ラットフォークは小型の、げっ歯類に似た人型生物である。彼らは元々乾燥地や平原の地下に住んでいたが、現在は流浪の交易隊商でよく目にすることができる。ラットフォークは共通点の多いモリネズミに非常によく似ており、生まれながらにして鋳掛け屋であり貯蔵癖を持つ。そして総じて交渉上手であり、器械装置や魔法装置を手に入れたり修理することにかけては群を抜いている。闇市場やバザールの提携の推移を注意深く操るやり手の商人もいる一方、多くのラットフォークは金銭よりも興味深い道具を集めることをこよなく愛し、自分たちの倉庫に入れるためにこのような価値あるものをほんの数枚の硬貨で取引する。ラットフォークの交易商が成功して、町に入ってきたときよりも大きな札束を手に町を飛び出すというのはよくあることだ。混乱すべては、この巨大なネズミによって引っ張られる手押し車に不安定に積まれているのである。
身体的特徴:一般的なラットフォークは平均身長4フィート(約120cm)、80ポンド(約36.3kg)。砂漠で涼しく過ごし、街でその姿を隠せるようにローブを身につけることが多い。彼らは他の人型生物が自分たちが持つげっ歯類の特徴を嫌うことを知っているのだ。ラットフォークはまばゆい宝飾品、特に銅、青銅、金に強く惹かれ、その多くがこういった金属で作られた小さなリングで耳や尾を飾り立てる。彼らはジャイアント・ラット(ジャイアント・クリーチャー単純テンプレートのついたダイア・ラット)を訓練することで知られ、彼らはこの動物を動物や乗騎としてよく使用する。
社会:ラットフォークは極度の共有主義者であり、宝物庫がその先に隠されていたり危機から逃れるための密かな割れ目が無数にある大きな巣穴に住む。それらは地下のトンネルや、都市のスラムにある住居につながっていたりする。彼らはその巨大な家族や同族のネットワークに強いつながりを感じる。それは一般的なげっ歯類全てに対しても言える。混沌の調和の中で過ごし、危機に瀕すれば互いを守るために必死に戦うからだ。彼らは戦闘に備蓄品をすぐに使うが、差異と居住地に関する議論を互いに利益のある交易で解決することを好む。
特定のラットフォークの巣穴がいっぱいになり周囲の環境がこれ以上大きな共同体を支えられない場合、若いラットフォークは無意識のうちに新しい住み処を探しに行く。ラットフォークの十分に大きな集団が新しい肥沃な地に全員移住した場合、彼らは新しい巣穴を作るかもしれない。その場合、元の故郷とは強力な政治的つながりを持つことが多い。その一方で家がごみごみしすぎる問題を減らそうと、個々のラットフォークが一人で故郷を後にしてどこかで生活を始めようとしたり、一年のほとんどを隊商としての旅で彷徨おうと思うこともある。
種族関係:ラットフォークは人間と一緒にうまくやっていくことを好む。ラットフォークの社会は下水道や裏路地といった人間の街の陰に作られることが多い。ラットフォークはドワーフのことを偏狭で縄張り意識が強いと見なしており、ドワーフからの穏やかな批判さえ個人的攻撃と勘違いすることさえ多い。ラットフォークはハーフリングやノームに特別な感情を抱いていないが、これらの種族とラットフォークが資源を取り合わねばならない地域では、部族抗争が代々の教義になることもある。穏やかで良識ある、文化的な人型生物の種族と考えているため、ラットフォークはエルフやハーフエルフの組織とうまくやっていく。ラットフォークはエルフの音楽や芸術を特に好み、ラットフォークの巣穴の多くは何世代もの友好的な交易の末に獲得した、エルフの芸術品で飾られている。
属性と宗教:ラットフォーク個人は興味がある道具を求める欲望と、複雑なものをいじくり回したいという衝動に突き動かされる。ラットフォークの共同体との強いつながりは、秩序ある組織の利益に対して感謝の気持ちを感じさせる。彼らは個々の目標を達成しようと興奮しているときでさえ、彼らのルールを曲げることをよしとすることさえある。
