魔法はパスファインダー・ロールプレイング・ゲームのほとんど全てに影響する。陰謀を主題に据えたキャンペーンでは、主要な焦点が探索やダンジョン踏破――魔法が主に生存と戦闘のために使用される行動――から、複雑で注意を要する社交的なやり取りの制御へと移る。政治、組織的犯罪、スパイ行為、重商主義、その他の陰謀に関する目的を達成するには、繊細さ、巧妙さ、思慮深い計画、調整された戦術を幅広く使用しなければならない。その結果、陰謀に関わるキャラクターは時折、戦闘ではなくコミュニケーションの、物理的な防護ではなくスパイや情報収集の、そして敵をあからさまに倒しての財宝獲得ではなく権力と影響力獲得の呪文を用いる。
以下の項では、陰謀をテーマとするゲームで使用されることの多い呪文について、プレイされるレベルと呪文系統毎にまとめて助言を提供する。
初期のレベルでは、呪文の数は比較的少ない。しかし理解すべき何より重要な呪文もある。低レベルの陰謀呪文(通常3レベル以下)は高レベルでも有用だ。そして高レベルのキャラクターは、低レベルのときよりこれらの呪文を数多く使用できる。
占術ほど、冒険やキャンペーンの流れを根底から変えられるものはない。占術のルールには多くの曖昧な部分がある。残念なことに、そのためにGMがこれらの呪文をあまりにも厳しく制限したり(それによって、時々呪文スロットが無駄になる)、呪文が許可するよりずっと多くの情報を提供することを許したりして、物語を脱線させる可能性がある。多くのGMは、高レベルの呪文を運営するのが難しい主な理由が占術であると感じている。
占術の結果を判断する際には、GMは、単に「然り」や「否」とするのではなく、原則的に「然り、されど……」と考えるべきだ。言い換えれば、PCは呪文が示す種類の情報を得ることができるが、その情報には呪文の範囲外の他の要因は含まれない。あるいは、謎めいた形をしていたり、点を結ぶのに十分な情報がPCにないために曖昧だったり、あるいは理想的とは言えないものだったりするかもしれない。これらの呪文には完全性を妨げる制限が組み込まれており、目標は煩わしい術者への対策を準備できる。
多くのゲームでは情報が重要な要素となっており、その情報を明らかにするために占術が中心的な役割を果たすことが多い。情報を利用することで、キャラクターは待ち伏せされるのではなく待ち伏せをしたり、脅威を回避して最も効率的に目標を追求したり、対抗するための精度の高い作戦を準備したりすることができる。究極的には、GMである君は世界に関する全ての情報を流す水路となる。君はPCとNPCの両方に、適切な情報を提供する責任がある。キャラクターが持っているであろう情報を与え、知識を隠してはならない。しかし同様に、ゲームをより良いものにするように情報の流れを制御する必要がある。
初期の占術の中には、キャラクターが回数無制限に使用できるため、混乱を招きやすいものがある:ディテクト・ポイズンや、特にディテクト・マジックなど。一般に感知呪文(名前にディテクト~とある呪文)は薄い鉛の層を含む固体物質を貫通できない。そのため、重要な秘密を鉛で裏打ちされた容器をNPCに使わせることを検討してほしい。ひとたびPCが隠された秘密を発見すると、適切な予防策を使うという考えを持つNPCは特に手強く、価値のある敵に見せる。しかしすべてのNPCがこれを行えば、その効果は急速に弱まることになる。
これは控えめに見えるかもしれないが、クリーチャー、物体、場所を見つける能力は、失われたものや隠されたものを見つけることを基盤にした冒険全体をあっさりとショートカットしてしまう。しかし、ものを見つける呪文には明らかな制限がある。キャンペーンの面白さを損なう位置特定呪文に対処する最良の対策は、その知識を得ることだ。あるかどうかさえ知らないものがどこにあるかを、キャラクターは知ろうと試みることさえできない。いくつかの占術には以下に示すような制約がある。この制約は、目標の知識を術者がどれだけ知っているかによって決まる。
オーギュリイ:その主題通り、4つの選択肢(吉、凶、吉にして凶、いずれでもなし)しかないことは十分単純なように見える。しかしこのやり方は「ほとんど全ての事象は多少なりとも吉ないし凶」ということに行き当たる。この境界線はどこだろうか? この呪文は30分以内の未来だけを見通せることを思い出そう。その行為の長期的な結論を考慮することはない。例えば、いつか将来、魂を差し出す可能性がある代わりに1,000GPを得られるようデヴィルと契約することは、オーギュリイでは吉と判断されるだろう。
30分では結果を判断することが難しい場合、術者の信仰する神格や精霊の性格について検討しよう。例えば、大いなる報酬の得られる脅威度の適切な戦闘について、武勇の神は素晴らしい冒険であるという理由で吉と判断するが、注意深い神格であれば吉であり凶と判断するかもしれない。
君は何が起きるかを予測できない。だから出来る限りの推測を試してみるだけで良い。神でさえ、PCがどのように振る舞うかを正確に知ることはできないのだから! 「いずれでもなし」が有効な選択肢であることを忘れないようにしよう。特に、この呪文が正確な回答を得られない場合にはこの結果が返ってくる。術者は「いずれでもなし」という結果が「回答がわからなかった」のか「ほんとうにいずれでもない」なのかを判断しなければならない。オーギュリイの発動には25GPかかる。だからPCはたとえ高レベルになったとしてもこの呪文を見境なしに発動することはないだろう。
クレアオーディエンス/クレアヴォイアンス:この呪文は斥候として機能する呪文の中では最低レベルのものだ。だからこの手の呪文の中でプレイ中に最初に出てくることも多い。この呪文によりPCは自分を危険に晒すことなく、周囲を調べたり盗み聞きをすることができる。しかしペナルティを緩和する要素が多くあり、使用するのに手間がかかることもある。
クレアオーディエンス/クレアヴォイアンスの距離は400フィート+術者レベル毎に40フィートに制限されている。同じダンジョンの範囲を見るのには通常十分な大きさだが、この呪文がどこでも見通せるわけではない。術者は自分が知っている場所か慣れ親しんだ場所、あるいは現在見えている場所に感覚器官を配置しなければならない。例えば、任意の方向、でたらめに100フィート以内の場所に発動することはできないわけだ。この呪文の発動時間は10分であり、極めて長い。現在パーティに効果を及ぼしている他の呪文の持続時間は無駄になってしまうかもしれない。敵の支配圏で10分間ずっと大きくはっきりした声で呪文を唱えるというのも大きなリスクとなる。この呪文を安全に使おうとするなら、《呪文音声要素省略》は最高の組み合わせだ。この呪文は術者レベル毎に1分しか持続しない。そのため、術者が正確な時間を知っていない限り、長い会話で調査することは難しい。最後に、この呪文は強化された感覚を投射することはできない。そのため、術者が暗視を持っていても、呪文が暗闇の範囲に適用されれば、周囲10フィートしか見られない。より強力な(念視)副系統の呪文とは異なり、術者は感覚器官を設置した場所から離れて動かせない。
