生来、ローグは多様で多彩である。都市をうろつくローグも、森を徘徊するローグも、法の代行者であるローグもいる。どこであれ機敏さと機知を有する者の居場所があるのならローグはそこに存在し、公然と、あるいは狡猾さとごまかしを介して、幅広い技能と能力を用いることで自分の居場所を作り出す。そしてローグの生来の狡猾さと閃きだけでは勝利を収めるのに十分ではないところであっても――そう、ナイフを背中に突き立てる選択は常に存在するのである。
以下のローグのテーマはローグのアーキタイプのうち最も一般的で効果的なものの一部である。各アーキタイプは、必ず取らなければならない1つ以上のクラス特徴からなる。加えて、各アーキタイプは、いくつかのローグの技についての提案を含む。それらを必ず取得する必要はないが、この提案はキャラクターに肉付けをする助けとなる。アーキタイプに書かれているローグの技と上級の技でアスタリスク(*)が付いている物は、Pathfinder RPG Core Rulebookにあるものである。
ローグの技:以下の新しいローグの技は前提条件を満たすならどんなローグでも取得することができる。このリストで2重アスタリスク(**)のついたローグの技は、急所攻撃に効果を付与する。これらの技は1回の攻撃につき1種類しか適用することはできず、攻撃ロールの前にどの技を使用するか決定しなければならない。
言いくるめ(変則)/Coax Information:この技を有するローグは敵を自分に対して友好的に振舞わせるために〈威圧〉のかわりに〈はったり〉または〈交渉〉を使用することができる。
強力急所攻撃**(変則)/Powerful Sneak:この技を有するローグが全力攻撃アクションを取る時はいつでも、次のターンの開始時まで全ての攻撃ロールに-2のペナルティを受けることを選ぶことができる。この間の攻撃が急所攻撃である場合、急所攻撃によるダメージ・ダイスの全ての1を2と見なす。
攻撃的防御**(変則)/Offensive Defense:この技を有するローグが急所攻撃ダメージを与える近接攻撃をクリーチャーに命中させた場合、ローグは1ラウンドの間そのクリーチャーに対するアーマー・クラスに急所攻撃のダイス数ごとに+1の回避ボーナスを得る。
攻撃リーダー(変則)/Assault Leader:1日1回、ローグが挟撃した敵に対する攻撃に失敗した場合、ローグが攻撃を失敗した目標を同じく挟撃している味方1人を指定することができる。その味方は割り込みアクションとしてその敵に1回の近接攻撃を行うことができる。
高速後退(変則)/Fast Getaway:急所攻撃または〈手先の早業〉判定に成功した後、この技を有するローグは移動アクションを使用して撤退アクションを取ることができる。この移動で自分の移動速度までの距離を移動することができる。
木の葉隠れ(変則)/Camouflage:1日1回、この技を有するローグは周囲の葉から単純だが効果的な偽装を作る事ができる。この偽装を準備するには1分間必要である。一旦でき上がればそれは1日の間か、ローグが[火炎]、[氷雪]、[強酸]の補足説明を有する、範囲に効果を及ぼす呪文に対するセーヴィング・スローに失敗するか、いずれかまで有効である。ローグは偽装に使用した葉に合致している範囲での〈隠密〉判定に+4のボーナスを得る。この能力は自然の葉がない地域では使用することができない。
困惑化攻撃**(変則)/Befuddling Strike:ローグが敵に急所攻撃ダメージを与えた場合、その敵は1d4ラウンドの間ローグに対する攻撃ロールに-2のペナルティを被る。