冒険者:個人のためでもあり巣穴のためでもあるため、ラットフォークは交渉の新しい機会を探そうという欲望に突き動かされる。ラットフォークの冒険者は自分の集団が作った品のために潜在的な市場を探しているかもしれないし、新しい商品の源泉に目を光らせているかもしれないし、ビジネス的な危険の少ない投資で十分な財宝を掘り出すという希望を胸に彷徨っているだけかもしれない。ラットフォークの戦闘はずる賢い罠、待ち伏せ、敵の場所の妨害で決まることが多く、その結果若いラットフォークの英雄はアルケミストやガンスリンガー、ローグといったクラスを選択することが多い。
男性名:アギズ、ジル、スキヴェン、タモック、ニンネック、ブリズ、リカン、レルダール。
女性名:キッチ、クビ、シッカ、ジックス、ネーム、ファール、ベッセル、リッシ。
+2 【敏捷力】、+2【知力】、-2【筋力】:ラットフォークは俊敏で頭もよいが、その肉体は脆弱だ。
ラットフォーク:ラットフォークは(ラットフォーク)の副種別を持つ人型生物である。
小型:ラットフォークは小型のクリーチャーであり、アーマー・クラスと攻撃ロールに+1のサイズ・ボーナス、戦技ボーナスと戦技防御値に-1のペナルティ、〈隠密〉判定に+4のサイズ・ボーナスを得る。
遅い移動速度:ラットフォークは20フィートの基本移動速度を持つ。
暗視:ラットフォークは最大60フィートまでの暗闇を見通せる。
げっ歯類との共感/Rodent Empathy:ラットフォークはげっ歯類に影響を与える際に行う〈動物使い〉判定に+4の種族ボーナスを得る。
群がり:ラットフォークは共同で生活して戦い、自らを有利に、敵を不利にする群がり方に熟達している。ラットフォークは同時に2体まで同じマスにいることができる。同じマスにいるラットフォーク2体が同じ敵を攻撃する場合、彼らは向かい合うマス2つにいるかのようにこの敵を挟撃しているものと見なされる。
鋳掛け屋/Tinker:ラットフォークは〈製作:錬金術〉、〈知覚〉、〈魔法装置使用〉判定に+2の種族ボーナスを得る。
言語:ラットフォークはプレイ開始時に共通語の会話能力を持っている。高い【知力】を持つラットフォークは次に挙げる言語を選択することができる:アクロ語、オーク語、ゴブリン語、地下共通語、ドワーフ語、ノーム語、ノール語、ハーフリング語、および竜語。
既存のラットフォークの種族特性の代わりに以下の種族特性を選択してもよい。この新しいオプションのいずれかを選択する前に、君のGMに相談をすること。
窮鼠の怒り/Cornered Fury:ラットフォークは友や仲間と分断されると激しく戦うことができる。この種族特性を持つラットフォークのヒット・ポイントが半分以下にまで減少し、30フィート以内に意識のある仲間がいない場合、近接攻撃ロールとアーマー・クラスに+2の種族ボーナスを得る。この種族特性は群がりと置き換える。
鋭敏嗅覚:鋭い視覚や聴覚の代わりに、はるかに強力な嗅覚を発展させたラットフォークもいる。このようなラットフォークは鋭敏嗅覚能力を持つが、視覚や聴覚に依存する全ての〈知覚〉判定に-2のペナルティを被る。この種族特性は鋳掛け屋と置き換える。
こそこそ歩き/Skulk:周りの環境に簡単に溶け込み、驚くほどのしなやかさで移動することのできるラットフォークもいる。このようなラットフォークは〈隠密〉判定に+2の種族ボーナスを得るとともに、〈はったり〉判定を使用して気を引いているクリーチャーから隠れるために行う〈隠密〉判定に(通常の-10ではなく)-5のペナルティしか受けない。この種族特性は鋳掛け屋と置き換える。
非自然的/Unnatural:通常の動物を怯えさせ、そのようなクリーチャーからの予測できない攻撃から身を守る訓練を受けたラットフォークもいる。このようなラットフォークは種別が動物のクリーチャーに効果を及ぼす全ての【魅力】基準の技能判定に-4のペナルティを被る。さらに、動物に対するアーマー・クラスに+2の回避ボーナスを得る。このラットフォークに対する動物の最初の態度は、通常よりも1段階悪くなる。この種族特性はげっ歯類との共感と置き換える。
以下のオプションは記載の適性クラスを有するラットフォークに適用可能であり、特に断りのない限り、ボーナスは適性クラスの特典を選択するたびに適用される。
