選択能力はモンスターを特別なものにする主要なやり方だ。これらは特技、モンスターの共通ルール、魔法のアイテム、その他モンスターがデータ以外に持つ自由な能力である。この単純なモンスター作成の流れの他のステップで行った選択の数に比べれば、選択できるモンスターの選択能力は膨大な数に登る。起動型の能力(モンスターに特殊攻撃を与えるものなど)もあれば、データを調整するもの(強打などは、《強打》特技と同じ用途に用いる)もあり、状況限定の修正を与えるもの(精神集中判定にボーナスを与える戦闘発動のように)もある。特記ない限り、本項のセーヴィング・スロー難易度には、モンスターの補正で修正されたモンスターの配役の能力難易度を用いる。
モンスターの配役や補正に基づいて選択できるモンスターの選択能力の数を見てみよう。各分類から選べる数をまとめたリストがあるはずだ。選択能力を選ぶ際、選択能力の名前と効果を書き記すこと。選択能力の後に記載されている全てのデータを調整すること。モンスターの選択能力をすべて選択した後で、その一覧を注意して見ること。モンスターは行動する必要がするときにすべてを使うだろうか? モンスターの選択能力が少なすぎたり多すぎたりしないだろうか? 慎重を期しながら、必要に応じて選択能力を加えたり削除したりすること。
種別:モンスターの選択能力は4分類に別れる。戦闘、魔法、社交、共通だ。
戦闘系選択能力は最も数が多く、PCが戦闘で出会うことになるモンスターのほとんどは、最低でも1つの選択能力を持っているべきだ。これらの選択能力はモンスターのテーマに基づいて選びやすいように副分類に分けられている。しかしどの副分類の戦闘系選択能力を選択してかまわない。モンスターが第一に狡猾なのか、強烈なのか、俊敏なのか、頑丈なのかを決定し、まずその副分類を確認しよう。これらの副分類は大まかに肉体的能力値――【筋力】、【敏捷力】、【耐久力】――にそれぞれが対応している。もう一つの分類である怪異には、PC種族のモンスターにあまりふさわしくないもの、再生や生命力吸収などが含まれている。
魔法系選択能力は呪文を発動するモンスターに有益であり、通常は術者の配役か副次魔法共通選択能力を持つものにのみ利益をもたらす。これらにも魔法的な特性を持つPCのクラス特徴を真似た選択能力が含まれている。これらの選択能力はクリーチャー、攻撃的、支援、多用途の副分類に分かれている。
社交系選択能力は、モンスターに他のクリーチャーとやり取りする際に利益をもたらす。これらは鼓舞と雑事の副分類に分かれる。鼓舞副分類には、士気を高めたり恐怖を想起させたりする効果のほとんどが含まれる。
共通選択能力はどの分類にも書かれているかのように選択できる。つまり、共通選択能力を選ぶために、戦闘、魔法、社交、“任意”のどの選択能力を使用しても良いということだ。
“任意”選択能力:補正や配役が“任意”選択能力を与える場合、戦闘、魔法、社交、共通の分類のどこからでも選択能力を取得できる。
特技:特定の特技を真似たいと思うなら、表57でその名前を探すこと。モンスターの選択能力の多くは特技と同じ名前を用いているが、ルール的に違った効果をもたらすことに注意。これは意図的なものだ。強打選択能力はモンスターのデータを一度だけ調整し、《強打》特技に似た効果をもたらす。そのため、モンスターが攻撃するたびに選択するよりも取扱が簡単になっている。このような場合、複雑さや柔軟性をかみしたいなら、代わりにその特技のルールを用いることもできる。
モンスターの共通ルール:特技同様、選択能力の多くはモンスターの共通ルールを真似て単純化したものだ。多くのモンスターのルール、感覚などは変更なく使用されているため、本章で効果を再度記したりはしない。特定のモンスターの共通ルールを調べたい場合、229ページのサイドバーを参照すること。
選択能力の重複/Duplicate Options:一般に、君は納得でき有益である場合、能力を複数回選択できる。例えば、2つの武器を持って戦うこととその速度のためにモンスターに追加攻撃選択能力を2回与えることもできる。そうするのがいいアイデアかどうか決めるため、最善を期すこと。
ダメージ:多くの選択能力はモンスターの配役から“高”あるいは“低”の攻撃ないしダメージを用いると記載されている。(たとえ、その選択能力がテーマ的に肉体攻撃に近しいものであっても)肉体攻撃の値ではなく、“高”ないし“低”の武器攻撃とダメージの列から取り出した値を使用すること。能力があまりにも大きいダメージを与える場合、代わりに“低”の値を使用することにしてもよい。
アンデッド支配 |
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生贄のオーラ |
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位置入れ替え |
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吸精攻撃 |
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嘘つき |
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運動能力 |
共通 |
鋭敏飛行 |
共通 |
英雄鼓舞 |
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英雄的回復 |
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エネルギー注入 |
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遠射 |
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恐れ |
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回避円熟 |
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回数無制限の魔法 |
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加害の躯体 |
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火器熟知 |
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騎乗の達人 |
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機動攻撃 |
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挟撃不可 |
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強行突破 |
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強打 |
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恐怖想起 |
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クリティカルの手練れ |
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激励の接触 |
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高速フェイント |
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弱化及ぼす存在 |
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射撃そらし |
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商業熟知 |
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状態異常の除去(軽度) |
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状態異常の除去(重度) |
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状態異常の除去(中度) |
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状態異常の付与(軽度) |
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状態異常の付与(重度) |
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状態異常の付与(中度) |
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セーヴ増幅 |
