呪文は1回限りの魔法効果である。呪文には2種類のものがある。すなわち、(ウィザード、バード、ソーサラーが使用する)秘術呪文と(クレリック、ドルイド、高レベルのパラディンとレンジャーが使用する)信仰呪文である。呪文の使い手の中には限られた修得呪文リストから呪文を選ぶ者もいれば、多くの選択肢の中から呪文を選ぶ者もいる。
ほとんどの呪文の使い手は呪文をあらかじめ準備する――これは呪文書からであることもあれば、真摯な祈りや瞑想を通じてであることもある――が、準備をせずにその場で呪文を発動するものもいる。このように、キャラクターが呪文を学び、準備する方法が異なっているにも関わらず、発動に関してはどの呪文も同じようなものである。
呪文が秘術呪文でも信仰呪文でも、キャラクターが呪文をあらかじめ準備しておく場合もその場で選ぶ場合も、呪文は同じように発動される。
まず、どの呪文を発動するか選択する。君がウィザード、クレリック、ドルイド、高レベルのパラディンかレンジャーなら、その日にあらかじめ準備しておいた呪文のうち、まだ使用していないものの中から選択する(『ウィザード呪文を準備する』および『信仰呪文を準備する』を参照)。
君がソーサラーかバードなら、修得している呪文から好きなものを選んで使ってよい。選んだ呪文と同レベルか、同じレベルの呪文を使用することができさえすればよいのである。
呪文を発動するには、術者は話すことができ(その呪文に音声要素が必要な場合)、身振りを行うことができ(その呪文に動作要素が必要な場合)、物質要素や焦点具を(その呪文にそれらが必要な場合)取り扱うことができなければならない。更に、術者は呪文の発動に精神を集中しなければならない。
呪文に複数のバージョンがある場合、術者は発動時にどのバージョンを使用するか選択する。呪文を準備するときに(ソーサラーやバードならば修得する時に)呪文のバージョンを特定する必要はない。
準備した呪文を発動すると、術者はその呪文を再び準備するまで使用することはできない(1つの呪文を複数個準備していたのならば、そのそれぞれを1回ずつ使用できる)。術者がソーサラーかバードなら、呪文を発動すると、それはその呪文レベルの1日の使用回数にカウントされるが、その回数上限に達するまでは同じ呪文を再び発動できる。
状況 |
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呪文の発動中に負傷した |
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激しい揺れ |
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非常に激しい揺れ |
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極めて激しい揺れ |
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呪文を発動するためには、術者は精神を集中しなければならない。発動中に何かが術者の集中を乱した場合、術者は精神集中判定をしなければならず、失敗すると呪文は失われる。精神集中判定を行う際、術者はd20をロールし、その出目に術者レベルと、同じ種類の呪文のボーナスを決定する際に使用する能力値ボーナスとを加える。クレリック、ドルイド、レンジャーは術者の【判断力】修正値を加える。バード、パラディン、ソーサラーは術者の【魅力】修正値を加える。最後に、ウィザードは術者の【知力】修正値を加える。妨害が気の散るものであればあるほど、発動しようとしている呪文が高いレベルのものであればあるほど、難易度は上がる(「表:精神集中判定の難易度」を参照)。術者が判定に失敗すると、その呪文はあたかも発動してしまったが効果がなかったかのように失われる。
負傷:呪文の発動中に負傷すると、術者は精神集中判定(難易度10+受けたダメージ・ポイント+発動しようとしている呪文のレベル)を行わなければならない。この判定に失敗すると、発動中の呪文は効果を表すことなく失われる。呪文を妨害しようとするような事柄呪文の発動中に術者に加えられたとするのは、以下のような場合である。まず、(発動時間が1全ラウンド以上の呪文で)術者が呪文の発動を開始してから完了するまでの間にその事柄が行われた場合。次に、(呪文の発動によって誘発された機会攻撃や待機アクションのような条件攻撃によって)呪文の発動に応じてその事柄が行われる場合。
アシッド・アローや溶岩の池にいることなどによって術者が持続ダメージを被っている場合、そのダメージの半分が呪文発動中に発生したと見なす。術者は精神集中判定(難易度10+持続ダメージ源が最後に与えたダメージの半分+発動しようとしている呪文のレベル)を行わなければならない。最後に与えたダメージがその効果の与える最後のダメージだった場合、そのダメージは終了しており、それが術者の気を散らすことはない。
呪文:自分の呪文を発動中の術者が、別の呪文の作用を受けた場合、術者は精神集中判定を行わなければならず、失敗すると発動しようとしていた呪文は失われる。術者に作用する呪文がダメージを与えるものであれば、難易度は(10+ダメージ・ポイント+術者が発動中の呪文のレベル)である。
呪文がその他の何らかの方法で術者を妨害したり、気を散らしたりするものであれば、難易度は(その呪文のセーヴィング・スロー難易度+術者が発動中の呪文のレベル)であるセーヴィング・スローを行うことのできない呪文の場合、その呪文にセーヴィング・スローがあったとした場合のセーヴィング・スロー難易度(10+呪文レベル+術者の能力修正値)を用いる。
組みつき/押さえ込まれた状態:組みつき状態あるいは押さえこまれた状態で呪文を発動することは難しく、精神集中判定(難易度10+組みついているものの戦技ボーナス+発動しようとしている呪文のレベル)を必要とする。押さえこまれているクリーチャーが発動できるのは動作要素がない呪文のみである。
激しい揺れ:術者が移動中の馬に乗っていたり、揺れる馬車に乗っていたり、波立つ水面上のボートに乗っていたり、嵐に揉まれる船の船内にいたり、あるいは単に同様の激しさで揺さぶられている場合、術者は精神集中判定(難易度10+発動しようとしている呪文のレベル)を行わなければならず、失敗すると呪文は失われる。
非常に激しい揺れ:術者が早駆けする馬に乗っていたり、爆走する馬車に乗っていたり、急流や嵐の海の上でボートに乗っていたり、嵐に揉まれる船の甲板に立っていたり、あるいは同様の激しさで揺さぶられている場合、術者は精神集中判定(難易度15+発動しようとしている呪文のレベル)を行わねばならず、失敗すると呪文は失われる。自身の影響などで揺れが極めて激しい場合、精神集中判定の難易度は(20+発動しようとしている呪文のレベル)に等しい。
悪天候:悪天候の中で呪文を発動しようとするなら、精神集中判定を行わなければならない。目を開けていられないほどの雨やみぞれを伴う強い風の中にいる場合、難易度は(5+術者が発動中の呪文のレベル)である。ひょうや土ぼこりや砂礫が舞う激しい風の中にいる場合、難易度は(10+術者が発動中の呪文のレベル)である。いずれの場合も、精神集中判定に失敗すると術者は呪文を失う。天候が呪文によって引き起こされたものであれば、上記の『呪文』の項のルールを使用すること。
防御的発動:機会攻撃を誘発することなく呪文を発動したいなら、術者は精神集中判定(難易度15+発動しようとしている呪文のレベルの2倍)に成功する必要がある。失敗すれば呪文を失う。
