ここにキャンペーンでまず起こるであろう、誰か――プレイヤーの1人かGM――が新種族を作成したい機会ごとに注目すべき事項を書く。GMが自身のキャンペーン・ワールドの物語上の、あるいは生態学上の隙間を埋めるために新種族が必要になることはある。そうした種族は時に極寒の地で暮らすエルフのように単純でいいこともあれば、別の次元界に存在するぜんまい仕掛けの巨人のように複雑でなければならないこともある。プレイヤーが怪物の種族をプレイしたいこともあるかも知れないし、何かの不思議な虚構作品に感銘を受けて、あるいは溢れんばかりの創作意欲によって、パスファインダーにない新キャラクターの構想の為に種族を作成したいと思うかもしれない。以下はGMに、あるいはGMの監視下にあるプレイヤーにさえ、基本種族と釣り合いが取れ、噛み合う新種族の作成を認めるルールである。
また、これらのルールは基本種族が概して向き合う者よりも困難な遭遇を意味するような、強力な種族の作成を認めもする。君は既存のモンスターを手本とした新種族や、あるいはより強力な新種族と肩を並べてプレイする為の、「強力な」基本種族さえ作成できる。
この項は種族構築で設計される種族の多量の例を目的としている。この項ではまた通常では種族ヒット・ダイス、技能、そして他の能力を持つであろう種族の例を目的としてもいる。しかしながらそうした種族のPCの者は、自身のクラスのみによる利益を勘定すること。こうした種族は単なる対となる怪物の近似値であり、正確なわけではない点に注意。この章の後半では、種族構築ルールを使用して作成された新種族を詳述した補足文章がある。最後に、この章の最終の項では、基本種族たちと主要と稀少のうち多くの種族の点数と能力を分析している。
この種族構築では種族ポイント(RP)で種族特質と種族特性を購入することで新種族を作成できる。種族特質と種族特性の間にはいくつかの違いがある。主な違いは種族特質は必須であり(君はこのルールで提供される種族特質の分類につき1つ選択しなければならない)、一方で種族特性は選択制だ。種族特質には6つの分類があり、それには種別、副種別(あれば)、サイズ、基本移動速度、能力値修正、そして言語が含まれる。種族特性には移動速度形態の拡張から技能判定へのボーナス、怯えさせる嗄れ声攻撃や変身能力のような奇妙な力まで、君が種族を作成するためのいくつもの面白い選択肢が書いてある種族特性は防御、攻撃、そして魔法的特性のように、いくつかの異なる分類に分かれている。
種族特質と特性を購入する前に、君は君の種族の強度レベルを決定しなければならない。GMは自身のキャンペーンの必要性に基づいてこれを決定すること。種族の強度レベルは君がその種族を構築する為に得るRPの数と、それぞれの特性分類から君が選択できる種族特性の上限の数、そうした分類から君が取得できる特性の種類を決定する。
時に特質や特徴がコスト0であったり負のRPになっており、それは各々無料で取得できることやRPを取り戻せることを意味する。種族特質の場合、0ポイントの選択肢を選ぶことは君はその種族特質の分類から選択したことと数えられ、そして種族特性の場合、そうした選択は種族特性の分類ごとにある特性の上限数について1つと数える。
強度レベルは3つある:標準、強大、そして怪物。標準の種族は標準的な種族特性のみを取得できるが、強大な種族は標準と強大な種族特性両方を取得でき、そして怪物の種族は標準、強大、そして怪物の種族特性を取得できる。表4-1は、強度レベルに基づいている、君が消費できるRPの数と種族特性の分類ごとに君が取得できる特性の上限の概要である。
強度レベル |
RP範囲 |
分類ごとの特性 |
---|---|---|
標準 |
1~10 |
3 |
強大 |
11~20 |
4 |
怪物 |
20+ |
5 |
種族強度レベルを決定した後は、君の種族を作成する為に下記にあるそれぞれの段階を踏むこと。
種族は似た特性と特質を持った個人の集団以上の意味を持つ。種族は独自の歴史と文化を共有する人々の集合である。種族構築では新種族を作成する為の多くの選択肢を書いており、キャラクターに最も似合う選択肢を探せるよう、それぞれの項で山のように選択肢を書くようにしているが、君のキャンペーン・ワールドにおいてより恩恵があるのは、概して君の種族の骨格を決めることだ。選択肢を選ぶ前に、君の種族とその文化について幾つかの回答を考えておくこと。そうした質問の回答は、君の種族の特質と特性について妥当な選択をすることを手助けし、その種族はゲーム世界により適合できるようになる――単なる無作為に選択肢を寄せ集めた存在ではなく。そうした質問には以下が含まれるだろう。
君の種族は何処で暮らす傾向があり、それは何故?