共通 |
説得力 |
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戦闘発動 |
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大旋風 |
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ダメージ減少無視 |
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地形渡り |
共通 |
治癒増強 |
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抵抗破り |
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動物話者 |
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同胞招来 |
共通 |
投げ飛ばし |
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非常用呪文 |
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ひっつかみ |
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ヒット・ポイント追加 |
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副次魔法 |
共通 |
不屈の闘志 |
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負の治癒 |
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奮闘促す存在 |
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防衛陣 |
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防御砕き |
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防御追加 |
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共通 | |
抹殺攻撃 |
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魔導士殺し |
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魔導士潰し |
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魔法の才 |
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共通 | |
迎え討ち |
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無視界戦闘 |
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物知り |
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勇気鼓舞 |
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有毒の血液 |
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連携戦術 |
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罠仕掛け |
これらの選択能力は第一に戦闘員を対象としているが、どんな戦闘でも決して戦わないモンスターにしたい場合でなければ、どのモンスターにも最低1つは戦闘系選択能力を与えることを考慮すべきだ。
これらの能力は通常、本質的に超自然的ないし非人間的なものだ。モンスターが――特にPC種族を用いるような――NPCに近しい存在の場合、怪異戦闘系選択能力を選ばないほうが良い。
悪臭/Stench:モンスターの30フィート以内にいる生きているクリーチャーは、頑健セーヴに成功しなければ10ラウンドの間不調状態になる。セーヴに成功したクリーチャーは、24時間の間このモンスターの悪臭の効果を受けない。毒を抵抗したり除去したりする効果に対して、悪臭は毒として扱われる。
畏怖すべき存在/Frightful Presence:この能力は[恐怖]のオーラ(後述)として機能するが、効果を受けたクリーチャーは15ラウンドの間怯え状態(ヒット・ダイスが4以下の場合恐慌状態)となる。この能力はモンスターの脅威度+4以上のレベルを持つクリーチャーには機能しない。また、セーヴに成功したクリーチャーは、以降24時間の間このモンスターの畏怖すべき存在の効果を受けない。
岩投げ/Rock-Throwing:モンスターは岩を投げたり受け止めたりすることができる。投擲した岩は射程単位120フィートの遠隔攻撃であり、モンスターの“低い”武器ダメージを与える。1ラウンドに1回、フリー・アクションとして、モンスターは自分に命中するはずだった岩を受け止め、ダメージを受けずに済ませることができる。
エネルギー放出に対する抵抗/Channel Resistance:モンスターはエネルギー放出に対する抵抗+4(Bestiary 298)を得る。
加害の躯体/Damaging Body:素手打撃あるいは間合いのない武器による攻撃がモンスターに対して命中したなら、攻撃したものは1d6+モンスターの脅威度の半分に等しいダメージを受ける。モンスターの体が燃えていれば[火炎]、棘に覆われていれば刺突、のように、この選択能力に対して適切なダメージ種別を選択すること。
ガス化形態/Gaseous Form:標準アクションとして、モンスターは回数無制限でガシアス・フォームを使用することができ、いつまでもガス化形態で居続けることができる。ガス化形態の間、モンスターは飛行移動速度20フィート(機動性は完璧)を得る。
吸血/Blood Drain:このモンスターは能力値ダメージ(228ページ参照)として【耐久力】ダメージを与えるが、この効果が適用されるのはこのモンスターのターンの終了時であり、効果の目標はこのモンスターが組みついている全てのクリーチャーである。
吸精攻撃/Vampiric Attack:1日1回、モンスターは1回の近接接触攻撃か射程30フィートの遠隔接触攻撃により、目標1体から精力を吸い取ることができる。これはモンスターの脅威度毎に1d6ポイントのダメージを与える(頑健・半減)。モンスターは与えたダメージに等しい一時的ヒット・ポイントを得る。
恐怖攻撃/Fear Attack:この能力は[恐怖]のオーラ(233ページ参照)として機能するが、軌道には標準アクションが必要で、モンスターの能力難易度をそのまま用い、円錐形、爆発、光線の範囲内にいるクリーチャーに効果を及ぼす。光線として使用する場合、クリーチャー1体を対象とし、効果を及ぼすために遠隔接触攻撃が必要となる。効果を及ぼす範囲は以下の表のとおり。
[恐怖]のオーラ/Fear Aura:モンスターの30フィート以内に入ったクリーチャーは意志セーヴ(難易度=モンスターの能力難易度-5)を行わねばならない。失敗したなら、そのクリーチャーはモンスターの脅威度に等しいラウンドだけ恐慌状態となる。成功すると、1ラウンドの間怯え状態となる。効果範囲は脅威度10の時点で60フィートに、脅威度20の時点で120フィートになる。
高速治癒/Fast Healing:モンスターはラウンドごとに2ヒット・ポイントずつ回復する。このラウンドごとの回復量は脅威度4の時点で5に、脅威度11の時点で10に、脅威度16の時点で15に、脅威度21の時点で20に増加する。
混乱のオーラ/Confusion Aura:モンスターの30フィート以内に入ったクリーチャーは意志セーヴ(難易度=モンスターの能力難易度-5)を行わねばならない。失敗したなら、そのクリーチャーはモンスターの脅威度に等しいラウンドだけ混乱状態となる。成功すると、以降24時間の間、このオーラから再び効果を受けることはなくなる。効果範囲は脅威度10の時点で60フィートに、脅威度20の時点で120フィートになる。
再生/Regeneration:この能力は高速治癒選択能力(232ページ参照)のように機能するが、モンスターは再生能力が機能している限り死亡することがない。ダメージ種別を2つ以上選択すること(一般的なものは[強酸]および[火炎]ダメージ)。これらのダメージ種別は、再生を1ラウンドの間抑止する。
生命力吸収/Energy Drain:このモンスターは全ての攻撃(あるいは特定の攻撃1種類)により負のレベル1を与え、与えた婦のレベル1毎に一時的ヒット・ポイント5を得る。与える負のレベルは、脅威度10の時点で2に、脅威度20の時点で3に増加する。
