ホブゴブリンは獰猛で軍国主義であり、衝突の中を生き残る。軍事兵器の燃料となる資材は略奪により手に入れ、兵器と建造物は奴隷が死ぬまで働いた苦労によるものだ。生まれながらに強欲で嫉妬心の強いホブゴブリンは、同種の他のものを犠牲にして自分たちの状況をよくする方法を探す。しかし戦場ではわずかな意見の違いは脇に置き、最高の戦士と見まごうほどの規律を持って戦う。ホブゴブリンは互いを愛したり信じ合うことはほとんどなく、外から来たものであればなおのことだ。彼らの暴力的な生活はより高い地位の責任や下位のものへ優位を示すこと、個人的な栄達を示して地位を高める滅多にない機会から構成されている。
身体的特徴:がっしりとして筋肉質のホブゴブリンは、立つと平均的な人間よりも数インチだけ背が低い。彼らの長い腕と分厚い胴体、そして比較的短い足が、まるで猿のような姿を与えている。ホブゴブリンの肌は病的な灰緑色で、陽光に長く晒された後は暗くなり、苔のような緑になる。その目は燃えるようなゆらめく橙もしくは赤で、その平たい顔と鋭くとがった耳のおかげでどこか猫のようにも見える。ホブゴブリンには顔に髪がなく、女性であっても頭髪を持たない。そのサイズを除いては、ホブゴブリンはゴブリン族の従兄弟と肉体的に非常に似通っている。
社会:ホブゴブリンは軍国主義の圧政の中で生きる。それぞれの共同体はホブゴブリンの将軍の絶対的な規律の下にある。共同体のホブゴブリンはそれぞれ軍事訓練を受け、軍隊の中で秀でた動きをするものと残りの召使いの役割を行うものに分けられる。軍事活動に合わないと思われるもの達はほとんど社会的地位を持たず、辛うじて恵まれた奴隷の上に甘んじる。にもかかわらず、ホブゴブリンの社会は一点を除いては平等なのだ。性差も生まれも出世を阻むことはなく、それぞれの個人の利点によってほとんどばらばらに決定されるのである。ホブゴブリンは若者に対してさえ強い愛情を持たないようにする。交配は利便性を優先し、同じ階級のホブゴブリン相手のみに制限される場合がほとんどだ。その結果生まれた赤ん坊は3週間後に母親から取り上げられ、強制的に乳離れさせられる。若者は急速に成熟する――6ヶ月もすれば会話を覚え、自分の世話をすることができるようになる。ホブゴブリンの少年時代は14年弱続き、戦争の技を学ぶ厳しい訓練がその味気ない期間に満たされている。
種族関係:ホブゴブリンは他の種族を道具以上のものとして捉えていない――奴隷にし、脅し、強制的に働かせる道具である。奴隷なしではホブゴブリン社会は崩壊してしまうだろう。そのため労働者を盗むことに依存している。怪我をしたり病気になったり反抗的な奴隷は壊れた道具、その日のゴミ箱に投げ入れる役に立たない無駄なものだ。おどろくべきことに、ホブゴブリンの共同体では他のどの種族も友人としては扱われず、わずかなものが仲間と見なされる。エルフやドワーフは特に恨みの対象であり、この種族がゴブリン類に反目する血を持っているという理由で好ましい奴隷として大変厳しい扱いを受ける。ハーフリングとハーフオークは特に価値ある奴隷となる――前者は素早い技術を持ち簡単にその首を破壊できるという理由から、後者は厳しい状態でも耐える才能を持つからだ。ホブゴブリンが他のゴブリン類を愛することはほとんどない。しかし一般にゴブリン類の奴隷は他の種族よりもいい扱いを受ける。
属性と宗教:ホブゴブリンの人生は軍属と階級社会なしには語れない。そのためホブゴブリンは秩序属性に強く傾倒する。生来の悪ではないが、ホブゴブリンのごく短い幼少期が無常で暴力的な訓練に満たされているために、ほとんどのものはつらい思いをして憎しみに包まれる。善属性のホブゴブリンは最も少なく、ほとんどが別の文化で育ったものだ。混沌に結びつくホブゴブリンはそれより幾分多いがやはり珍しく、ほとんどは故郷の専制君主によって追い出された亡命者だ。宗教は軍国主義以外のものを探求するものであり、ホブゴブリンの大多数をしめることはほとんどない。1~数種の神に口約束をして、時々顔色をうかがい不幸な未来を変えるために祈りを捧げるだけだ。強力に信仰心を持つホブゴブリンは恐ろしい存在、専制君主的な神やデヴィルを崇める。
