呪文の使い手が行使しうる最も強力な道具の1つが、招来されたクリーチャーへの命令であり、これらの呪文のうち最も強力なものは単なる肉体より力強い味方を招請し、ヘルの深層からヘヴンの頂点まで届き、不慣れな者にさえ限界を超えさせる。異なる次元界からの知識と力に触れるとき、呪文の使い手は目標の長所と短所を支配せねばならず、さもなくば物質界において遭遇しうるよりもはるかに悪質な破滅に直面することになる。招来され虜囚となったクリーチャーの欲望を満たすことができずにそのようなクリーチャーを拘束しようと願う呪文の使い手は、確実に制御を失うだろう。そして、多元宇宙の最も残酷な拷問者の玩具として苦しめられる現実を見出すことになるかもしれない。
他次元界の助力者を招請する最初のステップは来訪者を物質界に連れてくる方法を決定することである。術者がクレリックであれば呪文の選択はプレイナー・アライとなり、ウィザード、ソーサラー、そしてサモナーは主としてプレイナー・バインディング(あるいは拘束を必要とせずに制御するサモン・モンスター)を頼る。しかしながら、これらのいずれも術者の必要に応じて来訪者を必ず拘束できるわけではなく、賢明な呪文の使い手は通常は捧げものか契約の形の追加要素で招来を促進増大させる。
クレリックおよびオラクルは秘術呪文の使い手がそうするよりもはるかに簡単に来訪者を招来し拘束する手段を見出した。プレイナー・アライ呪文の1つを通じて気質の合うクリーチャーを送るよう自身の神格に要請する。来訪者は神に奉仕しているのであり、その願望はほとんど常にクレリックの目的と一致するか、最低でも並立する。
クレリックは来訪者が仕事を実行する前に、神格の奉仕者(訳注:来訪者のこと)と、黄金、魔法のアイテム、捧げ物、生贄、あるいは召喚した味方の個人的な目標を確実に達成するというクレリックの約束といった報酬について同意し契約せねばならない。より大きな仕事にはより大きな報酬が必要とされ、最低でも100gpの価値がある物品か奉仕だが、時には千に膨れ上がる──そして時に仕事が危険過ぎるか、自らの威厳や品位に関わる場合には、来訪者は単にクレリックの拘束を拒否する。
来訪者を拘束する秘術的な手法は、より難しい。第一に、拘束者は内向きに集中する魔法円で罠を構築せねばならない。典型的な魔法円は召喚しようと望む来訪者が嫌う物質で輪郭を描く。最も小さな変化ですら、そのエネルギーで魔法円をほころばせ、召喚したクリーチャーの脱出を許してしまうので、召喚者はこの魔法円をいかなる崩壊からも保護せねばならない。こうした理由から、ほとんどの拘束者のねぐらは高い塔や奥深いダンジョンなど、風と害虫から縁遠いところにある。秘術の術者がプレイナー・バインディング呪文の言葉を紡ぐとき、来訪者は呪文抵抗の助けなしに、意志セーヴィング・スローにより抵抗できる。セーヴに失敗した場合、描かれた魔法円は冷酷に罠に捕らえる。一度捕らわれると、来訪者は次元間移動で脱出を試みて、術者レベル判定に対して呪文抵抗を争わせるか、あるいは【魅力】判定(難易度15+術者レベルの1/2+術者の【魅力】修正値)によって堂々と霊的存在を課して呪文に打ち勝つことを試みることができる。これらの判定のいずれかに成功すると拘束は破壊され、幸運な拘束者はそのような不履行からいかなる追加の害も受けず、苛立った来訪者はただいなくなるだけである。しかしながら、いつでもそうであるとは限らない。
失敗した拘束者に襲いかかる来訪者も存在する。このため多くの拘束者は、彼らが立つことのできる2つ目の魔法円や、召喚された来訪者が直ちに脱出することを妨げるための魔法円内部へのディメンジョナル・アンカーの発動といった、追加の用心を行う。極めて強力なウィザードやソーサラーがトラップ・ザ・ソウルを使用してさえ、拘束者の非難に同意するまでは準備された器を押し破ろうとする。
賢明な秘術の拘束者はしばしば招請したクリーチャーと取引を行う。クレリックのようにプレイナー・アライを使用し、来訪者と契約して、その奉仕と引き換えに捧げ物を雨あられと浴びせる。秘術呪文の使い手が強い立場からこれらの取引を行うのが常に良いのだが、奉仕のための諸条件に互いに同意するためには、その本性や願望に対して行動を引き受けさせることを強要するよりはむしろ来訪者にも得させるのが良い。