この呪文の聴覚版は暗闇の中でも視覚版より周囲をうまく把握できる。しかし聴覚の刺激は誤解を招く場合もある。最後に、敵はこの不可視の魔法の感覚器官に気づくかもしれないことは覚えておこう(この呪文の感覚器官に気づくための基本難易度は23だ)。ディテクト・スクライングは自動的にこの呪文を感知し、PCが近くにいることを理解する可能性がある。おそらく近くにいるPCの位置も明らかになるため、観測されている敵が即座に報復することもあり得る。
ディテクト・イーヴル:この項目は、他の属性を感知する呪文や能力にも適用される。物語によっては、キャラクターの属性を明らかにしないことが重要な場合がある; ディテクト・イーヴルを回数無制限で使用できるパラディンやインクィジター(あるいは常時ディテクト・イーヴルを使用できる使い魔など)の存在は極めて厄介なものになるかもしれない。幸いなことに、こうした呪文から身を守る方法はたくさんある。
最初に注意すべきことは、特に低いレベルでの話だ。属性感知呪文は、低いレベルのNPCを単に検出しない。クレリック、アンデッド、悪の来訪者がディテクト・イーヴルで検出されるには、ヒット・ダイスが5以上必要だ。次に心に留めておくことは、積極的に善、悪、混沌、秩序に偏った行動をするクリーチャーは、十分なヒット・ダイスがあれば、実際の属性に拘らずその属性として検出されるということだ。そのため、孤児の窮状に心を動かされて気前の良い行為を行った利己的な商人はその時点では善と判断され、戦争を止めるために罪のない子供を殺すよう強いられた忠実な戦士は、その行為を計画し実行する間、悪と判断されるかもしれない。最後に考慮すべきことは、属性の検出は非常に簡単であり、長期的には失敗しやすいということだ。
ミスディレクションやノンディテクションのようにd20ロールに基づいて失敗する可能性のある、高価で高レベルかつ持続時間の短い呪文に頼るGMもいるが、1レベルのバード呪文アンティテクタブル・アラインメントは24時間持続し、自動的に作用する。この呪文のワンドは一ヶ月以上持続する上、750GPしかかからない。本書に掲載されたいくつかの新しい呪文や魔法のアイテムもまた、属性感知の対策の助けとなるだろう。
いつもの通り、NPCにとっても実用的で便利な対策を使用するかどうかを考えるのは重要な点だ。NPCの状況と対策に費やす費用についても検討しよう。ワンド・オヴ・アンディテクタブル・アラインメントの対価として1日に15GPを支払うのは、自分の属性を調べることのできるパラディンと知恵比べをする重要な密偵には明らかに価値がある。しかし、下水道に単体で生きるランダムな悪のモンスターにとっては価値があるとは言えない。また、アンディテクタブル・アラインメントは属性感知を欺くが、NPCが放つアンディテクタブル・アラインメント自体のオーラは紛れもなく残ったままだ。呪文の魔法のオーラを誤魔化す他の方法と組み合わせて使用しなければ、情報をあっさりと提供してしまう。
ディテクト・マジック:この回数無制限で使用できるキャントリップは極めて強力なツールだが、この呪文を維持するために精神集中することは、術者に毎ラウンド標準アクションを消費させてしまい、時間が重要な状況やアクションが必要な際には、パーティの進行を劇的に遅くすることもあるのをお忘れなく。加えて、有益な情報を明らかにするには、数ラウンドを要する。
この呪文の最初のラウンドには、術者は60フィート円錐形の範囲にある魔法のオーラの存在(あるいは存在しないこと)以上の情報を得ることはない。ウィザードが魔法のアイテムを持つ誰か他のパーティ・メンバーの後ろで立っていれば、誤った検出をしてしまう。2ラウンド目でさえ、術者はオーラの数と最も強力なオーラの力を知るだけで、各オーラの場所を指定するにはまだ時間が必要だ。例えば、よくある不満にディテクト・マジックが不可視状態のクリーチャーの場所を明らかにするというものがあるが、実際には、不可視状態のクリーチャーは簡単に、ウィザードの円錐形の周囲をぐるぐると駆け回り、ウィザードに場所を指定する十分な時間を全く与えないことができる。
最後にして最重要の注意点は、魔法的な空間、複数の魔法の種別、そしてより強力なオーラは、より弱いオーラを歪めたり覆い隠したりするという事実である。このルールを完全に使いこなすGMは極めて少ない。例えば、NPCが魔法のオーラを隠すために、レイ・ラインに拠点を築くかもしれない。他の全てが失敗に終わったとしても、単純なディテクト・マジック呪文に対する対策はいくつもある。まずは薄い鉛の層のような魔法によらないものからはじめ、マジック・オーラ、ノンディテクション、ミスディレクションといったものに移行しよう。強力な対策であるグレーター・マジック・オーラにも目を通しておこう。グレーター・ディテクト・マジックは追加で興味深い情報をいくつか得ることができるが、2レベル呪文だ。そのため、0レベルのものほど頻繁に使えるようになるわけではない。グレーター・マジック・オーラはグレーター・ディテクト・マジックさえも欺いてしまう。
ディテクト・ポイズン:この呪文は毒の存在を知りたい駆け出しの信者にとってさえも有益であり、王の薬に毒を混ぜようとするほとんどのやりかたを台無しにしてしまう。解決策の一つは毒を識別する判定を立場のために行えないようなものや、消化しようとするキャラクターが判定をしようとさえ思わないものに毒を仕込むことだ。例えば、食事ではなくスプーンに毒を塗ることが挙げられる。頭のいい暗殺者であれば、毒として検出されるもの(例えばアルコールなど)に毒を仕込むだろう。単なるエタノールのアルコール(訳注:通常の飲用アルコールのこと)(および他の食品添加物)は神経毒だが、毒としてのデータは持たない。そのため、プレイヤーに特定の毒として記載されていない有毒物質についての考えを明らかにしておく必要がある。毒を使用する場合、術者は難易度20の【判断力】判定で暴くことができる(低いレベルでは失敗することも十分あり得る)。隠すために、その料理に既に期待されている同じ種類の毒を過剰に投入しよう。判定に成功しても助けにならないかもしれない(ニガヨモギの致死量をアブサン[訳注:アブサンはニガヨモギを使ったお酒であり、ニガヨモギを識別しても違和感がない]に入れておくと言ったように)。1レベル呪文のオブスキュア・ポイズンは毒の感知を困難にする。ランクィド・ヴェノムは毒の潜伏期間を遅延させ、識別をかなり難しくする。
ディテクト・ソウツ:この呪文の悪名高い曖昧さは、GMである君が究極的に情報の流れを制御するという考えにまで巻き戻してしまう。表層思考を読み取るというのは、PCが求める情報を全て完璧に与えるわけではない。たとえ目標がセーヴィング・スローに失敗しても、そのキャラクターが持つその時点での関心事が垣間見えるだけだ。例えば、貴族に変装したラークシャサは多分「私はラークシャサだ」といつも考えているわけではないだろう。しかし、いつも奇妙な略奪的な単語を思い描いている可能性はある。PCに興味深く価値ある要素を与えること。しかし最も重要なことは、この呪文はPCに対し、目標が考えるのに妥当である要素を伝え、答えではなく手がかりを与えるということだ。
