腕の立つ職人、猛烈な戦士、敬虔な僧侶として知られるドワーフは、地表に住む人間族と同じほど多様である。確かにエルフよりも秘術の技に傾倒する者は少ないが、ドワーフの列の中には多くの強力なソーサラーやウィザードの氏族が見られる。同様に一部のドワーフは忍びの技と狡知に傾倒し、ローグやアサシンの役割さえも担う。
この職業的な多様性に加え、ドワーフは第一印象よりもずっと多様な背景を持つ。全てのドワーフが地表近くに住み、巨人に対する戦闘訓練を受けているわけではない。同様に一部のドワーフはゴブリンやオークと戦う時代を経ておらず、かわりにべつの同様に脅威となる敵に直面してきた。そのようなドワーフはより伝統的なライフスタイルで成長してきた者とは異なる種族特性を有するかもしれない。
冒険者となることを選択したドワーフは狂乱するバーバリアンやハンマーを振るうクレリックのような戦闘的なキャラクターである傾向がある。自分が選択した職業に拘わらず、ドワーフの冒険者は常に戦いの備えができている。
アルケミスト:多くの尊敬されるドワーフが錬金術を学ぶが、アルケミストの役割を選ぶ者はほとんどいない――魔法のビールを醸すことに興味を持つ者を除いて。ドワーフはアルケミストを奇妙な人々であると見なし、敬意を抱いているが避けた方がよいと考えている。
インクィジター:聞かれることがないわけではないが、ドワーフは滅多に自らの同胞に対する裏切りを犯すことはない。結果として、インクィジターのマントをまとうことを選んだ少数のドワーフは外界の脅威から同胞を守るために世界を旅することに時間のほとんどを費やす。
ウィザード:ドワーフは秘術魔法の長い伝統を持ってはいないし、それを学ぶことも稀なことだが、それでも生まれながらのソーサラーよりは普通に見られる。秘術の学習のために伝統的なドワーフの訓練を諦めることにより、ほとんどのウィザードは若い同輩からアウトサイダーとみなされるが、年長の学識あるウィザードは非常に尊敬される。
ウィッチ:ドワーフ社会で使い魔と契を結びウィッチの称号を得たものは、それを秘密にする。同胞はそのような盟約を信用せず、代わりに自分たちの神格の力に頼ることを好む。
オラクル:ほとんどのドワーフのオラクルは自分の周りの大地や祖先の魂から力を引き出し、ドワーフ社会の尊敬される成員となる。彼らはクレリックのように敬われてはいないが、危難の時にはしばしば相談を受け、闘いの時には助力を求められる。
キャヴァリアー:ドワーフのキャヴァリアーはほとんど聞かれない。わずかなドワーフのキャヴァリアーはほとんど例外なく地表に住み、ポニーやジャイアント・ボアに乗る。驚くべきことではないが、多くのドワーフはキャヴァリアーを奇妙な者たちで信用できないものと見なす。
クレリック:ドワーフは自分たちの神格との密接なつながりと、強力かつ影響力のあるクレリックを生み出す長い伝統を持つ。信仰の人生を選んだドワーフは若い時から訓練を受けるが、訓練を終えた後は世界を探索し信仰を広めるために自由になる。
サモナー:ほとんどのドワーフはサモナーと幻獣との間の強い絆を理解せず、そのため頑健なる民にとって稀な職業となっている。ドワーフのサモナーの幻獣はしばしばアース・エレメンタルやアイアン・ゴーレムに似た外見をしている。
ソーサラー:ドワーフ社会は恵み深い、あるいは高貴なる血脈から力を引き出す者は賞賛するが、暗黒の力によって汚された者は避ける。
ドルイド:地下には一般的に植物が欠けているため、ドルイドの召命に応えるドワーフはほとんどいない。自然との絆を見出したものは、地下の生命の形態に惹かれる者と、地表に移動して大地のもたらす環境に適応するものと双方いる。
バード:ドワーフは自分たちの長く栄えある歴史に何よりも価値を置く。ドワーフのバードは歴史学の厳しい訓練を受け、過去の物語とバラードを暗誦する。もちろん、ドワーフのバードは少なくとも1ダースの猥雑な酒盛り歌も知っている。
バーバリアン:ドワーフのバーバリアンは一般に同族からバーサーカーと呼ばれており、多くのドワーフ軍でかなりの部分を占めている。冒険者になるために飛び出した者は、より偉大な挑戦を求めてそのようにしたのだ。
パラディン:パラディンになることを熱望するドワーフはほとんどいない。信仰と武技を混合したドワーフのパラディンはドワーフの利益のための聖戦士であるとともにドワーフの砦を守る守護者でもある。
ファイター:ドワーフのファイターはほとんどのドワーフ文化で尊敬を受ける権威ある地位を占める。彼らは地下の苛酷な環境で生きるための必要なものであり、多くのドワーフは若い時から戦闘の訓練をする。
モンク:多くのドワーフがモンクの役割を担うために訓練を受けるが、ほとんどの者は重装鎧と信頼感ある斧を用いる伝統的な戦闘法に戻ってしまう。ほとんどのドワーフのモンクは同じ志を持つ個人による小さな共同体に集う。
レンジャー:ドワーフは遺恨を抱くことで名高い。そのため驚くことではないが多くのドワーフが同胞の敵を討つことに焦点を置いてレンジャーとなることを決める。
ローグ:忍びの技に傾倒するドワーフは、スリや二枚舌よりも罠を使うことや敵を奇襲することに焦点を置く傾向がある。
以下の種族特性は、既存のドワーフの種族特性と交換できるものである。これらの新しい選択肢を選ぶ前に、君のGMに意見を聞くこと。
適性クラスのレベルを獲得する際の追加技能ランクまたは追加ヒット・ポイントを獲得する代わりに、ドワーフは他の多くのオプションからボーナスを選ぶことができる。以下に記載された適性クラスを持つ全てのドワーフはオプションを利用できる。特に明記しない限り、君が選択した記載された適性クラスの恩恵を選択する毎にボーナスは適用される。
オラクル:習熟していない武器1つに対するペナルティを1軽減する。この効果でペナルティが0になった場合、その武器の分類に相応しい《軍用武器習熟》 や《特殊武器習熟》を取得しているかのように扱う。
クレリック:通常、1レベル時に選択した領域の力の使用回数は3+【判】修正値に等しいが、それに+1/2を加えることができる。
ファイター:突き飛ばし、足払いに対する戦技防御値に+1する。
パラディン:パラディン呪文を発動する際の精神集中判定に+1のボーナスを獲得する。