恐ろしいものが闇に潜み、恐怖が悪夢から忍び寄り生ける者を大災厄に巻き込むゲームでは、恐怖のルールはプレイの重要な部分である。適切な雰囲気をテーブル内に導入するために、以下のルールは恐怖の段階を広げ、恐怖がキャラクターとストーリーに大きな影響を与えることを可能にする。
恐怖に対する既存のルールは3段階の恐怖を提供し、それぞれが状態異常によって表される:怯え状態、恐れ状態、恐慌状態。次のシステムは恐怖の様々な状態を7段階に拡張し2つのグループに分ける(軽度の恐怖と、重度の恐怖)。軽度の恐怖の3段階――不安状態、怯え状態、動揺状態――はペナルティを与えるが、究極的には制御できる。重度の恐怖の4段階――恐れ状態、恐慌状態、狂乱状態、震駭状態――は徐々にキャラクターの制御権を失っていく。
現在の恐怖段階を超える[恐怖]効果の対象となると、恐怖はその段階まで増加する。段階が現在の恐怖段階以下の[恐怖]効果の対象となった場合、君の恐怖段階は通常1ずつ増加する。ただし、複数の軽度の[恐怖]効果によって、軽度の恐怖段階から重度の恐怖段階へ強制的に進行することはない。君が動揺状態で追加の軽度の恐怖効果の対象となっている場合、君は恐れ状態ではなく、1ラウンドの間よろめき状態となる。ただし、望むのであれば(実際に逃げたい場合など)、よろめき状態ではなく恐れ状態となることを受け入れることもできる。
例えば、メリシエルは霊障の墓地を探索している。GMは、メリシエルが周囲を不安状態であると宣言する。彼女はくさった死体で満たされた陥没穴に落ち、そのせいで彼女を不安状態とさせている。意志セーヴに失敗すると、彼女の恐怖段階は増大され怯え状態となる。その後、恐ろしいアンデッドに対処した後、彼女は不安状態となり、運命を投げかける邪悪なカルティストと対決して、怯え状態となる。彼女が呪文に対するセーヴに失敗した場合、怯え状態が軽度の[恐怖]効果であるため、恐れ状態ではなく1ラウンドの間、よろめき状態となる。
1. 不安状態/Spooked:目撃した環境やイベントの性質により、不安になる。君の心があらゆる影の潜在的な恐怖を想起させるため、君は[恐怖]効果と〈知覚〉判定に-2のペナルティを受ける。しかしながら、危険に直面する準備はできており、イニシアチブ判定に+1の状況ボーナスを得る。
2. 怯え状態/Shaken:恐怖は君を捕らえ、もはや君は明確に考えたり行動していたりしない。攻撃ロール、セーヴィング・スロー、技能判定、能力値判定に-2のペナルティを受ける。
3. 動揺状態/Scared:君は著しく恐れ、影に飛びつき、奇妙な光景と原因不明のノイズで簡単にパニックに陥る。[恐怖]効果に対するセーヴへのペナルティが-4となり、軽度の[恐怖]効果の対象が君の恐怖段階を増加させると、代わりに1ラウンドの間よろめき状態となることを除き、怯え状態の全てのペナルティを受ける。
4. 恐れ状態/Frightened:君は恐怖の源から逃げなければならないほど恐れている。君のターンでは君が感じる恐怖の源から離れなければならない。恐怖の原因が感知できなくなったら通常通り行動できるが、怯え状態のすべてのペナルティは受けたままである。呪文や装備などの特殊能力を使用して逃げることができるが、それが唯一の逃げ道と思われる場合は、その能力に頼らなければならない。君が恐怖の源から逃げ、まだ恐れ状態である間に再び恐怖の源が現れた場合は、直ちに再び逃げなければならない。逃げることができなければ、戦うことができる。
5. 恐慌状態/Panicked:これは恐れ状態として機能するが、逃げることを余儀なくされ、ランダムな方向に逃げ、手に持っているものをすべて落とす。くわえて、全ての恐怖の源を恐怖の源としてみなし、そこから逃げなければならない。逃げられない場合は、恐怖で縮こまる。