頭のいいPCは特定の質問に対する回答を得ようとして、ディテクト・ソウツと訊問を組み合わせる場合もあるだろう。忠実であるがゆえに脅しをものともしない、どこにでもいる敵に対してなら、極めてうまくいくかもしれない。しかし、社交的な欺きから言葉を取り除けるだけの熟達した詐術師であれば、自分たちが嘘つきでないと見せかける訓練をしていることが多い。そのため、高いランクの〈はったり〉を持つキャラクターは、表層思考を分かりにくくすることができる場合もあるだろう。とは言え、PCが自分はスパイを捕えたのかどうか確信を持てない場合には、PCが向けた質問によって表層思考が滑らかなリズムや歌を繰り返す時に、虜囚は見た目通りの人物ではないと暴けるかもしれない。
シーク・ソウツはディテクト・ソウツよりも多くの人の心を調べることができるが、それでもなおセーヴィング・スローを必要とする(そして複数の目標を持ち、術者は誰がセーヴに成功し、失敗したかに気づかない)。表層思考についても同じ裁定が適用される。つまり、表層思考を徹底的に操作して殺人者を探し当てようとすることが有効なのは、その殺人者が積極的に考えている場合だけだ。本当のサイコパスであれば夕食について考えているかもしれない。賢いPCであれば、この情報こそサイコパスのNPCが疑わしい証拠として利用できるかもしれない。
ロケート・オブジェクト:多くのGMはロケート・オブジェクトを発動するPCが重要な物品を見つけて、冒険の大部分をスキップすることを恐れている。幸いなことに、その冒険が小さな町でPCのアイテムを盗まれるというものでもない限り、その恐怖はおそらく根拠のないものだ。そして多くの状況において、この呪文の対策もある。
ロケート・オブジェクトについて最初に注意することは、距離が長距離であるということだ。400フィート+術者レベルあたり40フィートといっても、都市や地域を渡る冒険においては十分長いとは言えない。また、PCは特定のアイテムを(占術によってではなく)直接観察しない限り、この呪文の対象として特定のアイテムを指定できない。アイテムを見つけることに焦点を当てた冒険の大部分では、目標はPCが直接見たことのない、固有のアイテムだ。最後に、この呪文は鉛の薄膜によって遮られる。したがって、占術のある世界の優秀な盗賊は、少なくとも追跡者から十分に離れることができるまでは、鉛の薄い膜で裏打ちされた袋の中に、盗んだ対象物を保管する可能性が高い。このような用心は、相手が魔法と周囲の世界の本質を理解していることを示している。
スピーク・ウィズ・アニマルズ及びスピーク・ウィズ・プランツ:この2つの呪文は、動物と植物はしばしば多くの秘密を観察しており、細心な殺害者であっても、観葉植物を目撃者と考えることは滅多に無いという点において役に立つ。しかし、これらの存在は知性が低いかそもそも知性がなく、人とは異なる方法で世界を捉えている。すべての謎を解くことなく役に立つ情報を提供するために、これらの呪文との間にバランスを取ることが重要になる。そうする方法は全て、動物と植物のロールプレイングの技術にある。動物や植物に、それらにとって当面で重要なことに注意を向けさせること、しかしPCが知りたい詳細には注意を向けさせる必要はない。これらの呪文を使うと、動物や植物の世界観で色付けされた手がかりをより多く得ることができる。
ゾーン・オヴ・トゥルース:真実を語る魔法は、陰謀と組み合わさると興味深い結果をもたらすことが多い。グリブネスのような効果を無視する呪文はゾーン・オヴ・トゥルースの中で嘘を直接つくことができるようにする。クリーチャーはこの呪文に対するセーヴィング・スローに成功しても術者に気づかれない。クリーチャーは単に直接嘘を口にしないことを選ぶこともでき、真実だと思っている虚偽を話すこともできる。潜在的にはモディファイ・メモリーやフォールス・ビリーフのような記憶改竄魔法を使用することで嘘をつかせることができるわけだ。このアドバイスは、他の真実を語る魔法、例えばディサーン・ライズにも適用される。
その他の占術:いくつかの珍しく極めて専門的な占術は、陰謀に基づくゲームを妨害する可能性がある。
ブラッド・バイオグラフィ:この呪文はクリーチャーの血を手に入れる呪文の使い手にいくつかの選択肢を与え、血を流したクリーチャー、出血時の状況と時間を識別し、そのクリーチャーの知識に照らし合わせる。意志セーヴィング・スローに成功することを除けば、生きているクリーチャーがこの呪文からクリーチャーを守る最適な手段は、スクライングのような呪文に対するペナルティを妨げる良い方法でもある。PCに見つかるような血を残さないようにしよう。DNAの証拠を用いた現代の犯罪ドラマのように、ブラッド・バイオグラフィの存在するゲームでは、犯人の血痕はそれ自体で捜査の成功を保証できる強力な証拠となることもしばしばだ。もちろん、狡猾な犯罪者が現場に罪のない人の血を撒き散らかすこともある。しかし、この呪文はいつ、どのようにして血が流されたのかを明らかにする。そのため、犯罪者が疑わしい状況とタイミングを含む、本当にうまくできた構図を考慮できない限り、問題になるだろう。プレスティディジテイションや同種の呪文で血を掃除することが現実的でない場合、別の対処法としては調査するのがほとんど困難なほど、血を他のクリーチャーのものと混ぜてしまって範囲全体に散布することだ。特に殺人者にとっては、この呪文のもう一つの使い方である、殺人者の詳細を暴く事ができるというものがある。これはちょうどスピーク・ウィズ・デッドと同様に機能する。後で述べるスピーク・ウィズ・デッドでのアドバイスに加えて、殺人者は血を飛び散らないような方法で殺すことを検討することもできる。あるいは、殺人者が関与していない以前の状況からの血液を植え付けておき、ドレス・コープスのような呪文で死亡時刻と死因を曖昧にし、以前の出血と一致させることもできる。
クリエイト・トレジャー・マップ:この呪文によって、PCは死んだクリーチャーが最も価値があると考えているものを示す地図を得ることができる。この呪文は価値が主観的なもので、配偶者や食事を見つけるのに最適な場所といった形のないものを含む場合もある。そのため、この呪文は通常、他の面白い冒険の可能性をいくつも提供する。この呪文の発動には1時間かかり、100GPのコストがかかり、死体の皮膚を地図として使用するという特にひどい作業を必要とするため、GMの手を特定の問題で煩わせることはない。しかしときどき、単にそれを回避する方法がない場合もある。例えば、狂気のアーティファクトを神として信仰する悪の狂信者は、このアイテムをこの地域で最も価値のある財宝だと考えているというのはありそうな話だ。このような状況では、他の様々な占術からも身を守る対策の一つである、悪役の部下がある程度誤った情報を持っているとか、全く情報を持っていないとかが挙げられる。例えば、このカルトの指導者は力を持たない信者たちに、アーティファクトは秘密だが安全ではない寺院に常に収められていると信じ込ませているかもしれないが、実際には、いつもは精巧に細工された偽物と入れ替えられているのだ。クリエイト・トレジャー・マップはクリーチャーの知識の矛盾や穴を説明することができない。そのため、カルトの信者を礼拝堂につれていくために目隠しをしたり、瞬間移動をしたりすることによっても、秘密の場所を漏らさないようにすることができる。
