ハーフエルフは魅力にあふれ情熱的な美化された社会の孤児であるが、何処にも気を休められる場所がない。多くのハーフエルフは社会的な職業に躊躇なく打ち込むものの、時にその一本道を歩み続ける為に過酷な時間を過ごす。そうしないハーフエルフは精神的な探求か先天的な魔法の才能を磨くことで充足を求めるが、諦観して、原野での孤独なあるいは厭世的な生活を甘受し、他者を食い物にしながら日々を生きる者もいる。
ハーフエルフの容姿は人間やエルフの両親と同じく一様でなく、想像できるあらゆる色彩の髪、瞳、肌を持っているだけではなく、優雅で何気ない魅力もある。ハーフエルフ特有の才能もまた幼少期の教育や血脈の本質、精神の強さ、自身の二面性との結びつきによって大きく様変わりする。ハーフエルフの中には標準とは異なる種族特性を持つものもいる。
冒険者やその他の放浪者の列の中によく見出されるとはいえ、ハーフエルフは世界のほとんどの場所で稀にしか見られない者であり、大抵の場合人間とエルフ間の親交はどちらの種族にとってもロマンスよりも驚きを感じさせる。一部のハーフエルフは珍しくも幸福な家庭の愛される一員となるが、その希少さが彼らの平均を証明している。もっと多くの者は避けられるか、重荷となる恥辱を体現する者とみなされる。多くのハーフエルフは暗い過去を持つが、そのような困難により、よりまとまっている種族のほとんどの者が知ることのできないような挑戦と冒険に満ちた人生への備えができる。
ハーフエルフの冒険者は、自らの多面的な個性に適した完全な配合を捜し求めてさまざまな職種をかじっているため、しばしば社交的なクラスに特化するかマルチクラスを選ぶ。
アルケミスト:ハーフエルフは好奇心の塊なので、多くのものが錬金術を聞きかじる。そのため、しばしば未知の調合の才を示す。
インクィジター:自身の内なる不安に直面するハーフエルフのインクィジターは他者の心の内への鋭い洞察力や生と死のバランスに関する知識を持っている。
ウィザード:多くのハーフエルフが血統から魔法の才能を継承し、秘術の体得の内に慰めと敬意を見出す。魔法の全ての系統が彼らに開かれているにも拘らず、多くの者が破壊の力を持つか、自分たちを神秘の内に覆い隠すか、それ以外の周囲の世界を操る補助となる呪文に惹かれてしまう。
ウィッチ:辛酸のためかより強大な魔力への希求のためかに拘らず、自分は他の魔法形態を扱うのと同様ウィッチの力を扱う達人であるとハーフエルフは気付く。多くのハーフエルフのウィッチは、傷ついているか、そうでなければ生得的にのけ者と見做される独特の使い魔を採用する。
オラクル:ハーフエルフは風の囁きや星々の動き、雑踏の知覚できない砂埃、そして自らの血の内の古の声から神託めいた洞察を引き出す事で今を生きる傾向にある。
キャヴァリアー:ハーフエルフのキャヴァリアーは戦争の技術を修得し、それを優雅さと技巧で装飾する。キャヴァリアーの道は彼らに従うべき行動規範と仕えるべき主を与えて栄誉と敬意を得させるが、エルフと人間は同様にハーフエルフを騎士道における詐称者あるいは侵害者と見なす事がある。
クレリック:ハーフエルフは人間やエルフの信仰とは切り離されていると感じる事があるが、多くのハーフエルフはそれでも共有する信仰を持つ他の種族と連動する為の心地よい状況か、単に不確実性を他の定命の種族とのつまらない結果で下塗りする神性との内的な結びつきの為の心地よい状況を提供する、神々しい召命に従うことを選ぶ。
サモナー:生命体を造形することに魅惑されるハーフエルフもいる。神秘的な美しさを持つクリーチャーとしてか心を凍らせる恐怖を持つクリーチャーとしてかに拘わらず、多くのハーフエルフのサモナーは理想的な生命体として幻獣を生み出そうとさえする。
ソーサラー:全てのハーフエルフの血には魔法が秘められている。それはしばしば、秘術やフェイの血脈であるが、他のソーサラーの血脈の力の源泉ももちろん秘められている。血脈に拘らず、ハーフエルフは遺伝されたそれらの恩恵をすぐに極める。
ドルイド:ハーフエルフは文明社会において完全に絶対的な自然との調和を諦めなければならない。彼らに流れるエルフの血には先天的に自然との繋がりがあり、多くのものがいかなる社会でも提供することができない原野で平穏を見つける。
バード:多くのハーフエルフは、彼らの自然な魅力と社会的な適応能力を結びつけ時に他者からのお世辞に至る事があるためバード・クラスに惹かれる。
バーバリアン:ハーフエルフのバーバリアンは粗野な社会の両親から生まれる。その多くはその文明から離れることでそこの民との差異から逃避するが、そうしない者は獰猛にそこの人々を守り、自らの価値を証明し続けようとする。