絡みつかれた状態:ネットや足留め袋に絡みつかれていたり、同様の効果を持つ呪文が作用しているときに呪文を発動したいなら、術者は精神集中判定(難易度15+発動しようとしている呪文のレベル)を行わなければならない。失敗すれば呪文を失う。
どの呪文も相殺呪文として発動することができる。そうすることで、その呪文のエネルギーを用い、他のキャラクターが同じ呪文を発動するのを妨害できる。呪文相殺は一方の呪文が信仰呪文で、もう一方が秘術呪文であっても効果がある。
呪文相殺の仕組み:呪文相殺を使用するには、術者は敵を相殺呪文の目標として選ばなければならない。術者は待機アクションを選ぶことでこれを行う。こうすると、術者は敵が呪文を発動しようとするまで自分のアクションの完了を遅らせることができる。待機は標準アクションなので、術者は待機アクションを取った上で自分の移動速度で移動できる。
相殺呪文の目標が呪文を発動しようとしたら、〈呪文学〉判定(難易度15+その呪文のレベル)を行うこと。この判定はフリー・アクションである。この判定に成功すれば、術者は敵の呪文を正確に識別し、その相殺を試みることができる。判定に失敗すれば相殺も識別もできない。
このアクションを完成させるには、術者は次に適切な呪文を発動しなければならない。一般則として、呪文は全く同じ呪文しか相殺できない。術者が同じ呪文を発動でき、その呪文を準備していたなら(あるいはしかるべきレベルの使用できるスロットを持っているなら)、相殺呪文の効果を生み出すようにそれを発動する。目標が“距離”内にいれば、どちらの呪文も自動的にお互いを無効化し、それ以外の効果を表すことはない。
修正呪文の相殺:ある呪文を相殺することができるかどうかを決定する際に、呪文修正特技は考慮に入れない。
例外:呪文の中には、ある呪文に限ってお互いに相殺しあうものがある。特に全く正反対の効果を持つ呪文の場合に多い。
相殺呪文としてのディスペル・マジック:術者は他の呪文の使い手の呪文を相殺するためにディスペル・マジックを使用でき、この場合、相手の発動しようとしている呪文を識別する必要はない。しかし、ディスペル・マジックは常に相殺呪文として働くとは限らない(この呪文の説明を参照のこと)。
呪文の威力はしばしば術者レベルに基づいている。術者レベルは大抵の場合、術者が発動しようとしている呪文が属するクラスのクラス・レベルと等しい。
術者は通常より低い術者レベルで呪文を発動することもできるが、術者レベルはその呪文を発動するのに十分なレベルでなければならないし、術者レベルに基づくすべての特徴は同じ術者レベルに基づいて計算しなければならない。
クラスの特徴やその他の特殊能力によって術者レベルが変化するような場合、その変化は(距離、持続時間、与えられるダメージなど)術者レベルに基づく効果だけでなく、目標の呪文抵抗を克服する際の術者レベル判定や解呪判定(解呪判定と判定の難易度の両方)に使用される術者レベルにも適用される。
呪文の特徴が合致しない条件下で呪文を発動しようとした場合、発動は失敗し呪文は無駄になってしまう。
呪文は術者の精神集中が途切れても失敗するし、動作要素のある呪文の発動時に鎧を着ていた場合も、失敗する可能性がある。
どのクリーチャー(や物体や範囲)に作用するか、(セーヴが可能な場合)そのクリーチャーがセーヴィング・スローに成功したかどうかがわかったら、術者は呪文の与える結果を適用できる。
特殊な呪文の効果の多くは、その呪文の系統に従って取り扱われる。その他にも、系統をまたがる特殊な特徴もある。
攻撃:呪文の中には、攻撃について触れているものがある。攻撃的な戦闘アクションはすべて、それが敵にダメージを与えないものであっても攻撃と見なされる。エネルギーの放出も、範囲内のクリーチャーを傷つける場合には攻撃として扱われる。敵がセーヴィング・スローで抵抗する呪文も、ダメージを与える呪文も、それ以外で対象に害があったり行動を妨げる呪文も攻撃となる。サモン・モンスターやそれに類する呪文は攻撃とはならない。というのも、これらの呪文自体は誰に害を与えるものではないからである。
ボーナスの種類:通常、ボーナスには種類があって、呪文がどのようにボーナスを与えるかを表している。ボーナスの種類に関する重要な点は、普通、同じボーナス2つは累積しないということである。高い方のボーナスだけが有効になる。ただし、回避ボーナスとほとんどの状況ボーナス、種族ボーナスは例外である(『呪文の効果を組み合わせる』を参照)。同様の原理はペナルティにも適用される――同種のペナルティを2つ以上被ったキャラクターには、最もひどいペナルティのみが適用される。しかし、ほとんどのペナルティには種類がなく、それらは常に累積する。種類の無いボーナスは常に累積するが、同じボーナス源から与えられるボーナスは累積しない。
死者を生き返らせる:いくつかの呪文には、殺されたキャラクターを生き返らせる力がある。
生きているクリーチャーが死ぬと、その魂は肉体を離れて、物質界を去り、アストラル界を旅して、そのクリーチャーの神格が住む次元界へと向かう。もしそのクリーチャーが神格を信仰していなかった場合、その魂は対応する属性の次元界へと向かう。誰かを死から蘇らせるということは、その魂を呼び戻して、肉体に返すことを意味する。次元界に関する詳しい情報は『環境』を参照すること。
負のレベル:生き返ったクリーチャーは通常、1以上の永続的負のレベルを得る(『特殊能力』を参照のこと)。この負のレベルは、レストレーションなどの呪文により取り除かれるまで、ほとんどのロールにペナルティを与える。死亡時にそのキャラクターが1レベルであれば、負のレベルを得る代わりに【耐久力】を2ポイント失う。
生き返りの妨害:敵はキャラクターが死から蘇るのを難しくするために手を打っておくことができる。死体を隠しておけば、殺されたキャラクターを生き返らせるためにレイズ・デッドやリザレクションを使用するのを妨害できる。トラップ・ザ・ソウルを使えば、まずその魂を解放しない限り、いかなる生き返りをも妨害する。
当人の意志に反する生き返り:魂が望まなければ、生き返らせることはできない。魂は自分を生き返らせようとするキャラクターの名前、属性、(もしいるなら)守護神格を知ることができ、それに基づいて戻ることを拒否するかもしれない。
呪文や魔法効果は、同じ効果範囲や同じ対象にたまたま別の呪文や魔法効果がいくつ働いていようと、通常は記述通りの効果を表す。特殊な場合を除けば、呪文が他の呪文の働きに作用することはない。呪文が他の呪文に特定の影響を及ぼす場合、その呪文の解説にその効果についての説明がある。その他にも、同じ場所で複数の呪文や魔法効果が働いている場合に適用される一般的なルールがいくつかある:
累積する効果:攻撃ロール、ダメージ・ロール、セーヴィング・スロー、その他の特性にボーナスやペナルティを与える呪文は通常、同じ呪文とは累積しない。さらに一般的な話をすると、同じ種類のボーナスは違う呪文のものからであっても累積しない(一方が呪文以外の魔法効果によるものでも同様である; 前述の『ボーナスの種類』を参照)。
ボーナス名が異なる:異なる2つの呪文によるボーナスやペナルティは、修正値の効果が異なれば累積する。名前のついてないボーナスはどんなボーナスとも累積する。
威力の異なる同名の効果:2つ以上の同一の呪文が、異なる威力で同じ範囲あるいは目標に働いている場合、最も高い効果のもののみが適用される。