心術の主たる危険は、それがPCであれNPCであれ、キャラクターから警戒心を取り除くことである。そしてそれらの運用の主たる困難さは、どれだけ取り除くかの裁定だ。そのため、発生する問題の種類が少ないことになり、占術よりも扱いやすい。いずれの場合も、難易度25(かそれ以下)の〈真意看破〉判定により、心術にかけられていることがわかる。〈真意看破〉を使用して魔法に気づく方法の詳細については、社会的衝突における技能にさらなる情報が記されている)。
チャーム・パースン:(魅惑)魔法について覚えておくべき重要な点は、それが(強制)ではないということだ。これらは心術の異なる副系統なのである。すなわち、この呪文は誰かに何かを直接強要することはない。その代わりに、この呪文は基本的には術者が友人であるように感じさせ、術者の言葉を可能な限り正しいものとして扱う。社会的衝突における技能の〈交渉〉項に示されているように、誰かの友人であるということは、術者が自分の行動すべてを指図することを意味しておらず、この呪文が与える対抗【魅力】判定を持ってしてもその範囲を超えることはない。術者が望む通り行動するように強制することはできないのだ。
例えば、悪の死霊術師は友人が新しい腹心となることを喜んで許可するかもしれないが、対抗【魅力】判定に成功したとしても、友人が頼んだという理由で人生の目的を諦めたりはしない。この助言は他の(魅惑)呪文、例えばチャーム・アニマルやチャーム・モンスターにも等しく適用される。
サジェスチョン:その一方で、サジェスチョンやそれに類するものは、実際のところマインドコントロールを行う呪文だ。サジェスチョンの重要な点は、適切な形で提案する必要があるということだ。特定の提案は、当の目標にとって適切なものである必要はない。プレイヤーの想像力が豊かであればあるほど、そしてNPCの動機に対する理解が深まれば深まるほど、この呪文を利用して有利になることが多い。とくにサジェスチョンが最も強力な呪文の一つであるような低レベルにおいては、プレイヤーはこの種の工夫によって報われるべきだ。中レベルのゲームにおいて(あるいはリソースの多い低レベルの悪役に対して)は、敵は〈真意看破〉判定でサジェスチョンの効果に気づくようになる。そのためプロテクション・フロム・イーヴルや同種の呪文によって、(強制)効果に対する防護を張ったり、継続しているこれらの効果を終了させたりする。
幻術はファンタジーの基本であり、それをあらゆるレベル帯でのゲームで判断する際に考慮すべき、重要な要素が2つある。第一に、幻術の副系統の差異。第二に、看破とやり取りである。これらを理解することで、すべてのレベル帯で幻術に対処できるようになる。
副系統:幻術の副系統の中で最も混乱しやすい3つは、(虚像)、(幻覚)、(惑乱)だ。サイレント・イメージのような(虚像)呪文は、誰もが知覚できる全く新しい感覚的効果を生み出す。これは精神を持たないクリーチャーにも作用する。(幻覚)副系統はそれに似ており、ディスガイズ・セルフやサイレンスのような、クリーチャーが既に存在している何かを感知するやり方を変更する呪文が含まれている。他の2つとは対照的に、(惑乱)はすべてがクリーチャーの心のなかにあり、したがって、精神を持たないクリーチャーには作用しない。
幻術には他に(紋様)と(操影)という副系統もあるが、これらは互いに区別しやすい。(紋様)は通常、敵に状態を与える光に基づく効果であり、(操影)は擬似現実的な効果を作成するものだ。
看破とやり取り:上記の3つの副系統は、いずれもセーヴィング・スロー欄に「意志・看破」と書かれていることが多いが、それらの適用方法が異なる。
(惑乱)はクリーチャーの精神を直接攻撃するため、クリーチャーは自動的かつ即座に(惑乱)を看破するセーヴィング・スローを行う。しかし、(虚像)と(幻覚)はクリーチャーが幻術と「やり取りした」場合にのみ、セーヴィング・スローを行えるという、より裁定が難しいルールがある。
しかし幻術とのやり取りとは、何を指すのだろうか? 単に幻術を見ることを意味しているわけではない。それであれば、区別する必要はないからだ。しかし、線引きは少し難しいかもしれない。幸いなことに、ルールがその違いを定義する役に立つ。ある幻術を注意深く調査するために移動アクションを消費したクリーチャーは、その幻術を看破するための意志セーヴを行える。そのため、それが判断の良い基準となるだろう。
これを基準とすると、一般にやりとりとは移動アクション、標準アクション、あるいはそれより長い時間をキャラクターの行動の一部として消費することである。例えば、オーガのメジャー・イメージがあったとすると、オーガに攻撃しようとしたキャラクターは看破のためのセーヴィング・スローを行うだろう。また、1分を費やしてオーガに〈交渉〉判定を試みたキャラクターも同様だ。フリー・アクションとして機知に富んだ冗談をオーガとやり取りしただけのキャラクターや、自分や仲間に呪文を発動しただけのキャラクターは、幻のオーガと直接やり取りしたわけではない。(幻覚)の場合、やり取りは一般に(虚像)と同じように機能するが、やり取りは(幻覚)が影響している物事に限定されたものでなければならない。例えば、クリーチャーの耳を掴むことは、エルフに扮するためにディスガイズ・セルフを使用している人間にとってやり取りと言えるが、(幻覚)を使用して髪の色を変えている者にとってはやり取りとは言えない。同様に、視覚によって調査した人物は、純粋に声だけを変える(幻覚)に対してはセーヴを行えない。
占術と同程度に情報を与える能力を持つ死霊術もわずかながらあり、考慮に値する。
スピーク・ウィズ・デッド:この呪文、そしてコール・スピリットのような他の類似呪文は、スピーク・ウィズ・アニマルズのような呪文とほぼ同じように扱われ、術者はうまく扱うことで他では得られない情報を得ることができる。
これは殺人ミステリーを台無しにする確実な方法のように思えるかもしれない。しかし、その効果を弱めるだけの考慮すべき要素がある。第一に、死体の知識はそのクリーチャーが生きている間に知っていたことに限られる。この呪文の効果を避けるための殺人者の最良の方法は、被害者が殺人者の身元をわからないようにするために、変装や隠密を使用することだ。第二に、死体が話せない状態にある場合、スピーク・ウィズ・デッドは効果を発揮しない(ただし、死体を修復できる呪文が存在する)。第三に、この呪文に対してセーヴィング・スローを行うことができ、その成否に拘らず、呪文は以降一週間の間失敗し続けるため、殺人者は招来の呪文発動を未然に防ぐために自分でスピーク・ウィズ・デッドを発動しておくことができる。しかし、犯人側のこのような警戒は、PCに犯人に対するより多くの情報を与え、興味深い方法で陰謀と捜査が進むことになる。最後に、死体の答えは簡潔で、謎めいた繰り返しの多いものだ。死体はPCが突然全てを解決するような手がかりではなく、操作を進める興味深い手がかりにしかならないかもしれない。
7レベル周辺で目立ってくる呪文は、キャンペーンに大きな影響を与え、謎や相互作用の多い冒険の運用をより複雑にする。これらの呪文は通常、4レベル以上のものだ。
(瞬間移動)効果はゲームに大きな衝撃を与える。追跡されることも追いかけられることもなく、鍵や壁のような防護を通過することもできる。多くの場合、このような効果のたぐいは、中レベル帯でのゲームから導入されることだろう。