冒険者:ホブゴブリンの冒険者は軍隊生活の厳しい階級社会ですり減らされた孤独な存在で、因習を破ることを好む。また、弱さや小胆を示したために面目を潰し、逃げ出したり追放されたりしたものもいる。富や素晴らしい偉業の物語を手に、ホブゴブリンの群れに戻る日のことを夢見るものもいる。先見の明のあるホブゴブリンの将軍に仕えるものもいる。そのようなものは若い頃、ホブゴブリンの信念の為に強力な英雄となっていつか返ってくる場所を約束されている。ホブゴブリンは勇ましいクラス、特にキャヴァリアー、ファイター、モンク、ローグなどにつくことが多い。秘術の技はホブゴブリン社会では信用されず、そのためこの技を使うものもほとんどいない。しかしアルケミストは例外で、彼らはその火工品の技術で妬みとともに賞賛される。
男性名:アロノク、カルマント、グラル、スラターク、タロガン、ドルドゥケン、ハゴロス、バンカニル、フェンタナス、マルグロア。
女性名:アリネット、ヴォルティガ、エスカニ、エロクィ、コルムン、ニマニシ、ノラニリム、ホリニア、モラナッサ、モリトラ。
+2【敏捷力】、+2【耐久力】:ホブゴブリンは素早く頑丈だ。
ゴブリン類:ホブゴブリンは(ゴブリン類)の副種別を持つ人型生物である。
中型:ホブゴブリンは中型クリーチャーであり、サイズによるボーナスもペナルティも受けない。
普通の移動速度:ホブゴブリンは30フィートの基本移動速度を持つ。
忍び:ホブゴブリンは〈隠密〉判定に+4の種族ボーナスを得る。
言語:ホブゴブリンはプレイ開始時に共通語およびゴブリン語の会話能力を持っている。高い【知力】を持つホブゴブリンは次に挙げる言語を選択することができる:オーク語、巨人語、地獄語、ドワーフ語、および竜語。
既存のホブゴブリンの種族特性の代わりに以下の種族特性を選択してもよい。この新しいオプションのいずれかを選択する前に、君のGMに相談をすること。
がに股/Bandy-Legged:がに股のホブゴブリンは他のホブゴブリンよりも大きな体格で、弓のような脚と筋肉質な肩を備える。この種族特性を持つホブゴブリンは〈騎乗〉および〈登攀〉判定に+2の種族ボーナスを得るとともに、固い地面の上にいる限り突き飛ばしと足払いに対する戦技防御値に+2の種族ボーナスを得る。がに股のホブゴブリンの基本移動速度は20フィートに減少する。
百戦錬磨/Battle-Hardened:絶え間ない訓練がホブゴブリンの第二の生態を擁護する。この種族特性を持つホブゴブリンは戦技防御値に+1のボーナスを得る。この種族特性は忍びと置き換える。
技術者/Engineer:ホブゴブリンの技術者は火や爆発、戦争の動力を終わりなくいじり回す。この種族特性を持つホブゴブリンは〈製作:錬金術〉および〈知識:工学〉判定に+2の種族ボーナスを得る。この種族特性は忍びと置き換える。
恐怖/Fearsome:威張ったり怒鳴り散らしたりして警戒や繊細さをあざ笑うホブゴブリンもいる。この種族特性を持つホブゴブリンは〈威圧〉判定に+4の種族ボーナスを得る。この種族特性は忍びと置き換える。
魔術師狩り/Magehunter:ホブゴブリンは秘術の術者を憎み恐れる。魔術師狩りは発動しようとする呪文を識別するために行う〈呪文学〉判定に+2の種族ボーナスと、秘術呪文の使い手に対する攻撃ロールに+1の種族ボーナスを得る。このボーナスは呪文を使用するクリーチャーに対してのみ得ることが出来、擬似呪文能力のみを使用する相手には適用されない。この種族特性は忍びと置き換える。
ピット・ボス/Pit Boss:奴隷の血はゴブリンの戦争機械の燃料となる。ピット・ボスは寛大な鞭の接触で負債から労働者の最後の吐息を搾り取る。この種族特性を持つホブゴブリンはウィップに習熟し、ウィップを使用した武器落としや足払いにおける戦技判定に+1の種族ボーナスを得る。この種族特性は忍びと置き換える。