異なる結果の同じ効果:同じ呪文が同じ対象に2回以上かけられた場合、異なる効果を生み出すことがある。通常は、最後の呪文が他の呪文に優先される。以前の呪文が実際に除去されたり解除されたわけではないが、それらの効果は最後の呪文が持続する限り無意味になってしまうのだ。
ある効果によって別の効果が無意味になる:ときには、ある呪文のために、それ以降にかける呪文が無意味になってしまうこともある。呪文は双方とも依然として効果を表しているが、いくつかの理由から一方の呪文が他方を無意味にしてしまうのだ。
複数の精神制御効果:精神制御を可能にする複数の魔法効果は、互いを無意味にしてしまうことがある。例えば、対象から動く能力を奪ってしまうような呪文である。通常、対象が行動する能力を奪わない精神制御は互いに干渉しない。1体のクリーチャーが2体以上のクリーチャーに精神制御されている場合、全力を尽くして(それぞれの効果に可能な限度まで)それぞれのクリーチャーに従おうとする。精神制御されているクリーチャーが矛盾する命令を同時に受けた場合、制御しようとするものたちは対抗【魅力】判定を行い、そのクリーチャーがどの命令に従うかを決定すること。
正反対の効果を持つ呪文:正反対の効果を持つ呪文は通常通り適用される。すべてのボーナスやペナルティや変化は適用された順番で発生する。呪文の中にはお互いを完全に無効化あるいは相殺してしまうものもある。これは特殊な効果であり、個々の呪文の解説に記載されている。
瞬間的な効果:持続時間が“瞬間”の呪文が2つ以上、同じ目標に作用する場合、累積的に働く。
各呪文の説明は標準的なフォーマットで記述されている。各情報分類については、以下で説明し、定義する。
どの呪文の解説でも、最初の行には、その呪文の一般的に知られている名称が挙げられている。
呪文の名称の下には、その呪文が属している魔法系統を(必要なら副系統も)記載した行が来る。
ほとんどの呪文は8つの魔法系統の1つに属している。魔法系統とは、似たように働く、関連のある呪文をまとめたものである。(アーケイン・マーク、ウィッシュ、パーマネンシイ、プレスティディジテイション、リミテッド・ウィッシュなど)少数の呪文は総合術と呼ばれ、どの系統にも属していない。
幻術呪文は他者の知覚や精神を欺く。人々がそこにないものを見たり、そこにあるものを見なかったり、幻の音を聞いたり、起こらなかったことを思い出したりする。
虚像と幻覚は実在のものではないため、他の種類の幻術のように実際の効果を生み出すことはできない。これらは物体やクリーチャーにダメージを与えたり、重量を支えたり、栄養を与えたり、自然の諸力からの防御を提供することはできない。従って、これらの呪文は敵をまごつかせたり、遅らせたりするのに役立つが、直接攻撃する役には立たない。
虚像のアーマー・クラスは(10+その虚像のサイズ修正)である。
セーヴィング・スローと幻術(看破):幻術効果と遭遇したクリーチャーは通常、それを慎重に調べるか、何らかの形でやり取りがなければ、それが幻かどうか気づくためにセーヴィング・スローを行うことはできない。
幻術に対してセーヴィング・スローに成功すると、それが偽りだと分かるが、虚像と惑乱は透明な輪郭として残る。
セーヴィング・スローに失敗した場合、そのキャラクターは何かがおかしいと気づくことに失敗したわけである。幻術が現実でないという議論の余地のない証拠に出会ったキャラクターはセーヴィング・スローを行う必要がない。観察者が幻術を看破するのに成功し、その事実を他の者たちに伝えた場合、そうした者たちはセーヴィング・スローに+4のボーナスを得る。
各召喚術呪文は5つある副系統のいずれかに属している。召喚術はクリーチャーや物体を長距離にわたって転送する(瞬間移動); 他の存在する次元界から術者の次元界へクリーチャーを転送する(招請); 物体、クリーチャー、あるいはある種のエネルギーを術者の元へ実体化させる(招来); 物体や効果をその場で作り出す(創造); あるいは癒す(治癒)。術者が召喚したクリーチャーは、通常、術者の命令に従う(常に従うとは限らないが)。
召喚術呪文で生み出されたり、術者の元に転送されたクリーチャーや物体は、他のクリーチャーや物体の内部に出現させることはできないし、空中に浮かせて出現させることもできない。そうしたものは、それを支えることのできる表面の上の何もない場所に出現させなければならない。
クリーチャーや物体は呪文の“距離”内に出現させなければならないが、出現後も“距離”内に留まらなければならないということはない。
瞬間移動はアストラル界を通過する一種の旅行である。アストラル移動を妨げるものは何であれ、瞬間移動を妨げる。
クリーチャーを招来した呪文が切れ、クリーチャーが消え失せた場合、そのクリーチャーが発動した呪文はすべて切れる。招来されたクリーチャーは生得の招来能力を(例え持っていたとしても)使用することはできない。
死霊術呪文は死の力や不死なる存在、生命力を操る。アンデッド・クリーチャーに関係のある呪文がこの系統のかなりの部分を占めている。
心術呪文は他者の精神に作用し、その行動に影響を与えたり操ったりできる。
すべての心術呪文は[精神作用]呪文である。心術呪文には2種類あり、術者は対象のクリーチャーに影響を及ぼす事ができる。
占術呪文によって、術者は忘れられて久しい秘密を知ったり、未来を予言したり、隠されたものを見つけたり、人を欺く呪文を見破ったりできる。
多くの占術呪文は円錐型の効果範囲を持つ。この効果範囲は術者とともに移動し、術者の見ている方向へと伸びる。この円錐形は術者が1ラウンドの間に眺めることができる範囲を示している。術者が同じ範囲を複数ラウンドの間調べた場合、術者はしばしば追加情報を得ることができるが、その内容については呪文の説明文に記載されている。
(難易度20+呪文レベル)の〈知覚〉判定に成功したクリーチャーは、この感知器官に気づくことができる。この感知器官は、稼働中の呪文であるかのように解呪することができる。
鉛の薄膜や魔法による防護は念視呪文を遮断し、術者は呪文がそのように遮断されたことを感知する。
これらの利益に加えて、基本クリーチャーが持つすべての肉体攻撃とそれらに対する習熟を獲得する。これらの攻撃は元の基本攻撃ボーナスに基づき、【筋力】か【敏捷力】(いずれか適当な方)の修正値を加える。ダメージ・ボーナスには【筋力】修正値を使用する。
ポリモーフ呪文によりサイズが変更された場合、サイズ修正値が変更される。これにより、アーマー・クラス、攻撃ボーナス、戦技ボーナス、〈隠密〉技能修正値が変更される。呪文の説明に特記ない限り、この変更によって能力値が変更されることはない。
特記ない限り、ポリモーフ呪文は特定の個人に変化するために使用することはできない。重要でない肉体的な特質の多くを操作することはできるが、外見は常にそのクリーチャーの種類の一般的な個体となる。ポリモーフ呪文はテンプレートが適用された形態やクリーチャーのより優れたバージョンの形態となるためには使用できない。
エレメンタル、植物、動物、魔獣、蟲、竜の種別であるクリーチャーの形態をとるためにポリモーフ呪文が使用された場合、装備品は身体に溶け込んでしまう。一定のボーナスを提供し起動する必要がないアイテムは、このように溶け込んでしまっても機能を保ち続ける(鎧ボーナスと盾ボーナスは例外であり、これらは機能を停止する)。起動する必要があるアイテムは上記の形態をとっている間は使用することができない。これらの形態をとっている間、(《物質要素省略》あるいは《化身時発動》特技がなければ)物質要素を必要とするいかなる呪文も使用することはできない。竜のような、動きや会話に支障のない形態を選んでいるならば、動作要素や音声要素を必要とする呪文のみ使用することができる。元の形態と異なる形態に変化した場合、他のポリモーフ呪文も上記の制約を与える可能性がある(GMの判断に従うこと)。新たな形態が装備品を身体に溶け込ませるものでないなら、装備品のサイズは新しいサイズに見合ったものに変更される。