失識攻撃**(変則)/Distracting Attack:この技を有するローグは敵の方向感覚を失わせまごつかせる絶妙の斬撃により急所攻撃を行うことができる。急所攻撃ダメージを与える近接攻撃がクリーチャーに命中したなら、追加ダメージを諦めることで、ローグの次のターンが始まるまで、ローグが選択した1体の目標に対してそのクリーチャーを立ちすくみ状態にする。ローグは自分自身をこの技の利益を受けるクリーチャーとして指定することはできない。直感回避を有するクリーチャーは失識攻撃に完全耐性を持つ。
迅速なる変装(変則)/Quick Disguise:この技を有するローグは、手元の道具と一見して無用な材料を使い、〈変装〉技能を使って変装する際にかかる時間を減らして、驚くほど有効な変装をすることができる。この方法でローグの外見を変えるのに必要な時間は、下の表にあるようにその変装の複雑さによって変わる。その時間は累積し、例えば女性のローグが異種族の男性に変装しようとすれば、2分間かかる。
迅速なる罠師(変則)/Quick Trapsmith:1回の全ラウンド・アクションとして、この技を有するローグはローグ・レベルの1/2以下の脅威度しか持たない単純な罠を設置することができる。これを行うためには、ローグはその材料を手に入れてあらかじめ罠を作るために必要な時間をかけておき、そしてその材料を手元にもっていなければならない。この方法で作ることができる罠の種類はGMの決定に従う。
慎重な観察者(変則)/Canny Observer:この技を有するローグは、会話の詳細を聞き取るため、または隠された物体(ドアや罠を含む)を発見するための〈知覚〉判定を行う際に+4のボーナスを得る。
素早き開錠(変則)/Fast Picks:この技を有するローグは、鍵を開けるための〈装置無力化〉判定を全ラウンド・アクションではなく標準アクションで行うことができる。
素早き毒使い(変則)/Swift Poison:この技を有するローグは標準アクションではなく移動アクションとして武器に毒を塗ることができる。
素早き指(変則)/Fast Fingers:1日1回、この技を有するローグは〈手先の早業〉判定で2つのダイスを振り、よい方の目を使うことができる。この技は〈手先の早業〉判定を行う前に宣言しなければならない。ローグはローグ・レベルを5レベル得るごとに、この技を1日に追加で1回使用できるようになる。
生存技術/Survivalist:この技を有するローグは〈治療〉と〈生存〉をクラス技能リストに加える。
戦場のかっぱらい/Combat Swipe:この技を選んだローグはボーナス特技として《盗み取り強化》を得る。
狙撃手の目(変則)/Sniper's Eye:この技を有するローグは急所攻撃ダメージを30フィート以内にいる視認困難の利益を得ている敵を目標とした遠隔攻撃にも与えることができる。完全視認困難を持つ敵はやはり急所攻撃を行うことはできない。
巧みな引き金(変則)/Cunning Trigger:この技を有するローグは30フィート以内にある、自分が作成した罠1つを発動させることができる。
騙され難さ(変則)/Hard to Fool:1日1回、この技を有するローグは〈真意看破〉判定で2つのダイスを振り、よい方の目を使うことができる。この技は〈真意看破〉判定を行う前に宣言しなければならない。ローグはローグ・レベルを5レベル得るごとに、この技を1日に追加で1回使用できるようになる。
跳躍の達人(変則)/Expert Leaper:跳躍のための〈軽業〉判定を行う場合、ローグは常に助走を行っているものと見なす。また、意図的に飛び降りた場合、難易度15の〈軽業〉判定に成功すれば落下の最初の10フィートではなく最初の20フィートを無視することができる。
強い印象/Strong Impression:この技を選んだローグはボーナス特技として《腕力による威圧》を得る。
手がかりを追え(変則)/Follow Clues:この技を有するローグは痕跡を辿るために〈生存〉技能の代わりに〈知覚〉を使うことができる。