比較的安全な立場から拘束者が契約を行えることを保証する助けとなる、来訪者への強制の方法が1つある。 多くの呪文の使い手は、その名を呼ぶことはその存在を定義することですらある、完璧かつ完全にその存在を記述する秘密の言葉、真名があらゆるクリーチャーの本質を記述すると信じている。定命の者にとって、この名は魂に埋め込まれており、詮索好きで危険な目から隠されている。来訪者の真名は、まさにその本質を刻み込まれた印形の形を取る。ヘルにおいては、これらの印形はデヴィルが成長するにつれて変化し、いったんは特定のデヴィルへの支配力を保持するであろうが、旧式化してしまう。いくらかの来訪者は忌み名を持ち、愚かな定命の者が招来を行使するよう誘いこむのに偽名を使用すると言われている:来訪者は拘束者の制御下にあるふりをするが、実際には襲いかかる前に時期が来るのを待っている。
単一の来訪者の真名を暴くために、呪文の使い手は図書館の中、あるいは発見の探索において、古代の寺院に埋もれている、千年前に記された、書物のページ、巻物、そして浮き彫りに隠されたオカルトの神秘と謎掛けを暴くか、あるいは狂人の呪文書の狂乱の中に見出すために、最低1ヶ月を費やさねばならない。この月の終わりの時点で、GMはキャラクターの〈知識:次元界〉判定を行う。その難易度は10+クリーチャーのヒット・ダイスである。GMは来訪者の力、あるいは真名の調査状況に基づいて、この難易度を+2、+5、あるいは+10とさえ増加できる。5以上の失敗は調査者を思いがけない危険に晒すかもしれない偽情報に導く。
ほとんどの外次元の来訪者にとって、クリーチャーの真名の知識は強力な武器である。招来中、この名が正しく呼ばれたなら(最低1つの来訪者の言語の知識、あるいは10+クリーチャーのヒット・ダイスに等しい難易度の〈言語学〉技能判定を必要とする)、目標は召喚に抵抗するための意志セーヴに-5のペナルティを受け、さらにその名が防御の魔法円に記されている場合は、来訪者は脱出あるいは魔法円を破るためのすべての判定に-5のペナルティを受ける。
エレメンタル(ジンニー種を含む)にとって、このような真名は、フィーンドや他の来訪者のように拘束せず、クリーチャーに招来に抵抗するための意志セーヴへのペナルティを与えることもない。しかしながら、術者がエレメンタルの真名を唱えた場合、エレメンタルはおそらくそれを聞く程度には好奇心をそそられるだろう──エレメンタルの真名を発見するほどの力と狡さを備えたウィザードは、狡猾で強力なウィザードであり、そしてエレメンタルはこれらの資質を重んじる。
すべての来訪者が真名を持つわけではない。プロティアンの混沌と原生の性質は、クリフォトののたうつ混沌の性質のように真名の奇妙な論理を無視する。アイオーンが真名を持つかどうかは不明瞭である。アイオーンは各々が2つの真名を持ち、そして両方を発見することによってのみ、クリーチャーはアイオーンのなんらかの制御を獲得できると信じている賢者もいるが、これらは全くの推測である。
すべての来訪者は自身を強大にするものを愛している。彼らは自らの特性を増進する大いなる力の提供を求め、また自身の生存を切望している。思考、意志、そして力の存在──それを概念と呼ぶものさえいるだろうが──である来訪者は、自身の中心概念が不滅となるのを助ける者に報いる。
要約すると:
来訪者の提供する報酬は、実際の援助、不承不承の奉仕、あるいはただ、拘束者の魂を貪り食わないことに同意することでさえあるかもしれない。とにかく、拘束者に最も重要なことは常に──常に──目標を可能な限り苦痛なく招来し、さもなくば、招来したクリーチャーを完全な破壊か千年の耐えざる苦痛の脅迫で威圧することである。対等であるかのように来訪者を脅迫する試みと、単なる取り決めの道具としての契約はほとんど常に惨憺たる結果になる。それぞれの来訪者の種別のより多くの詳細は以下で説明する。