ディメンジョン・ドア:ディメンジョン・ドアは長距離範囲内の特定の場所に向かう際に機能する。この時キャラクターと他の同行者は突然指定した場所に現れる。これは障害物をスキップする役に立つ。そのため、(瞬間移動)魔法を支えるキャラクターを締め出したいと考える宝物庫の建造者は、このことを考慮しそれに合うように計画する必要がある。フォービダンスはディメンジョン・ドアのような(瞬間移動)効果に対処する素晴らしい方法だ。また、この目的においては、アンハロウあるいはハロウとディメンジョナル・アンカーを紐づけるのもうまく機能する。この呪文を使用した術者は《Dimensional Agility》を修得していない限り、目的地に到着した後に一切のアクションを行えないことを覚えておこう。
テレポート:テレポートはディメンジョン・ドアと同様に機能するが、距離と多様性が大幅に高まっている。しかし重要な点は、テレポートは呪文を構築するにあたりいくつかの特別な制限を持つ点だ。一つ挙げると、術者は目的地のレイアウトと実際の場所がどこかを知っている必要がある。術者が占術を使って秘密の潜伏場所をなんとか見ることができたとしても、どこにあるかを知っていないと十分とはいえない。第二に、物理的ないし魔法的なエネルギーを持つ場所では、瞬間移動はより危険で不可能である場合さえある。多くのGMはこの重要な要素を忘れている。これは実際に、悪役が秘密の火山にねぐらを作ったり、レイ・ラインに要塞を作るゲーム内の良い理由を与えてくれる。この助言はまたグレーター・テレポートにも等しく適用される。しかし、失敗した瞬間移動の結果はさほどひどくならない。
多くのゲームを変える占術は、中レベル帯のゲームで導入される。特に影響があるのはスクライングである。
アーケイン・アイ:クレアオーディエンス/クレアヴォイアンスに似ているが、アーケイン・アイはほとんどの点でより優れており、1レベルだけ呪文レベルが高い。これにより、術者は強化された視覚を使用でき、感覚器官を動かして範囲全体を偵察し、ダンジョンの構造の大部分を明らかにすることができる。発動時間は依然として長く、感覚器官を動かして情報を受け取るには精神集中が必要だ。目の移動速度を考慮に入れること。術者が実際に周辺を見回し、天井や壁を観察したいと思ったなら、1ラウンドに10フィートしか移動できないので、遠くまで移動するのにかなり時間がかかる場合がある。直径1インチ以上の穴しか通過できないため、ほとんどどの扉も通過できない。敵は難易度24の〈知覚〉判定に成功すれば感覚器官に気づくことができる。ディスペル・マジックのような対策を使用できない限り、ほとんどの敵はそれを実際に傷つけられない。しかし目は硬い障害物を通過できないため、敵は容器の中に捉えることで目の移動を阻害することができる。
コミューン:これは注目すべき重要な呪文である。特筆すべき点は、一部の《上級使い魔》はこの呪文を通常より早く使用でき、金貨を必要としないことだ。通常、コミューンの発動には500GPの価値がある特別な物質要素が必要だ。コミューンは神格または神格の代理人との対話であることを覚えておこう。呪文が神格と接触できるという保証はない。呪文の説明文には、外方次元界の強力な存在が必ずしも全知ではないことを示している。そのため、対話した相手が答えを知っているかどうかを考えておこう。経験則としては、神格の権能を見て、権能の範囲で特に精通している代理人がいるかを考える。これにより、PCはより適切な神格のクレリックを見つけ、彼等に自分の代わりに呪文を発動してもらえるようになる。これは、興味深い物語のステップを生み、やりとりによるロールプレイングの可能性を作り出すかもしれない。いずれにせよ、コミューンは「はい」か「いいえ」で答えられる質問でなければならない、と書かれていることを覚えておこう。尤も、もし神の代理人が一語の回答では誤解を招いて自分の利益を損なうと考えているなら、彼等は明確にするために15文字までの説明をしてもよい。PCは最初にコミューンを発動する前に、すでに何かを疑っている可能性が高い。例えば、ヒディンビ夫人がラークシャサでないかと既に疑っている場合、PCは彼女について問うことができる。そして神格の代理人かその答えを知っているのが妥当であれば、「はい」と答えるかもしれない。しかし、ラークシャサがいることは知っているが誰かはわからない場合、PCは「ラークシャサは誰か?」と質問して「ヒディンビ夫人」という答えを受け取ることはできない。
コミューン・ウィズ・ネイチャー:外部の力から不可解な情報を受け取る3つの呪文の内、コミューン・ウィズ・ネイチャーは術者に最も確かな情報を与える可能性がある。というのも、この呪文は様々な項目から3つの完全な事実を提供するものだからである。しかし、コミューン・ウィズ・ネイチャーは他の占術と比較すると得られる情報の種類が限られている。まず第一に、これが最も役に立つのは広範に渡る屋外の範囲で、何マイルにも渡る情報を見つける。ただし、術者がより狭い範囲を望んで特定しようと思わない場合、誤った答えを正しいと解釈してしまう可能性がある。900フィート以上の範囲というのは、PCが探索したい範囲を包含するのに十分であることが多いため、この呪文は手の加えられていない洞窟でも効果がある。ただし、居住地や建設されたダンジョンでは全く機能しないことを覚えておいてほしい。自然の意識は、具体的な情報よりも一般的な情報を返す傾向がある。この地域で最も強力で不自然なクリーチャーの正体を突き止めようとするドルイドは、邪悪で不自然なものがジャングルを徘徊しているという感覚を覚えるかもしれないが、そのクリーチャーの詳細を知ることはないだろう。自然はその中にある腐敗を感じ取ることはできるが、例えば、アンデッドの種類のような特定の知識を有していない。
コンタクト・アザー・プレイン:取り扱いが容易な占術の一つであるこの呪文は、発動に10分かかり、精神集中が必要で、否定的な効果を実際に取り除く方法がないままに術者を数週間もの間役に立たなくする、無視できない可能性がある。本当の答えを得る確率はそう厳しくはないが、この呪文はあまり信用できない。すべての呪文は、例外なく「はい」あるいは「いいえ」のような一語で回答される。コミューンと比較してみよう。この呪文はミステリーの完全性にとって特に危険なものではない。
ディテクト・スクライング:この呪文は長時間続き、近くにある(念視)の感覚器官を自動的に検出し、念視をしている者の位置を明らかにし、その姿を垣間見ることさえできる。この呪文は(念視)に全く対抗しない。(念視)の効果は発動しており、情報を目標に与えるのだ。陰謀をテーマにしたキャンペーンにおいて、偏執狂のPCは使用できるようになるとこの呪文を発動する可能性が高いため、偏執狂のNPCも同様にそうするようにすること。ただし、喜んで使用できる4レベル呪文スロットがある場合に限られる。そのキャラクターにとって妥当なリソース消費だと判断して常にディテクト・スクライングを発動している場合、プレイヤーとPCはそれが世界の一部として取り込まれていることをいやいや受け止めるだろう(特に、彼等も同様に毎日ディテクト・スクライングを発動しているなら)。しかし、PCがNPCに(念視)呪文を使うときに、NPCが巻物からこの呪文を都合良く使うのはずさんなやり方だ――PCがNPCにその日に(念視)呪文を使用されると断じる強い理由を与えでもしない限り。要するに、スクライングが機能し始めてからディテクト・スクライングを使用するというのは、「ええ、でも」と言う素晴らしいやり方だ。