バーバリアン:激怒中、このバーバリアンの群がり特性による攻撃ロールに対する挟撃ボーナスに+1/4を加える。
ドルイド:地中に住む動物や魔獣に効果を及ぼすために行う野生動物との共感判定に+1のボーナスを得る。
ファイター:突き飛ばしや組みつきの試みに抵抗する際のファイターの戦技防御値に+1を加える。
ガンスリンガー:ガンスリンガーが少なくとも1気概ポイントを持つならば、イニシアチブ判定に+1/2のボーナスを加える。
モンク:ペナルティを受けることなく〈隠密〉判定を行っている間、モンクの移動速度に+1フィートを加える。この利益を5回選択する(あるいは他の増加により5フィートに到達する)まで、モンクは一切の利益を得られない。これによりモンクが疾走中や突撃中に〈隠密〉を行えるようになるわけではない。
レンジャー:レンジャーに隣接している間、動物の相棒の戦技防御値に+1を加える。レンジャーが動物の相棒を入れ替えた場合、新しい動物の相棒がこの利益を得る。
サモナー:サモナーの幻獣によって与えられる毒に対するセーヴィング・スローに+1のボーナスを加える。
ウィッチ:「接触」以外の有効距離を持つ呪術1つの有効距離に+5フィートを加える。
ラットフォークの戦争は、ラットフォーク自身の居住区や罠だらけの渓谷の要塞、ゴブリンや類似の敵の地下洞窟などの窮屈な狭苦しい場所で行われる。そのような戦場には急な角がしばしばあり、遠くまで視線の通る場所はほとんどない。そのため火器の使い方を体得しようというラットフォークは、ほとんどの場合手の届くほどの近距離における戦闘に熟練することになる。このような渓谷の砲手はしばしばシングル・ピストルの扱いに専門化しており(狭い場所でも簡単にとり回しが効くため)、最高の報酬で雇われるために街から街へと洞窟での射撃の腕を頼りに渡り歩く。渓谷の砲手は以下のクラス特徴を持つ。
クラス技能:渓谷の砲手は、クラス技能の一覧に〈装置無力化〉、〈脱出術〉、および〈知識:ダンジョン探検〉を加え、クラス技能の一覧より〈騎乗〉、〈水泳〉、および〈知識:地域〉を取り除く。
気概(変則):1レベルの時点で、渓谷の砲手は通常のガンスリンガーとして気概を得る。しかし、近接戦闘に特化した渓谷の砲手は、気概を回復するために少し異なる状況の組み合わせが必要となる。
大胆不敵な隣接射撃/Daring Adjacent Shot:各ラウンドの最初に渓谷の砲手が隣接した敵に遠隔火器攻撃を行い機会攻撃を誘発したなら、1気概ポイントを得る。無防備状態や警戒していないクリーチャー、渓谷の砲手のキャラクター・レベルの半分より低いヒット・ダイスのクリーチャーに対する隣接火器攻撃を行った場合には、気概を回復することはできない。また、渓谷の砲手が機会攻撃を抑止するなんらかの能力を使用して遠隔攻撃を行った場合も回復しない。この能力は火器によるクリティカル・ヒットによる気概の回復能力と置き換える。
発露:渓谷の砲手は独自の発露をいくつか得る。それらはそれぞれの記述に記載されている通り、通常のガンスリンガーの発露を置き換える。これらの発露はガンスリンガーの発露における一般的なルールや制限全てに従う。
閃光と爆音(変則)/Flash and Shock:1レベルの時点で、渓谷の砲手は近い間合いで攻撃しようとするものの狙いを逸らすために、火器の閃光と爆音を発して優位に立つことができる。渓谷の砲手が火器の第一射程単位以内にいる敵に対して攻撃を行った際、1気概ポイントを消費することで自身の次のターンの開始まで、その敵に対するアーマー・クラスに+4の状況ボーナスを得ることができる。この発露は中装鎧か軽装鎧を着ているか鎧を身につけておらず、かつ軽荷重より重いものを運んでいない場合にのみ使用できる。この発露は射撃の名手の発露と置き換える。