ポリモーフ呪文の影響を受けている間、元の形態に依存した変則的能力や超常能力(超感覚、鋭敏嗅覚、暗視など)、肉体攻撃や移動の種類を失う。形態に依存するクラス特徴も同じように失うが、(爪を生やすソーサラーのような)特徴を加えるものは機能し続ける。これらのほとんどは明らかである。しかしGMは、どの能力が形態に依存しており、新しい形態になった時にどの能力が失われるかについて判断する際の最終的な決定権を持つ。
一度に1つのポリモーフ呪文の影響しか受けることはない。新しいポリモーフ呪文が君に発動された(あるいは、自然の化身のようなポリモーフ効果を起動した)場合、君は古い方の呪文を置き換えて、その効果を適用させるかどうかを決定することができる。加えて、ポリモーフ呪文の影響を受けている間、サイズを変更する呪文の影響を受けない。
ポリモーフ呪文が小型より小さいあるいは中型より大きいクリーチャーに使用された場合、ポリモーフ呪文によるボーナスを適用する前に、以下の表を使用して小型か中型のいずれかに能力値を調整すること。
+6 |
-6 |
― |
||
+6 |
-4 |
― |
||
+4 |
-2 |
― |
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-4 |
+2 |
-2 |
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-8 |
+4 |
-4 |
||
-12 |
+4 |
-6 |
||
-16 |
+4 |
-8 |
防御術は防御的な呪文である。物理的あるいは魔法的な障壁を作ったり、魔法的あるいは物理的能力を無効化したり、侵入者を傷つけたり、対象を他の次元界へと追い払ったりする。
防御術呪文が別の防御術呪文から10フィート以内で24時間以上稼働している場合、魔法の場が互いに干渉し、わずかに視認できるエネルギーの“ちらつき”が発生する。こうした呪文を〈知覚〉技能で発見する際の難易度は4低下する。
防御術が特定の種類のクリーチャーを寄せ付けない障壁を作り出した場合、その障壁を使って、そうしたクリーチャーを押しやることはできない。術者がそうしたクリーチャーにその障壁を押し付けた場合、術者は障壁に対して圧力がかかることを感じる。それでも押し続けた場合、その呪文は終了する。
力術呪文はエネルギーを操作したり、望む結果を生み出すために目に見えぬ源から力を引き出したりする。事実上、この種の呪文は無から有を作り出す。この種の呪文の多くは華々しい効果を生み出し、大量のダメージを与えることができる。
補足説明がある場合、それは系統や副系統と同じ行に記載される。中には、複数の補足説明がある呪文もある。
補足説明には、[悪]、[音波]、[風]、[恐怖]、[言語依存]、[混沌]、[強酸]、[精神作用]、[善]、[即死]、[地]、[秩序]、[雷撃]、[火炎]、[光]、[水]、[闇]、[力場]、[氷雪]がある。
こうした補足説明のほとんどは、それ自体にゲーム上の効果はないが、その呪文が他の呪文や特殊能力、珍しいクリーチャー、属性などとどのように相互作用するのかを決定する。
[言語依存]の呪文は意志疎通の媒体として相手の理解できる言語を使用する。目標が[言語依存]の呪文を発動した術者の言うことを理解できなかったり、術者の声が聞き取れなかったりした場合には失敗する。
[精神作用]の呪文は【知力】が1以上のクリーチャーにしか効果がない。
呪文の解説の次の行では、呪文のレベルを示している。これは0から9までの数値で、その呪文の相対的な威力を表している。この数値の前に、その呪文を発動できるクラス名が記載されている。呪文レベルは、その呪文の効果に対してセーヴを行うことができるなら、その難易度に作用する。
呪文の構成要素とは、その呪文を発動するために術者がやらなければならないこと、持っていなければならないもののことである。各呪文の構成要素の項に、その呪文にはどのタイプの構成要素があるのかが略記されている。物質要素と焦点具の具体的な内容は説明文の最後に記載されている。通常、術者が構成要素について思い煩う必要はないが、何らかの理由で構成要素を使えない時や、物質要素や焦点具が高価なものである場合には重要となってくる。
構成要素の項に“焦点/信仰”あるいは“物質/信仰”とあれば、その呪文の秘術呪文バージョンには焦点具要素や物質要素(スラッシュより前のもの)が必要で、信仰呪文バージョンには信仰焦点具要素(スラッシュより後ろのもの)が必要である。
ほとんどの呪文は1標準アクションの発動時間を有する。1ラウンド以上かかるものもあれば、即行アクションしか必要としないものもいくつかある。
発動に1ラウンドかかる呪文は1全ラウンド・アクションである。その呪文は、術者が発動を開始した次のラウンドの、術者のターンの開始直前に効果を表す。呪文が完成した後は、術者は通常通り行動できる。
発動するのに1分かかる呪文は、1分後の術者のターンの直前に効果を表す(その10ラウンドの間の毎ラウンド、術者は上記の1ラウンドかかる発動時間の時と同様に、全ラウンド・アクションとして呪文の発動を行うのだ)。こうしたアクションは連続していなければならず、中断されてはならない。そのようなことがあれば、その呪文は自動的に失敗する。
発動に1ラウンド以上かかる呪文の発動を開始したら、術者は現在のラウンドから(少なくとも)次のラウンドの自分のターンの直前まで精神集中を続けなければならない。発動が完了するまでに精神集中を失ったら、術者は呪文を失う。
発動時間が1即行アクションの呪文は通常の“呪文は1ラウンドに1つ”という制限にカウントされない。しかし、その種の呪文は1ラウンドに1つしか発動できない。発動時間が1即行アクションの呪文を発動しても、機会攻撃は誘発しない。
術者は呪文が効果を表す時点で、呪文について(距離、目標、効果範囲、効果、バージョンなどの)必要な決断をすべて下す。
呪文の“距離”はその呪文がどこまで届くかを示している。これは呪文の解説の“距離”の項で定義されている。呪文の“距離”はその呪文の効果が発生しうる最大の距離であると同時に、術者が呪文の起点として指定できる最大距離でもある。もし呪文の効果範囲の一部でもその距離を超えるようであれば、その部分は無駄になってしまう。標準的な“距離”には以下のようなものがある。
フィート単位で示される距離:呪文の中には一般的な“距離”の分類ではなく、フィート単位で示される“距離”もある。
術者は、呪文のタイプにもよるが、呪文が誰に作用するかとか、呪文の効果がどこを起点にするかなどを選択しなければならない。呪文の解説の次の項目では、呪文の目標、効果、効果範囲を定義している。
呪文の目標が自分自身であれば(呪文の解説で“目標:術者”とあれば)、術者はセーヴィング・スローを行なうことはできないし、呪文抵抗も適用されない。こうした呪文の場合、セーヴィング・スローと呪文抵抗の項は省略されている。
呪文の中には、同意する目標にしかかけられないものもある。自分が同意する目標であると宣言することは、いつでも(立ちすくみ状態であったり、自分のターンでない時でも)可能である。気絶状態のクリーチャーは自動的に“同意する”と見なされるが、(縛られていたり、戦慄状態、組みつき状態、麻痺状態、押さえ込まれた状態、朦朧状態の者のように)意識はあっても動けなかったり無防備状態だったりするクリーチャーは、自動的に“同意する”と見なされるわけではない。