長持ちする毒(変則)/Lasting Poison:この技を持つローグは、2回攻撃が命中するまで毒が持続するようにすることができる(通常は1回攻撃が命中すると、武器から毒は拭われてしまう)。しかし毒の効果は弱まってしまう。その結果、この毒に対するセーヴは+2の状況ボーナスを得る。この方法で毒を塗るのは全ラウンド・アクションが必要だが、ローグが素早き毒使いの技を持つなら標準アクションで済む。
抜き撃ち(変則)/Snap Shot:この技を有するローグは不意討ちラウンドの間、実際のイニシアチブに拘わらず、イニシアチブ判定を20として扱うことができるが、遠隔武器による攻撃アクションしかとることができない。その通常のイニシアチブ・ロールはそれ以降のラウンドに使用される。2人以上のローグがこの能力を持っている場合、そのイニシアチブによって彼らが行動する順番を決定するが、彼ら全てが他のクリーチャーより先に行動する。ローグが不意討ちラウンドに行動できない場合、この技は効果を持たない。
人たらし(変則)/Charmer:1日1回、ローグは〈交渉〉判定で2つのダイスを振り、高い出目を使うことができる。この技は〈交渉〉判定を行う前に宣言しなければならない。ローグはローグ・レベル5ごとに、この技の1日の使用回数を1回追加で獲得する。
比類なき身のこなし(変則)/Peerless Maneuver:1日1回、この技を有するローグは〈軽業〉判定で2つのダイスを振り、よい方の目を使うことができる。この技は〈軽業〉判定を行う前に宣言しなければならない。ローグはローグ・レベルを5レベル取るごとに、この技の1日の使用回数を追加で1回得る。
敏捷なる登攀者(変則)/Nimble Climber:この技を有するローグが〈登攀〉判定を5以上の差で失敗した場合、即座に壁の難易度+10の難易度の〈登攀〉判定をもう一度行うことができる。成功した場合は壁にぶら下がって落下を止めることになる。このやり方で落下を止めた場合、ローグは落下ダメージを受けることはない。
変位攻撃(変則)/Positioning Attack:1日1回、この技を有するローグがクリーチャーに近接攻撃を命中させた場合、機会攻撃を誘発せずに30フィートまで移動することができる。この移動は近接攻撃を命中させたクリーチャーに隣接する位置で終了しなければならない。
蜜のような言葉(変則)/Honeyed Words:1日1回、この技を有するローグは〈はったり〉判定で2つのダイスを振り、よい方の目を使うことができる。この技は〈はったり〉判定を行う前に宣言しなければならない。ローグはローグ・レベルを5レベル取るごとに、この技の1日の使用回数を追加で1回得る。
要領の良い多言語者(変則)/Guileful Polyglot:この技を有するローグは〈言語学〉を最低1ランク得ている場合、4つの追加の言語を得る。この技を有するローグが〈言語学〉のランクを持たないなら、2つの追加の言語を得、後に〈言語学〉のランクを得たならば2つの追加言語を得、〈言語学〉技能自体で与えられる以外に合計4個の追加言語を持つようになる。
上級の技:以下の上級の技は前提条件を満たす10レベル以上のいかなるローグも選択することができる。
打ち倒す一撃(変則)/Knock-Out Blow:1日1回、ローグは急所攻撃ダメージを諦めて敵を打ち倒そうとすることができる。攻撃を行う前に打ち倒す一撃の使用を宣言しなければならない。攻撃が命中した場合、通常のダメージを与え、急所攻撃ダメージ(そして急所攻撃ダメージを与えることをトリガーとするあらゆる効果)のかわりに目標を1d4ラウンドの間気絶状態にする。頑健セーヴに成功すれば、この効果は1ラウンドのよろめき状態に減じる。セーヴ難易度は10+ローグ・レベルの1/2+【知力】修正値に等しい。