傷痕/Scarred:ホブゴブリンは固い無数の傷で皮膚を丈夫にするために、刃と火で自分を傷つけることがある。この種族特性を持つホブゴブリンはアーマー・クラスに+1の外皮ボーナスを得る。しかし、繰り返された火傷により、その目に永続的なダメージを負った。この種族特性は暗視種族特性と置き換える。
奴隷狩り/Slave Hunter:ホブゴブリンの奴隷商人は逃げる奴隷を追いかけ、不潔な条件でも生き残ることに長けている。この種族特性を持つホブゴブリンは〈生存〉判定に+2の種族ボーナスと、病気に対する頑健セーヴに+2の種族ボーナスを得る。この種族特性は忍びと置き換える。
不適合/Unfit:軍隊の地位を守れなかったホブゴブリンは、ホブゴブリンの社会で最低の地位に置かれる。そしてすぐに優れたものの顔色をうかがうことの価値を学ぶ。この種族特性を持つホブゴブリンは軍用武器1つの習熟を得ると共に、〈交渉〉および〈はったり〉判定に+1の種族ボーナスを得る。この種族特性は忍びと置き換える。
以下のオプションは記載の適性クラスを有するホブゴブリンに適用可能であり、特に断りのない限り、ボーナスは適性クラスの特典を選択するたびに適用される。
アルケミスト:アルケミストが1日に作ることのできる爆弾の数に+1/2を加える。
キャヴァリアー:〈威圧〉判定と〈騎乗〉判定に+1/2のボーナスを加える。
クレリック:インフリクト呪文を含む、負のエネルギー呪文によるダメージに+1/2を加える。
ファイター:ファイターの選んだ武器による、クリティカル・ロールに+1/2の状況ボーナスを得る(最大+4ボーナス)。このボーナスは《クリティカル熟練》と累積しない。
ガンスリンガー:ガンスリンガーの気概ポイントに+1/4を加える。
インクィジター:インクィジター呪文を発動する際の精神集中判定に+1ボーナスを得る。
モンク:組みつき、または足払いの戦技判定に+1/4のボーナスを得る。
レンジャー:既存の得意な敵1種類へのボーナスに+1/4を加える(最大で得意な敵1種類毎に+1ボーナス)。
ローグ:武器一つに対する習熟していない事によるペナルティを1だけ軽減する。武器1つに対する未習熟ペナルティがこの能力により0になると、そのローグはその武器に対して《軍用武器習熟》もしくは《特殊武器習熟》を修得しているものとして扱われる。
残忍な騎手は獣のような乗騎に乗る。乗りこなせるのは残忍な騎手ただ一人だ。残忍な騎手は敵を蹴散らし、その捻れてしまった肉体を残していく。恐怖は君と共にある。
獰猛な乗騎(変則)/Brute Steed:残忍な騎手の乗騎は異常なほど大きくて恐ろしい。乗騎は【筋力】に+2のボーナスを得るが、【敏捷力】に-2のペナルティを被る。その他の点について、この能力はキャヴァリアーの乗騎能力のように機能する。この能力はキャヴァリアーの乗騎能力を置き換える。
暴走(変則)/Rampage:3レベルの時点で、残忍な騎手はボーナス特技として《騎乗蹂躙》を得る。残忍な騎手は騎乗している間に行う蹴散らしの試みに+2のボーナスを得る。加えて、残忍な騎手の乗騎は蹄攻撃もしくは蹂躙モンスター能力を使用したダメージ・ロールに+2のボーナスを得る。蹴散らし中であるかどうかに関わらず、このボーナスを得ることができる。この能力はキャヴァリアーの突撃と置き換える。
恐怖の騎手(変則)/Dread Rider:4レベルの時点で、残忍な騎手は〈騎乗〉時に行う〈威圧〉判定にレベルの1/2に等しいボーナスを得る。ラウンドに1回フリー・アクションとして、残忍な騎手は騎乗時に蹴散らしたり突撃した敵の士気をくじくために〈威圧〉判定を行うことができる。この能力は熟練の調教師と置き換える。
残忍な存在(変則)/Fell Presence:5レベルの時点で、残忍な騎手は騎乗しているだけで恐ろしさを感じさせる。残忍な騎手が騎乗している限り、60フィート以内にいる全ての敵は[恐怖]に対するセーヴィング・スローに-2のペナルティを被る。10レベルの時点と以後5レベルごとに、このペナルティは-1ずつ増加する。この能力は旗印と置き換える。