ディヴィネーション:オーギュリイ同様、ディヴィネーションも25GPかかるが1週間先まで見通すことができ、成功すれば短い文章、不可解な詩、前兆、同種の何かを受け取れる。GMとして創造性を発揮し、自分の強みを生かして対応しよう。例えば、詩はこの呪文に対する反応を構造化するための優れた方法だが、詩を書くことが得意でなくても、コラージュが得意であればそれを使えばよい。この呪文の結果はどのようなものであってもよいのだ! PCがうまく使えるであろう興味深い手がかりを与えたり、後で明らかになったときに思い返させる絶好の機会だ。この呪文のために満足の行く結果を得るには時間がかかるので、例えばセッション外でディヴィネーションのアイデアを思いつくこともあるので、可能なら、時間があれば結果がもっと楽しいものになると伝えてほしい。しかし、ゲームが始まるまでに予測する方法がないのなら、時間制限を早めることにはなんの問題もない。ディヴィネーションは多くの可能性があり、すべての力を君に与える。PCは25GPと呪文スロットを使って、君が素晴らしい結果を与えることを信じている。だから、その答えが無価値であったり過度に露骨であったりしないようにしてほしい。正しい結果を与えることは、科学というよりは芸術なのだ。
ファインド・ザ・パス:この呪文の主な制限は、術者は物体やクリーチャーではなく位置を指定することしかできず、位置は主要な位置(一般には重要拠点か有名な場所)でなければならないということだ。冒険者が探そうとしている場所の多くは重要だが、全て有名というわけではない。そして有名であれば、冒険者が見つけるのは難しくないのだ。この2つの要件が重なっているところは、通常、占術からその地域を守る、ある種の強力な魔法の効果がある。このような場所を必要とする場合、この呪文は妥当な筋書き上の装置であり、物語の観点で見ると理にかなっている。結局のところ、その場所が有名なら、PCより前にファインド・ザ・パスのような基本占術を試した人がいる可能性が高い。そしてその試みの結果はまとめられているだろうから、見つけるのは難しくないだろう。この筋書き上の装置を使用する場合、PCの調査結果を踏まえて早めに導入することを勧めておく。その場所は占術から守られなければならないと考えていた過去の冒険者の古い手記を見つけることは、その事実を最初の挑戦の基本的な要素として示す役に立つ。これにより、後になってPCが予期しないことに対処するために追加された、絶望的な最後の手段のように見えなくなる。
レジェンド・ローア:レジェンド・ローアは発動に250GPかかるため、PCはおそらく頻繁に発動しないだろう。彼等は人や場所、物品(物品は手元にあるものを指し、愛や特定の神秘と言った概念的なものを含まない)に関する興味深い情報を探しているはずだ。目標が手元にあったとしても、呪文の発動には40分かかる。目標がない場合、更に長い発動時間が必要だ――噂から作動させるには、12周間もかかる。すべてが伝説の存在ではないことを覚えておこう。11レベルのキャラクターは通常は伝説と見なされるものを使用または対処することが多い、ということも把握しておこう。たとえ脅威度が低いとしても、神話クリーチャーも同様に伝説の存在と解釈される可能性が高い。
PCが目標に関する事前情報をどれだけ有していたかによって、目標について幾分ましな漠然とした情報(噂だけを知っていた)、不確かであやふやな伝承(詳細な情報を持っていた)、目標の伝説(手元に目標が存在する)などが得られる。伝説の種類は指定されていないため、あらゆるものが来る可能性がある。通常、伝説は口頭で伝えられるため、結果をプレイヤーに伝えるのには文章が最も簡単な形式だ。しかし伝説はどのようなものでも良いので、創造性を発揮してほしい。PCの手元に目標がない場合、いくつかの伝説は互いに矛盾する可能性があり、確かな情報は殆ど得られない。特に目標がPCの手元にあるなら、何も明らかにしないとりとめのない話をするのではなく、体験をより良いものにする有益な情報や、少なくとも興味深い情報を提供するようにしよう。この呪文は一般には決して知られなかった伝説を明らかにする可能性もある。そのため、より早く物語を進めたり、手がかりを与えたりしたいのであれば、PCに期待以上の素敵な情報や有益な内容を与える絶好の機会である。魔法の中のすべてが君のペースで動く。
ロケート・クリーチャー:この呪文はロケート・オブジェクトの問題と同じものを多く持っているが、鉛ではなく流れる水がこの呪文を遮る(とはいえ、水路のある都市でもこの呪文は助けになるだろう)。この呪文においては、「クリーチャー種」と「クリーチャー種別」は異なるものだ。例えば、オークはクリーチャー種であり、人型生物はクリーチャー種別である。術者はそのクリーチャー種を近くで見たことがなければならないことに注意。この用語は他の位置特定呪文に比べ定義が少ない。センディング呪文の「術者がよく知っている」という文章と同様のものだと考えよう。術者によく知られているクリーチャーとは、術者が実際にそのクリーチャーに会い、目の前でそれを認識した場合だけだ。
プライング・アイズ:この呪文とグレーター版はほとんど同じ形で機能する。グレーター版の違いは、トゥルー・シーイングを持ち、〈知覚〉の合計ボーナスが極めて高いことだけだ。その共通点に注目すると、この呪文はアーケイン・アイとはかなり異なる状況であるが、陰謀を用いるゲームではより一般的な状況で役に立つ。この呪文はダンジョンではうまく機能しないが、半径1マイルで、レベル毎に1時間持続し、多数の目を持っている。そのため、術者が集中することなく、小さな共同体で起きているすべてのことを術者に伝えることができる。プライング・アイズの主な弱点は、感覚器官を破壊でき、目視できること、そして〈隠密〉の合計ボーナスが+16しかないことだ。ということは、同じレベルの相手は、目を見て簡単に破壊できるというわけだ。目の破壊は知識のあるPCが心に留めておく事ができる興味深い知識であることを覚えておこう。あの可愛らしくておしゃれな貴族が何らかの形で目に気づいたのだとしたら、多分その貴族は思っている以上の存在であるか、少なくとも鋭い視力を持つボディガードがいるだろう。