包み込み/Engulf:これは同名のモンスターの共通ルール(Bestiary 2、296ページ)として機能するが、モンスターの配役による能力難易度を用いる。モンスターは包み込んだクリーチャーに“高い”武器ダメージを与えるか、“低い”武器ダメージを与えると同時に以下の状態1つを与えるかのいずれかを選択できる:恐れ状態(意志・無効)、出血状態(出血攻撃選択能力として、234ページ参照)、生命力吸収(選択能力として、上述)、聴覚喪失状態、吐き気がする状態(頑健・無効)、麻痺状態(頑健・無効)、盲目状態(頑健・無効)。
同族作り/Create Spawn:モンスターは自分が殺した相手を同族とすることができる。対象となったクリーチャーは1d4日後、自分を生み出したモンスターと同種となって死から蘇る。その後は自分を生み出したモンスターの命令に従う。この隷属関係は主人が破壊されるまで続く。モンスターは自分の脅威度の2倍まで、隷属された同族を従えることができる。この上限を超えた場合、生み出された同族は全て自由意志を持つ。モンスターは新しく隷属した同族を生み出すために別の同族を開放することもできるが、一度開放すると再び隷属させることはできない。
投げ飛ばし/Fling:モンスターがクリーチャー1体に組みついている際、標準アクションとしてそのクリーチャーを投げ飛ばすことができる。投げ飛ばされたクリーチャーは1d6×10フィートだけ移動し、移動した10フィートごとに1d6ポイントのダメージを受ける。モンスターが飛行できる場合、飛行している間にフリー・アクションとして 組みついているクリーチャー1体を投げ飛ばすことができる。この場合、投げ飛ばされたクリーチャーは既に記載したダメージか適切な落下ダメージのいずれか高い方のダメージを受ける。
能力値吸収の接触/Draining Touch:モンスターは能力値吸収を与える能力値ダメージ選択能力(228ページ参照)を持っているかのように、近接接触攻撃を行うことができる。モンスターがこの方法で能力値を吸収するたびに、自分のヒット・ポイントを5ポイント回復する。
非実体/Incorporeal:これは同名のモンスターの共通ルール(Bestiary 301ページ)と同様に機能するが、アーマー・クラス、攻撃ボーナス、戦技ボーナスの調整を行わない。
引っかき/Rake:モンスターがクリーチャー1体に組みついている状態で自分のターンを開始した場合、自分のターンにフリー・アクションとして、そのクリーチャーに対して2回の爪攻撃を行うことができる。この攻撃は“低い”武器ダメージを与える。モンスターが飛びかかり(Bestiary 302ページ)を持つ場合、飛びかかりを使用する際にも引っかき攻撃を行える。
ひっつかみ/Snatch:モンスターが自分より3サイズ段階以上小さいクリーチャーに組みついており、その組みつきが噛みつき攻撃あるいは爪攻撃が命中した後に組みついたものならば、組みつきを維持するためのロールに成功するたびにその攻撃が命中した家のようにダメージを与える。モンスターが口でクリーチャーをつかんでいるならば、そのクリーチャーはモンスターのブレス攻撃に対して(たとえセーヴを行えるものであっても)セーヴを行えない。モンスターは、自分が投げ飛ばし選択能力(上述)を持っているかのようにひっつかみの対象となったクリーチャー1体を投げ飛ばすことができる。この選択能力を修得するには、モンスターは戦技強化:組みつき(229ページ参照)を修得していなければならない。
病気/Disease:モンスターの攻撃の1つは、目標が頑健セーヴに成功しなければ病気を引き起こす。基本となる病気は潜伏期間―1d3日、頻度―1/日、効果―能力値1つ(モンスターがこの選択能力を得た時に選択)に1ポイントのダメージ、治療―2回連続成功、である。以下の追加の効果を2つ選択すること。この効果はモンスターの脅威度5毎に1つ増加する。潜伏期間を1日に短縮(複数回選択できる。2回目は潜伏期間が1時間になり、3回目は―になる)、頻度を1時間に変更、効果を1d3ポイントのダメージに変更(複数回選択できる。2回目は1d4、3回目は1d6とダメージが増加する)、追加の能力値1つにダメージを与える(もともとの能力ダメージの効果で与えるダメージ量と同じ値を用いる)、治癒を―に変更。
憑霊/Malevolence:1ラウンドに1回、モンスターは自分の肉体を間合い内のクリーチャー1タイト融合しようと試みることができる。目標は意志セーヴに成功すればこの攻撃を免れる。セーヴに成功した目標は以降24時間の間、このモンスターの憑霊に対する完全耐性を得る。この能力はマジック・ジャーに似ているが、壺を必要としない。
負の治癒/Negative Healing:君は負のエネルギーからダメージを受けるのではなく、ダメージを回復する。
腐敗の凝視/Corrupting Gaze:モンスターは間合い30フィートの凝視攻撃(モンスターの共通ルールのもの; Bestiaryの300ページを参照)を得る。この攻撃は2d10ポイントのダメージと1d4ポイントの【魅力】ダメージを与える。頑健セーヴに成功すると、【魅力】ダメージを無効化できる。
腐敗の接触/Corrupting Touch:この能力を修得するには、モンスターは非実体でなければならない。モンスターは1回の接触攻撃を行える。この攻撃が命中すると、目標は超自然的に歳を取り、モンスターの脅威度毎に1d6ポイントのダメージを受ける(頑健・半減)。魔法的な加齢に完全耐性を持つ目標は、このダメージにも完全耐性を持つ。
ブレス攻撃/Breath Weapon:モンスターは1d6+脅威度毎に1d6ポイントのダメージを与えるブレス攻撃を得る。目標は反応セーヴを行い、成功すれば半分しかダメージを受けない。ブレス攻撃が円錐形の場合、その距離は30フィートである。この距離は中型を超えるサイズ段階1毎に10フィートずつ増加し、中型を下回るサイズ段階1毎に5フィートずつ減少する。ブレス攻撃が直線状の場合、効果範囲は円錐形の2倍の長さになる。
麻痺/Paralysis:モンスターの攻撃は、目標が頑健セーヴに成功しない限り1d2ラウンドの間麻痺状態になる。脅威度3毎に、この能力の効果ラウンド数は1d3、1d4、1d6、1d8、2d6(上限)の順に増加する。脅威度18の時点で、目標はセーヴに成功しても1ラウンドの間麻痺状態になる。
麻痺の接触/Paralyzing Touch:モンスターは1回の接触攻撃を得る。この攻撃が命中した生きているクリーチャーは頑健セーヴ(難易度=モンスターの能力難易度-5)を行わねばならず、失敗すると永続的な麻痺状態になる。リムーヴ・パラリシスもしくは呪いを取り除くことのできる呪文により、被害者を開放できる。この効果は解呪できない。この攻撃で麻痺状態になったものは死亡状態のように見えるが、難易度20の〈知覚〉判定に成功するか、難易度15の〈治療〉判定に成功するかのいずれかにより、そのクリーチャーがまだ生きていることを見破れる。
有毒の血液/Poisonous Blood:この能力は毒選択能力(230ページ参照)と同様に機能するが、このモンスターに対して間合いのない刺突武器もしくは斬撃武器を用いてクリティカル・ヒットを確定させたクリーチャーに効果を及ぼす。
黄泉がえり/Rejuvenation:破壊されるか殺されるかすると、モンスターは一定期間(通常1d10日)後に回復を始める。このモンスターを永続的に破壊する特別な方法や、元の姿に戻るまでにかかる時間はモンスターごとに様々だ。
ライカンスロピーの呪い/Curse of Lycanthropy:モンスターはライカンスロピーの呪いをもたらす。モンスターが動物形態あるいは中間形態で、噛みつき攻撃を人型生物に命中させたなら、目標は頑健セーヴ(難易度=モンスターの能力難易度-5)を行わねばならず、失敗するとこの呪いに感染する。目標のサイズ段階がライカンスロープのサイズ段階から1段階より離れている場合、この能力は効果をもたらさない。
わずらわす/Distraction:このモンスターからダメージを受けたクリーチャーは、1ラウンドの間吐き気がする状態になる(頑健・無効)。
これらの選択能力は高い【筋力】を持つ、あるいは圧倒的な肉体攻撃に傾倒したモンスターに最適だ。
かきむしり/Rend:モンスターが1ラウンドの間に同じ目標に2回以上攻撃を命中させたなら、モンスターはかきむしり、“高い”武器ダメージを与える。この効果は1ラウンドに1回だけ使用できる。
強打/Power Attack:モンスターの主要攻撃は“低い”攻撃値を用いるが、50%多くダメージを与える。
強力突撃/Powerful Charge:モンスターの突撃攻撃は50%多くダメージを与える。
クリティカルの手練れ/Critical Striker:モンスターはクリティカル・ロールに+4のボーナスを得る。さらに、このモンスターは自分の攻撃におけるクリティカル可能域を2倍にする。