痛烈な暴走(変則)/Deadly Rampage:11レベルの時点で、騎乗中の残忍な騎手はもはやクリーチャーを蹴散らす試みにおいて機会攻撃を誘発しなくなる。残忍な騎手は蹴散らしの試みが成功した際、フリー・アクションとしてそのクリーチャーに1回の近接攻撃を行うことができる。この能力は力強き突撃と置き換える。
恐怖(変則):14レベルの時点で、残忍な騎手は標準アクションとして乗騎の前肢を上げ、敵に恐怖を振りまくことができるようになる。60フィート以内にいて残忍な騎手を見ることのできる敵は意志セーヴ(難易度10+残忍な騎手レベルの1/2+残忍な騎手の【魅力】修正値)に成功しなければ、残忍な騎手レベルごとに1ラウンドの間怯え状態になる。残忍な騎手の半分以下のヒット・ダイスしか持たないクリーチャーは、代わりに恐れ状態になる。セーヴィング・スローに成功した敵は、残忍な騎手の恐怖能力に対し、24時間の間完全耐性を得る。この能力は[恐怖、精神作用]効果である。この能力は上級旗印と置き換える。
止められぬ暴走(変則)/Unstoppable Rampage:20レベルの時点で、騎乗している残忍な騎手は1回の蹴散らし戦技の一部として4体のクリーチャーまでを蹴散らすことができるようになる。2回目以降のそれぞれの試みには累積する-5のペナルティが与えられる(例えば、4回目の蹴散らしの試みには-15のペナルティとなる)。蹴散らしの試みが失敗すると、残忍な騎手はそのラウンドはこれ以上蹴散らしを試みることはできない。蹴散らしの一部として行われる残忍な騎手や乗騎による攻撃(《騎乗蹂躙》や痛烈な暴走能力によって提供されるもの)は攻撃ロールに+4のボーナスを得、クリティカル可能状態になると自動的にクリティカルが確定する。この能力は突撃の神髄と置き換える。
自制と訓練の果てに、鉄皮のモンクは苛烈な打撃をやり過ごすほどに自らの肉体を硬いものとした。歩みは遅いが、硬い手足は石を砕き敵をよろめかせる。
鉄皮(変則)/Iron Skin:1レベルの時点で、鉄皮のモンクは自らの外皮に+1のボーナスを得る。このボーナスは鉄皮のモンクが既に持っている外皮ボーナスと累積する。4レベルの時点と以降4レベルごとに、このボーナスは+1ずつ増加する。この能力はモンクのアーマー・クラス・ボーナス能力と、アーマー・クラスに【判断力】ボーナスを加える能力を置き換える。
ボーナス特技:1レベルの時点で、鉄皮のモンクは《強打》をボーナス特技の一覧に加える。6レベルの時点で、この一覧に《武器破壊強化》を加える。10レベルの時点で、この一覧に《上級武器破壊》を加える。これらのボーナス特技の選択肢は、ボーナス特技の一覧にある《一撃離脱》、《回避》、《強行突破》と置き換える。
弾力性(変則)/Resilience:2レベルの時点で、鉄皮のモンクはある程度の攻撃の物理的な効果を振り払うことができるようになる。セーヴに成功すれば効果を減少することのできる攻撃に対する頑健セーヴィング・スローを行う際、代わりにその効果を全て打ち消す。この能力はモンクが軽装鎧を身につけているか鎧を一切身につけていない場合にのみ使用することができる。無防備状態のモンクは弾力性の利益を得ることはできない。この能力は身かわしと置き換える。
気蓄積(超常):4レベルの時点で、鉄皮のモンクは自らの気蓄積から1ポイントを消費することで、物体や人造に対して、1ラウンドの間レベルの1/2に等しいダメージ・ボーナスを得られるようになる。この能力は気による移動速度の増加能力と置き換える。
よろめき打撃(変則)/Staggering Blow:5レベルの時点で、素手攻撃を使用する鉄皮のモンクはクリティカル・ヒットが命中した後に、フリー・アクションとして自らの気蓄積から1ポイントを消費することで、攻撃したクリーチャーをよろめき状態にすることができる(頑健セーヴ、難易度10+鉄皮のモンク・レベルの1/2+鉄皮のモンクの【判断力】修正値で無効)。この能力は大跳躍を置き換える。
