物語特技は君の人生を変えるような目的――しばしば全てを費やすような――を表す。それぞれの物語特技にはきっかけとなる事件(キャンペーン中の出来事か君の背景のいずれかからもたらされる)、直ちに得られる利益、目的、目的を達成した後の利益がまとめられている。
物語特技には(物語)キーワードがつけられている。それぞれの特技には少なくとも2つの満たすべき前提条件があり、プレイ中に適合する条件かその特技に合う背景を表している(訳注:一部背景を前提条件としないものがある)。君はいずれか一つの前提条件を満たすだけでよい。新しい特技を得る際、君は物語特技を得ることができるが、一度に完了していない物語特技を1つだけ取得することができる。物語特技はPC用に作られたものだが、NPCやモンスターであっても取得することができる。
一般的な特技と異なり、物語特技には漠然とした前提条件があり、君はGMとやりとりをした後にこれらを選択すべきである。GMはキャンペーンの大筋の中に物語特技を織り込み、必要があればキャンペーンの長期的な目的と君の背景の特定の部分が噛み合うように物語特技を調整しさえすべきである。物語特技は選択した事による純粋なデータ的な利益以上に、キャンペーンの筋書きの中に有機的に機能しなければならない。
前提条件同様、物語特技の達成条件にはGMの調整が必要となり得る。キャンペーンのイベントがその物語特技でほのめかされた物語を解決できそうにもない場合、GMは君が獲得できるものに目的をずらすことを考えるべきだ。意味のある物語の軸を組み上げることは、特技の文言を厳守するよりもずっと重要なのだ。
物語特技は君の動機とキャラクターの成長の両方を表現するため、GMはこの特技に関連する要素を継続中のキャンペーンに組み込む努力をしなければならない。悪役や憎々しいクリーチャーの登場といった直接の要素もありえるし、行方不明の親類の命運に関する噂あるいはPCの芸術的な努力に感銘を受けたNPCといった間接的な要素もあり得る。大ざっぱなやり方でお薦めなのは、3もしくは5セッションごとに、それぞれのPCに物語特技の一覧をつくることだ。
多くの場合、仲間達は物語特技の完遂に協力することができる。GMの裁定によって、君が自身の物語特技に関係した任務や衝突で統率者の役割を取らない場合には、この物語特技を完了するのに追加の目標を完遂する必要がでるとするかもしれないし、完遂が完全に否定されたとさえするかもしれない。
多くの物語特技には、その前提条件や完遂条件に共通の用語を使用している。以下の用語は物語特技で使用されると特別な意味を持つ。
適切な数:個々の脅威度の合計が20までか合計が君のキャラクター・レベルの5倍まで(いずれか大きい方)のクリーチャーである。例えば、君が6レベルなら、適切なクリーチャーの数は脅威度合計30となる。この計算は君の現在のキャラクター・レベルを基準に計算するものであり、物語特技を選択した際のレベルを基準とするわけではない。あまりにも簡単な挑戦(君のキャラクター・レベルよりも3以上低い脅威度を持つ遭遇)は、状況が扱うにはあまりにも難しいものとなる場合を除いては考慮されない。
脅威となる敵:これは脅威度合計が10もしくは君のキャラクター・レベル+3(いずれか高い方)となる敵もしくは敵の集団である。これが特定の個体に言及する場合、敵の脅威度は特技を取得したときに決定されるが、敵は君と同じように力を得ていく。別のやり方では、君の現在のレベルを参照してもよい。一般的に繰り返し登場する敵は、君が1~2レベル得る毎に脅威度を1だけ強化する。
キャラクターのレベル:通常、これは君の実際のキャラクター・レベルである。君がキャラクター・レベルよりも脅威度を参照した方がいいクリーチャー(例えば1HD以上を持つほとんどのモンスター)であれば、キャラクター・レベルの代わりに算出された脅威度を使用すること。
徹底的に打ち負かす:君はクリーチャーを殺す、意識不明に追いやる、牢獄に捕らえる原因を作るなど、何らかの方法で敵を圧倒する。他の者が最後の一撃を喰らわせたとしても、君はこの敵を倒す衝突において重要な参加者でなければならない。単に敵を逃がしたことが条件を満たすかどうかはGM次第である。通常、実際にほとんど傷を負わせていないにもかかわらず敵が逃亡した場合、徹底的に打ち負かす条件を満たしたとは言えない。
殺す:敵を殺すという行為には、殺す、破壊する、石に変える、アビスへと追放する、その他強力な魔法によってのみ解き放つことができるようなやり方で敵を除外することが含まれる。特記なき場合、君はクリーチャーを殺す際、最後の一撃を君自身が行わなければならない。