激震掌/Quivering Palm:1日1回、モンスターはクリティカル・ヒットに完全耐性を持たない目標1体に対して攻撃を1回行う際にこの選択能力を使用できる。命中すると、目標はモンスターの激震掌の影響を受ける。モンスターの脅威度までの日数が経過するまでの任意の時点で、モンスターは目標に頑健セーヴ(難易度=モンスターの能力難易度-5)を行わせることができる。セーヴに失敗すると目標は死亡する。成功すれば、激震掌の効果は終了する。
激怒/Rage:モンスターはフリー・アクションで激怒に身を投じることができる。これは(バーバリアンのクラス特徴のように)自発的でも良いし、(Bestiary 2の294ページに掲載された血の狂乱モンスターの共通ルールのように)戦闘中にダメージを受けた後の自分のターンでもよい。激怒中、モンスターは脅威度の2倍に等しい追加の一時的ヒット・ポイントを獲得し、【筋力】基準の攻撃において追加で3ポイントのダメージを与える。さらにモンスターは意志セーヴに+2のボーナスを得るが、アーマー・クラスに-2のペナルティを受ける。激怒は戦闘が終了するか1分が経過するか、いずれかで終了する。
脅威度10:元の利益の代わりに、モンスターは脅威度の3倍に等しい一時的ヒット・ポイントを獲得し、【筋力】基準の攻撃において追加で4ポイントのダメージを与え、意志セーヴに+3のボーナスを得る。
脅威度19:元の利益の代わりに、モンスターは脅威度の4倍に等しい一時的ヒット・ポイントを獲得し、【筋力】基準の攻撃において追加で6ポイントのダメージを与え、意志セーヴに+4のボーナスを得る。
締めつけ/Constrict:このモンスターが組みつき戦技に成功するたび、“高い”武器ダメージを与える。
蹂躙/Trample:全ラウンド・アクションにより、モンスターは自動的に自分より小さなクリーチャーに蹴散らしを行うことができる。この方法で通過されたクリーチャーはそれぞれ、自動的に“高い”武器ダメージを与える(どのクリーチャーに対しても、1ラウンドに1回だけダメージを与える)。蹂躙されるクリーチャーは-4のペナルティを受けて機会攻撃を行うか、ダメージを半減させるために反応セーヴ(難易度=モンスターの能力難易度×2-10)を試みるかのいずれかを行うことができる。
出血攻撃/Bleed:モンスターの攻撃は1d6ポイントの出血ダメージを与える。出血ダメージは脅威度6の時点で1d8、脅威度11の時点で1d10、脅威度16の時点で2d6、脅威度21の時点で3d6に増加する。出血は難易度15の〈治療〉判定に成功するか、魔法的な治療により止まる。
着火/Burn:これは出血攻撃選択能力(上述)と同じダメージを与えるが、[火炎]ダメージを与え、目標は反応セーヴを試みなければならず、失敗すると火がつく。
ふっとばし攻撃/Awesome Blow:標準アクションとして、モンスターはふっ飛ばし攻撃戦技を試みることができる。成功すると、目標はモンスターの攻撃の1つが命中したかのようにダメージを受け、モンスターの選択した方向に10フィート吹き飛ばされた上、倒れて伏せ状態になる。目標はまっすぐ一直線に移動しなければならない。障害物に命中すると、目標と物体の両方は1d6ポイントのダメージを受ける。
防御砕き/Defense Breaker:このモンスターが目標に攻撃を命中させると、目標は次に自分に対して行われた攻撃に対して立ちすくみ状態になる。モンスターが全力攻撃を行う場合、この効果は全ての攻撃の後に適用され、命中した全ての目標に効果を及ぼす。
抹殺攻撃/Slaying Attack:1日1回、標準アクションとして、モンスターはクリーチャー1体を即座に殺すことのできる攻撃を1回行える。命中すると、攻撃は通常のダメージを与え、目標はセーヴに成功しなければ死亡する。セーヴの種別は頑健セーヴあるいは意志セーヴであり、モンスターがこの選択能力を修得したときに選択する。通常、この選択能力はモンスターの脅威度が19以上の場合のみ登場する。
朦朧化攻撃/Stun Attack:モンスターは1ラウンドに1回、攻撃の1つで朦朧化攻撃を行える。命中すると、目標は通常通りダメージを受け、頑健セーヴ(難易度=モンスターの能力難易度-5)を行う。失敗すると1ラウンドの間もうろう状態となる。アンデッド、植物、人造、粘体、非実体あるいはクリティカル・ヒットに完全耐性を持つクリーチャーはこの能力に完全耐性を持つ。モンスターはこの選択能力を1日に脅威度に等しい回数だけ使用できる。
高い【耐久力】を持つモンスターは、頑丈戦闘系選択能力により攻撃に対する抵抗力を増強する。
エネルギーに対する抵抗/Energy Resistance:モンスターはエネルギー種別2つに対する抵抗10を得る。モンスターの脅威度5毎にエネルギーに対する抵抗の値を5だけ増加させるか、種類を1つ増やすかを選択する。例えば、脅威度17のモンスターは3つのエネルギー種別に対する抵抗10を得るか、2つのエネルギー種別に対する抵抗15を得るかする。
完全耐性/Immunity:モンスターは君が選択したエネルギー種別1つ、有害な効果1つ、状態1つ、呪文1つのいずれかに対して完全耐性を得る。脅威度5毎に、追加で1つ完全耐性を得る。
強固/Stalwart:モンスターが通常であればセーヴに成功すれば弱められた効果を与える効果に対する頑健セーヴもしくは反応セーヴに成功したなら、モンスターはその効果を完全に無視する。脅威度8の時点で、モンスターはセーヴに失敗しても弱められた効果のみを受ける。
呪文抵抗/Spell Resistance:モンスターは脅威度+11に等しい呪文抵抗を得る。
ダメージ減少/Damage Reduction:モンスターはダメージ減少を得る。以下の表から、モンスターの脅威度帯とダメージ減少を無視するダメージ種別とを相互参照し、モンスターのダメージ減少の値を決定する。無視するためのダメージ種別が2つ以上あるダメージ減少を持つ場合、そのダメージ減少の値は-5される(0にまで減少するなら、その種別のダメージ減少はおそらくモンスターに対して強すぎる)。
素材 |
なし | ||||
---|---|---|---|---|---|
0~5 |
5 |
5 |
5 |
5 |
1 |
6~10 |
10 |
10 |
10 |
5 |
3 |
11~15 |
15 |
15 |
10 |
10 |
5 |
16~20 |
20 |
20 |
20 |
15 |
10 |
21以上 |
30 |
30 |
30 |
20 |
15 |
殴打、刺突、または斬撃武器。
ヒット・ポイント追加/Extra Hit Points:モンスターのヒット・ポイント総量を20%増加する。
不屈の闘志/Diehard:0未満にヒット・ポイントが減少しても、このモンスターは自動的に容態安定化し、意識を保つことができる。
防御追加/Extra Armor:モンスターのアーマー・クラスを2、立ちすくみアーマー・クラスを4増加させる。接触アーマー・クラスは6減少する。この変更は人工的な防具によるものなら、モンスターの移動速度を10減少させる。
高い【敏捷力】を持つモンスターは、その多くが機動力を高める俊敏戦闘系選択能力を持つ傾向がある。
位置入れ替え/Swap Places:モンスターは移動アクションとして、機会攻撃を誘発することなく隣接する仲間1体と位置を入れ替えることができる。
イニシアチブ強化/Improved Initiative:モンスターのイニシアチブ修正を4だけ増加する。
遠射/Far Shot:モンスターの全ての射程単位を2倍にし、射程単位による遠隔攻撃へのペナルティを半分に減少する。
回避円熟/Dodge Expert:モンスターのアーマー・クラスを2、接触アーマー・クラスを2増加する。立ちすくみアーマー・クラスを6減少させる。
火器熟知/Firearm Savvy:モンスターの火器による攻撃は、最初の射程単位の先に発射しても目標の接触アーマー・クラスに対して行われる。移動アクションとして、モンスターは不発のために起きた火器の破損状態を除去することができる。
騎乗の達人/Mounted Master:モンスターは騎乗時の突撃で2倍のダメージを与え、騎乗時の遠隔攻撃に受けるペナルティを半減し、乗騎のアーマー・クラスに+4のボーナスを与える。
機動攻撃/Mobile Attack:モンスターは全ラウンド・アクションにより、自分の移動速度まで移動し、その任意の地点で1回の攻撃(近接攻撃か遠隔攻撃のいずれか、このモンスターがこの選択能力を修得した時に選択)を行える。どの移動種別を用いた場合でも、モンスターはこの能力を使用できる。
強行突破/Mobility:モンスターは機会攻撃に対するアーマー・クラスに+4のボーナスを得る。
高速装填/Fast Reload:モンスターは通常なら装填に移動アクションもしくは標準アクションが必要な遠隔武器をフリー・アクションで装填できる。遠隔武器を装填する際、機会攻撃を誘発しない。
射撃そらし/Deflect Projectiles:立ちすくみ状態でない場合、モンスターは1ラウンドに1回遠隔攻撃をそらし、無効化することができる。
正確性/Accuracy:モンスターの攻撃ボーナスを2だけ増加する。