不屈(変則)/Tough as Nails:6レベルの時点で、鉄皮のモンクはダメージ減少 1/―を得る。鉄皮のモンクは武器や肉体攻撃によるダメージを受けるたびに、1ポイントのダメージを減少させる。このダメージ減少は9レベルの時点と、以降3レベルごとに1ずつ増加する。ダメージ減少はダメージを0まで減少させるが、負の値まで減少させることはない。この能力は高速移動および浮身と置き換える。
身かわし(変則):9レベルの時点で、鉄皮のモンクは身かわしを得る。この能力は身かわし強化と置き換える。
確かな歩み(変則)/Surefooted:17レベルの時点で、鉄皮のモンクの移動速度は移動困難な地形で減少しなくなる。この能力は日月語と置き換える。
不倒(変則)/Unbreakable:20レベルの時点で、鉄皮のモンクは死すべき定めの肉体が持つ弱さの多くを克服する。鉄皮のモンクは[即死]効果と朦朧状態に完全耐性を得る。また能力値ダメージと能力値吸収の対象にならず、クリティカル・ヒットや急所攻撃による追加ダメージを75%の確率で無視する。この能力は即身成道と置き換える。
以下のオプションはホブゴブリンに適用することができる。この新しいオプションのいずれかを選択する前に、君のGMに相談をすること。
醸造臭気/Brewed Reek:動物からとった香料、腐った肉、刺激性の植物、その他不快な匂いのする原料が醸造臭気一塊の中に入っている。茹でられるとこの混合物はどろりとした錬金術による不定形の存在となり、触れたものがなんであれ付着する。醸造臭気を飛散武器として投げた場合、射程単位は10フィートである。直接命中したクリーチャーは難易度15の頑健セーヴに成功しなければ、2d6ラウンドの間不調状態になる。目標がセーヴに失敗したなら、2回目の頑健セーヴを行わねばならず、失敗すると1ラウンドの間吐き気がする状態になる。飛散範囲にいるクリーチャーは頑健セーヴを行わねばならず、失敗すると1ラウンドの間不調状態になる。醸造臭気を飲んだクリーチャーはセーヴィング・スローを行えず、2d6ラウンドの間不調状態となり、1ラウンドの間吐き気がする状態になる。
足枷/Fetters:足枷は手首ではなく足首に合うように作られた枷であり、破壊、脱出、サイズに応じた費用などは枷と同様のルールに従う。足枷をつけられたクリーチャーは絡みつかれた状態であり、通常の半分の移動速度でのみ移動できる。さらに、足枷をつけられたクリーチャーは難易度15の〈軽業〉判定に成功しなければ、1ラウンドに自分の(減少した)移動速度以上移動することはできない。この判定に5以上の差で失敗したならば、そのクリーチャーは倒れて伏せ状態となる。
ホブゴブリンの戦争酒/Hobgoblin War Draught:この飲料は生のアルコール、潰した地虫、薬効のあるキノコを錬金術に従い配合したもので、腐ったような臭いがする。ホブゴブリンの戦争酒の効果を受けたホブゴブリンは、10分の間疲労状態と怯え状態による全てのペナルティを無視する。その後難易度15の頑健セーヴを行い、失敗すると1時間の間不調状態になる。(ゴブリン類)の副種別を持たないものがホブゴブリンの戦争酒を飲んだなら、即座に難易度15の頑健セーヴを行い、失敗すると1時間の間不調状態になる。成功すれば飲んだものは1分の間疲労状態と怯え状態による全てのペナルティを無視し、その後10分の間不調状態になる。ホブゴブリンの戦争酒は毒に対する完全耐性を持つクリーチャーには何の効果もない。
枷鉤/Manacle Barbs:枷に取り付けることのできる鉤は捕虜の移動速度をさらにゆっくりにし、注意深く歩かねばならないようにする。枷鉤で囚われたクリーチャーは1ラウンドに1回より多い移動アクションを行ったなら1ポイントの刺突ダメージを受ける。攻撃を行ったり転倒して伏せ状態になるなど、何であれ注意深く移動しなければ同様に1ポイントのダメージを受ける。【筋力】判定で枷鉤のついた枷を破壊する際、判定の成否に関わらず1d4ポイントの刺突ダメージを受ける。
足かせにも枷鉤をつけることができるが、着用者は脚での移動を含むアクションを行わないことでダメージを回避することができる。ホブゴブリンはしばしば仕事台に職人を縛りつけておくのにこのような足かせを使用する。複数の手枷や足枷で拘束したからと言って、追加のダメージを与えることはない。