妨害:敵を打ち倒すこととは異なり、敵を妨害するとはその計画を実際に、本質的に恒久的なやり方で邪魔をすることが含まれる。権力者を退位させたり、神官の寺院を破壊したり、ソーサラーをヘルの奥深くに追放したりといったことは全て妨害に当てはまる。例えその敗北を生き延びて前より強力になって返ってきたとしても、君は敵を妨害したことによって得られた利益を保持したままである。君はその行動が物語特技を満たすために行われる行動において、妨害されている敵につながる出来事における重要な参加者でなければならない。
ほとんどの物語特技のボーナスは無形であり、他のほとんどどのボーナスとも累積する。しかし、君が複数の物語特技を取得した場合、これらの無形ボーナスは互いに累積しない。例えば、2つの物語特技がセーヴィング・スローにボーナスを与えた場合、君はより高いものだけを得る。
君は現実の縁にある狂気を垣間見た。
前提:君は君のレベル+4より大きな脅威度を持つアンデッド、異形、あるいは悪の来訪者に出会ったことがなければならない。あるいは死者の中で育ったもしくは死者の背景を持っていなければならない。
利益:君は異形の脆弱性や能力を識別するための〈知識:ダンジョン探検〉判定、悪の来訪者の脆弱性や能力を識別するための〈知識:次元界〉判定、およびアンデッドの脆弱性や能力を識別するための〈知識:宗教〉判定に+2のボーナスを得る。これらの〈知識〉技能に10ランク以上を割り振っているなら、このボーナスは該当する技能に+4のボーナスを得る。さらに、君は[恐怖]効果に対して+2のボーナスを得る。
目的:アンデッド、異形、あるいは悪の来訪者に殺されるか、彼らに与えられた狂気(GMによって決定される)に身を委ねる。このことは君の精神に永続的な印を残す。
目的達成による利益:君の心を読んだ正気のクリーチャーは1d6ポイントの【判断力】ダメージを受ける(難易度 10+君のレベルの1/2+君の【魅力】修正値の意志セーヴに成功すれば無効)。さらに君の【知力】、【判断力】、【魅力】に対するいかなる能力値ダメージ、能力値吸収、ペナルティも半減される(最低1)。君は意志セーヴィング・スローに-2のペナルティを被る。[精神作用]効果に対するセーヴをロールする際、君は2回ロールしてよい結果を選択する。
まるで首に巻いた石臼のように、呪いは君の魂に重くのしかかっている。
前提:君は試練や同種の大いなる偉業によってのみ取り去ることのできる呪いを背負っていなければならない。あるいは呪われた出生の背景を持っていなければならない。
利益:君は5+君のキャラクター・レベルに等しい呪文抵抗を得る。この呪いは全ての呪文に効果を及ぼす。ほとんどの呪文抵抗と異なり自発的に効果を弱めることはできないが、君自身の呪文や魔法のアイテムは自動的に君に効果を及ぼす。
目的:君の呪いが取り除かれるか、君の不浄なる血の穢れを払うこと(いずれの条件にせよ、呪いの本質に従い広い多様性があり、これはGMに一任される)。
目的達成による利益:君は上述の呪文抵抗を失う。君は11+君のキャラクター・レベルに等しい呪文抵抗を得るが、この呪文抵抗は有害な死霊術、心術、変成術呪文および擬似呪文能力に対してのみ機能する――君のオーラはかつて君を呪おうとしたものに抵抗する。無害な呪文は君が望むと望まざるとに関わらず、この呪文抵抗を自動的に通過する。この呪文抵抗は自発的に効力を弱めることができる。
かつて君の家族に伝わっていたものは、再び君の手に返るだろう。
前提:君の家系はもはや自らのものではない世襲制の称号や地位を主張していなければならない。もしくは没落した家族の背景を持っていなければならない。この特技の取得において、君はこの失われた家系の称号に関する知識を一切有していなくても構わない。
利益:君は【魅力】基準の能力値判定及び技能判定に+1のボーナスを得る。
目的:君の家系の失われた資格を取り戻す。これは君の手によるものでも君の家系の他の者の手によるものでもよい。この資格を獲得する過程において、君は君の生まれながらの権利を否定しようとする脅威となる敵を徹底的に打ち負かさなければならない。
目的達成による利益:君は【判断力】能力値判定、【判断力】基準の技能判定、意志セーヴィング・スローに+1のボーナスを得る。
特殊:君が脅威となる敵を倒すことなくその地位をどうにか回復した場合でも、再び君の生まれながらの権利を奪おうとする、適切な脅威となる敵を倒すことで、後日この物語特技を達成することができる。
君は望んで宗教に人生を投げ出す。
前提:君は高位メンバーとして君の宗教の聖なる(あるいは不浄な)英雄として叙聖されなければならない。あるいは献身、布教者、もしくは負い目の背景を持たねばならない。このような栄光は一定以上の働きを示した者に与えられる通常の制約を超えたもので、クレリックもしくはパラディンである必要がある。