精密射撃/Precise Shot:遠隔攻撃を行う際、モンスターは目標が近接戦闘を行っていることによる-4のペナルティを無視する。加えて、遮蔽や視認困難による目標のアーマー・クラスへのボーナスも無視する(ただし完全視認困難と完全遮蔽は除く)。
大旋風/Whirlwind Attack:モンスターは全力攻撃により、最も高い攻撃ボーナスを用いて、間合い内にいるクリーチャーそれぞれに1回ずつ攻撃を行うことができる。
直感回避/Uncanny Dodge:モンスターは立ちすくみ状態にならない。
追加攻撃/Extra Attack:モンスターは最も高い攻撃ボーナスを用いて、近接攻撃もしくは遠隔攻撃を追加で1回得る。しかしその種別のすべての攻撃における攻撃ボーナスが2だけ減少する。二刀流を使用するモンスターはこの選択能力を使用すること。
身かわし/Evasion:通常ならセーヴに成功しても半分のダメージを受ける効果に対して、モンスターが反応セーヴィング・スローに成功したなら、モンスターは一切ダメージを受けない。脅威度8の時点で、モンスターはセーヴに失敗しても半分しかダメージを受けなくなる。
迎え討ち/Combat Reflexes:モンスターはラウンドごとに機会攻撃を5回まで行える。また、立ちすくみ状態であっても機会攻撃を行える。
そのテーマ上、高い精神的能力修正値を持つモンスターが狡猾戦闘系選択能力を持つのに最も適している。
位置ずらし攻撃/Repositioning Attack:自分とサイズが同じかそれより小さいクリーチャーに特定の攻撃1種類による攻撃が命中したなら、モンスターはただちにそのクリーチャーを突き押しあるいは引き寄せするために位置ずらし戦技判定を試みることができる。この判定に対する戦技防御値は4だけ増加する。モンスターが突き押しあるいは引き寄せする距離は特定の状況のもとで増加しうる。例えば、モンスターが特別な附属機関を備えている場合だ。
急所攻撃/Sneak Attack:挟撃しているかアーマー・クラスに【敏捷力】を加えら荒れない的に攻撃する際、このモンスターは追加で1d6ポイントのダメージを与える。このダメージはモンスターの脅威度2毎に1d6ずつ増加する。モンスターの攻撃による基本ダメージを、急所攻撃のダメージ1d6毎に2ポイント減少させること。
挟撃不可/Unflankable:モンスターは挟撃されない。
高速フェイント/Fast-Feint:モンスターは移動アクションとして、フェイントのための〈はったり〉判定を行える。
常時不可視/Constant Invisibility:生来の外見か外的な効果(クローク・オヴ・インヴィジビリティ[訳注:該当装備なし]など)により、このモンスターは常に不可視状態だ。この能力を脅威度10以下で使用する場合、戦闘向けでないモンスターにすること。
戦技強化/Improved Combat Maneuver:戦技を1つ選ぶ。モンスターはその戦技を使用する際に機会攻撃を誘発せず、その戦技における戦技ボーナスが4だけ増加し、その戦技に対する戦技防御値が4だけ増加する。君はモンスターの攻撃種別を1つ選択してもよい。その場合、モンスターがその種別の攻撃を命中させるたび、この選択能力で選択した種類の戦技を自動的に試みることができる。
挑戦/Challenge:1日1回、即行アクションとして、モンスターは視界内にいる目標1体に挑戦することができる。モンスターはそのクリーチャーに対する近接ダメージ・ロールに脅威度に等しいボーナス(最低1)を得るが、目標以外のクリーチャーに対するアーマー・クラスに-2のペナルティを受ける。目標が死亡するか、意識不明状態になるか、戦闘が終了するかするまで、挑戦の効果は持続する。モンスターがこの能力を使用する回数は、脅威度5の時点で1日3回となり、脅威度14の時点で回数無制限となる。
闘争の接触/Combatant's Touch:標準アクションとして、モンスターはクリーチャー1体に接触し、そのクリーチャーが行う近接攻撃ロールに1+モンスターの脅威度の半分に等しいボーナスを与えることができる。加えて、肉体的能力値修正を1つ選択すること。このボーナスは指定した納涼口修正を用いる戦技判定、技能判定、能力値判定にも適用される。
毒/Poison:モンスターは攻撃とともに毒を使用する。それは肉体武器1つを通して行うかもしれないし、特定の人工的な武器1つに毒を塗布するのかもしれない。選択した武器による攻撃が成功したなら、目標は毒に抵抗するために頑健セーヴを行わなければならない。基本の毒は致傷毒で、潜伏期間―1分、頻度―1/分(6分)、効果―任意の能力値1つ(モンスターがこの選択能力を獲得した際に選択する)に1d2ポイントのダメージ、治療―1回セーヴ、である。以下の以下の追加の効果を2つ選択すること。この効果はモンスターの脅威度3毎に1つ増加する。潜伏期間を―に減少、頻度を1/ラウンド(6ラウンド)に変更、能力値ダメージを1d3ポイントのダメージに変更(複数回選択できる。2回目は1d4、3回目は1d6、4回目は1d8に増加)、別の能力値1つにも追加でダメージを与える(元の能力値ダメージ効果と同じダメージ・ダイスを用いる)、治療を2回連続セーヴに強化。
得意な敵/Favored Enemy:クリーチャー種別1つを選択すること(人型生物あるいは来訪者の場合は副種別1つ)。モンスターはその種別のクリーチャーに対する攻撃ロールとダメージ・ロールに+2のボーナスを得る。このボーナスと選択できるクリーチャー種別の数はモンスターの脅威度に従い増加する。脅威度4の時点で+4と種別2つ、脅威度9の時点で+6と種別3つ、脅威度14の時点で+8と種別4つ、脅威度19の時点で+10と種別5つ。
能力値ダメージ/Ability Damage:このモンスターによる攻撃は能力値1つに1d2ポイントのダメージを与える。これはすべてのモンスターの攻撃に適用させることも、武器のみに適用させることも、近接接触攻撃として機能させることもできる。このダメージは脅威度5の時点で1d4、脅威度10の時点で1d6、脅威度15の時点で1d8、脅威度20の時点で2d6に増加する。あるいは、能力値2つにダメージを与えることもできるが、モンスターの脅威度が5低いかのようにダメージを決定すること。攻撃は(能力値ダメージではなく)能力値吸収を与えることもできるが、モンスターの脅威度が5低いかのようにダメージを決定すること。
爆弾/Bombs:標準アクションとして、モンスターは爆弾を1つ作成し、間合い20フィートの武器として投擲できる。飛散武器特殊攻撃を用いること。直接命中すると、爆弾はダメージ・ダイスに3d6wp用いた、モンスターの“低い”武器ダメージに等しい[火炎]ダメージを与える。飛散ダメージは6+モンスターの脅威度の半分である。
魔導士殺し/Mage Killer:このモンスターの機会攻撃範囲で防御的発動を行うための難易度は4だけ増加する。防御的発動の試みに失敗した術者は、このモンスターから器械攻撃を誘発する。
魔導士潰し/Mage Punisher:モンスターの間合い内で防御的発動に成功した敵は、呪文の処理が完了した後でモンスターから機会攻撃を誘発する。
無視界戦闘/Blind-Fight:モンスターは視認困難による失敗確率を2回ロールし、高い出目を使用する。
連携戦術/Team Fighter:モンスターは、(自分以外の)モンスターの仲間1人が機会攻撃範囲に収めた目標に対する攻撃ロールとダメージ・ロールに+2のボーナスを得る。このボーナスはモンスターの脅威度4毎に1ずつ増加する。
罠仕掛け/Trap-Squares:標準アクションにより、モンスターは隣接するマス1つに罠を仕掛けることができる。罠を仕掛けたマスに入った全てのクリーチャーは、1d6+モンスターの脅威度の半分に等しいダメージを受ける。ダメージ種別は罠を設置する際にモンスターが選択する。罠は更かし状態で、モンスターの脅威度に等しいラウンド数だけ持続する。難易度25の〈知覚〉判定に成功すれば罠を発見でき、難易度25の〈装置無力化〉判定に成功すれば解除できる。モンスターは1日に罠を3つまで作成できる。脅威度10の時点で、1日に罠を5つまで作成できるようになる。この能力は機械式の罠あるいは魔法の罠に使用できる。機械式の罠では、殴打、斬撃、刺突ダメージから選択すること。魔法の罠では、[強酸]、[雷撃]、[火炎]、[氷雪]ダメージから選択すること。
これらの選択能力は誰より術者に有益だが、魔法に祝福された戦闘員や専門家が修得することもできる。
これらの選択能力は、戦闘に部下のクリーチャーを運ぶための能力を高める。
アンデッド支配/Undead Mastery:標準アクションとして、モンスターは50フィート以内にいるアンデッド・クリーチャー1体を選択できる。選択されたクリーチャーは意志セーヴを行い、失敗するとモンスターの支配下に置かれる。知性のないアンデッドの場合、この支配は永続的なものだ。【知力】を持つアンデッド・クリーチャーの場合、毎日自由になるための意志セーヴを試みることができる。セーヴィング・スローに成功したクリーチャーは、以降24時間の間、同じモンスターのアンデッド支配の効果を受けない。
モンスターは合計脅威度が自分の脅威度に等しくなるまで、任意の数のアンデッド・モンスターを支配できる。この上限を超えると、最も長く支配されていたものから最近に支配されたものの順で、超過したアンデッドが支配から解き放たれる。