火薬火傷(変則)/Powder Burns:3レベルの時点で、渓谷の砲手は至近距離で火器を使ってダメージを最大化させる術を学ぶ。渓谷の砲手が隣接した敵に遠隔火器攻撃を命中させた際、1気概ポイントを消費することで自身の武器の火花により追加で1d6ポイントの[火炎]ダメージを与えることができる。目標はさらに反応セーヴ(難易度10+渓谷の砲手レベルの1/2+渓谷の砲手の【判断力】修正値)を行わねばならず、失敗すると着火する。この発露は銃把叩きの発露と置き換える。
よろめき射撃(変則)/Staggering Shot:15レベルの時点で、渓谷の砲手が隣接した敵に遠隔火器攻撃を命中させた際、目標は頑健セーヴ(難易度10+渓谷の砲手レベルの1/2+渓谷の砲手の【判断力】修正値)も行わねばならず、失敗すると1d4ラウンドの間よろめき状態となる。この発露は威嚇射撃の発露と置き換える。
腹撃ち(変則)/Belly Shot:9レベルの時点で、渓谷の砲手は隣接した敵の弱点に対して直接に火器を押しつけ、追加ダメージを与えることができる。渓谷の砲手が遠隔火器攻撃で隣接した敵に攻撃をヒットさせた際、追加で+1d6ポイントのダメージを与える。このダメージは13レベルの時点で+2d6に、17レベルの時点で+3d6に増加する。精密性によるダメージや急所攻撃に完全耐性を持つクリーチャーには、この追加ダメージを受けない。この能力は9レベル、13レベル、17レベルの時点で得られる銃修練能力を置き換える。
疫病の運び手は病気を究極の武器ととらえている。新しい病気とその運搬手法を身につけるために、彼らは休むことなく働く。疫病の運び手が自らの力を解き放つ際、戦闘の最中に矢が放たれたときに弓手が敵に対して思う以上に良心の呵責を感じることはない。病気は道具であり、疫病の運び手はその体得者である。疫病の運び手は以下のクラス特徴を持つ。
疫病瓶(超常)/Plague Vial:1レベルの時点で、疫病の運び手は疫病瓶を作ることができる。これは錬金術で育て凝縮された病気のサンプルである。疫病瓶の準備には1時間かかり、一度準備したなら、使用するまでその効果を持続する。疫病の運び手は一度に疫病瓶を1つしか維持することができない――2つ目の瓶を準備すると、保持している疫病瓶が全て無駄になってしまう。疫病の運び手以外が疫病瓶を持つと、疫病の運び手が再び手に取るまでその効力を失う。
疫病瓶を飲むのは標準アクションである。摂取するとクラス・レベルごとに10分の間、疫病瓶は疫病の運び手の血や汗、涙、そのほか体内の液体を汚染する。疫病の運び手に近接攻撃で傷つけられた全てのクリーチャーは(遠隔攻撃は除く)頑健セーヴ(難易度10+疫病の運び手レベルの1/2+疫病の運び手の【知力】修正値)を行わねばならず、失敗すると疫病の運び手レベルごとに1ラウンドの間不調状態になる。疫病の運び手は自らの疫病瓶の効果に完全耐性を持つが、他人の疫病瓶には完全耐性を持たない。複数の疫病瓶の効果は累積しない。
標準アクションとして、疫病の運び手は(舐めたり血や膿を塗り付けたりして)この不調効果で汚染することができる。武器に塗られた病気は毒の塗られた武器として機能するが、その効果の源が毒ではなく病気である点が異なる(そのため、ドワーフの毒への抵抗力は適用されない)。
疫病の運び手以外のもの(ほかのアルケミストも含む)が疫病瓶を飲むと、この瓶の難易度に対してセーヴィング・スローを行わねばならず、失敗すると1時間の間吐き気がする状態となる。変異薬の発見を修得して変異薬の作り方を学ぶまで、疫病の運び手は変異薬から利益を得ることはなく、変異薬に対してはまるでアルケミストではないかのように扱われる。いかなる特定の状況でも、疫病の運び手は疫病瓶と変異薬の(両方ではなく)いずれかの効果のみを受けることができる。一方を飲むと、それまで効果を及ぼしていた疫病瓶もしくは変異薬の効果は直ちに終了する。
変異薬の全ての制約は、まるで同じものであるかのように疫病瓶にも適用される。変異薬注入の発見や持続変異薬クラス能力は、疫病瓶にも適用される。粘着毒の発見は、疫病瓶を武器に塗布した場合に提供される。疫病瓶は[病気]効果である。この能力は変異薬と置き換える。