狩人の奇襲(変則)/Hunter's Surprise:1日1回、この技を有するローグは自分に隣接する敵1体を獲物として指定することができる。自分の次のターンの終わりまで、挟撃していなくても相手が立ちすくみ状態でなくても、その獲物に対して行う攻撃全てに急所攻撃ダメージを加えることができる。
危険なカクテル(変則)/Deadly Cocktail:この技を有するローグは1回に2服の毒を武器に塗ることができる。これらは別種の毒でもよく、その場合は目標は個々に両方の効果を受ける。2服が同種の毒である場合は、毒の頻度が50%延長され、セーヴ難易度が+2上昇する。この技は致傷毒は1回に1服しか与えることはできないというルールの例外である。
倹約家の罠師(変則)/Frugal Trapsmith:この技を有するローグが機械式の罠を作る場合、通常の価格の75%を払うだけでよい。
攻撃そらし(変則)/Redirect Attack:1日1回、この技を有するローグに近接攻撃が命中した場合、1回のフリー・アクションとして隣接するクリーチャーに攻撃を向け直すことができる。目標となったクリーチャーはローグに命中した近接攻撃の間合いのうちにいなければならず、ローグに攻撃したクリーチャーは新しい目標に対して改めて攻撃ロールをしなければならない。
高速軽業(変則)/Fast Tumble:この技を有するローグが機会攻撃範囲を機会攻撃を誘発せずに通常の移動速度で移動するために〈軽業〉を使用する際、〈軽業〉の難易度は10上昇しない。
静かなる狙撃手(変則)/Stealthy Sniper:この技を有するローグが狙撃のために〈隠密〉技能を用いる場合、〈隠密〉判定に-20のペナルティではなく-10のペナルティしか被らない。
熟慮による再検討(変則)/Thoughtful Reexamining:1日1回、この技を有するローグは新しい、あるいはよりよい情報を得るために1回の〈知識〉、または〈真意看破〉、〈知覚〉技能判定を振り直すことができる。この振り直しは元となる判定と同じ日の間ならいつでも行うことができる。
束縛の刃**(変則)/Entanglement of Blades:この技を持つローグがクリーチャーに急所攻撃ダメージを与える近接攻撃を命中させた場合、目標はローグの次のターンが始まるまで5フィート・ステップを行うことができない。
致命的な急所攻撃**(変則)/Deadly Sneak:この技を有するローグが強力急所攻撃の技を使用した場合はいつでも、急所攻撃ダメージの1の目を3と見なすことができる。ローグはこの技を選択するために、強力急所攻撃のローグの技を持っていなければならない。
変装の達人(変則)/Master of Disguise:1日1回、この技を有するローグは1回の〈変装〉判定に+10のボーナスを得る。
また今度(変則)/Another Day:1日1回、ローグが近接攻撃でヒット・ポイントが0以下になってしまう場合、割り込みアクションとして5フィート・ステップを行うことができる。この移動によって攻撃の間合いの外に出た場合、攻撃からダメージを受けない。ローグはその次のターンに1ラウンドの間よろめき状態になる。
動き回る剣劇の鑑である活劇剣士は、ほとんど排他的なまでに武器の技術を磨き、大胆な軽業の動きを完璧にし、演劇と紙一重である武器の振りに丹精を込めることに集中しているローグである。
軍事訓練(変則)/Martial Training:クラス・レベル1の活劇剣士は、軍用武器を1つ選択して習熟している武器のリストに加えることができる。加えて、ローグの技の戦闘技術を2回まで取ることができる。この能力は“罠探し”の代替能力である。
大胆不敵(変則)/Daring:クラス・レベル3の活劇剣士は、〈軽業〉判定と[恐怖]に対するセーヴィング・スローに+1の士気ボーナスを得る。このボーナスは3レベルを超える3レベル毎に+1ずつ上昇する。この能力は“罠感知”の代替能力である。