利益:1日1回、君は攻撃ロール、術者レベル判定、セーヴィング・スロー、技能判定のいずれか1つに+2のボーナスを加えることができる。このボーナスを加えるかどうかはダイスをロールして成否が決まった後に決めることができるが、(ダメージのような)結果がロールされたり適用されたりする前でなければならない。レベルあるいはヒット・ダイスが10以上ならば、このボーナスは+4に増加する。
目的:君の信仰の目的を完遂する中で死亡し、命を呼び戻される。君の信仰に影響を及ぼさない状況で死亡した場合、一切の利益を得られない。GMが認めるなら、代わりに君は死亡したままで、君の英雄的犠牲に霊感を受けた新しいPCを作成してもよい。
目的達成による利益:君が死亡して復活したなら、君は生ける信仰の象徴となる。1日1回標準アクションとして、君の信仰に大いなる努力を共有するものに霊感を与えることで、1分の間攻撃ロールとセーヴィング・スローに+2の士気ボーナスを与えることができる。これは[言語依存][精神作用]効果である。君が以前のキャラクターから霊感を受けた新しいキャラクターを作成する場合、新しいPCは能力値1つに+2のボーナスを得る。この能力値は既に種族ボーナスを得ているものであってはならない。新しいPCが前提条件を満たすなら、この特技を後で取得することができる。
拘束された時間は、永遠に君の魂に刻まれた。
前提:君は少なくとも6ヶ月の間奴隷になったことがなければならない。あるいは投獄もしくは誘拐の背景を持っていなければならない。
利益:君は虜囚や奴隷の解放を直接指導する行為において、攻撃ロール、武器ダメージ・ロール、技能判定に+1のボーナスを得る。
目的:危険性の高い救出を通して、少なくとも奴隷200人を解放する(彼らを市場で購入するようなことは含まない)。
目的達成による利益:君はその目的に専心することで他の人に霊感を与える能力を得る。20フィート以内の味方は、君と共に虜囚や奴隷を解放するために活動している限り、君が《解放者》特技で受けたボーナスを得る。さらに標準アクションとして、君は120フィート以内にいる奴隷やかつて奴隷だったものに霊感を与え、君のキャラクター・レベルの1/2に等しい一時的ヒット・ポイントと、セーヴィング・スローに+1のボーナスを与えることができる。これらの利益は1時間の間持続し、与えられたクリーチャーはこの利益を1日に1回だけ得ることができる。これらは[精神作用]効果であり、霊感により授けられたボーナスは[言語依存]である。
君がインスピレーションを得た建造物は君の名前を永遠のものとするだろう。
前提:〈知識:工学〉1ランク、君は少なくとも5,000GPの価値のある建造物を建てたことがなければならない。
利益:君が建造計画を監督したり自分で建築する際、原材料の費用を10%削減する。君は〈知識:工学〉に+2のボーナスを得る。君が〈知識:工学〉に10ランク以上割り振っているなら、このボーナスは+4に増加する。
目的:君にとって個人的に大きな意義を持つ、少なくとも100,000GPの価値のある建造物をデザインして建設する。例えば、君は古い寺院が破壊された場所に君の信仰する神の新しい寺院を建築するかもしれないし、宇宙の秘密を解き明かすために、学生用の大学を建造するかもしれない。
目的達成による利益:君の評判が知れ渡ったことで、過去及び今後に君が建築した建造物の価値(これには目的を獲得するために建造した建物も含まれる)が10%増加する。さらに君が建築計画を監督する際、君や君に雇われたものは、与えられた期間に通常の仕事量の二倍を達成する。
この国は君を征服したもの、自らの領土を作り出したものと呼ぶ。
前提:君は少なくとも100平方マイルの範囲を探検し、その所有権を主張したことがなければならない。
利益:誰にも所有されていない自然や君自身の支配地域にいる際、君は〈隠密〉、〈生存〉、及び〈知覚〉判定に+2のボーナスを得る。もしそれらの技能の1つに10ランク以上を割り振っているなら、その技能に対するボーナスは+4に増加する。
目的:君は少なくとも1,000平方マイルの範囲を探検し征服し、その過程で脅威となる敵を徹底的に打ち負かす。君は君自身の名前か君が直接報告した指導者の名前をその土地に主張しなければならず、この地を守るために拠点や要塞を建築しなければならない。
目的達成による利益:君は君が所有権を持つ地域にいる間、イニシアチブ判定、攻撃ロール、セーヴィング・スローに+2のボーナスを得る。
君は本当の名作を作り出す術を探している。