病気耐性(変則)/Disease Resistance:2レベルの時点で、疫病の運び手は病気に対する全てのセーヴィング・スローに+2のボーナスを得る。このボーナスは5レベルの時点で+4に、8レベルの時点で+6に増加する。10レベルの時点で、疫病の運び手は(魔法の病気を含む)全ての病気に完全耐性を得る。この能力は全ての毒に対する抵抗力の各段階と毒に対する完全耐性を全て置き換える。
発見:以下の発見は疫病の運び手アーキタイプを補完する:爆散爆弾、精密爆弾、煙爆弾; ブレス攻撃爆弾、速攻爆弾、nauseating bomb(訳注:該当なし。吐き気がする肉/nauseating freshか?); 疫病爆弾。
以下の新しい発見は前提条件を満たすアルケミストであれば誰でも獲得できるが、ラットフォークの間でよく使われている。
上級疫病爆弾/Greater Plague Bomb:アルケミストの爆弾により作られた煙の効果はフォッグ・クラウドではなくグレーター・コンテイジョンに変化する。煙はレベルごとに1ラウンドの間、爆弾の飛散半径の2倍を覆う。この発見を選択するためには、アルケミストは少なくとも16レベルでなければならず、疫病爆弾と煙爆弾の発見を修得していなければならない。
持続する疫病/Lingering Plague:このアルケミストのエキスやそのほかのクラス能力により引き起こされた病気に対するセーヴを行ったクリーチャーは、1ラウンド後に二度目のセーヴを行わねばならず、失敗するとこの病気効果の持続時間が2倍になる。病気が持続時間を持たない場合、その発病時間と頻度を半分にする。この発見を選択するためには、アルケミストは少なくとも8レベルでなければならない。
以下のオプションはラットフォークに適用することができる。この新しいオプションのいずれかを選択する前に、君のGMに相談をすること。
病気増強剤/Blight Tonic:病気増強剤はダイア・ラットの汚穢熱のような肉体的な接触で感染するクリーチャーの病気攻撃の効果を増大させる。飲んだものの病気セーヴ難易度に対して次にクリーチャーがセーヴを行う際、初期感染に関する難易度が+2だけ増加する。病気増強剤は10分が経過するか、飲んだものの病気難易度に対してクリーチャーが次にセーヴを行うまで持続する。
爆裂痘/Pox Burster:爆裂痘は動物の膀胱や毒のある腐った素材で満たされたひょうたんによる錬金術手法で保存される。爆裂痘は飛散武器として投擲することができる。この攻撃は遠隔接触攻撃として扱い、射程単位は10フィートである。直接命中したなら、目標はただちに難易度13の頑健セーヴを行い、失敗すると汚穢熱に感染する。爆裂痘の目標マスに隣接するそれぞれのマスは病気の原因となる汚穢に覆われる。以後1分の間、このマスのいずれかで傷ついたいかなるクリーチャーも難易度9の頑健セーヴを行わねばならず、失敗すると汚穢熱に罹患する。
臭気インク/Stink Ink:臭気インクは特殊で刺激的な、ジャコウを元にしたインクだ。このインクを使うことで、視覚以上に臭いで情報をまとめることができる。臭いインクは乾くと透明になるが、その鋭く極端に広がりの悪い臭いを、嗅覚によって読みとることのできるだけの敏感な鼻を持つものが嗅ぎ分けることができる。鋭き五感種族特性ないし鋭敏嗅覚能力を持つクリーチャーだけが、何らかの魔法による助けを受けることなく臭気インクから情報を読みとることができる。臭気インクを使って読み書きするには、通常のインクを使ってかかれた情報を読みとるには、通常の2倍の時間を必要とする。
秘術臭気インク/Stink Ink, Arcane:秘術臭気インクはラットフォークのアルケミストの中では非常に一般的なもので、処方書や呪文書に処方や呪文を書き込む際に使用される。通常の臭気インク同様、秘術版は鋭敏嗅覚能力を持つクリーチャーのみが読むことができる(しかし臭気インクで書かれた呪文や秘術の処方に対して、リード・マジックは通常通り機能する)。秘術臭気インクで呪文や処方を書物に記すには、通常のものより+10%増しの費用がかかる。