パラディン:人間の親の神に尽くそうと、エルフの親の神に尽くそうと、あるいは彼らが採用を選んだ他の神に尽くそうと、ハーフエルフのパラディンは熱意と優美さの双方で彼らの神の庇護を得る。時に、そうした聖なる騎士団の中に、ハーフエルフはそこ以外では否定される平和と友情を見出す。
ファイター:戦場の過酷な単純さは自身の分断された本質の融和に疲弊する者にとって魅力的であるため、ハーフエルフのファイターは比較的ありふれた存在である。ハーフエルフの変化に富む体験や技術は彼らを数々の武器の非常に素晴らしい達人にする。
モンク:混ざり合った遺産の平安に至ったハーフエルフは、モンクの道である心の平穏と瞑想的な悟りを体現する。多くのハーフエルフのモンクが人間とエルフの武術を新しい流派に採用することを学ぶ。
レンジャー:ありふれた社会に失望したハーフエルフは動物との強い絆や自然の変化に対する予知能力を磨き、荒野へと移り住む。
ローグ:多くのハーフエルフが誇りや不注意を利用することを学ばせる無頼の技術に秀でている。
下の種族特性は、既存のエルフの種族特性と交換するものである。こうした新しい選択肢を選ぶ前に、君のGMに意見を聞くこと。
先祖伝来の武器/Ancestral Arms:一部のハーフエルフは、一般的ではない武器の訓練を受けている。この種族特性を持つハーフエルフは1レベル時点でのボーナス特技として、いずれか1つの《軍用武器習熟》か《特殊武器習熟》を選択することができる。この種族特性はハーフエルフの種族特性である適応能力の代わりに取得できる。
秘術訓練/Arcane Training:ハーフエルフは自身の血によって魔法により習熟する。この種族特性を持つハーフエルフは適性クラスを1つしか持てず、秘術呪文を発動できるクラスしか適性クラスに選択することができない。このようなハーフエルフは適性クラスがまるで1レベル高いものであるかのように、呪文解放型および呪文完成型アイテムを使用することができる(もし術者レベルを持っていなければ、1レベルとして扱う)。この種族特性はハーフエルフの種族特性である多才の代わりに取得できる。
二重の精神/Dual Minded:祖先の多様性によって精神的な攻撃に対する抵抗力を持つに至るハーフエルフもいる。この種族特性を持つハーフエルフは意志セーヴに+2のボーナスを獲得する。この種族特性はハーフエルフの種族特性である適応能力の代わりに取得できる。
融和/Integrated:多くのハーフエルフはその土地出身であるかのようにコミュニティに迎合する芸術に熟練している。この種族特性を持つハーフエルフは〈はったり〉、〈変装〉、〈知識:地域〉判定に+1のボーナスを獲得する。この種族特性はハーフエルフの種族特性である適応能力の代わりに取得できる。
社交的/Sociable:ハーフエルフは他人を魅了することや不作法な振る舞いを詫びるのに熟練している。この種族特性を持つハーフエルフは〈交渉〉判定による態度を変える試みに5以上の差で失敗したとしても、24時間が経過することなく、再挑戦が行える。この種族特性はハーフエルフの種族特性である適応能力の代わりに取得できる。
水の子/Water Child:陸地や水の近くでの生活に適応したハーフエルフもいる。この種族特性を持つハーフエルフは〈水泳〉判定に+4の種族ボーナスを獲得し、泳いでいる際は常に出目10選択すること、ボーナス言語として、水界語を選択することもできる。この種族特性はハーフエルフの種族特性である適応能力と多才の代わりに取得できる。
適性クラスのレベルを獲得する際の追加技能ランクまたは追加ヒット・ポイントを獲得する代わりに、ハーフエルフは他の多くのオプションからボーナスを選ぶことができる。以下に記載された適性クラスを持つ全てのハーフエルフはオプションを利用できる。特に明記しない限り、君が選択した記載された適性クラスの恩恵を選択する毎にボーナスは適用される。
ウィッチ:ウィッチの使い魔にウィッチ呪文リストから選択した呪文1つを加える。この呪文はウィッチの発動できる呪文レベルより少なくとも1レベルは低くなければならない。使い魔を変えるならば、新しい使い魔は即座にこのボーナス呪文を獲得する。
ドルイド:通常、1レベル時に選択したクレリックの領域の力の使用回数は3+【判断力】修正値に等しいが、それに+1/2を加えることができる。動物の相棒との絆を選択している場合、動物の相棒の技能ランクに+1する。動物の相棒を変えるならば、新しい動物の相棒は即座にこのボーナス技能ランクを獲得する。
ファイター:武器落とし、蹴散らしに対する戦技防御値に+1する。
レンジャー:動物の相棒の技能ランクに+1する。動物の相棒を変えるならば、新しい動物の相棒は即座にこのボーナス技能ランクを獲得する。