招来されたクリーチャーへの適切な捧物の提供は、術者がクリーチャーを物質界に留め置くための対抗【魅力】判定に+2のボーナスを提供する。本当に、捧物が十分に甘美であるなら、来訪者はそのような機会がある場合でさえ、招来の拘束を破らないことを選択するかもしれない。すべての捧物は、来訪者を喜ばせるほど良質でもそうでなくても、呪文の完成した時点で消滅する。最も悪い種類の捧物だけが拒絶される:そのような拒絶は、招来されたクリーチャーが深く侮辱されたと感じていることを示す。
あらゆる来訪者は脆弱性を持ち、これに対処する者はその脆弱性が何であるかを知らねばならない。忌避する物質で作られた武器を使ったり、魔法円を描いたり、あるいは魔法円を構築するための粉を作るためにそのような貴重な武器を砕く拘束者さえいる。
忌避物質に使用された 5,000gp ごとに、術者は来訪者との契約に際し【魅力】の対抗判定に+1のボーナスを得る。これにより物質は破壊される。
アナーキック:混沌の力で満たされたアナーキック武器は、多くの秩序の来訪者にとって、武器に対する特別な脆弱性を持たない者にとってさえ、呪いである。
アクシオマティック:秩序で強化されたこれらの武器は混沌の来訪者を害し、特定の脆弱性を持たない来訪者に対してさえ、その効果は追加のダメージを与える。
錬金術銀:錬金術銀で作られた武器はダメージを1減少するとしても、最低1ポイントのダメージを伴い、いくらかの来訪者に対しては他の武器より効果的であるかもしれない。錬金術銀は厚さ1インチにつき10ヒット・ポイントと硬度8を持つ。
冷たい鉄:ダイモン、デーモン、そしてフェイに対して効果的な冷たい鉄は、険しい山々の地下深くから採掘され、可能な最低の熱量で鍛造される。その繊細さと加工の難しさから、冷たい鉄で作られた武器は作成に2倍のコストがかかり、しかもあらゆる魔法的強化はその価格を著しく増加させる。冷たい鉄は厚さ1インチにつき30ヒット・ポイントと硬度10を持つ。
ホーリィ:ホーリィ武器は、特定の悪のクリーチャーのダメージ減少を迂回し、それらの怪物に追加で2d6ポイントのダメージを与える聖なる力を吹きこまれた、いずれかの武器である。武器がクリーチャーのダメージ減少を突破した場合、特定の脆弱性を持たない悪の来訪者にも、依然としてホーリィ武器は追加のダメージを与える。
ミスラル:ほとんどの来訪者は実際の銀に対するのと同じようにミスラルに反応する。
銀:その純粋さと、ライカンスロープおよびデヴィルを害する能力により長く崇められてきた銀はまた、ある種の善の来訪者を捕らえるのにも使用される。
アンホーリィ:ホーリィ武器とは反対にアンホーリィ武器は善属性の来訪者にダメージを与えるが、その他の点では同じである。
以下のセクションは各カテゴリごとのは主要な来訪者の概要、その関心、脆弱性、そしてどのような物質を嫌うかの例(そして、あれば呪文抵抗)である。
異質で、理知的で、隔てのあるアイオーンは、自身の目的を伝えるのに発話か筆記の記号の代わりに精神的なイメージと音を用いると考えられており、そのコミュニケーションの奇妙な形態ゆえに交渉が難しい。その上、アイオーンはしばしば彼らの二分法に拘り、どのような結論に向かおうとも議論や感情によって動揺しない。自身の目的を進めるためアイオーンを拘束する呪文の使い手は、アイオーンが援助を提供するであろう唯一の方法であるがゆえに、これらの奇妙な来訪者に協力する。すべてのアイオーンは[氷雪]、毒、およびクリティカル・ヒットに対する完全耐性を持ち、[雷撃]と[火炎]への抵抗を持つ。
アクァナ(呪文抵抗23):死と生の二重性に関わるアクァナは、不均衡を狩り、奇妙な、一見して出鱈目な効率性でそれらを修正する。彼らは自身の意思決定や目標を正当化せず、多くのサモナーを苛立たせる。
テレートス(呪文抵抗18):これらの自由と運命の守護者はしばしば前者を追求し後者を実現する呪文の使い手を支援するが、アイオーンの例にもれず、これらの命題に対する彼らの見解は一般的に矛盾して見え、彼らを完全に制御あるいは理解することは困難である。
パラクレトス(呪文抵抗7):定命の呪文の使い手と関わる最も一般的なアイオーンであるパラクレトスは、強い感情と論理的な才覚を持つ呪文の使い手を積極的に捜索する。パラクレトスのいくらかは使い魔になり、絆を結んだ術者と感情のオーラを実験する。