テイルブレード/Tailblade:テイルブレードは着用者の尾の先につけるように作られた、小さく鋭いナイフである。テイルブレードを取り付けたり外したりするのは全ラウンド・アクションである。着用者は移動アクションとしてテイルブレードを大雑把に取り付けることができる(適切な場所にしっかりと着けることはできない)が、大雑把につけられたテイルブレードを使用する際、この武器を使用して行う全ての攻撃ロールに-4のペナルティを被る。また、他のクリーチャーがこのテイルブレードに武器落としを行う際、戦技判定に+4のボーナスを得る。テイルブレードを装備したラットフォークは尾による攻撃を行うことができる。テイルブレードによるダメージには【筋力】修正値が加えられる。ラットフォークはこの攻撃に習熟しているものと見なし、テイルブレードを使用した尾による攻撃は特技や効果において肉体武器として扱われる。全力攻撃アクションの一部として使用された場合、テイルブレードによる攻撃は二次的攻撃として扱われる。
品物 |
費用 |
||
---|---|---|---|
150GP |
1ポンド |
20 | |
50GP |
1ポンド |
20 | |
5GP |
1ポンド |
15 | |
1ポンド |
― |
費用 |
クリティカル |
タイプ |
||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
11GP |
1d2 |
1d3 |
20/×2 |
― |
1/2ポンド |
斬撃 |
― |
利益:君は基本移動速度の1/2に等しい穴掘り移動速度を得る。君は砂、泥、粘土、砂利、その他類似の材質に穴掘りで移動することができるが、固い石に穴を掘ることはできない。穴の痕跡を残すことはなく、地面に跡を残すこともない。
君の爪は大きく強靱だ。
利益:君は2回の爪攻撃を得る。これらは主要肉体攻撃であり、1d4ポイントのダメージを与える。
利益:君は無理矢理入り込む際、通常よりもサイズが1段階小さいものとして扱われる。
ラットフォークは以下の魔法のアイテムを利用することができる。
(Cap of Human Guise/人化け帽)
オーラ 微弱・幻術; 術者レベル 3レベル
装備部位 頭部; 市価 800GP; 重量 ―
このみすぼらしい帽子はディスガイズ・セルフ呪文を使用したかのように、着用者の外見を変えることができる。ただし、飾り気のない服を着た小型の人間の子供、ハーフリングの大人、ノームの大人の姿(農民、鍛冶、店員など)にしかなることができない。着用者は変装の一部としてこの帽子による外見の変更を行うことができるが、そのほかの点ではこの幻の姿の特定の外見に全て見合うようにしなければならない。
必要条件 《その他の魔法のアイテム作成》、ディスガイズ・セルフ; 費用 400GP
(Cloak of the Scuttling Rat/船を沈めるネズミの外套)
オーラ 微弱・変成術; 術者レベル 5レベル
装備部位 肩周り; 市価 6,000GP; 重量 1ポンド
この気取らない外套は、一見すると装飾のない革で作られているように見える。しかし着用者が合言葉を口にすると、クローク・オヴ・ザ・スカタリング・ラットは身につけたものを覆い、ビースト・シェイプIを使用したかのように着用者をダイア・ラットに変化させる。着用者は1日に5分までダイア・ラットの姿でいることができる。この持続時間は連続している必要はないが、1分単位で使用しなければならない。
必要条件 《その他の魔法のアイテム作成》、ビースト・シェイプI; 費用 3,000GP
(Pipes of the Warren Guardian/巣穴守りのパイプ)
オーラ 微弱・召喚術; 術者レベル 5レベル
装備部位 無し; 市価 6,000GP; 重量 ―
これらの黄色い象牙で丁寧に作られたパイプは青銅が巻かれ、いくつかの琥珀で飾られている。身につけたものが適切な旋律を学べば、1日に1回このパイプを使用して、サモン・モンスターIIIを使用したかのように1d4+1体のダイア・ラットを招来することができる。招来されたダイア・ラットは群がりの種族特性を持ち、ラットフォークの群がり種族特性を考慮する際、ラットフォークとして扱われる。