呪文の中には、術者が発動後に新たな目標や効果範囲に効果を向け直すことのできるものもある。呪文を向け直すのは、機会攻撃を誘発しない移動アクションである。
術者は目で見るか定義することで、そうしたものが現れる場所を指定しなければならない。呪文の“距離”によって効果をどれだけ遠くに発生させられるかが決まるが、効果が移動できるような場合、その効果は呪文の“距離”に関係なく移動することができる。
光線呪文に持続時間があれば、それは光線の引き起こす効果の持続時間であって、光線自体が存続する時間の長さではない。
光線呪文がダメージを与えるものであれば、武器と同様にクリティカル・ヒットになる可能性がある。光線呪文はダイスの目が20でクリティカル可能状態になり、クリティカル・ヒットに成功すれば2倍のダメージを与える。
呪文の効果範囲の形状に関係なく、術者は呪文がどこを起点とするのかを選択するが、それ以外に、その呪文がどのクリーチャーや物体に作用させるかということをコントロールすることはない。呪文の起点は常にグリッドの交差点となる。あるクリーチャーが呪文の効果範囲内にいるかどうか調べる際には、キャラクターを移動させる時や、遠隔攻撃の射程を調べる際と同様に、起点からマス目で距離を計測すること。違いといえば、マスの中心から隣のマスの中心へと計測するのではなく、交差点から交差点へと計測することである。
マスを対角方向に計測することもできるが、その場合、2マス目、4マス目、6マス目……のマス目は2マス分の距離と計測することに注意。マスの起点から遠い方の辺が呪文の効果範囲内にあれば、そのマスの中のものは呪文の効果範囲内にあることになる。しかし、呪文の効果範囲が、そのマスの起点から近い方の辺にしか触れていなかったなら、そのマスの中のものはその呪文の作用を受けない。
爆発呪文は効果範囲内に収めたありとあらゆるものに作用する。これには、術者が見ることのできないクリーチャーすら含まれる。起点に対して完全遮蔽を得ているクリーチャーには作用することができない(つまり、この効果は曲がり角を回り込んだ先に及ぶことはないのだ)。爆発の基本的な形状は球形だが、爆発呪文の中には円錐形だと記述のあるものもある。爆発範囲には、呪文の効果が起点からどれだけ遠くまで広がるかが定義されている。
放射呪文は爆発呪文と同じように機能するが、呪文の持続時間の間じゅう、起点から効果が放たれ続ける。ほとんどの放射は円錐形か球形である。
拡散呪文は爆発と同様に広がるが、曲がり角を回り込む。術者が起点を選び、呪文はすべての方向に、記載された距離だけ広がる。その呪文の効果が曲がり角を回り込むようなら、それも考慮に入れて呪文の効果が覆う範囲を求めること。
円錐形呪文は術者から、術者の指定した方向に向けた四分円(円を4等分した扇型)に発せられる。この効果範囲は術者のいるマスのいずれかの角から発し、進むにつれて広がってゆく。円錐形呪文のほとんどは爆発か放射(上記参照)であり、従って、角を回り込むことはない。
円筒形呪文を発動する際には、術者は呪文の起点を選ぶ。起点は水平な円の中心点となり、呪文はこの円からなだれ落ち、円筒形の範囲を満たす。円筒形呪文は、その範囲内にある全ての障害物を無視する。
直線状呪文は術者から、術者の指定した方向に向けて直線状に発せられる。この効果範囲は術者のいるマスのいずれかの角から発し、呪文の“距離”限界に達するか、効果線を遮る障壁にぶつかるまで伸びる。直線状呪文は、その直線が通り抜けるマスにいる全てのクリーチャーに作用する。
クリーチャー/Creatures:この種の効果範囲を持つ呪文の中には、クリーチャーに(目標型呪文のように)直接作用するものもある。ただし、こうした呪文は術者の選んだ個々の目標に作用するのではなく、効果範囲内のある種のクリーチャー全てに作用する。この範囲は球形の爆発であることもあれば、円錐形の爆発であることもあり、その他の形をしていることもある。
多くの呪文は“生きているクリーチャー”に作用する。これはアンデッドと人造以外の全てのクリーチャーを指す。呪文の範囲にいたが呪文の対象とならない種類のクリーチャーは、作用を受けたクリーチャーの数に数えられない。
その他/Other:効果範囲が独特な呪文もある。その場合、効果範囲はその呪文の説明文中で定義されている。
呪文をかけようとしている目標や、呪文の効果を発生させたい場所に対して術者から効果線が通っていなければならない。発動しようとしている呪文の起点に対して効果線が通っていなければならない。
爆発、円錐形、円筒形、放射の呪文の場合、その呪文は起点(球形の爆発の中心点、円錐形の爆発の開始点、円錐形の爆発の開始点、円筒形の円、放射の起点)から効果線が通っている効果範囲、クリーチャー、物体にのみ作用する。
少なくとも1平方フィートの貫通孔が開いている固体障壁は呪文の効果線を遮らない。そのような開口部があれば、壁のうちその周囲長さ5フィートの部分を、呪文の効果線が通っているかを調べる際には固体障壁とは見なさない。
呪文の持続時間の項に、その呪文の魔法エネルギーがどれだけ持続するかが記載されている。
期間で示される持続時間:持続時間の多くはラウンド、分、時間、その他の単位で示されている。この期間が過ぎれば、魔法は消え、呪文は終了する。持続時間が変化しうる場合、正確な期間は密やかにロールして決める。そのため、術者は呪文がいつ終了するかを知ることはない。
呪文に精神を集中しながら他の呪文を発動することはできない。ときには、術者が精神集中を止めてからも短時間、呪文が持続することもある。
対象、効果、効果範囲/Subjects, Effects, and Areas:呪文が直接クリーチャーに作用するものであれば、その結果は呪文の持続時間の間、対象についてまわる。その効果は移動するかもしれないし、その場を動かないかもしれない。そうした効果は持続時間が切れるまでに破壊されることもある。効果範囲に作用する呪文なら、呪文の持続時間の間、その範囲に留まる。
クリーチャーはその範囲に入ればその呪文の対象となり、離れれば対象ではなくなる。
接触呪文の中には、術者が呪文の一部として複数の目標に接触できるものもある。この種の呪文では、チャージ保持を行なうことはできない。術者がその呪文の発動を終了したのと同じラウンド中に呪文の目標全員に触れなければならない。
精神集中によって維持する呪文は本質的に解除可能であり、そうした呪文を解除するにはアクションは必要ない(呪文を終わらせるためにすべきことは術者が自分のターンに精神集中をやめることだけである)。
通常、有害な呪文に対して目標はセーヴィング・スローを行なうことができ、成功すれば呪文の効果の一部あるいは全部を免れることができる。呪文の解説にあるセーヴィング・スローの項では、その呪文に対してどのタイプのセーヴィング・スローができるのかが定義され、その呪文に対してセーヴィング・スローにどのような効果があるのかが説明されている。
不可:セーヴィング・スローは行えない。
セーヴィング・スロー難易度:呪文に対するセーヴィング・スローの難易度は(10+呪文のレベル+術者の関連能力値ボーナス)である。関連能力値はウィザードの場合は【知力】、ソーサラー、バード、パラディンの場合は【魅力】、クレリック、ドルイド、レンジャーの場合は【判断力】である。同じ呪文でも、クラスによって呪文レベルが変わることもある。常に術者のクラスに対応した呪文レベルを使用すること。
