギルドの長は、しばしば彼らの不埒な目的のための捜査員のチームを持っている。
ローグの技:以下のローグの技は捜査員アーキタイプを補完する:言いくるめ、下級魔法使用*、素早き開錠、騙され難さ、手がかりを追え。
上級の技:以下の上級の技は捜査員アーキタイプを補完する:狩人の奇襲、熟慮による再検討、心術破り*。
狙撃手は最悪の部類の暗殺者であるというものもいる。彼らは影で静かに待ち受け、報復を受けることなく遠方から攻撃する殺し屋だ。もちろん狙撃手は、彼らの仕事に関するその種の「卑怯」や「道義心」という批判については、実際のところ屠殺を怖れる羊の鳴き声に過ぎないと理解しており、気に留めることはない。ほとんどの狙撃手は、生命を素早く静かに効率的に奪い、跡を辿られることなく周囲の環境に姿を消すことができる自らの恐るべき能力を誇りにしている。
ローグの技:以下のローグの技は狙撃手アーキタイプを補完する:木の葉隠れ、狙撃手の目、抜き撃ち、武器訓練*。
上級の技:以下の上級の技は狙撃手アーキタイプを補完する:静かなる狙撃手、打撃のいなし*、変装の達人。
一部の者は毒を使うことは邪悪な行為だと考えている。毒師は毒は目的のための道具に過ぎず、他の武器と何ら変わりはないと知っている。一部の毒師は自分自身を偉大な平等主義者だとみなしている。なぜならクリーチャーのうち最も弱いものが破壊的な効果をもたらす武器を作ることができるからだ。しかしほとんどの者は自らの仕事について何ら誇大な妄想を抱いてはいない。
ローグの技:以下のローグの技は毒師アーキタイプを補完する:失識攻撃、素早き毒使い、長持ちする毒、不意討ち攻撃*、武器訓練*。
上級の技:以下の上級の技は毒師アーキタイプを補完する:追い討ち*、狩人の奇襲、危険なカクテル。
一部の犯罪者は技巧を凝らして盗みを働き、被害者が犯罪にあったことに気づいたときにはもうローグはとっくに去ってしまい、盗んだコインを既に使い果たしている。他方、暴漢は技巧など気にも留めない。脅迫と暴力によって、暴漢は武力の展望を用いて自らが欲しい物を手に入れ、必要に応じて何の呵責もなくその展望を実現する。
ローグの技:以下のローグの技は暴漢アーキタイプを補完する:強力急所攻撃、攻撃的防御、強い印象、武器訓練*。
上級の技:以下の上級の技は暴漢アーキタイプを補完する:打ち倒す一撃、弱体化攻撃*、致命的な急所攻撃。
放蕩者は、みずからの技能と技にあけすけなローグであり、しばしば自慢するために披露する。通常はその奉仕を有用であると考える重要人物の庇護を受けているが、時としてその空威張りは敵を追い払うことがある。多くの場合交渉、情報収集、取引、あるいは地域の権威からの最も儲かる契約や探索を受けるための集団の顔として使われる。
ローグの技:以下のローグの技は放蕩者アーキタイプを補完する:困惑化攻撃、人たらし、不意討ち攻撃*、蜜のような言葉。
上級の技:以下の上級の技は放蕩者アーキタイプを補完する:技能体得*、攻撃そらし、また今度。
最高の密偵はカメレオンに似ている。状況に応じて自らの外見を変えるだけではなく、内に秘めた目的を果たすために必要なことであるなら、その個性、忠誠、愛までも変えることができる。密偵は究極の人心操作者であり、密偵を使っている者も、時に自分が密偵自身の利益に奉仕していることに気が付くこともある。
ローグの技:以下のローグの技は密偵アーキタイプを補完する:下級魔法使用*、上級魔法使用*、迅速なる変装、慎重な観察者、要領の良い多言語者。
上級の技:以下の上級の技は密偵アーキタイプを補完する:静かなる狙撃手、弱体化攻撃*、変装の達人。
潜入、罠外し、開錠に適応した夜盗は、富豪の家も忘れられた墳墓も等しく獲物とする。そのような金持ちは危険な罠と障害に守られているが、夜盗は奸智に長けた精神でそのような危険を見つけそれを回避する。
ローグの技:以下のローグの技は夜盗アーキタイプを補完する:高速隠密*、素早き開錠、迅速解除*、敏捷なる登攀者、罠見抜き*。
上級の技:以下の上級の技は夜盗アーキタイプを補完する:打ち倒す一撃、技能体得*、熟慮による再検討。
一部のローグは罠を解除するだけでは満足しない――それを作り出すことを愛し、歯車の回転や滑車の上を滑る縄にうっとりするような美を見出す。罠師は上手い解除の仕方を知るために罠の組み立てを始めたのかもしれないが、ほとんどの者にとっては、それははるか昔に過ぎ去ってしまったことであり、今や彼らは完全なる戦闘機械を作り上げるという挑戦を味わっている。
ローグの技:以下のローグの技は罠師アーキタイプを補完する:困惑化攻撃、迅速解除*、迅速なる罠師、巧みな引き金。
上級の技:以下の上級の技は罠師アーキタイプを補完する:技能体得*、倹約家の罠師、また今度。