前提:少なくとも合計5,000GPの価値がある自ら作成した芸術品を、5つ以上売却したことがあるか、50人以上の聴衆の前で〈芸能〉判定を行い素晴らしい上演(あるいはそれ以上)を少なくとも5回行ったことがなければならない。もしくは巨匠の背景を持っていなければならない。
利益:〈製作〉もしくは〈芸能〉技能の分野から1つを選択する。この技能で出目10を選択する際にはいつでも、ダイスの出目が15であるかのように扱う。
目的:自分の手で作成した芸術品1つを最低でも25,000GPで売却するか、100人以上の聴衆の前で並外れた上演(もしくはそれ以上)を少なくとも10回行うか、最低でも100,000人の国もしくは都市の為政者を芸術的な後援者として勝ち取る。それぞれの場合においても、君は上記で選択した技能を使用して達成しなければならない。
目的達成による利益:君は選択した技能の技能判定に+5のボーナスを得る。さらに少なくとも1ランク持つ全ての〈製作〉及び〈芸能〉判定に+2のボーナスを得る。
助けられなかった命が、君の最後の一呼吸まで君と共にある。
前提:君は戦場で近しい仲間の死――その死は出血や止血の失敗、継続毒ダメージなどに起因する、避けられるはずのものだった――を目撃したことがなければならない。あるいは家族の死もしくは戦争の背景を持っていなければならない。
利益:君は〈治療〉判定に+2のボーナスを得る。〈治療〉に10ランク以上を割り振っているなら、このボーナスは+4に増加する。君は移動アクションで応急処置を行うことができ、治療道具がなくても命に関わる傷の手当てをする際にペナルティを受けない。
目的:仲間を死から呼び戻す。これにはブレス・オヴ・ライフやリインカーネイトが含まれる。
目的達成による利益:君と君から10フィート以内にいる仲間は、[即死]効果に対するセーヴに+2のボーナスを得る。さらに1日1回、君は5レベル以上の召喚術(治癒)呪文をブレス・オヴ・ライフに任意に変換することができる。
死線をくぐったことで君は命とのつながりを強めた。しかしその理由を知らねばならないという思いが君に満たされている。
前提:君は殺害の憂き目に遭い、死から舞い戻ってきたことがなければならない。あるいは、死の淵もしくは呪われた出生の背景を持っていなければならない。
利益:君は4+【耐久力】値以上の負のヒット・ポイントまで死亡しない。1日に1回標準アクションとして、君は一人で意志力を維持し、ヒット・ダイス毎に1一時的ヒット・ポイントを得ることができる。この一時的ヒット・ポイントは10分間持続する。
通常:君は負のヒット・ポイントが自身の【耐久力】値以上の値になると死亡する。
目的:君が直接神格ないしその使者に会い、その言葉を聞く。もし君が神格のパンテオンを信奉しているなら、パンテオンの一員と直接会いその言葉を聞かなければならない――この場合、使者では条件を満たさない。特定の神格を信奉していないなら、君はGMの選択する適切な存在の声を聞かなければならない。
目的達成による利益:君は[即死]効果および[恐怖]効果に対するセーヴィング・スローに+2のボーナスを得る。加えて、君に向けて発動された召喚術(治癒)呪文の術者レベルは、君個人に対する効果を決定する目的において1だけ増加する。
かつての敵は君を滅ぼす術を探している。
前提:君に大きな傷を負わせたいと願う敵が少なくとも1体いなければならない。複数の敵がいる場合、GMは特定の敵を秘密にしていてもいいし、その敵の多くが君に対して共に行動するとしてもよい。君の宿敵がすでに脅威となる敵ではない場合、脅威となる敵となるように強化するか、より高い脅威度を持つように他のものを仲間とすること。
利益:宿敵を持つことで、君は訓練に卓越する。適性クラスの新しいレベルを得るたびに(これにはこの特技を選択した時に取得したレベルも含まれる)、君は1つではなく2つの利益を得る。たとえ他の選択肢を使用できるとしても、利益の1つはボーナス・ヒット・ポイントもしくはボーナス技能ポイントでなければならない。
目的:宿敵を倒す。君が直接行動して宿敵の死の原因となることには、たとえ止めとなる攻撃を見舞わない場合であっても構わないが、君が関わることなく他人が宿敵を殺すことは数えられない。
目的達成による利益:君は選択した能力値1つに+2の体得ボーナスを得る。さらに、君はこの特技を取得する前に得ていた適性クラスのレベルごとに追加の適性クラスの利益を得る。
特殊:君の計画を打ち砕くことは、君の宿敵にとって何よりの目標となる。君の宿敵は君に対する攻撃ロールとダメージ・ロールに+2のボーナスを得る。君が手に入れようとするものはなんであれ、宿敵は破壊する方法を探し求める。
過去の失敗が何度も思い出され、君にぶつかる。