ローグの技:以下のローグの技は活劇剣士アーキタイプを補完する:強力急所攻撃、攻撃的防御、武器訓練*、変位攻撃。
上級の技:以下の上級の技は活劇剣士アーキタイプを補完する:攻撃そらし、弱体化攻撃*、束縛の刃。
敏捷性と大胆さは共にローグの優れた特徴であり、この2つを併せ持つことは目覚ましい軽業の技を生み出す。大胆な盗賊であれ、潜入する暗殺者であれ、不敵な密偵であれ、適切な軽業の訓練はローグにとって価値ある利益となる。
熟練の軽業(変則)/Expert Acrobat:クラス・レベル1の軽業師は、軽装鎧を着ている時の〈軽業〉、〈登攀〉、〈飛行〉、〈手先の早業〉、〈隠密〉技能判定でいかなる防具による判定ペナルティも被らない。鎧を着ていない場合、〈軽業〉と〈飛行〉判定に+2の技量ボーナスを得る。この能力は“罠探し”の代替能力である。
2度目のチャンス(変則)/Second Chance:クラス・レベル3の軽業師は、自分がたった今ロールした〈軽業〉、〈登攀〉、あるいは〈飛行〉判定を振り直すことができる。振り直しには-5のペナルティを被る。たとえ振り直した結果が悪かったとしても、2回目の結果を使わなければならない。この能力はいずれかの技能判定につき1回しか使うことはできない。この能力は3レベルで1日1回、加えて3レベルを超える3レベル毎に追加で1日1回使用することができる。この能力は“罠感知”の代替能力である。
ローグの技:以下のローグの技は軽業師アーキタイプを補完する:跳躍の達人、這い進み*、跳ね起き*、比類なき身のこなし、敏捷なる登攀者、屋根歩き*。
上級の技:以下の上級の技は軽業師アーキタイプを補完する:高速軽業、高速後退、打撃のいなし*、身かわし強化*。
都市に住んでいる者は、金持ちは金持ちであるためには街路や市場を巡っている間は自分の財布を守っていなければならないことを誰でも知っている。巾着切りは日々の基盤の上に立つ地元の商売から、それが恐喝であれスリであれ、ギルド税を徴収するため、しばしばギルドによって訓練される。一部の者は冒険者の服をまとうことにし、その技は一般にその役割において評価されるが、やはり巾着切りはアイテムが消え失せた時に仲間が最初に見る者である。
獲物の見極め(変則)/Measure the Mark:巾着切りがクリーチャーから何かを取るために〈手先の早業〉判定を行う場合、目標はローグが〈手先の早業〉判定を行う前に〈知覚〉判定を行い、ローグは〈知覚〉判定の結果を知ることができる。ローグが判定を行わないと決定した場合は、目標が試みに気づかないように、目標の〈真意看破〉に対抗して〈はったり〉判定を行う。この能力は“罠探し”の代替能力である。
一突きして強奪(変則)/Stab and Grab:クラス・レベル3の巾着切りは1回の全ラウンド・アクションとして、1回の攻撃を行い、また攻撃の目標から何かを盗むために〈手先の早業〉判定を行うことができる。攻撃が急所攻撃ダメージを与える場合、ローグは戦闘中にクリーチャーから1つのアイテムを取るため〈手先の早業〉を使用することができる。そうでなければこの能力は不意討ちラウンドに目標が行動する前にしか使用することができない。攻撃が命中した場合、目標は盗みに気が付くための〈知覚〉判定に-5のペナルティを被る。この能力は“罠感知”の代替能力である。
ローグの技:以下のローグの技は巾着切りアーキタイプを補完する:下級魔法使用*、高速後退、戦場のかっぱらい、素早き指、騙され難さ、鈍らせ*、不意討ち攻撃*。
上級の技:以下の上級の技は巾着切りアーキタイプを補完する:高速軽業、技能体得*、弱体化攻撃*。
全てのローグが都市に住んでいるわけではない。斥候は多くの場合野外をうろつき回り、しばしば集団化して山賊となり、時には案内人、道を拓く者、レンジャーやバーバリアンの戦士の仲間となる。戸外を忍び歩き、隠れることに安息を感じる斥候は、都市やダンジョンにおいてもなお有効である。