強力招来/Powerful Summons:モンスターの召喚術(招来)呪文の持続時間が、モンスターの脅威度に等しいラウンド数だけ伸びる。このような呪文から招来されたクリーチャーは、モンスターの脅威度の半分に等しい一時的ヒット・ポイントと、ダメージ・ロールに+2のボーナスを得る。
幻影の乗騎/Phantom Mount:1時間に1回、モンスターはファントム・スティードに似た馬を1頭招来できる。この乗騎は一般的なファントム・スティードよりもしっかりした実体を持ち、追加で1体乗り手を運ぶことができる。乗騎の力は術者レベルではなく、モンスターの合計脅威度に基づいて決定される。
夜の子供たち/Children of the Night:1日1回、標準アクションとして、モンスターはラット・スウォーム1d6+1体、バット・スウォーム1d4+1体、ウルフ2d6体のいずれかを呼ぶことができる(そのモンスターが陸生でない場合、類似の能力で他のクリーチャーを招来するかもしれない)。これらのクリーチャーは2d6ラウンドかけて到着し、モンスターに1時間仕える。
これらの魔法系選択能力は呪文でダメージを与える攻撃的なモンスターに最適なものだ。
アンデッド退散/Turn Undead:標準アクションとして、このモンスターは自分から30フィート以内にいる全てのアンデッド・クリーチャーに意志セーヴ(難易度=モンスターの能力難易度-5)を行わせることができる。セーヴィング・スローに失敗すると、目標は恐慌状態であるかのように、モンスターから逃げ出す。知性のあるアンデッドは、この効果を終わらせるために毎ラウンド新たなセーヴィング・スローを行える。
生贄のオーラ/Sacrilegious Aura:モンスターは強烈な邪悪かつ負のエネルギーのオーラを半径30フィートに放つ。このオーラは祭壇に発動されたディセクレイトのように機能する。加えて、オーラの中で性のエネルギーを使用しようとしたクリーチャーは精神集中判定を行わねばならず、失敗すると効果は発揮しない。
一撃/Smite:悪、混沌、善、秩序から1つを選択すること。1日1回、攻撃1つについて、モンスターは選択した属性のクリーチャーに対し、脅威度に等しいダメージを追加で与えることができる。モンスターの脅威度3毎に、1日の使用回数が1回ずつ増える。
エネルギー注入/Energy Infusion:[音波]、[強酸]、[雷撃]、[火炎]、[力場]、[氷雪]から1つを選択すること。モンスターがエネルギー種別のダメージを与える呪文、擬似呪文能力、超常能力を使用するたびに、その能力で与えるダメージを、選択したエネルギー種別に変更できる。
エネルギー爆発/Energy Explosion:[音波]、[強酸]、[雷撃]、[火炎]、[力場]、[氷雪]から1つを選択すること。1日1回、標準アクションとして、モンスターは60フィート以内の半径20フィートの範囲に、エネルギーの爆発を作り出すことができる。爆発の範囲内にいる全てのクリーチャーは、1d6+モンスターの脅威度に等しい、選択した種別のダメージを受ける。反応セーヴに成功すると、ダメージを半減できる。
邪眼/Evil Eye:標準アクションとして、モンスターは30フィート内にいて見ることができるクリーチャー1体を選択する。その目標は1分の間、能力値判定、攻撃ロール、セーヴィング・スロー、技能判定、アーマー・クラスのいずれか1つに-2のペナルティを受ける。目標が意志セーヴに成功すれば、この効果は1ラウンドだけ持続するようになる。
呪文戦闘/Spell Combat:モンスターの攻撃は“低い”攻撃値を用いるが、全力攻撃を行う際、発動時間が1標準アクションでモンスターが知っている呪文1つを同時に発動できる。
呪文撃/Spellstrike:モンスターが射程が接触の呪文を発動する際、近接攻撃の一部としてその呪文を伝達できる。モンスターは呪文による接触攻撃の代わりに近接攻撃を行う。命中すると、その攻撃は通常のダメージに加え、呪文の効果も及ぼす。
状態異常の付与(軽度)/Bestow Minor Condition:標準アクションとして、モンスターは間合い内にいるクリーチャー1体に近接接触攻撃を行う。命中すると、目標はモンスターがこの選択能力を修得した際に選択した状態1つ(怯え状態、聴覚喪失状態、疲労状態、不調状態、目が眩んだ状態のいずれか)を受ける。毎ラウンド、目標はこの状態を終了させるために意志セーヴ(難易度=モンスターの能力難易度-5)を試みることができる。
状態異常の付与(重度)/Bestow Major Condition:標準アクションとして、モンスターは間合い内にいるクリーチャー1体に近接接触攻撃を行う。命中すると、目標はモンスターがこの選択能力を修得した際に選択した状態1つ(幻惑状態、麻痺状態、朦朧状態のいずれか)を受ける。毎ラウンド、目標はこの状態を終了させるために意志セーヴ(難易度=モンスターの能力難易度-5)を試みることができる。
状態異常の付与(中度)/Bestow Moderate Condition:標準アクションとして、モンスターは間合い内にいるクリーチャー1体に近接接触攻撃を行う。命中すると、目標はモンスターがこの選択能力を修得した際に選択した状態1つ(恐れ状態、過労状態、吐き気がする状態、盲目状態のいずれか)を受ける。毎ラウンド、目標はこの状態を終了させるために意志セーヴ(難易度=モンスターの能力難易度-5)を試みることができる。
ダメージ減少無視/Bypass ダメージ減少:モンスターの攻撃はダメージ減少を考慮する際、魔法、特定の属性1つ、特定の材質1つであるかのように扱われる。モンスターがこの選択能力を修得するたび、以下から2つを選択する。悪、アダマンティン、銀、混沌、善、秩序、冷たい鉄、魔法。
抵抗破り/Spell Penetration:モンスターはクリーチャーの呪文抵抗を克服するための術者レベル判定に+2のボーナスを得る。脅威度11の時点で、このボーナスは+4に増加する。
破壊の放出/Channel Destruction:[強酸]、[雷撃]、[火炎]、[氷雪]からエネルギー種別を1つ選択する。モンスターの武器攻撃は追加でモンスターの脅威度4毎に1d6ポイントの、選択したエネルギー種別のダメージを与える。
不運/Misfortune:標準アクションとして、モンスターは30フィート以内にいるクリーチャー1体を目標にする。次のモンスターのターンの終了までに、目標が次に試みる判定1つ(能力値判定、攻撃判定、セーヴィング・スロー、技能判定のいずれか)において、目標は2回ロールして低い出目を選択しなければならない。
魔法攻撃/Magic Attack:標準アクションとして、モンスターは30フィート以内にいるクリーチャー1体に対して遠隔接触攻撃を行う。命中すると、この攻撃はモンスターの“高い”武器ダメージを与える。ダメージ種別は以下から1つ(この選択能力を得る際に)選択する。殴打、[音波]、斬撃、刺突、[雷撃]、[火炎]、[力場]、[氷雪]。[力場]ダメージを与える際、“高い”ダメージではなく“低い”ダメージを用いること。
魔法ダメージ増強/Potent Magic Damage:呪文の副種別あるいは補足説明([火炎]や(惑乱)など)を1つ選択する。選択した種別のモンスターの呪文と擬似呪文能力は、ダメージ・ダイス1つ毎に追加で1ポイントのダメージを与える。
これらの魔法的な利益はモンスター自身やその仲間の能力を守ったり、回復したり、増強したりする。
癒しの接触/Healing Touch:標準アクション(自分を目標とする場合は即行アクション)として、モンスターは自分あるいは間合い内にいる生きているクリーチャー1体に接触する。目標はモンスターの脅威度2毎に1d6(最低1d6)のヒット・ポイントを回復する。加えて、モンスターの選択した状態1つを取り除く。目標がアンデッド・クリーチャーの場合、モンスターは近接接触攻撃を行わなければならない。命中すると、目標は回復する代わりにダメージを受ける。モンスターはこの選択能力を1日に5回使用できる。
打ち消しの調べ/Countersong:モンスターは〈芸能〉技能判定を試みることができる。モンスターから30フィート以内にいる仲間はそれぞれ、この判定の結果を以下の効果に対するセーヴィング・スローの自分の結果と置き換えることができる。[音波]、[言語依存]、幻術(虚像)、幻術(紋様)。
エネルギー放出/Channel Energy:標準アクションとして、モンスターは半径30フィートの全ての生きているクリーチャーか、全てのアンデッド・クリーチャーかに効果を及ぼすエネルギーの爆発を解き放つ。爆発は1d6ポイントのダメージを与える(負のエネルギー)か、1d6ポイントのダメージを回復する(正のエネルギー)。この効果からダメージを受けるクリーチャーは意志セーヴ(難易度=モンスターの能力難易度-5)を行い、成功すればダメージを半減できる。モンスターはこの能力を1日に5回使用できる。ダメージ量もしくは回復量は、脅威度2毎に1d6増加する。