セーヴィング・スローに成功する:明らかな物理的効果のない呪文に対するセーヴに成功したクリーチャーは敵対的な力や“うずき”を感じるが、その攻撃の性質を正確に推測することはできない。同様に、目標型呪文に対してクリーチャーがセーヴィング・スローに成功した場合、術者はその呪文が失敗したことを感知する。クリーチャーが効果型及び効果範囲型呪文に対してセーヴに成功した場合、術者がそれを感知することはない。
自動失敗と自動成功:セーヴィング・スローでダイスの目が1だった(1d20の結果が1になった)場合は常に失敗となり、その呪文にさらされたアイテムはダメージを受ける可能性がある(後述の『セーヴィング・スロー後にアイテムが助かったかどうか』参照)。ダイスの目が20だった(1d20の結果が20になった)場合は常に成功となる。
自発的にセーヴィング・スローを取りやめる:クリーチャーは自発的にセーヴィング・スローを差し控え、呪文の結果を進んで受け入れることもできる。魔法に特別の抵抗力を持つキャラクターでさえ、望めばそれを抑えることができる。
クリーチャーが運搬しているわけでも着用しているわけでもなく、魔法の力もないアイテムは、セーヴィング・スローを行なうことはできない。たんにしかるべきダメージを受けるだけである。
順番* |
アイテム |
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1 |
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2 |
鎧 |
3 |
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4 |
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5 |
魔法のクローク(外套) |
6 |
背負ったり、鞘に収めるなどした武器 |
7 |
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8 |
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9 |
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10 |
それ以外 |
順番:作用を受ける可能性の高い順。
呪文抵抗は特殊な防御能力である。呪文抵抗を有するクリーチャーに呪文が抵抗されてしまったなら、そのクリーチャーに呪文を作用させようとする術者は術者レベル判定(1d20+術者レベル)でそのクリーチャーの呪文抵抗値以上の値を出さなければならない。防御側の呪文抵抗値は魔法攻撃に対するアーマー・クラスのようなものである。この術者レベル判定には、術者レベルに対する全ての修正を含めること。
呪文抵抗が呪文からそのクリーチャーを守るかどうかについては、各呪文の呪文抵抗の項と説明文に記載がある。多くの場合、呪文抵抗は抵抗するクリーチャーが呪文の目標になった場合にのみ適用され、抵抗するクリーチャーが既に効果を表している呪文に遭遇した場合には適用されない。
“物体”と“無害”の記載はセーヴィング・スローの場合と同じ意味を表している。“無害”と記載のある呪文の効果を上記の術者レベル判定なしで受けるためには、呪文抵抗を有するクリーチャーは自発的に抵抗を止める必要がある(標準アクション)。そのような場合、術者は上記の術者レベル判定を行なう必要はない。
呪文の解説のうち、この部分は、その呪文が何をし、どのように働くかを詳しく説明する。これ以前の項目で“本文参照”とあれば、その説明はここにある。
ウィザード、ソーサラー、バードは秘術呪文を発動する。信仰呪文と比べると、秘術呪文はより派手な効果のものが多い。
呪文スロット:さまざまなキャラクター・クラス表を見れば、キャラクターが1日にそれぞれの呪文をいくつ発動できるかが判る。1日に使用できる呪文を入れる、この“空き”のことを“呪文スロット”と呼ぶ。低いレベルの呪文を高いレベルのスロットに入れるという選択肢は常にある。呪文の使い手の能力値が足りず、能力値がもっと高ければ使えたはずの呪文が使えない状態でも、スロット自体は得られる。ただし、そのスロットにはより低いレベルの呪文しか入れることができないのだ。
ウィザードのレベルによって、そのウィザードが準備し使用できる呪文数は制限される。【知力】が高ければ、ウィザードはいくつか余分に呪文を準備できるようになる。ウィザードは同じ呪文を2回以上準備できるが、その呪文1つ1つがそのウィザードの1日の呪文数にカウントされる。呪文を準備するためには、ウィザードには少なくとも(10+その呪文の呪文レベル)の【知力】がなければならない。
休息:その日の呪文を準備するには、ウィザードはまず8時間眠らなければならない。ウィザードはその時間の間、片時も欠かさず熟睡状態にならなければならないというわけではないが、休息時間の間は移動も戦闘も呪文の発動も技能の使用も会話も、その他の肉体的精神的な努力を必要とするいかなる作業も控えなければならない。ウィザードの休息が中断されたら、中断1回ごとにそのウィザードが精神をはっきりさせるために休息しなければならない合計時間に1時間が加算される。また、呪文を準備する直前、少なくとも1時間は中断されることなく休息を取らねばならない。キャラクターが何らかの理由で眠る必要がない場合でも、呪文を準備する前に8時間の安静な休息を取らねばならない。
最近発動した呪文による制限/休息の中断:ウィザードがごく最近呪文を発動した場合、力が流出してしまうため、新たに呪文を準備する能力が下がってしまう。次の日の呪文を準備する際に、ウィザードがその時から8時間前までに発動した呪文はすべてその日の呪文数にカウントされてしまう。
準備時の環境:呪文を準備するためには、ウィザードにはちゃんと精神を集中できるだけの平穏さ、静寂さ、快適さが必要である。ウィザードの周囲の環境が贅沢なものである必要はないが、近くで戦闘が行われていたり、その他の大きな騒音がするなどの気を散らすものがあってはならない。荒れ模様の天気にさらされていれば必要な精神集中は妨げられるし、学習中に負傷したりセーヴィング・スローに失敗しても集中は妨げられる。また、ウィザードは学習に必要な自分の呪文書が手元になければならず、読むのに必要な十分な明りも要る。大きな例外が1つ:ウィザードは呪文書なしでリード・マジックを準備できる。
呪文準備時間:休憩した後、ウィザードは呪文書を熟読してその日の呪文を準備しなければならない。キャラクターが全ての呪文を準備しようとするなら、それには1時間かかる。1日の呪文数のうち一部だけを準備しようとするならその割合に比例して短い時間で済むが、常に少なくとも15分はかかる。これは適切な精神状態を達成するのに必要な最短の時間である。
呪文の選択と準備:呪文書から呪文を準備するまで、ウィザードが発動できる呪文はすでに前日に準備してあって、まだ使っていない呪文だけである。学習時間の間、ウィザードはどの呪文を準備するか選択する。すでに(前日の)呪文を準備しており、まだ発動していない場合、ウィザードはそのすべて、あるいは一部を捨てて、新たな呪文のための余地を作ることができる。