不安定な促進剤/Unstable Accelerant:発火性の試薬を混ぜて作られる、この揮発性の不安定な促進剤は、錬金術師の火のように投擲することができる。アルケミストが手にすると、不安定な促進剤1ビンを爆弾作成の一部として使用し、その[火炎]ダメージを1d6ポイントだけ増加することができる。[火炎]ダメージを与えない爆弾には何の効果もない。瞬間より長く持続する爆弾の場合、追加ダメージは最初のラウンドのダメージにのみ機能する。
品物 |
費用 |
||
---|---|---|---|
40gp |
1ポンド |
難易度25 | |
15gp |
2ポンド |
― | |
足枷(高品質) |
50gp |
2ポンド |
― |
10gp |
1ポンド |
||
+15gp |
1ポンド |
― | |
50gp |
1/2ポンド |
難易度25 |
利益:爆弾に攻撃したクリーチャーを聴覚喪失状態にする能力を与えるために、君は爆弾のダメージを1ダイス分減少させることができる。この爆弾は[音波]、[火炎]、[力場]ダメージのいずれかを与えるものでなければならない。この爆弾が直接命中したクリーチャーは爆弾の難易度を目標としたセーヴィング・スローに成功しなければ、1ラウンドの間聴覚喪失状態となる。この聴覚喪失状態は爆弾が通常持つ他の効果に追加される。
君は敵を鞭で打ち敵を服従させる。
前提条件:基本攻撃ボーナス+1、〈威圧〉1ランク、ホブゴブリン。
利益:この特技を使用するためには、君は〈威圧〉判定で士気のくじかれた敵をウィップ(もしくはファイター武器グループのフレイルに属する武器)を使用して攻撃しなければならない。この攻撃が命中したなら、君は敵の怯え状態の持続時間を1ラウンド伸ばす。この特技は〈威圧〉判定以外の結果で怯え状態になったクリーチャーには一切効果を及ぼさない。
利益:セーヴィング・スローの行える継続的な[精神作用]効果を打ち消すために、この特技を持つ仲間は君にダメージを与えることができる。仲間は少なくとも1回の攻撃、呪文、その他の能力を使用して、君に5ポイントのダメージを与えなければならない。君はセーヴィング・スローを再ロールすることができる。このロールには攻撃により生じた5ポイントを超えるダメージ5ポイント毎に+1のボーナスを得られる。セーヴが成功したなら、[精神作用]効果は終了する。この特技においては、実際に与えたダメージだけが効果があるものとして扱われる。非致傷ダメージ、ダメージ減少や抵抗その他で軽減もしくは無効化されたダメージは意味を持たない。
利益:30フィート以内に自分以外のホブゴブリンが少なくとも2体いれば、君はセーヴィング・スローに+1の士気ボーナスを得る。
前提条件:《士気を奪う鞭》、〈威圧〉5ランク、ホブゴブリン。
利益:標準アクションとして、君は君よりもヒット・ダイスが低い仲間1人を無謀な努力をするようにけしかけることができる。1分の間、その仲間は攻撃ロール、武器のダメージ・ロール、[精神作用]効果に対する意志セーヴに+1の士気ボーナスを得る。しかし、この仲間はアーマー・クラスおよび技能判定に-2のペナルティを被る。同意しない仲間に効果を及ぼすためには、仲間の士気をくじくために必要なものと同じ難易度の〈威圧〉判定に成功しなければならない。
特殊:〈威圧〉に10以上のランクを持つなら、士気ボーナスは+2に増加する。
君の武勇は敵も味方も怯えさせる。
前提条件:《威圧演舞》、《親方》、《士気を奪う鞭》、《武器熟練》、〈威圧〉10ランク、ホブゴブリン、選択した武器に対する《習熟》。
利益:君が《威圧演舞》を使用する際、通常の効果に加え、《親方》特技を使用したかのように30フィート以内の仲間をけしかけることができる。《威圧演舞》とこの特技の効果を決定するための〈威圧〉判定は同じものを用いなければならない。
ホブゴブリンは以下の武器の特殊能力と魔法のアイテムを利用することができる。