必要条件 《その他の魔法のアイテム作成》、サモン・モンスターIII; 費用 3,000GP
(Ring of Rat Fangs/ネズミの牙の指輪)
オーラ 微弱・変成術; 術者レベル 3レベル
装備部位 指輪; 市価 5,000GP; 重量 ―
この骨でできた指輪は自らの尾を噛む引き延ばされたネズミの形をしている。着用者は主要肉体攻撃として噛みつき攻撃を得る。この攻撃は中型の着用者であれば1d4ポイントの刺突ダメージを、小型の着用者であれば1d3ポイントのダメージを与える。この指輪を着用して一週間が経過すると、着用者の外見はますますネズミのようになるが、それでも元々の種族の一員であるように見える(例えば、人間は出っ歯を得るかもしれない)。
必要条件 《魔法の指輪作成》、マジック・ファング、ポリモーフ; 費用 2,500GP
(Ring of Swarming Stabs/群れて突き刺す指輪)
オーラ 微弱・変成術; 術者レベル 5レベル
装備部位 指輪; 市価 6,000GP; 重量 ―
この指輪は固い革紐で作られており、毛や羽、骨、象牙が織り込まれている。1日2回、着用者が敵を挟撃している際、即行アクションとして、その敵に対する近接攻撃に追加で1d6ポイントのダメージを与えることができる。これはダメージを減少したり無効化したりする全ての効果において、急所攻撃として扱う。
必要条件 《魔法の指輪作成》、ガイダンス、作成者は急所攻撃を行えなければならない; 費用 3,000GP
Alchemical Tinkering/錬金術の鋳掛け屋
系統:変成術; 呪文レベル:ウィザード/ソーサラー1、ウィッチ1、クレリック2
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
距離:接触
目標:接触した火器1つもしくは錬金術アイテム1つ
持続時間:1分/レベル
セーヴィング・スロー:頑健・無効(物体); 呪文抵抗:可
錬金術アイテムもしくは火器1つを、費用が同じか低い他の錬金術アイテムもしくは火器1つに変化させる。魔法のアイテムはこの呪文の影響を受けない。変化した錬金術アイテムはこの呪文の持続時間が終了するまでに使用されると壊れ、使用できる状態に戻ることはない。また変化した火器は元の種別に戻る。
Delay Disease/病気遅延
系統:召喚術(治癒); 呪文レベル:アルケミスト2、インクィジター2、ウィッチ1、クレリック2、ドルイド2、パラディン2、レンジャー2
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作、信仰
距離:接触
目標:接触したクリーチャー
持続時間:1日
セーヴィング・スロー:頑健・無効(無害); 呪文抵抗:可(無害)
目標は病気に対して一時的な完全耐性を得る。この呪文の持続時間の間に病気にさらされた場合、呪文の持続時間が終了するまで目標は感染することはない。目標が現在病気に感染している場合、呪文の持続時間の間その病気を抑制するために病気の難易度に対して術者レベル判定を行わなければならない。失敗すると、目標は通常通り病気に感染したままである。ディレイ・ディジーズは既に被った病気によるダメージを治療することはない。
Sickening Strikes/不調の打撃
系統:変成術[病気]; 呪文レベル:アルケミスト2、アンティパラディン2、ウィッチ2、ドルイド2、メイガス3、レンジャー4
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
距離:自身
目標:術者
持続時間:1ラウンド/レベル
セーヴィング・スロー:頑健・無効; 本文参照; 呪文抵抗:可
術者は病気を注入され、術者が近接攻撃で攻撃した全てのクリーチャーは頑健セーヴを行わねばならず、失敗すると1分の間不調状態となる。病気に対して完全耐性を持つクリーチャーは、この不調効果にも完全耐性を持つ。