この呪文によれば、闇の中に送り込まれた目は障害物にぶつかって破壊される可能性がある。これは、術者が目に無謀に行動するよう指示した場合にのみ発生する。例えば、暗闇でゆっくりと移動するのではなく、非常に短時間のうちに遠くまで移動し、全速力で飛ぶように指示した場合などだ。呪文の説明文のとおり、目が破壊されたときには術者は破壊されたことを知りはするが、どのようにして破壊されたかは決してわからず、興味深い推理とより多くの調査につながっていく。目が一般的な斥候を行っている場合、目が見たものに関していくつかの面白い話を示すようにしよう。こうして物語の筋書き上は重要でない情報を伝えることで、NPCの別の側面を表現する可能性がある。これには多くの目的がある。まず、呪文が有効であり、自分の呪文が多くの情報を提供する強力な占術師であると感じさせることだ。次に、ゲームの世界に深みを与え、雰囲気を少し変えたり、緊張感を和らげたりするのに役立つ。最後に、最も重要なこととして、術者が必ずしも探そうとしていなかった手がかりを追加することで、煙幕として機能する。例えば、もし君が面白い追加情報を目に時折報告させる場合、銀食器を隠しているある女性について君は少しだけ差し挟む事ができ、そして最初は別の単なる癖、恐らく泥棒から価値あるものを守るための行いに見えることだろう。もし君が筋書き上重要な情報以外は目から全く描写させない場合、PCがまず間違いなくその女性(ライカンスロピーに感染したばかりであることを少しずつ明らかにしたいと君が望んでいる人物)の調査へと向かうことだろう。
スクライング:スクライングについて覚えておくべき最も重要なことは、クリーチャー1体を念視しなければならないということだ。場所を念視することはできない。この呪文である特定の場所の念視を許可するのはよくある間違いだ。術者は再利用可能な1,000GPの鏡を購入する必要があり、その上で一時間かけてクリーチャーの周りの狭い範囲(全方位わずか10フィート、魔法で強化された視覚を持つ)を見聞きする。術者レベルごとに1分間持続し、感覚器官は150フィートの移動速度で移動する。クリーチャーは他の(念視)の感覚器官と同様にスクライング効果に気づくことができるが、難易度24の〈知覚〉判定に成功する必要がある。しかし目標にとって良いニュースがある。まず第一に、観察された目標は24時間持続するディテクト・スクライングにより、この呪文を自動的に感知できる(そしてその発生源を明らかにする可能性がある)。目標はこの呪文を自由に使うことができなくてさえ、試みを避けるために意志セーヴィング・スローを行ったり、持っていれば呪文抵抗も行ったりできる(そして試みに失敗した術者は、24時間の間再挑戦を行えない)。それに加えて、目標と術者が以前に出会っていない限り、目標はこのセーヴィング・スローに最低でも+3のボーナスを得られる(間接的な知識あるいは絵画による場合、PCが持つ最も良い情報源を元にする)。スクライングは念視をする者にとって状況がすべて噛み合えば密偵にとっては非常に便利な場合があるが、それだけでテレポートの潜在性にとってそれ単独で極めて有用というわけではない。半径10フィートの視覚情報から目的地の構造を正確に把握するには目標が移動しなければならず、呪文はその場所を直接示すことはない。PCは、目標がどこにいるかをすでに把握している場合を除き、状況に応じた手がかりから場所を把握しなければならない。
ストーン・テル:これはスピーク・ウィズ・アニマルズやスピーク・ウィズ・プランツと本質的に似ているため、多くの同じアドバイスを適用できる。石は多くのクリーチャーよりも遥かに長い時間感覚を持っている。石が世界や事件をどのように見ているかなど、石の考え方の違いを強調しよう。
中レベル帯のプレイでは、心術はより多様になる。より多くのクリーチャー種別に対処したり、他人を支配するドミネイト呪文がゲームに登場したりする。
ドミネイト・パースン:サジェスチョンとは異なり、この呪文は術者に他のキャラクターを完全に制御させ、その要求が妥当である必要はない。陰謀に従事するゲームにおけるこの呪文の救済措置の一つは、この効果に気づくための〈真意看破〉の難易度が15しかなく、誰であれ気づく可能性が高いということだ。それでもこの効果は非常に強力だ。プレイヤーの使用キャラクターが支配されると、そのプレイヤーの時間が無駄になってしまう可能性があるし、主要なNPCがプレイヤーに支配されれば、物語が台無しになることもあり得る。この呪文によって術者はこ支配されたクリーチャーを密偵として使い、その視界を通してものを見ることさえできるが、ここでも、〈真意看破〉の難易度が低いということは、通常はそれをするのにより良い対策があることを意味している。(強制)を防ぐ他の手段に加えて、ドミネイト・パースンには2つの特別な免責事項がある。
まず、クリーチャーは明らかに自己破壊的な行動を取らない。この呪文には、このことが単に肉体的な危害を意味するかどうか言及されていないが、肉体的な破壊以外にも破壊には多くの種類がある。例えば、王に、明らかに取り返しのつかないことを宣言させて自身の名声を台無しにし、王国を引き裂くような命令は、明らかに回復不能なほど破壊的なものであろう。明らかに自己破壊的でない場合でも、合言葉によって支配されている人物が不自然な行為を行うたびに、その人物は+2のボーナスを受けてもう一度セーヴィング・スローを行う。キャラクターの性格に反する指示が何度も連続して行われる場合、これらの新しいセーヴィング・スローをどれくらいの頻度で行うかを決めるのはGM次第だが、PCとNPCの両方に公平になるよう、同じ頻度で与えるようにする。支配されることはPCにとって非常に苛立たしいことであるため、どちらの場合にも新しいセーヴィング・スローを極めて高い頻度で与えることを検討して良いが、NPCが使用する前にPCが支配効果を使用できるように見える場合には、PCたちにそうすることを伝えておこう。これらの助言は、ドミネイト・モンスターにも適用される。
情報を見出す最も信頼できる呪文はより高いレベル帯に登場し、それらの呪文は7レベル以上だ。
注目すべき呪文の少なくとも1つが15レベルで使用可能となり、広範囲に影響を及ぼす。
マインド・ブランク:8レベル呪文のマインド・ブランクは高レベルで頻出するようになる、強力で様々な用途を持つ防護呪文である。ディサーン・ロケーションのような呪文により、高レベルでのゲームで人の発見は簡単になる。したがって、PCがその身元を知っている悪役は、常にマインド・ブランクを自分に発動する必要がある。悪人がこの呪文を使う呪文の使い手を雇うことが絶対にできない場合は、ハグの魔女団(毎日マインド・ブランクを制限なく発動できる)を使って力を合わせるか、ヘッドバンド・オヴ・シールド・ソウツを装備するかを検討しよう。
PCもこのレベルでは可能な限りマインド・ブランクを発動し始める可能性が高いため、悪役は少なくとも同じくらいの努力を払うべきだ。悪役はすべての仲間や部下にマインド・ブランクを施しておくことはできないのは明らかだ。そのため、頭のいいPCがそれを利用する機会はたくさんある。例えば、悪人の近くにいる仲間に(念視)呪文を使用してもマインド・ブランクで守られた悪人を明らかにすることはない。しかし、PCはマインド・ブランクで守られた人物が存在すること示す一方的な会話に気づくことができるかもしれない。
結局のところ、悪役が自分の資源の範囲で妥当な防御策を講じ、PCがそうした防御策を回避する賢い方法を見つけられるようにすることに尽きる。世界のどんな防御策も完璧ではない。例えば、悪役がハグの協力者を説得して、仲間のネットワーク全体のマインド・ブランクの供給源としたとしても、ハグらが新しい弱点となる。PCは悪役のエージェントの一人を捕え、ハグについての情報を得て、ハグを倒したりその住まいを偵察して悪役がマインド・ブランクをかけなおすタイミングを待ち伏せしたりすることができる。