クルーエル(武器の特殊能力):クルーエル武器は恐怖と苦しみを喰らう。使用者が恐れ状態、怯え状態、恐慌状態のクリーチャーに対してクルーエル武器を用いて攻撃を行い、それが命中したなら、そのクリーチャーは1ラウンドの間不調状態になる。この武器でクリーチャーを気絶させたり殺したりしたなら、使用者は10分間持続する5一時的ヒット・ポイントを得る。
微弱・死霊術; 術者レベル 5レベル; 《魔法の武器防具作成》、コーズ・フィアー、デス・ネル; 市価 +1ボーナス。
デッドリー(武器の特殊能力):この特殊能力はサップやウィップといった、通常は非致傷ダメージを与える武器にのみ付与することができる。デッドリー武器が与えるダメージは全て致傷ダメージである。この特殊能力を持つウィップ(および鎧を着ているか外皮ボーナスを持つクリーチャーにダメージを与えられない同種の武器)は、鎧を着ているか外皮ボーナスを持つクリーチャーにもダメージを与える。合い言葉に応じて、この武器はこの能力を再開の指示を受けるまで抑制することができる。
微弱・死霊術; 術者レベル 5レベル; 《魔法の武器防具作成》、インフリクト・ライト・ウーンズ; 市価 +1ボーナス。
(Hobgoblin Battle Standard/ホブゴブリンの戦旗)
オーラ 中程度・心術; 術者レベル 10レベル
装備部位 無し; 市価 50,000gp(ディスペア)、60,000gp(フェロシティ)、45,000gp(アイアン・リゾルヴ); 重量 3ポンド
この戦旗は布でできた旗もしくは隊旗で、一般に2フィート幅で5フィートの長さがあり、ランスや長柄武器、骨組み、スタッフなどに取り付けて誇示する。このアイテムは飾られていない場合や地面に置かれている場合、なんの効果も持たない。ホブゴブリン・バトル・スタンダードは通常、部族や国の意匠や紋が描かれており、異なる旗の種類は異なる効果を及ぼす。
戦旗は(徒歩にせよ騎乗してにせよ)運ばれていても備え付けられていても良い。後者の場合、戦旗は支える者がいなくても良いが、敵に倒されたり触れられたりすると、所持者の仲間によって奪い返して再度備え付けられるまで効力を失う。
ディスペア(絶望):ホブゴブリン・バトル・スタンダード・オヴ・ディスペアを支える者の敵は、旗の60フィート以内にいる間不調状態になる。この旗のために不調状態となった間にクリティカル・ヒットを受けた敵は意志セーヴィング・スロー(難易度15)に成功しない限り、1ラウンドの間目が眩んだ状態になる。
フェロシティ(凶暴性):ホブゴブリン・バトル・スタンダード・オヴ・フェロシティを支える者の仲間は旗から60フィート以内にいる間、攻撃ロール、武器ダメージ・ロール、[精神作用]効果に対するセーヴィング・スローに+2の士気ボーナスを得る。
アイアン・リゾルヴ(鉄の決意):ホブゴブリン・バトル・スタンダード・オヴ・アイアン・リゾルヴを支える者の仲間は旗の30フィート以内にいる限り、10ポイントの一時的ヒット・ポイントと《不屈の闘志》特技の利益を得る。この一時的ヒット・ポイントはクリーチャー毎に1日1回のみ得ることができる。
必要条件 《その他の魔法のアイテム作成》、クラッシング・ディスペア(ディスペア)、レイジ(フェロシティ)、エイド及びベアズ・エンデュアランス(アイアン・リゾルヴ); 費用 25,000gp(ディスペア)、30,000gp(フェロシティ)、22,500gp(アイアン・リゾルヴ)
(Horseshoes of Crushing Blows/破壊的な打撃の馬蹄)
オーラ 微弱・力術; 術者レベル 5レベル
装備部位 両足; 市価 4,000gp(+1)、16,000gp(+2)、36,000gp(+3)、64,000gp(+4)、100,000gp(+5); 重量 4ポンド(for four)