前提:君は規約のようなものを持つクラスで、品行の規約を破ってクラス特徴を失ったことがなければならない。あるいは没落した家族の背景を持っていなければならない。
利益:割り込みアクションとして、君は技能判定、攻撃ロール、セーヴィング・スロー、技能判定の結果に+1のボーナスを加える事ができる。この能力を使用すると、君は1分間怯え状態になる。君は結果が明らかになる前に使用するかどうかを決めなければならない。
目的:失われたクラス特徴を取り戻し、君の価値を認めさせるための試練を完遂する。この試練を完遂する中で、君は脅威となる敵を徹底的に打ち負かさなければならない。この試練は君のクラス能力を失わせた破戒か、屈辱に関係した形式のものでなければならない。
目的達成による利益:君は1日1回、失敗したセーヴィング・スローを再ロールする能力を得る。二回目の結果が悪かったとしても、それを使用しなければならない。
前提:君は君が一緒にいられない相手と恋に落ちるか、現在恋人がいるかでなければならない。もしくは現在の恋人、愛故に、あるいは恋人の背景を持っていなければならない。可能な限り複雑な要因には距離、別の相手との恋、報われない感情、禁じられた関係などが含まれる。
利益:君が発動する[感情]の補足説明を持つ呪文及び擬似呪文能力のセーヴ難易度と術者レベルに1を加える。さらに、君は〈真意看破〉判定に+2のボーナスを得る。君が〈真意看破〉に10ランク以上割り振っているなら、このボーナスは+4に増加する。
目的:(正式に結婚できないにせよ)真の愛を貫く方法を見つける。
目的達成による利益:君を待つ恋人がいると知ることで、君は霊感を得る。君はヒット・ポイントが総計の1/4以下になると(一時的ヒット・ポイントは含まない)、攻撃ロール、セーヴィング・スロー、技能判定に+2のボーナスを得る。死を含む何らかの理由でこの真の愛を伴う関係が終わると、この目標達成による利益は失われる。
特殊:GMが望むなら、この特技を選択した際に君が指定したもの以外の相手に真実の愛を見出してもよい。その場合、当初君が選んだ愛は君にとってまずいものであったが、このことは君にとって本当の愛に気付いた時にのみ明らかになる。
前提:君は機会攻撃を受けた後に召喚術(治癒)呪文の発動に成功しなければならない。あるいは闘争、牧師、もしくは呪文による治癒の背景を持っていなければならない。
利益:ダメージを受けた事による精神集中判定の試み(継続ダメージによるものも含まれる)において、精神集中判定の難易度を決定する目的において君のダメージを50%軽減する。
目的:時間をかけて、仲間に召喚術(治癒)呪文を発動するために、少なくとも20回の機会攻撃を誘発する。これらの呪文が発動したかどうかに関わらずカウントする。
目的達成による利益:君はダメージを受けた事による召喚術(治癒)呪文の精神集中判定に自動的に成功する。
君は過去の屈辱を、今日まで幾度となく思い出す。
前提:君は公式の場で恥をかいたことがなければならない。あるいは庶子の背景を持っていなければならない。この恥辱が君個人の名声や社会的地位を特別傷つける原因でない場合、この特技の前提条件を満たすことはできない。この屈辱は不当なものである必要はない。
利益:観察されることで、君の技術は高まった。君が衝突の中にいて、その衝突に参加していない人に見られている場合、君は攻撃ロールと技能判定に+1のボーナスを得る。
目的:2つの内、一方の目的を達成すればよい。一つ目は、一般社会に君の優位性を明示するやり方であり、適切な敵を妨害することである。二つ目は、君の価値を別の方法、例えば称号を得たりある地域の選ばれた英雄になったりするといった方法で示すことである。
目的達成による利益:君が新しく作り出した信用は、君にキャラクター・レベルに等しい一時的ヒット・ポイントを与える。この一時的ヒット・ポイントは失われるまで持続し、自然治癒が得られるほど十分な長さの休息を取ると回復する(実際に自然治癒したかどうかは関係ない)。
前提:君は他人の力を借りることなく、試練を1つ克服しなければならない。もしくは、祖霊の英雄、民の英雄、競技での優勝、もしくは拳闘士の背景を持っていなければならない。
利益:即行アクションとして、君は50フィート以内にいて視線の通る敵1体に戦闘の挑戦を宣言することができる。そのようにするなら、君はその敵の機会攻撃範囲に他に誰もいない限りその敵に対して攻撃ロールに+1のボーナスとアーマー・クラスに+1の回避ボーナスを得る。この効果は1回の戦闘が終了するまで続く。他の参加者が君や敵を攻撃したなら、挑戦は終了し、君は1ラウンドの間攻撃ロールとアーマー・クラスに-2のペナルティを被る。君は回数無制限で戦闘の挑戦を一度に1回ずつ使用することができるが、一度ある敵に宣言すると、同じ敵には24時間が経過するまで宣言することはできない。