6. 狂乱状態/Terrified:これは恐慌状態として機能するが、他のキャラクターを味方として扱わないため、呪文が有用なものであってもセーヴィング・スローを許可する呪文に対してセーヴィング・スローを試みなければならない。逃げられない場合、君は恐怖で縮こまる。加えて、恐怖から逃げたあとは通常通り行動しない。代わりに、各ラウンド次の表をロールし行動方針を決定する。
d% |
結果 |
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01~25 |
逃げ続け、既知の危険の源から遠ざかろうとする。 |
26~50 |
通常通り〈隠密〉を使用して、隠れるための近くの場所を見つける。君が自分が発見されるまで(そして再び逃げることを強制されるまで)何もしない。 |
51~75 |
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76~100 |
何もしない。2回連続でこの結果となった場合は3回目のラウンドからこの表をロールする必要はなく、恐怖や危険の源と遭遇しない限り通常通り行動できる。 |
7. 震駭状態/Horrified:君は恐怖で動けなくなり、アクションを起こすことができない。アーマー・クラスに-2のペナルティを受け、立ちすくみ状態となり(通常はできない場合であっても)、無防備状態と見なされる。
このルールを使用すると、全体的な恐怖段階の管理が少々複雑になるかもしれない。各[恐怖]効果を個別に管理し、効果が追加または取り除かれるたびに現在の恐怖段階を評価する。最も深刻な効果から開始し、新しい効果毎に段階を追加する。軽度の恐怖効果はその数に関係なく重度の恐怖効果に合計することはなく、別の軽度の恐怖効果を受けていることから生じるよろめき状態は、新しい恐怖効果が開始される瞬間に適用される(持続時間が切れるときではない)。
例えば、エズレンは1分間の間怯え状態となる効果と、1ラウンドの間恐慌状態となる別の効果を受けている。最初の1ラウンド目で彼の[恐怖]は恐慌状態に増加する。次の9ラウンドで怯え状態となる、3ラウンド目で1分間の間の不安状態となった場合、7ラウンドの間動揺状態となり(不安状態と残りのラウンドの間の怯え状態で上書きされる)、3ラウンドの間不安状態となる。
この改定版恐怖ルールは、恐怖に対する既存のルールとシームレスに連携することと目的としており、GMはこのシステムを、環境や様々な状況から派生したものを含む、新しい[恐怖]効果をゲームに追加する機会として使用するべきである。例えば、月のない夜闇に放棄された精神病棟に入ると、全てのキャラクターが不安状態となる可能性がある一方で、かじった痕跡のある骨で一杯のキャビネットを発見すると意志セーヴに失敗した後1分間の間動揺状態となる可能性がある。このシステムを使用していないGMは新しい状態異常が現れた場合に、Core Rulebookの次に低い条件使用する必要がある。そのため、通常は不安状態効果を引き起こすものは何も効果を持たず、動揺状態は怯え状態に、狂乱状態や震駭状態は恐慌状態となる。
多くのクリーチャーやキャラクターは恐怖に対する完全耐性を持つ。これはほとんどのファンタジーの冒険のキャンペーンには適しているが、ホラーをテーマにしたキャンペーンでは問題がある。このようなゲームを遊んでいるGMは恐怖に対する完全耐性を抵抗の形式に変えることを検討したほうが良い。恐怖に対する抵抗を持つクリーチャーとキャラクターは通常通り恐怖段階を管理するが、恐怖段階のペナルティは実際の段階よりも2段階低いものとする(したがって、少なくとも動揺状態とならない限り、効果を受けない)。さらに、通常キャラクターを不安状態や怯え状態にする効果は、そのようなキャラクターの恐怖をより高い段階に上昇させることはない。