斥候突撃(変則)/Scout's Charge:クラス・レベル4の斥候は、突撃を行った場合はいつでも、目標が立ちすくみ状態であるかのように急所攻撃ダメージを与える。直感回避を有する敵はこの能力に完全耐性を持つ。この能力は“直感回避”の代替能力である。
遊撃兵(変則)/Skirmisher:クラス・レベル8の斥候は、1ラウンドに10フィートより多く移動して1回の攻撃アクションを行う場合はいつでも、目標が立ちすくみ状態であるかのように急所攻撃ダメージを与える。斥候がこのターンに2回以上攻撃を行う場合は、この能力は最初の攻撃にのみ適用される。この能力は“直感回避強化”の代替能力である。
ローグの技:以下のローグの技は斥候アーキタイプを補完する:攻撃リーダー、木の葉隠れ、生存技術、巧みな引き金、罠見抜き*。
上級の技:以下の上級の技は斥候アーキタイプを補完する:狩人の奇襲、技能体得*、静かなる狙撃手。
全てのローグが法に反して働いているわけではない。捜査員はしばしば貴族にやとわれ、あるいは貴族を原因とすることを追及するため、その技能を法に仕えるために使う。一部の都市では捜査員の秘密組織が支配者や政府のために働いているが、単独の捜査員はしばしば出くわした謎を何でも追い求めるフリーのエージェントである。もちろん、全ての捜査員が法に仕えているわけではない。犯罪王やギルドの長は、しばしば彼らの不埒な目的のための捜査員のチームを持っている。
追跡調査(変則)/Follow Up:調査員は情報収集のための〈交渉〉判定でダイスを2回振ることができ、両方の結果について情報を得る。これは1回の判定と同じだけの時間がかかる。2回の判定のうち低い方で偽情報を得た場合は、ローグはそれに気づくことができる。質問した人々が偽りだと知らない場合、この方法で偽情報だということが明らかになることはない。この能力は“罠探し”の代替能力である。
ローグの技:以下のローグの技は捜査員アーキタイプを補完する:言いくるめ、下級魔法使用*、素早き開錠、騙され難さ、手がかりを追え。
上級の技:以下の上級の技は捜査員アーキタイプを補完する:狩人の奇襲、熟慮による再検討、心術破り*。
狙撃手は最悪の部類の暗殺者であるというものもいる。彼らは影で静かに待ち受け、報復を受けることなく遠方から攻撃する殺し屋だ。もちろん狙撃手は、彼らの仕事に関するその種の「卑怯」や「道義心」という批判については、実際のところ屠殺を怖れる羊の鳴き声に過ぎないと理解しており、気に留めることはない。ほとんどの狙撃手は、生命を素早く静かに効率的に奪い、跡を辿られることなく周囲の環境に姿を消すことができる自らの恐るべき能力を誇りにしている。
精度(変則)/Accuracy:クラス・レベル1の狙撃手は、ボウかクロスボウで遠隔攻撃を行う際の距離によるペナルティを半減する。この能力は“罠探し”の代替能力である。
死をもたらす間合い(変則)/Deadly Range:クラス・レベル3の狙撃手は、急所攻撃ダメージを与えることができる距離を10フィート伸ばす。この距離は3レベルを超える3レベル毎に10フィートずつ伸びていく。この能力は“罠感知”の代替能力である。
ローグの技:以下のローグの技は狙撃手アーキタイプを補完する:木の葉隠れ、狙撃手の目、抜き撃ち、武器訓練*。
上級の技:以下の上級の技は狙撃手アーキタイプを補完する:静かなる狙撃手、打撃のいなし*、変装の達人。
一部の者は毒を使うことは邪悪な行為だと考えている。毒師は毒は目的のための道具に過ぎず、他の武器と何ら変わりはないと知っている。一部の毒師は自分自身を偉大な平等主義者だとみなしている。なぜならクリーチャーのうち最も弱いものが破壊的な効果をもたらす武器を作ることができるからだ。しかしほとんどの者は自らの仕事について何ら誇大な妄想を抱いてはいない。