目的:1回の戦闘で適切な回数の敵を挑戦中に倒す。それぞれの戦闘は他のクリーチャーにより妨害されてはならず、その敵が君の戦闘の前に既に十分に傷ついていたり能力が低下していてはならない。
目的達成による利益:1回の戦闘におけるボーナスが+2に増加する。さらに、挑戦した敵に対して確定したクリティカル・ヒットは、追加で1d6ポイントのダメージを与える。
敵により培われた辛苦は、その血でのみ雪がれる。
前提:君は特定の人型生物もしくは人型怪物の集団1つに敗れ、少なくとも財産の半分を奪われたことがなければならない。あるいは目には目を、忌まわしき敵、侵略者、報復の背景がなければならない。この集団はドゥエルガルのような特定の種族でもよいし、(ゴブリン類)のような広範な集団でもよい。GMの選択によっては、君は代わりに特定の国や居住区、部族に住むものを選択してもよい。
利益:選択した集団に対して君が使用した呪文もしくは能力のセーヴ難易度は1だけ増加する。また、集団に属するものからの攻撃に対して、アーマー・クラスに+1の回避ボーナスを得る。
目的達成による利益:選択した種族(訳注:おそらく集団の誤記)のものに対して行う攻撃に《クリティカル強化》特技の利益を得る。この敵に対するアーマー・クラスへの回避ボーナスは、+2に増加する。
単なる強盗ではなく、君は伝説的な水準の犯罪を約束することを熱望する。
前提:君は捕まることなく少なくとも1,000GPの価値のある財宝を盗んだことがあり、かつそれらの盗んだものから少なくとも500GPの価値がある記念品を保持していなければならない。あるいは強欲の背景を持っていなければならない。
利益:1日1回、鍵を開けるための〈装置無力化〉判定もしくはスリをするための〈手先の早業〉判定を試みる際、君は2回ロールしてより良い結果を選択することができる。
目的:有名で警備のしっかりした、少なくとも50,000GPの価値がある財宝を盗む。君が関わった形跡を残してはならない。財宝は少なくとも8つの罠と脅威となる敵の組み合わせにより守られていなければならない。護衛を打ち倒す必要はなく、単に通過すればよい。君はその財宝を持ち続ける必要はなく、後でその盗みを自慢してもよい。
目的達成による利益:君は罠を反応的に解除する能力を得る。罠を起動させた時、罠の機能に割り込んで、-5のペナルティを受けて〈装置無力化〉判定を試みることができる。成功すればその罠はその機能を保ったままだが、効率的に起動を抑止することができる。君はこの能力を1日に3+君の【知力】修正値に等しい回数だけ使用することができる。罠はその機能を保ったままであるため、ただちに後退したりその他始めに行ったような行為を繰り返さないようにしなければ、再び起動する可能性がある。
人生の初めより、君は力の探求に全てを投げ打つよう定められた。
前提:君は脅威となる敵として相応しい悪属性の来訪者1体と友好的な契約を結ばなければならない。あるいは地獄の者もしくは奈落の者といった、フィーンドと関わりのあるソーサラーの血脈を持つか、フィーンドの直接の子孫(ティーフリングやハーフフィーンドなど)か、あるいは不浄な存在に育てられたもしくは不浄な存在の背景を持っていなければならない。
利益:君は悪属性の来訪者に効果を及ぼす【魅力】基準の判定に+2のボーナスと、この種類のクリーチャーに対して使用する呪文及び擬似呪文能力の難易度に+1のボーナスを得る。君は善属性の来訪者に対する【魅力】基準の判定に-2のペナルティを被る。
目的達成による利益:君は選択した能力値1つに+2の強化ボーナスを得る。この強化ボーナスは神格による直接の介入によって解呪することも取り除くこともできず、超常能力として扱われる。さらに、君は善属性の来訪者に対する術者レベル判定(解呪判定や呪文抵抗を貫く際の判定も含む)に+2のボーナスを得る。君がこの同意の効果の元で死亡したなら、君は悪の来訪者が同意しなければ死から蘇ることはできない。君が魂の交換における取り決めを破った場合、直ちにそして永続的にこの目的完遂による利益を失う。しかしそのような場合でも、君はこの特技の基本利益は保持したままである。
愛していた人々の仇を討たねばならない。それは君を素晴らしい行為に追いやる。
前提:君は近しい家族の一員や他の愛するものを、特定の脅威となる敵もしくはその敵の部下によって殺されなければならない。もしくは侵略者あるいは報復の背景を持っていなければならない。