高レベルのゲームでは占術は信じられないほど強力であり、マインド・ブランクだけが防御策として機能する。
ディサーン・ロケーション:この呪文は低レベルにおける位置特定呪文が持つ、共通の弱点を持たない。協力する神格がいない限り、ディサーン・ロケーションに対する防御策はマインド・ブランクだけだ。すべてのキャラクターが常にマインド・ブランクの影響下にいられるわけではないため、ディサーン・ロケーションは極めて便利であり、その目標に味方がいるか他の人物とやり取りする限り、PCはマインド・ブランクで守られた目標に近づくことができる――陰謀に焦点を当てたゲームではほぼ確実に起きることだ。この呪文はほとんどのNPCによく知られており、ディサーン・ロケーションを使用するという脅しさえも強力な戦術となりえる。
グレーター・スクライング:ほとんどはスクライングと同様だが、時間に関する内容が大きく異なっている。この呪文の発動はわずか1回の標準アクションであり、1日の大部分を占めるほどに持続させることができる。長い持続時間により、術者は正確な構造と位置を知っている場所にいる目標を追従する可能性が高くなる。一方、このレベルでは、ディテクト・スクライングの発動は容易であり、多くのクリーチャーが不可視状態の密偵を見ることができ、マインド・ブランクが目標を遮ることもある。
ヴィジョン:レジェンド・ローアと比較すると、ヴィジョンは発動時間が遥かに短く、疲労状態を引き起こし、成功するために術者レベル判定に成功しなければならない。様式としての大きな違いは、術者が多くの伝説からの情報を聞き出すのではなく、単一の幻視を見ることだ。また、キャラクターは呪文の範囲を狭める為に特定の知りたいものを決めるので、その幻視はキャラクターが本当に知りたいものについての話題に関するものになるだろう。ヴィジョン呪文の為に、PCが正に見るものをじっくりと考え、視覚的な詳細を十分に示して可能な限り鮮明に表現するように試みよう。この幻視はPCが決めた知りたいものに関連する、最も興味深い視覚の断片を表現するように調整できる。そこにいるかのようにPCが見るものを描写することで、魔法は単なる情報のゴミ溜めではなく、経験となる。さらに、PCは自分が見たものを解釈しなければならない。呪文の使い手のプレイヤーを別の部屋につれていき、幻視を説明してから、卓に戻ってきて自分の呪文がパーティの他のメンバーに示したことを説明させ、解釈させたいと思うことさえあるかもしれない。ときには、ある視覚的詳細が後の興奮する啓示の瞬間にやっと更に重要な手掛かりであると明らかになった時に、術者は別の視覚的な描写の1つに焦点を当てることもあるだろう。
以下の詳細な例では、上記のアドバイスのいくつかを実践し、最も難しい呪文の2つ、ディヴィネーションとヴィジョンを使った判断を行う。この例のGMはプレイヤーに魔法毎に異なる手がかりを与え、一緒に調べた場合にのみ謎の解決へと導く手助けとなるようにしている。
はるか昔、強力なハグがガヘリス王国を破壊しようとする邪悪な魔女団を率いていた。敵を味方に変えようとしたガヘリス王は、中でも弱い2人の姉妹に魔女団を抜けてリーダーを裏切るように説得した。その報奨として、彼は魔法を使って姉妹を人間へとリインカーネイトさせ、強力な公爵2人と結婚させた。ハグの姉妹は最年長の姉を小屋に閉じ込め、生きたまま焼いたが、彼女が強力なウィッチファイアーとして蘇るのを目の当たりにすることとなってしまった。国中を跳梁する、かのアンデッド・ハグとの何週間にも渡る激しい戦いの後、二人の姉妹はウィッチファイアーを王室の霊廟にある厚い壁の向こう側に閉じ込め、自分たちがその脅威を永久に封じたと信じて、非実体の存在を封じ込めるために防護を施した。
数百年の後、墓荒らしが誤って壁に穴を開け、閉じ込められていたウィッチファイアーを逃してしまった。復讐の念に燃えたこのアンデッド・クリーチャーは、裏切り者の姉妹の子孫を探し出す。貴族の間で一般的な交配を考えると、これには現在のガヘリス王国の貴族ほとんどが含まれる。王国を破壊するというその当初の目標は、ウィッチファイアーにとっても合致するものだ。憎悪から生まれた、ウィッチファイアーの本来の能力を遥かに超えた儀式魔法を用いることで、彼女は姉妹の魂を呼び戻し、黒いサファイアに拘束し、それによって魔女団の力全てとそれ以上のものを手に入れることができた。それから、彼女は沼地にある小屋の近くにある洞窟に戻ると、精神を操った部下を使って目標を生きたまま焼くための復讐を実行し始めた。
PCには、現在のガヘリス国王から、家族を標的にした連続放火事件の原因究明を求める嘆願書が届けられる。キーラは放火の解決を狙ってディヴィネーションを、エズレンは放火の本当の発生源を知りたいとヴィジョンを発動する。
GMは、神から与えられた情報を表す詩をキーラのために作成する。
永久の眩い炎は情熱を剥ぐ、
愛と憎悪は宝か反逆か、
壁を順に削るとしよう、
支払いは終わりなく、ただ遅れるのみ。
最初の薪の燃えさし近く、黒く染められた洞穴の中に、
かつて穢れていた、清き眠った双子が横たわる、
2つの監獄が破れれば闇の美は揺らめく、
捕らえるに忠誠なく、愛もなく。
解釈:朗読する時、詩の最初の行にはハグと同音異義語が含まれている。この韻文は墓の壁が削り取られた時のハグの逃走を引用している。魔女の復讐、あるいは詩で表現されているような支払いは単に先延ばしにされている。洞窟の入口は黒い洞穴で、「最初の」薪とは、ハグが焼かれた場所だ。もっとも、PCはそのことに気づく前に、おそらく下に示したエズレンのヴィジョンからの追加の手がかりを使って、誤解して最初の放火場所に向かうかもしれない。闇の美の牢獄にいる眠った双子は、黒いサファイアに閉じ込められた姉妹の魂を意味している。魔法の監獄から彼女たちを解放すれば、ウィッチファイアーはかなりその力をそがれるだろう。最後の一文は、姉妹間の裏切りの話と、ウィッチファイアーが力づくで協力を得たことを暗示している。
炎が君の周りのすべてを飲み込む。ここは簡素な木製の小屋。遠くにある大きなヒノキの木の上から沼を見渡している。外に2つの影が見え、正面の扉にはバリケードが張られているようだ。君の視界は煙によって滲み、入り口へとまるで扉を打ち砕こうとする――無駄な努力だが――かのように激しく移動する。視界の端には無数の物体が炎に包まれていて、奇妙な香辛料、藁人形、水の入ったボウルのなかの目玉1つといったものがかすかに見えるだけだ。そして、炎しかなくなってしまう。君の視界は床に向かって移動する。しかしその努力はあまりに遅かったため、業火が再び強く燃え上がると、君の手は動くのを辞め、なにもかもが燃え尽きた。
解釈:結局のところ、放火の本当の原因は魔女団の元のリーダーを殺したことにある。このリーダーはウィッチファイアーとなった。この幻視は物語のいくつかの要素において、多くの手がかりを提供する。中でも印象的なのは、独特の大きなヒノキの木であろう。更に調べれば、エズレンはその場所を突き止め、ウィッチファイアーが自らの新しい領地への扉をおいた洞窟の近くにある、小屋の跡を見つけることができるかもしれない。