激励の接触/Bolstering Touch:標準アクションとして、モンスターはクリーチャー1体に接触し、そのクリーチャーの攻撃ロール、技能判定、能力値判定、セーヴィング・スローに1+モンスターの脅威度の半分に等しいボーナスを与えることができる。この効果は1ラウンドの間持続する。
幸運/Fortune:標準アクションとして、モンスターは自分から30フィート以内にいるクリーチャー1体に幸運を授ける。次のモンスターのターンの終了までに、目標が次に行う判定1つ(能力値判定、攻撃ロール、セーヴィング・スロー、技能判定のいずれか)において、目標は再ロールすることができる。ただし、2回目の出目を使用しなければならない。
防衛陣/Protective Ward:標準アクションとして、モンスターは自分から半径10フィートに広がる防御魔法の場を放つ。モンスターと範囲内にいる仲間全ては、モンスターの次のターンの終了までアーマー・クラスに+2のボーナスを得る。
状態異常の除去(軽度)/Remove Minor Condition:標準アクションとして、モンスターはクリーチャー1体に接触し、怯え状態、聴覚喪失状態、疲労状態、不調状態、目が眩んだ状態のいずれか1つを取り除くことができる。自分にこの能力を使用する場合、即行アクションで使用できる。
状態異常の除去(重度)/Remove Major Condition:標準アクションとして、モンスターはクリーチャー1体に接触し、麻痺状態、盲目状態、朦朧状態のいずれか1つを取り除くことができる。自分にこの能力を使用する場合、即行アクションで使用できる。
状態異常の除去(中度)/Remove Moderate Condition:標準アクションとして、モンスターはクリーチャー1体に接触し、恐れ状態、過労状態、幻惑状態、吐き気がする状態のいずれか1つを取り除くことができる。自分にこの能力を使用する場合、即行アクションで使用できる。
戦闘発動/Combat Casting:モンスターは精神集中判定に+6のボーナスを得る。
治癒増強/Potent Healing:モンスターが呪文、擬似呪文能力、超常能力でヒット・ポイントへのダメージを回復する際、追加でモンスターの脅威度に等しいヒット・ポイントを追加で回復する。これは正のエネルギーでアンデッドにダメージを与える際には適用されないが、アンデッドを回復するために負のエネルギーを使用する際には適用される。
ヒット・ポイント転移/Transfer Hit Points:割り込みアクションとして、モンスターはヒット・ポイントを自分から仲間1体に、あるいは仲間1体から自分に移すことができる(この選択能力を習得した際、いずれかを選択すること)。この方法で転送できるヒット・ポイントは脅威度+5に等しい。
これらの能力のほとんどは呪文発動能力をより多く与えたり、魔力に対するモンスターの深い理解や優れた制御能力を反映する。
回数無制限の魔法/At-Will Magic:ダメージを回復しない0レベルあるいは1レベルの呪文を1つ選択する。モンスターはこの呪文を回数無制限で発動できる。
次元またぎ/Dimensional Steps:標準アクションとして、モンスターは目に見える150フィート以内の誰にも湿られていない空間に自分を瞬間移動する。
呪文修正/Metamagic Spell:呪文修正特技1つと、モンスターが習得している呪文1つを選択する。1日1回、その呪文は選択した呪文修正特技の利益を得る。
突然変異/Mutagen:以下の利益から1つを選択する。
モンスターのアーマー・クラス、反応セーヴ・ボーナス、遠隔攻撃ボーナス、【敏捷力】修正値のそれぞれが2だけ増加する。【判断力】修正値が2だけ減少する。
モンスターの近接攻撃ボーナス、近接ダメージ・ロール、【筋力】修正値のそれぞれが2だけ増加する。【知力】修正値が2だけ減少する。
モンスターの頑健セーヴ・ボーナスと【耐久力】修正値のそれぞれが2だけ増加し、ヒット・ポイントの合計が脅威度の2倍だけ増加する。【魅力】修正値が2だけ減少する。
任意発動/Spontaneous Casting:モンスターは特定の種別1つの同じレベルの呪文を、通常の呪文と置き換えて任意発動できる。インフリクト呪文、キュア呪文、サモン・ネイチャーズ・アライI呪文、あるいは同様にレベルごとに1つの呪文を持つ呪文種別を1つ選択する。この方法で任意発動する行為は、1日の呪文の使用回数に数えられる。この選択能力を獲得するには、モンスターは術者の配役でなければならない。
非実体形態/Incorporeal Form:1日1回、モンスターは1分間、非実体選択能力(233ページを参照)を得る。
非常用呪文/Contingent Spell:モンスターの脅威度帯かそれより低い呪文1つを選択する(218ページ参照)。この呪文はモンスターが君の指定する特定の状況(「敵がモンスターを攻撃したとき」とか「モンスターが心術呪文の目標になったら」など)に陥ったら効果を発揮する。この能力は1日に1回だけ起動する。選択した呪文は、モンスターが術者の配役から得られる呪文や、副次魔法選択能力(239ページを参照)から得られる呪文とは別に得られる。
魔法の才/Magical-Aptitude:〈呪文学〉あるいは〈魔法装置使用〉判定を行う際、モンスターは2回ロールして高い出目を使用する。
専門家の配役を持つモンスターは社交系選択能力を誰よりうまく使うが、魅力的な軽戦士(戦闘員)や他人を奮い立たせる神官(術者)もこれらから利益を得られる。
これらの能力は敵を打ちのめすか仲間を強化するかするために精神状態を操る。これらの多くは他の社交系選択能力よりも戦闘向きである。
英雄鼓舞/Inspire Heroics:標準アクションとして、モンスターと30フィート以内にいる同意する仲間1体は、セーヴィング・スローに+4の士気ボーナスと、アーマー・クラスに+4の回避ボーナスを得る。この効果はモンスターが死亡するか、意識不明状態になるか、麻痺状態になるか、その他ラウンド中にフリー・アクションで思考を行えない状態になると終了する。
英雄的回復/Heroic Recovery:1日1回、モンスターは自分と60フィート以内にいるすべての仲間に、それらに効果を及ぼしている効果1つに対して再度セーヴィング・スローを行わせることができる。
恐れ/Dread:標準アクションとして、モンスターは30フィート以内にいるモンスターが選択したクリーチャーそれぞれを1分間怯え状態にすることができる。この選択能力は既に怯え状態のクリーチャーを恐れ状態にしたり、既に恐れ状態のクリーチャーを恐慌状態にすることはできない。
恐怖想起/Inspire Fear:標準アクションとして、モンスターは30フィート以内にいる、モンスターの声が聞こえる敵クリーチャーそれぞれに意志セーヴィング・スローを行わせる。失敗すると、目標は恐れ状態となり、モンスターのいる場所から逃げなければならない。この効果は1分が経過するか、モンスターの声が聞こえなくなるまで持続する。成功すると、目標は24時間の間この効果に完全耐性を得る。
恍惚/Fascinate:標準アクションとして、モンスターは90フィート以内にいてモンスターの姿を見、声を聞き、モンスターに注意を向けているクリーチャーを好きな数選び、意志セーヴ(難易度=モンスターの能力難易度-5)を行わせることができる。失敗すると、目標は恍惚状態になる。この効果は1分が経過するか、誰かが武器を抜いたり呪文を発動したりといった敵対的な動きをするまで持続する。成功すると、目標は24時間の間この効果に完全耐性を得る。
士気をくじく/Demoralize-Foes:全ラウンド・アクションとして、モンスターは〈威圧〉判定を行い、30フィート以内にいる敵全ての士気をくじくことができる。モンスターがクリーチャーのヒット・ポイントを0以下にすると、モンスターはこの能力をフリー・アクションで使用できる。
自信鼓舞/Inspire Competence:標準アクションとして、モンスターは30フィート以内にいてモンスターの声を聴くことのできる仲間1体が行う特定の技能を用いた技能判定に+5の技量ボーナスを得る。この効果はモンスターが死亡するか、意識不明状態になるか、麻痺状態になるか、その他ラウンド中にフリー・アクションで思考を行えない状態になると終了する。
弱化及ぼす存在/Weakening Presence:モンスターは半径30フィートに広がるオーラを放つ。オーラ内にいる敵クリーチャー全ては、能力値判定、攻撃ロール、ダメージ・ロール、技能判定に-2のペナルティを受ける。目標はオーラにいるターンの開始時に意志セーヴ(難易度=モンスターの能力難易度-5)を行うことができる。成功すれば、目標は24時間の間このオーラに対する完全耐性を得る。
抵抗のオーラ/Aura of Resistance:補足説明([恐怖]や(魅惑)など)を2つ選択する。モンスターの10フィート以内にいる仲間は、それらの補足説明を持つ効果に対するセーヴィング・スローに+4の士気ボーナスを得る。
奮闘促す存在/Bolstering Presence:標準アクションとして、モンスターは半径30フィートに広がり1分間持続するオーラを放つ。オーラの中にいる仲間クリーチャーは、能力値判定、攻撃ロール、ダメージ・ロール、技能判定に+2のボーナスを得る。