毒の使用(変則)/Poison Use:クラス・レベル1の毒師は、毒を使用することの訓練を積み、武器に毒を塗る際に誤って自らを傷つけることはない。この能力は“罠探し”の代替能力である。
毒の達人(変則)/Master Poisoner:クラス・レベル3の毒師は〈製作:錬金術〉を使用して毒の種別を変更することができる。これは錬金術師の研究所で1時間を必要とし、〈製作:錬金術〉技能判定の難易度は毒のセーヴ難易度に等しい。判定に成功した場合、毒の種別を接触、摂取、吸入、致傷のいずれかに変更することができる。判定に失敗した場合、毒は失われる。また、毒師は毒に関して〈製作:錬金術〉技能判定を行う場合、ローグ・レベルの1/2に等しいボーナスを得る。この能力は“罠感知”の代替能力である。
ローグの技:以下のローグの技は毒師アーキタイプを補完する:失識攻撃、素早き毒使い、長持ちする毒、不意討ち攻撃*、武器訓練*。
上級の技:以下の上級の技は毒師アーキタイプを補完する:追い討ち*、狩人の奇襲、危険なカクテル。
一部の犯罪者は技巧を凝らして盗みを働き、被害者が犯罪にあったことに気づいたときにはもうローグはとっくに去ってしまい、盗んだコインを既に使い果たしている。他方、暴漢は技巧など気にも留めない。脅迫と暴力によって、暴漢は武力の展望を用いて自らが欲しい物を手に入れ、必要に応じて何の呵責もなくその展望を実現する。
恫喝(変則)/Frightening:暴漢がクリーチャーの士気をくじくための〈威圧〉判定に成功した場合はいつでも、怯え状態の持続時間は1ラウンド増加する。加えて、目標の怯え状態が4ラウンド以上になる場合は、暴漢は代わりに目標を1ラウンドの間、恐れ状態にすることを選択することができる。この能力は“罠探し”の代替能力である。
凶暴打撃(変則)/Brutal Beating:クラス・レベル3の暴漢が急所攻撃ダメージを与えた場合はいつでも、1d6ポイントの急所攻撃ダメージを諦める代わりに目標をローグ・レベルの1/2に等しいラウンドの間、不調状態にすることを選択することができる。この能力は累積することはなく、効果時間は最新のものが適用される。この能力は“罠感知”の代替能力である。
ローグの技:以下のローグの技は暴漢アーキタイプを補完する:強力急所攻撃、攻撃的防御、強い印象、武器訓練*。
上級の技:以下の上級の技は暴漢アーキタイプを補完する:打ち倒す一撃、弱体化攻撃*、致命的な急所攻撃。
放蕩者は、みずからの技能と技にあけすけなローグであり、しばしば自慢するために披露する。通常はその奉仕を有用であると考える重要人物の庇護を受けているが、時としてその空威張りは敵を追い払うことがある。多くの場合交渉、情報収集、取引、あるいは地域の権威からの最も儲かる契約や探索を受けるための集団の顔として使われる。
空威張りの剣(変則)/Bravado's Blade:放蕩者が敵に命中を与え、急所攻撃ダメージを与えた場合、そのダメージのうち1d6ポイントを諦めることで、1回のフリー・アクションとして敵の士気をくじくために〈威圧〉判定を行うことができる。急所攻撃ダメージを追加で1d6ポイント諦めるごとに、この判定に+5の状況ボーナスを得る。この能力は“罠探し”の代替能力である。
放蕩者の笑み(変則)/Rake's Smile:クラス・レベル3の放蕩者は、〈はったり〉と〈交渉〉判定に+1の士気ボーナスを得る。このボーナスは3レベルを超える3レベル毎に+1ずつ上昇する。この能力は“罠感知”の代替能力である。
ローグの技:以下のローグの技は放蕩者アーキタイプを補完する:困惑化攻撃、人たらし、不意討ち攻撃*、蜜のような言葉。
上級の技:以下の上級の技は放蕩者アーキタイプを補完する:技能体得*、攻撃そらし、また今度。
最高の密偵はカメレオンに似ている。状況に応じて自らの外見を変えるだけではなく、内に秘めた目的を果たすために必要なことであるなら、その個性、忠誠、愛までも変えることができる。密偵は究極の人心操作者であり、密偵を使っている者も、時に自分が密偵自身の利益に奉仕していることに気が付くこともある。