利益:君は選択した敵やその敵の部下だと分かっている相手に対して行うセーヴィング・スロー、攻撃ロール、武器ダメージ・ロールに+1のボーナスを得る。
目的:選択した敵を打ち倒す。
目的達成による利益:君は全てのセーヴィング・スローに+1のボーナスを得る。このボーナスは(生きているならば)君の敵とその部下に対するこの特技のボーナスと累積する。
前提:君は新しい呪文を作成したことがなければならない。あるいは君はアイテムが呼んだ魔力の背景を持っていなければならない。
利益:君が作成した呪文を発動する際、君の術者レベルに1を加える。さらに、君は〈呪文学〉判定に+2のボーナスを得る。君が〈呪文学〉に10ランク以上割り振っているなら、このボーナスは+4に増加する。
目的達成による利益:君が作り出した呪文のセーヴ難易度は、君が発動する際1だけ増加する。さらに、自分で作り出した呪文に呪文修正特技を適用する際、合計レベル調整値を1だけ軽減する。君はこの方法で、呪文の元々のレベルより低くするように呪文修正特技のコストを削減することはできない。
特殊:この特技の利益を得るために自分で作り出した呪文は本当に小説のような呪文でなければならない。オリジナルから少しだけ変化されたような呪文(例えば、ファイアーボールと比較した場合のディレイド・ブラスト・ファイアーボール)は利益を得ることはない。アルケミストは、処方とエキスが呪文であるかのようにこの特技の利益を得ることができる。
この町には掃除が必要だ。君はそれをするただ一人の人間だ。
前提:君は〈威圧〉に5ランクを割り振り、特定の街をきれいにするという個人的な動機(古い友人に頼まれたとか、居住地を探しているなど)がなければならない。あるいは君は賞金稼ぎもしくは民の英雄の背景を持っていなければならない。
利益:特定の居住地を1つ選ぶ。君が選択した居住地にいる間、君に対して行う〈威圧〉の難易度は10だけ増加する。君は選択した居住区において、犯罪者や無法者のような望ましくない存在に対して、攻撃ロールに+1のボーナスとアーマー・クラスに+1の回避ボーナスを得る。
目的:選択した居住地にいて君のキャラクター・レベル以上の脅威度を持つ厄介者を10人以上打ち倒す。加えてその過程でひどい犯罪の兆候を一掃するか、その他通りをきれいにする。
目的達成による利益:君は望むだけ新しい居住地を指名する能力を得る。居住区を選択するには、まず始めにその地に少なくとも1週間の間住まなければならない。さらに、君は選択した居住区にいる間イニシアチブ判定に+2のボーナスと、セーヴィング・スローに+1のボーナスを得る。
この世界に住む哀れな者達は、その死をもって君の栄光への道を開く。
前提:君は少なくとも50体の知性ある非戦闘員を殺さなければならない。それは個人的な利益のためかもしれないし、何の理由もないのかもしれない。もしくは血の渇き、最初の殺人、あるいは殺しの背景を持っていなければならない。
利益:君は〈威圧〉判定に+2のボーナスを得る。君が〈威圧〉に10ランク以上を割り振っているなら、このボーナスは+4に増加する。君が知性あるクリーチャーを殺すたび、君は1分の間攻撃ロールと術者レベル判定に+1のボーナスを得る(このボーナスはそれ自身と累積しない)。
目的:少なくとも200体以上の知性ある非戦闘員を殺す。その後、君の犯罪を裁くためか君の地位を奪うために君を探しに来た、脅威となる敵を殺す。
目的達成による利益:君に攻撃される際や君の能力に対するセーヴを行う際、および君を目標にする技能判定を解決する際、怯え状態のクリーチャーは通常のペナルティの2倍を被る。
前提:君は衝撃的な出来事を通して野性に返ったことがあるか、自然の中で長期間を過ごしたことがなければならない。あるいは獣に育てられたの背景を持っていなければならない。
利益:(ヒロイズムもしくはバーバリアンの激怒クラス特徴などで)【筋力】もしくは攻撃ロールに士気ボーナスを得ているときはいつでも、君は【筋力】もしくは【敏捷力】基準の能力値判定及び技能判定に+2のボーナスと、反応セーヴに+1のボーナスを得る。この効果は士気ボーナス効果が終了するまで持続する。
目的:文明社会の人から求婚されて結婚するか、その他の信頼し合った人間関係を結ぶ。この関係は愛によって築かれたものでなければならず、金銭や強制によるものであってはならない。
目的達成による利益:過労状態、疲労状態、怯え状態、および不調状態のペナルティを、最初に効果を受けてから1ラウンドの間遅らせる。問題となっている状態に既になっていて再度受けた場合、この特技は一切の利益を提供しない。ペナルティを無視するものの、君は依然としてその状態である。例えば、君がこの特技の利益を受けている間に再度怯え状態になった場合、君は通常通り恐れ状態になる。