ホースシューズ・オヴ・クラッシング・ブロウズは蹄攻撃による攻撃ロールとダメージ・ロールに強化ボーナスを与える。このボーナス毎にアイテムの市価は様々である。また、アミュレット・オヴ・マイティ・フィスツに述べられているように、素手攻撃に適用できるものに限って、近接武器特殊能力を与えることもできる。ホースシューズ・オヴ・クラッシング・ブロウズは+5を超える修正ボーナス(強化ボーナスと特殊能力ボーナスの合計)を持つことはない。ホースシューズ・オヴ・クラッシング・ブロウズは4つ一組で作られ、それぞれの靴に同じ強化ボーナスが適用されている。効果を発揮するには、4つ全てを同じ動物が着用しなければならない。
ホースシューズ・オヴ・クラッシング・ブロウズは特殊な材質で作ることもでき、通常の利益を得る。市価を考慮する際、4ポンドの重量を持つ片手武器1つとして扱う(例えばアダマンティン製ホースシューズ・オヴ・クラッシング・ブロウズは追加で3,000gpかかる)。冷たい鉄製ホースシューズ・オヴ・クラッシング・ブロウズはそれ自身には追加の市価は不要だが、冷たい鉄製ホースシューズ・オヴ・クラッシング・ブロウズを強化するため、通常通り2,000gpだけ市価が増加する。
必要条件 《魔法の武器防具作成》、《その他の魔法のアイテム作成》、作成者の術者レベルはこのアイテムのボーナスの3倍以上でなければならない、加えて近接武器特殊能力の必要条件; 費用 2,000gp(+1)、8,000gp(+2)、18,000gp(+3)、32,000gp(+4)、50,000gp(+5)
(Shackles of Durance Vile/不浄なる監禁の枷)
オーラ 中程度・心術; 術者レベル 9レベル
装備部位 手首; 市価 16,200gp; 重量 2ポンド
この高品質の鉄製の枷は身につけた者の心を打ちのめす。人型生物クリーチャーを取り付けて合い言葉が口にされると、枷は取り付けられた者に(まるで取り付けられた者がセーヴィング・スローに失敗したかのように)ドミネイト・パースン呪文の効果を及ぼす。この効果は枷が取り付けられている限り持続する。この枷を取り除いたり破壊したりすれば、即座にこの心術は解除される。枷は1日に1回だけ使用することができる。シャックルズ・オヴ・デュアランス・ヴァイルは無防備状態か自由を奪っているか、同意しているクリーチャーに対してのみ起動することができる。上記の場合を除いて、抵抗することのできるクリーチャーに取り付けたとしても通常の枷のようにしか機能しない。シャックルズ・オヴ・デュアランス・ヴァイルは硬度15と20ヒット・ポイントを持ち、素晴らしい鍵がつけられている。これらは破壊難易度30、〈脱出術〉難易度35である。
必要条件 《その他の魔法のアイテム作成》、ドミネイト・パースン; 費用 8,200gp
(Wound Paste/傷のペースト)
オーラ 微弱・召喚術; 術者レベル 1レベル
装備部位 無し; 市価 50gp; 重量 1/2ポンド
奴隷商人が死に瀕している者の血を止める手頃な手段として重宝しているウーンド・ペースト1回分は、瀕死状態のクリーチャーに塗布するとステイビライズ呪文として機能する。ウーンド・ペーストを塗布するのは機会攻撃を誘発する標準アクションである。ウーンド・ペースト1壺には5回分入っている。
必要条件 《その他の魔法のアイテム作成》、ステイビライズ; 費用 25gp
Agonizing Rebuke/苦悶させる叱責
系統 幻術(惑乱)[感情、苦痛、精神作用]; 呪文レベル アンティパラディン2、インクィジター3、ウィッチ3、クレリック3
発動時間 1標準アクション
構成要素 音声、動作
距離 近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
目標 生きているクリーチャー1体
持続時間 1ラウンド/レベル
セーヴィング・スロー 意志・無効; 呪文抵抗 可
言葉と仕草により、術者は目標に術者に対する攻撃が精神的な苦痛と痛みをもたらされるのではないかという不安を染みこませる。術者に対して目標が攻撃したり、術者に害を及ぼす呪文の目標にしたり、その他術者に害を及ぼすような行動を行ったなら、目標は2d6ポイントの非致傷ダメージを受ける。