熟練の虚言家(変則)/Skilled Liar:密偵が誰かを騙すために〈はったり〉を使用する場合はいつでも、対抗判定にローグ・レベルの1/2(最低1)に等しいボーナスを得る。このボーナスはフェイントを行ったり、密かなメッセージを送ることには適用されない。この能力は“罠探し”の代替能力である。
毒の使用(変則)/Poison Use:クラス・レベル3の密偵は、毒を使用することの訓練を積み、武器に毒を塗る際に誤って自らを傷つけることはない。この能力は“罠探知”の代替能力である。
ローグの技:以下のローグの技は密偵アーキタイプを補完する:下級魔法使用*、上級魔法使用*、迅速なる変装、慎重な観察者、要領の良い多言語者。
上級の技:以下の上級の技は密偵アーキタイプを補完する:静かなる狙撃手、弱体化攻撃*、変装の達人。
潜入、罠外し、開錠に適応した夜盗は、富豪の家も忘れられた墳墓も等しく獲物とする。そのような金持ちは危険な罠と障害に守られているが、夜盗は奸智に長けた精神でそのような危険を見つけそれを回避する。
注意深い罠解除(変則)/Careful Disarm:クラス・レベル4の夜盗は、〈装置無力化〉を使用して罠を解除しようとする場合はいつでも、10以上の差で失敗しない限り罠の引き金を引かない。解除しようとした罠を発動させてしまった場合、罠を避けるために罠感知のボーナスの2倍を加える。この能力は“直感回避”の代替能力である。
気そらし(変則)/Distraction:クラス・レベル8の夜盗は、〈隠密〉を使用しているときに感知された場合はいつでも、自らを発見したクリーチャーの〈真意看破〉技能に対抗して〈はったり〉判定を即座に行うことができる。この判定が成功した場合、目標は物音は無害な何かだと考え探知した事を無視する。これはクリーチャーがローグを目視していない場合にのみ機能する。この能力は1回の〈隠密〉の間に1回だけ使用できる。同じクリーチャーがローグの存在を感知した場合、この能力は効果を持たない。この能力は“直感回避強化”の代替能力である。
ローグの技:以下のローグの技は夜盗アーキタイプを補完する:高速隠密*、素早き開錠、迅速解除*、敏捷なる登攀者、罠見抜き*。
上級の技:以下の上級の技は夜盗アーキタイプを補完する:打ち倒す一撃、技能体得*、熟慮による再検討。
一部のローグは罠を解除するだけでは満足しない――それを作り出すことを愛し、歯車の回転や滑車の上を滑る縄にうっとりするような美を見出す。罠師は上手い解除の仕方を知るために罠の組み立てを始めたのかもしれないが、ほとんどの者にとっては、それははるか昔に過ぎ去ってしまったことであり、今や彼らは完全なる戦闘機械を作り上げるという挑戦を味わっている。
注意深い罠解除(変則)/Careful Disarm:クラス・レベル4の罠師は、〈装置無力化〉を使用して罠を解除しようとする場合はいつでも、10以上の差で失敗しない限り罠を起動させない。解除しようとした罠を発動させてしまった場合、罠を避けるために罠感知のボーナスの2倍を加える。この能力は“直感回避”の代替能力である。
罠の達人(変則)/Trap Master:クラス・レベル8の罠師が〈装置無力化〉を使って罠を解除した場合はいつでも、難易度を10以上の差で上回らなくても、解除せずに通り抜けることができる。特定のクリーチャーだけが危険なく通過できる魔法の罠である場合は、望むならば仲間は通行できる一方で、敵の通行を制限することができる。この能力は“直感回避強化”の代替能力である。
ローグの技:以下のローグの技は罠師アーキタイプを補完する:困惑化攻撃、迅速解除*、迅速なる罠師、巧みな引き金。
上級の技:以下の上級の技は罠師アーキタイプを補完する:技能体得*、倹約家の罠師、また今度。