その日の呪文を準備する際に、ウィザードは呪文スロットをいくつか空けたままにしておくこともできる。それ以降、その日のうちに、ウィザードは時間と状況が許せば、望むだけ何度でも準備のプロセスを繰り返すことができる。ただし、以前準備した呪文を捨てて別の呪文に置き換えたり、それまでに発動したために空いたスロットに呪文を準備することはできない。こうした準備には、休息によって精神をリフレッシュする必要がある。その日の初めに行った準備と同様に、この準備には少なくとも15分がかかり、ウィザードが1日の呪文数の1/4より多くの呪文を準備するならそれより長くかかる。
準備した呪文の保持:ウィザードが呪文を準備してしまうと、定められた構成要素を用いて完成させ発動するか、あるいは捨てるまで、ほとんど発動済みの状態としてそのウィザードの精神の中に留まる。魔法のアイテムの効果やモンスターの特殊攻撃など、一部の出来事によって準備された呪文がキャラクターの精神から消されてしまうということもあり得る。
死と準備した呪文の保持:呪文の使い手が死んだ場合、その精神に蓄えられていた呪文はすべて消えてしまう。ただし(レイズ・デッド、レストレーション、リザレクションなどの)強力な魔法は、キャラクターを生き返る際に失ったエネルギーも回復させることができる。
秘術呪文を文字の形で記録するために、キャラクターは呪文に関わる魔法の諸力を書き記す複雑な表記法を使用する。この表記法で書くものは、母国語や出身文化圏がどのようなものであれ、同じシステムを用いる。とはいえ、キャラクター個人個人はこのシステムを独自の方法で用いる。他人の書いた魔法の文書は最も強力なウィザードにとってさえ、学習と解読に時間をかけねば理解できないものなのである。
(他人の呪文書や巻物に文書で記された呪文など)秘術魔法の文書を解読するためには、キャラクターは〈呪文学〉判定(難易度20+その呪文の呪文レベル)に成功しなければならない。この技能判定に失敗した場合、そのキャラクターは次の日になるまでその呪文を読もうとすることはできない。リード・マジック呪文を使用すれば、技能判定なしで自動的に魔法の文書を解読できる。その魔法の文書を作成した人がその場にいて読み手を助けてくれる場合も、自動的に成功する。
キャラクターがある魔法の文書を解読したなら、そのキャラクターはその文書を再び解読する必要はない。魔法の文書を解読すれば、読み手は呪文を識別し、その効果がどんなものかだいたい判る(呪文の解説にある情報を得る)。魔法の文書が巻物で、読み手が秘術呪文の使い手なら、そのキャラクターはその巻物を使おうと試みることができる。
ウィザードは、既に知っており自分の呪文書に記録してある呪文を準備するために、借りた呪文書を使用できるが、準備が成功するか否かは確実ではない。まず、ウィザードはその呪文書を解読しなければならない(上記の『秘術呪文の文書』を参照)。他人の呪文書にある呪文を解読したら、その呪文を準備するために読み手は〈呪文学〉判定(難易度15+呪文レベル)に成功しなければならない。この判定に成功したら、そのウィザードはその呪文を準備できる。以前にその呪文を準備したことが何度あろうと、借りた呪文書で呪文を準備する場合、そのたびに判定を行わなければならない。判定が失敗なら、そのウィザードは次の日になるまで同じ書物から再びその呪文を準備しようとすることはできない(しかし、前述のように、その書物を解読するために判定を繰り返す必要はない)。
ウィザードはいくつかの方法で、自分の呪文書に新たな呪文を書き加えることができる。ウィザードはウィザード呪文リストに含まれる呪文しか学ぶことはできない。
新しいレベル時に獲得する呪文:ウィザードは冒険と冒険の間に、ある程度の時間を割いて呪文の研究を行っている。ウィザードのクラス・レベルを上げるたびに、ウィザードは自分の選んだ2つの呪文を獲得し、呪文書に書き加えることができる。ただで得られるこの2つの呪文は、そのウィザードが発動できるレベルのものでなければならない。
他人の呪文書や巻物から写した呪文:またウィザードは、魔法の巻物や他のウィザードの呪文書に新たな呪文を見つけた時に、その呪文を自分の呪文書に書き加えることもできる。呪文の出所に関わらず、そのウィザードはまずその魔法の文書を解読しなければならない(上記の『秘術魔法の文書』を参照)。次に、ウィザードはその呪文の学習に1時間を費やさなければならない。その時間の終わりに、そのキャラクターは〈呪文学〉判定(難易度15+呪文レベル)を行わなければならない。魔法の系統に専門化しているウィザードは、その新しい呪文が自分の専門系統のものであれば、この〈呪文学〉判定に+2のボーナスを得る。判定に成功すれば、そのウィザードはその呪文を理解し、その呪文を自分の呪文書に書き写すことができる(下記の『呪文書に新たな呪文を書く』を参照)。この作業によって、コピー元の呪文書が害を受けることはないが、コピー元が魔法の巻物の場合、書き写すのに成功した呪文は羊皮紙の上から消えてしまう。
判定に失敗すれば、そのウィザードはその呪文を理解したり書き写したりすることはできない。1週間が経過するまでは、その呪文を再び学んだり書き写したりすることはできない。判定が失敗だった場合、書き写そうとしていた呪文が巻物から消えることはない。
ほとんどの場合、ウィザードが自分の呪文書の呪文を書き写す権利を他のウィザードに与える際には、料金を取る。この料金は通常、呪文を呪文書に記録するための費用の半分である(『呪文書に新たな呪文を書く』を参照)。珍しく他にない呪文はより高い価格となるかもしれない。
独自の研究:ウィザードは呪文を独自に研究することもでき、既に存在する呪文と同じ呪文を複製したりまったく新しい呪文を作り出したりできる。新しい呪文の研究にかかる費用と時間はGMの決定に従うが、最低でも1週間はかかり、研究する呪文のレベル毎に少なくとも1,000GPが必要となる。また、この研究には、複数回の〈呪文学〉と〈知識:神秘学〉の判定が必要になる。
新たな呪文を理解したら、ウィザードはその呪文を自分の呪文書に記録できる。
時間:この作業には、呪文レベル毎に1時間かかる。初級秘術呪文(0レベル呪文)の場合、記録には30分かかる。
呪文書のスペース:呪文は呪文レベル毎に呪文書の1ページを必要とする。0レベル呪文(初級秘術呪文)でも1ページは必要とする。呪文書は100ページある。
材料と費用:呪文書に呪文を書き込む際の費用は、以下の表に示されている。新しいレベル毎にただで得られる呪文については、上記のような時間もかからず、費用も支払わなくてよいことに注意。
ウィザードは失った呪文書を作り直すのに、呪文を学ぶ際の手順を使うことができる。すでに準備した呪文があるなら、ウィザードはそれらの呪文を呪文書に書き込むのと同じだけの費用で新たな呪文書に書き込むことができる。この作業によって、準備していた呪文はまるで発動してしまったようにウィザードの精神から消え去ってしまう。呪文を準備していなかったなら、借りた呪文書から呪文を準備し、しかる後に新たな呪文書に書き込むこともできる。
既にある呪文書の複製を作るのは、作り直すのと同じ手順を踏むが、作業はもっと簡単である。必要時間とページごとの費用は半分になる。
獲得した呪文書は、その中に書き込まれている呪文を購入して書き写すのに要する費用の半分の等しい価格で売却することができる。
ソーサラーとバードは秘術呪文を使用するが、呪文書も持たないし、呪文を準備することもない。ソーサラーやバードのクラス・レベルによって、発動することのできる呪文数に制限がある(各クラスの解説を参照)。【魅力】が高ければ、ソーサラーやバードはいくつか余分に呪文を発動できるようになる。どちらかのクラスのメンバーも少なくとも(10+呪文レベル)の【魅力】がなければならない。