君がここのルールを使い、君がGMでない場合、キャンペーン世界の隙間を埋め、そこで求められる種族を作成するよう絶対にGMとよく相談すること。
これらのルールで君が作成した種族の多く用の能力値の生成では――強大な種族であろうと怪物の種族であろうと――キャラクター構築の際に標準的な手段を使用する。【耐久力】能力値を持たない種族はその例外であり、能力値生成手法に僅かな変更が要求される。その変更は下記の通り。
標準型:4d6を振り、通常通り最小の出目の1つを除外し、合計を計算するが、それを5回だけ行い、それらを君の思うままに割り振り、【耐久力】は飛ばすこと。
旧式:3d6を振り、5回それらの結果を合計し、君の思うままに割り振り、【耐久力】は飛ばすこと。
英雄的:2d6を振りその合計にそれぞれ6を足すこと。これを5回行い君の思うままに割り振り、【耐久力】を飛ばすこと。
ダイス・プール型:24d6のプールの代わりに【耐久力】のない種族は能力値に割り振れる20d6のプールを持ち、【耐久力】は除外すること。そうしたキャラクターも依然として他の能力値それぞれに最低で3d6を割り振らなくてはならない。ハイパワーなゲームなら数を増やすこと。
能力値購入:能力値の購入方式を使用する際、【耐久力】を持たない種族の者は【耐久力】能力値10を持つと想定して、君のキャンペーンの強度レベルで割り当てられたポイントを通常通り使用して残りの能力値を購入すること。
強力な種族特性と能力を持つため、強大および怪物の種族はより挑戦的であり、それは低レベルにおいて際立つ。それを果たす為の基礎的な指標は強大および怪物の種族のキャラクターの集団を、下記の表を使って、消費したRPに基づいて1以上高いレベルとして扱うことである。その集団用の冒険者や遭遇を作成する際、実際の平均パーティ・レベルではなく、パーティの調整済みの平均パーティ・レベルを算出すること。強度レベルが入り交じっている集団については、RPの平均を求めてその結果の一の位を四捨五入すること。
平均パーティ・レベル | ||||
---|---|---|---|---|
平均RP |
1~5 |
6~10 |
11~15 |
16~20 |
20 |
+1レベル |
+0レベル |
+0レベル |
+0レベル |
30 |
+2レベル |
+1レベル |
+0レベル |
+0レベル |
40 |
+3レベル |
+2レベル |
+1レベル |
+0レベル |
次の段階は種族の特質を選ぶことだ。君は下記の特質の分類それぞれにつき1つの選択を決めなければならない。特質や特質の一部は時に種族特性の前提条件となる。
種族特性はいくつかの分類に分けられる:能力値、防御、特技と技能、魔法、移動、攻撃、感覚、弱点、そしてそれ以外の種族特性。それぞれの分類で君が購入できる種族特性の数は君が作成する種族の強度レベルに基づいている――標準の種族はそれぞれの分類につき特性を3を超えて取れず、強大な種族はそれぞれの分類につき特性を4を超えて取れず、怪物の種族はそれぞれの分類につき特性を5を超えて取れない。また、それぞれの分類の特性はある種類で段階分けされている――標準、強大、そして怪物。標準の種族は分類それぞれにある標準の項からのみ特性を選べ、強大な種族は標準か強大の項から特性を選べ、そして怪物の種族は好きな項から選べる。
特に書いていない限り、種族特性全ては変則的能力であり、種族特性はそれぞれ1回しか取得できない。
以下の規格は種族特性の全てで使用される。
名称(RPコスト):種族特性それぞれはその名前から始まる。それぞれの特性のRPのコストの数はその名前のすぐ後の丸括弧の中に書かれている。複数回取得できる種族特性については、特性の説明に特別な記述がない限り、これは君がその特性を取得する度に支払うRPの値である。
前提条件:一部の種族特性は前提条件を持つ。君の種族は君がその特性を取る前からこの項に書かれている前提条件を満たしていなければならない。一部の特性は特定の種別あるいは副種別を要求し、一部はそれを取得する前に他の種別特性や特質を取得していることを要求するものもある。