勇気鼓舞/Inspire Courage:標準アクションとして、モンスターは攻撃ロールと武器のダメージ・ロールに+1の技量ボーナスと、(魅惑)あるいは[恐怖]効果に対するセーヴィング・スローに+1の士気ボーナスを得る。このボーナスは脅威度4の時点で+2、脅威度10の時点で+3、脅威度16の時点で+4に増加する。脅威度6の時点で、モンスターはこの効果をフリー・アクションで開始できる。この効果はモンスターが死亡するか、意識不明状態になるか、麻痺状態になるか、その他ラウンド中にフリー・アクションで思考を行えない状態になると終了する。
これらの選択能力は戦闘以外のやり取りに力点を置く。これらのほとんどは非戦闘的な危機に現れる敵対者を作る際や、有益な能力を持つNPCの仲間をすぐに作成する際にうまく機能する。
嘘つき/Liar:〈隠密〉、〈はったり〉、〈変装〉技能判定を試みる際、モンスターは2回ロールして高い出目を使用する。術者レベル判定(難易度=15+モンスターの脅威度)に成功しない限り、モンスターの嘘は魔法によって識別されない。
鋭敏感覚/Alertness:〈真意看破〉あるいは〈知覚〉技能判定を試みる際、モンスターは2回ロールして高い出目を使用する。
音真似/Sound-Mimicry:モンスターは音と、可能ならば声も完全に真似られる。モンスターは“達人”技能として〈はったり〉技能を獲得し、適切な音を真似るために〈はったり〉判定を使用できる(目標は〈真意看破〉判定で対抗する)。目標が模倣した音やクリーチャーの種別に詳しくない場合、目標は-8のペナルティを受ける。
言語学者/Linguist:モンスターはすべての言語を会話し、読み書きし、理解できる。
商業熟知/Mercantile-Savvy:〈鑑定〉技能判定を試みる際、モンスターは2回ロールして高い出目を使用する。加えて、モンスターはディテクト・マジックを発動することなく魔法のアイテムの識別を試みることができる。このとき、〈呪文学〉ではなく〈鑑定〉を使用する。失敗すると、モンスターは同じアイテムを再度識別しようと試みられない。
心術破り/Slippery Mind:モンスターが心術呪文あるいは心術効果の効果を受けセーヴィング・スローに失敗したなら、1ラウンド後にもう一度セーヴィング・スローを行うことができる。
説得力/Persuasive:【魅力】を基準とする技能判定を試みる際、モンスターは2回ロールして高い出目を使用する。
テレパシー/Telepathy:モンスターは100フィート以内にいて言語を持つクリーチャーであれば誰であれ精神的に意思疎通を行える。
動物話者/Animal-Talker:モンスターは動物と会話でき、“達人”技能に〈動物使い〉を追加で得る。
物知り/Knowledgeable:〈知識〉技能判定を試みる際、モンスターは2回ロールして高い出目を使用する。
共通選択能力は配役や補正から得られるどの選択能力であっても、その種別にかかわらず代わりに獲得できるものだ。これらの能力は複数の配役や役割に適している。
運動能力/Athletic:〈軽業〉、〈水泳〉、〈登攀〉技能判定を試みる際、モンスターは2回ロールして高い出目を使用する。
鋭敏飛行/Flying-Acumen:このモンスターは《ホバリング》(Bestiaryの315ページに掲載されたモンスター特技)を得、“達人”技能に〈飛行〉を追加で得る。
セーヴ増幅/Save Boost:モンスターの全てのセーヴィング・スローのボーナスを1だけ増加するか、セーヴィング・スロー1つのボーナスを3だけ増加する。
地形渡り/Terrain Stride:地形1つ(下生え、氷、瓦礫など)を選択する。モンスターはその種別の魔法的でない地形を、移動を妨げられたりダメージを受けることなく通過できる。
同胞招来/Summon Allies:モンスターは全ラウンド・アクションとして、自分と同じクリーチャー種別のモンスターを将来できる。自分と同じクリーチャー(35%の確率で成功する)か、モンスターの脅威度より脅威度が-5されたクリーチャー(60%の確率で成功する)かのいずれかを選択する。招来された仲間は、1時間が経過すると元の次元界に帰る。
副次魔法/Secondary Magic:このモンスターは本来は術者ではないが、呪文あるいは擬似呪文能力をいくつか持つ。呪文リストを1つ選択すること。モンスターはその呪文リストで自分の脅威度帯における主要呪文のいずれか1つを、1日に1回使用できる。この能力は、術者がモンスター種別に合うように追加で擬似呪文能力を持つ場合に使用することもできる。
ポーション/Potions:モンスターは1d8+1のヒット・ポイントを回復するポーション・オヴ・キュア・ライト・ウーンズを2つ持っている。脅威度5の時点で、ポーションは2d8+3のヒット・ポイントを回復するポーション・オヴ・キュア・モデレット・ウーンズになる。脅威度5の時点で、ポーションは3d8+5のヒット・ポイントを回復するポーション・オヴ・キュア・シリアス・ウーンズになる。
魔法の武器/Magic Weapon:モンスターは魔法の武器を持っている。その武器で攻撃する際に適用する利益を以下から1つ選択すること。
ヴィシャス/Vicious:モンスターの攻撃が命中すると+2d6ポイントのダメージ、同時にモンスターに1d6ポイントのダメージ(近接攻撃のみ)。
エナジー/Energy:+1d6ポイントのエネルギー種別(1つを選択)のダメージ。
キーン/Keen:クリティカル可能域を2倍にする。
シーキング/Seeking:失敗確率を無視する(遠隔武器のみ)。
ベイン/Bane:特定の種別1つのクリーチャーに対して+2d6ポイントのダメージ。
リターニング/Returning:投擲すると武器は戻ってくる(投擲武器のみ)。
アラインド/Aligned:特定の属性1つ(悪、混沌、善、秩序から選択)のクリーチャーに対して+2d6ポイントのダメージ。
エナジー・バースト/Energy Burst:+1d6ポイントのエネルギー種別1つ(1つを選択)のダメージ、加えてクリティカル・ヒットの際には追加で1d6ポイントのダメージ。
スピードやウーンディング武器を模倣する場合、追加攻撃や出血攻撃を使用し、武器で攻撃した場合にのみ適用すること。
本項に掲載された選択能力には、モンスターの共通ルールを用いるモンスターに与えられるものもある。それらは対応するBestiaryの項目を参照したものがほとんどだが、ときにその能力を単純化したものであることもある。モンスターの共通ルールがこのルールを通して与えられる際、Bestiaryのルールの項目に記載された式で難易度を算出するのではなく、モンスターの配役にある能力難易度を用いること。
特定のモンスターの共通ルールをモンスターに与えたい場合、以下の記述を確認すること。プレイヤー種族に適切でないほとんどのモンスターの共通ルールは、怪異戦闘系選択能力の項に記載されている。
以下のモンスターの共通ルールはこのルールの選択能力として再設計された。それらを単純化したり、元のモンスターの共通ルールで数値が決まってなかったものを定めたりしている。
該当するルールは以下の通り。悪臭、畏怖すべき存在、岩投げ、エネルギー放出に対する抵抗、音真似、かきむしり、完全耐性、吸血、強力突撃、高速治癒、再生、締めつけ、蹂躙、出血攻撃、呪文抵抗、生命力吸収、ダメージ減少、包み込み、テレパシー、毒、肉体攻撃、非実体、引っかき、病気、ブレス攻撃、有毒な血、わずらわす。
他の戦闘型選択能力に極めて酷似しているが、すぐに見て理解しやすくするため異なる名前を用いたモンスターの共通ルールもある。以下にそれらを示す。括弧内は代わりに使用されるモンスターの選択能力である。岩つかみ(岩投げ)、エネルギーに対する抵抗(エネルギーに対する抵抗、訳注:ResitanceとEnergy Resistanceの差分、日本語では共に同じ訳語を用いた)、擬似呪文能力(術者もしくは副次魔法共通選択能力)、[恐怖]([恐怖]のオーラ/恐怖攻撃)、強力打撃(強打)、招来(同胞招来)、生来の不可視(常時不可視)、全周囲視覚(挟撃不可)、血の狂乱(激怒)、つかみ(戦技強化)、突き押し(位置ずらし攻撃)、能力値吸収(能力値ダメージ)、引き寄せ(位置ずらし攻撃)。
このサイドバーで特に言及されていないモンスターの共通ルールのほとんどは記載通りに用いられる。モンスターの戦闘能力の主要な効果を持つのでない限り、モンスターが獲得できる選択能力の推奨数としてそれらを数えない。例えば感覚は本項にまとめられていないため、モンスターの選択能力として数えられない。弱点(脆弱性や光による盲目化など)もまたこの分類に該当し、修正なく使用されることになる。
これ以外で、変更なく使用されるがモンスターの選択能力として数えられるべきモンスターの共通ルールは以下の通り。急所防御、凝視攻撃、凶暴性、蜘蛛の糸(糸のヒット・ポイントを決定する際、モンスターのヒット・ダイスではなく脅威度を用いる)、食らいつき、高速飲み込み、竜巻変化、着火、転覆、飛びかかり、変身、ライカンスロピーの呪い。