その日の呪文の用意:毎日、ソーサラーとバードは呪文を発動する作業の心構えをしなければならない。ソーサラーとバードは(ウィザードと同様に)8時間休息する必要があり、その後、15分を費やして精神を集中させる(精神を集中させる際、バードは歌ったり、朗誦したり、何らかの楽器を掻き鳴らしたりしなければならない)。この期間の間、ソーサラーやバードは1日に使用できる数の呪文を発動するための心構えを行なう。こうしたリフレッシュの機会がなければ、そのキャラクターは前日に使ってしまった呪文スロットを回復させることはできない。
最近発動した呪文による制限:リフレッシュの時から8時間前までに発動した呪文は、ソーサラーやバードのその日の呪文数にカウントされる。
ソーサラーやバードのレパートリーに呪文を追加する:ソーサラーとバードは新たなレベルを獲得する度に呪文を修得する。それ以外の方法で呪文を手に入れることはない。新たなレベルを得たら、表:バードの修得呪文数と表:ソーサラーの呪文数を参照して、キャラクターは今では呪文をいくつ知っていることになるのか調べること。GMの許可があれば、ソーサラーとバードは自分たちが理解するに至った新たな珍しい呪文群の中から呪文を選ぶこともできる。
クレリック、ドルイド、高レベルのパラディンやレンジャーは信仰呪文を発動できる。秘術呪文と違い、信仰呪文は信仰の源から力を引き出す。クレリックは諸神格や信仰の諸力から呪文の力を得る。自然の持つ信仰の力がドルイドとレンジャーの呪文に力を与える。秩序と善の信仰の力がパラディンの呪文に力を与える。信仰呪文は治癒と守りに重きを置いており、秘術呪文と比べると華々しくも破壊的でもない。
信仰呪文の使い手はウィザードとほぼ同じやり方で呪文を準備するが、いくつかの違いがある。信仰呪文に関係する能力値は【判断力】である(パラディンは【魅力】である)。信仰呪文を準備するためには、キャラクターは(10+呪文レベル)の【判断力】(パラディンは【魅力】)がなくてはならない。同様に、ボーナス呪文数も【判断力】に基づいている。
時間帯:信仰呪文の使い手は、ウィザードと同様に呪文をあらかじめ準備しておく。しかし信仰呪文の使い手が呪文を準備するためには休息期間を必要としない。その代わり、キャラクターは1日の特定の時間帯を選んで、祈り、呪文を授かる。こうした時間は通常、何らかの日々のできごとに関係している。何らかのできごとのために、キャラクターが決められた時間に祈ることができなかったなら、可能な限りすぐに祈らなければならない。最初の機会に呪文のため祈らなかった場合、呪文を準備するのに次の日まで待たなければならない。
呪文の選択と準備:信仰呪文の使い手は、1日の特定の時間帯に祈り、瞑想することで、あらかじめ呪文を選んで準備する。呪文を準備するために必要な時間はウィザードと同じである(1時間)。準備を行なうために比較的平穏な環境が必要なのも同じ。クレリックはいくつかの呪文スロットを空けたままにしておくことができる。その日のうちに、クレリックは望むだけ何度でも準備のプロセスを繰り返すことができる。その追加の準備作業では未使用の呪文スロットを埋めることができる。ただし、以前準備した呪文を捨てて別の呪文に置き換えたり、それまでに発動したために空いたスロットに呪文を準備することはできない。その日の最初のものと同様、この準備には少なくとも15分がかかり、1日の呪文数の1/4より多くの呪文を準備するならそれより長い時間がかかる。
信仰呪文の使い手は呪文書を必要としない。しかし、信仰呪文の使い手の呪文の選択は自分のクラスのリストにある呪文に限られる。クレリック、ドルイド、パラディン、レンジャーにはそれぞれ別々の呪文リストがある。クレリックの場合、キャラクター作成時に選択した2つの領域も利用できる。それぞれの領域はいくつかの特殊能力とボーナス呪文を与える。
呪文スロット:キャラクター・クラス表を見れば、キャラクターが1日にそれぞれのレベルの呪文をいくつ発動できるかが判る。1日に使用できるこの“空き”のことを“呪文スロット”と呼ぶ。低いレベルの呪文を高いレベルのスロットに入れるという選択肢は常にある。呪文の使い手の能力値が足りず、能力値がもっと高ければ使えたはずの呪文が使えない状態でも、スロット自体は得られる。ただし、そのスロットにはより低いレベルの呪文しか入れることができないのだ。
最近発動した呪文による制限:秘術呪文と同様に、準備の時点で、その時から8時間前までに発動した呪文は、準備できる呪文数にカウントされる。
キュア系およびインフリクト系呪文の任意発動:善のクレリック(や善の神格のクレリック)は準備した同じかそれ以上のレベルの呪文の代わりに、キュア系呪文を任意発動できる。ただし、領域呪文の代わりに任意発動することはできない。悪のクレリック(や悪の神格のクレリック)は準備した同じかそれ以上のレベルの(領域呪文でない)呪文の代わりに、インフリクト系呪文を任意発動できる。中立の神格の中立のクレリックはキャラクター作成時にプレイヤーがどちらの選択肢を選んだかによって、善のクレリックのようにキュア系呪文を任意発動するか、悪のクレリックのようにインフリクト系呪文を任意発動するかのどちらかである。キュア系かインフリクト系の呪文に置き換えられた呪文の信仰のエネルギーは、キュア系かインフリクト系の呪文が初めから準備されていたかのように、それらの呪文へと変換される。
サモン・ネイチャーズ・アライ系呪文の任意発動:ドルイドは準備した同じかそれ以上のレベルの呪文の代わりに、サモン・ネイチャーズ・アライ系呪文を任意発動できる。サモン・ネイチャーズ・アライ系の呪文で置き換えられた呪文の信仰のエネルギーは、サモン・ネイチャーズ・アライ系呪文が始めから準備されていたかのように、それらの呪文へと変換される。
信仰呪文は秘術呪文と同様、書き写したり、解読したりできる(『秘術呪文の文書』参照)。〈呪文学〉判定に成功することで、信仰魔法の文書を解読し、識別することができる。しかし、その呪文(の信仰呪文バージョン)が自分のクラスの呪文リストにあるキャラクターにしか、巻物から信仰呪文を発動することはできない。
新たなレベル時に獲得する呪文:信仰呪文を発動できるキャラクターは、冒険と冒険の間に信仰魔法の研究にある程度の時間を割いている。そうしたキャラクターが成長して新たなレベルの信仰呪文が使えるようになるたびに、そのレベルの新たな呪文を自動的に修得する。
独自の研究:信仰呪文の使い手は秘術呪文の使い手と同じように、呪文を独自に研究することもできる。そうした呪文は作成者だけが準備し、発動することができる。ただし、作成者が他人と共有しようと思えば別である。
ある種のクラスやクリーチャーは特殊能力を獲得する。それらの多くは呪文のような効果を有する。
擬似呪文能力はその能力や呪文の解説に特に記載がない限り、1標準アクションの発動時間を有する。それ以外では、擬似呪文能力はまったく呪文と同様に働く。
擬似呪文能力は呪文抵抗の対象となるし、ディスペル・マジックによって解呪されることもある。魔法が抑止されたり無効化される範囲では擬似呪文能力は働かない。擬似呪文能力は呪文の相殺のために使用することはできず、相殺されることもない。
キャラクター・クラスが実際の呪文に基づかない擬似呪文能力を与える場合、その能力の有効呪文レベルはそのキャラクターがその能力を与えられたクラス・レベルの時点で発動することのできるそのクラスの呪文の最高レベルに等しい。
通常能力:この分類には、キャラクターが身体のつくりのおかげで持っている能力が含まれる。変則的能力でも超常能力でも擬似呪文能力でもないものは通常能力である。