君は岩に対する水のように、敵を打ち払うことのできる要塞を作る場所を探している。
前提:君は《統率力》特技を持ち、少なくとも戦闘のできる従者(ファイターやレンジャーなど)10人を率いていなければならない。
利益:君は部下に戦いの命令を下すために移動アクションを費やすことで、60フィート以内にいる君の命令下にあるクリーチャーに、攻撃ロールに+1の士気ボーナス、またはアーマー・クラスに+1の回避ボーナス、または一種類のセーヴィング・スローに+1のボーナスのうちどれか1つ(君が選択する)を与えることができる。全てのクリーチャーは同じ利益を得なければならない。君は君の命令下にいない仲間にこの利益を与えることはできない。これは[言語依存、精神作用]効果である。
目的:少なくとも兵200人の軍隊を収容できる要塞を建設するか奪う。そしてそこに少なくとも100人の戦士(あるいは同等のもの)を、君の命令の下に配置する。君は少なくとも6ヶ月は包囲線を生き残れるだけの食料と水を提供しなければならず、兵士達に支払うために少なくとも6ヶ月分の費用を支払わねばならない。
目的達成による利益:君の戦闘中の命令のボーナスが+2に増加し、その間合いが120フィートに伸びる。さらに、君は自分の部下に2つの異なる命令を与えることができるようになる。例えば、弓兵には攻撃ロールに+2を与えながら、前線にはアーマー・クラスに+2のボーナスを与えることができる。
真実は明かされる。君はそれを伝えるものとして選ばれた。
前提:信仰呪文を発動できること。さらに君は神格(あるいは他の適切な超常的な存在)から幻視を送られなければならない。あるいは(信仰呪文を発動できることに加えて)神による印の背景を持っていなければならない。
利益:君が悪でなく悪でない神格を信仰している場合、仲間に利益を与える呪文を発動する際、君は呪文レベルごとに1ラウンドの間、アーマー・クラスに+1の清浄ボーナスを得る。君が悪もしくは悪の神格を信仰している場合、敵に害を与える呪文を発動する際、君は呪文レベルごとに1ラウンドの間、アーマー・クラスに+1の不浄ボーナスを得る。自分自身に呪文を発動する場合には、仲間に効果を及ぼしているとは見なされない。
目的達成による利益:仲間に利益を及ぼしたり敵に害を及ぼす呪文を発動する際のアーマー・クラスへのボーナスが+2に増加する。更にこのボーナスは同じ持続時間の間、セーヴィング・スローにも適用される。
君の中核をなす過去の出来事は、君の記憶から失われている。
前提:君は永続的な記憶喪失をわずらっていなければならない。もしくは転生の背景を持っていなければならない。
利益:君に効果を及ぼす[精神作用]呪文の持続時間は(例えそれが有益なものであっても)半分になる(最低1ラウンド)。君は知識欲があるため、〈知覚〉判定に+2のボーナスを得る。君が〈知覚〉に10ランク以上を割り振っているなら、このボーナスは+4に増加する。
目的:君の失われた記憶の大部分を取り戻す。実現方法は様々である。ウィッシュや、神聖な存在の助力、過去生の追体験、あるいは記憶喪失を引き起こした状況に出会うことなどが必要かもしれない。この過程には脅威となる敵との遭遇が含まれていなければならない。しかし可能なら直接衝突以外の方法であってもよい。
目的達成による利益:[精神作用]効果に対してセーヴィング・スローを試みるとき、ダイスを2回ロールしてよい結果を選択する。
特殊:ウィッシュやミラクルよりも重要でない方法で記憶を取り戻した場合、必要条件を満たしたとは見なさない。
君は大切な人を探している――失踪したが、君は死んではいないと願っている。
前提:君は旅から帰ってこないか捕えられたか、あるいはほとんど痕跡を残さず消えてしまった、近い関係者、配偶者、その他心の中で大切に思っている相手がいなければならない。あるいは大災害の背景を持っていなければならない。
利益:君の断固たる決意は君が受ける非致傷ダメージをなんであれ1ポイント軽減する(最小でも1ポイントの非致傷ダメージは受ける)。また、君は意志セーヴに+1のボーナスを得る。
目的:失踪した愛する人を生きている姿で見つける。その過程で、君たちを離れ離れにしていた、脅威となる敵を徹底的に打ち負かさなければならない。
目的達成による利益:君はこの特技で得ていた意志セーヴに対する+1ボーナスを、全てのセーヴィング・スローに対する+1ボーナスとして置き換える。君が愛する人が死んでいると知ったなら、君はその身体を持ちかえり、可能なら魂を適切な休息に導くまでこの特技の利益を全て失う。身体を休息させることで、この目標達成による利益を回復するが、非致傷ダメージを減少させる能力を回復することはない。