ビューソス(呪文抵抗27):時間と次元間旅行の守護者、ビューソスは時間旅行を悪用する者を捜している。彼らは同種の目的を持つ拘束者と取引を行い、彼らと懸念を共有しない拘束者の動機には関心を持たない。
プレローマ(呪文抵抗31):多くの拘束者は招請し拘束するにはプレローマは強力すぎると考えており、そのような仕儀が可能な場合であっても、このような創造と破壊のクリーチャーに対して取引を試みるのは不可能であろう。すべてのアイオーンのうち、プレローマの用いる論理と法則は少なくとも記述可能である。
混沌に対する秩序の宇宙的闘争にわずかに関与する善のクリーチャーであるアガシオンはその本性と目的の双方に反映される残忍な一面を持つ。拘束するとき、彼らはしばしばその奉仕と解放について合意するため善属性の拘束者と誠実に取引を行うが、悪属性のものは騙して支配しようと試みる。
アガシオンは彼らの獣のような姿を強く誇りに思っているため、彼らの姿を侮辱するか、どうにかしてライカンスロープであることを仄めかすサモナーは、拘束したアガシオンに対処するすべての【魅力】判定に-4のペナルティを被る。アガシオンは[雷撃]と石化に対する完全耐性を持つ。アガシオンは[氷雪]10および[音波]10の抵抗を持ち、毒に対するセーヴィング・スローに+4種族ボーナスを持つ。アガシオンはアンホーリィ武器への脆弱性を持つ。
アヴォラル(呪文抵抗20):多くの場合、スパイおよび斥候として仕えるよう拘束されるアヴォラルは、理由が正当でその注目に値する限り、拘束時はそのような活動に挑むことを喜ぶ。彼らは監禁されることを嫌うため、悪属性または中立属性の拘束者は通常は処罰や強制によって拘禁する。
ヴォルピナル(呪文抵抗17):これらの狐に似たアガシオンは率直な気安さで彼らを拘束したものと奉仕についての取引をする。彼らは交渉のほとんどの局面で、頻繁に笑顔とウインクを交えながら、しばしばぶっきらぼうに現状への不満を述べる。彼らは善に奉仕する伝令および使者として使われることを好み、他の目的のために拘束されている場合には、彼らは取引を可能な限りはやく解決するよう欺く。
シタシール(呪文抵抗26):善の水棲種族の保護者であるシタシールは、しばしば善の呪文の使い手に、水界の領土を保護し大使や使節としての役割を果たすため招請され拘束される。悪質な拘束者はしばしば乾燥した土地でシタシールと取引をし、奉仕のための取引が妥結した時にのみ水をたゆたうことを許す。
シルヴァンシー(呪文抵抗13):好奇心旺盛だが慎重なシルヴァンシーは、しばしば中立にして善の呪文の使い手によって使い魔として拘束される。時には強力な呪文の使い手により、特に猫の集団に紛れさせることのできる都市において、彼らの大集団がスパイや斥候として働くために招来され拘束される。
ドラコナル(呪文抵抗31):強力かつ横柄、そして定命の者の問題を取り除く、これらの直接的な神の代理人は、一度拘束してからの取引にはしばしば立腹する。長期に渡る計画の忍耐強い追跡者である多くのドラコナルは、奉仕のための取引をするよりはむしろ定命の呪文の使い手をやり過ごそうとする。ドラコナルを拘束しその力を使おうと目論む者は、ドラコナルの真名を知っているか、アガシオンの目的に協力して計画を実行するに十分な幸運を持っており、特別に強力で、完璧なタイミングを制する必要がある。
レオナル(呪文抵抗23):保護者にして狩人として拘束を切望されるレオナルは多くの場合拘束者との交渉が容易である。彼らは単純な(かつ善の)目的のみならず、自身を義務から解放する決定的な条件を求める。
自由、個性、そして善性についての教訓に従う者は、アザータを招来するのが別次元界の味方を見つける最も良い方法であると気づく。僅かなアザータしか特定の問題の詳細には同意しないが、彼らは悪の敗北を見ると決意している。アザータは気まぐれだが強情で、多元宇宙に善をもたらす最善の方法は彼らの願望を実施することによるのではなく、実例と言葉によると認めている。リレンドを除き、アザータは冷たい鉄と悪の武器によって突破されるダメージ減少を持つ。彼らは[雷撃]と石化に対する完全耐性を持つ; リレンドは加えてすべての種類の毒への完全耐性を持つ。アザータを召喚するためには魔法円を冷たい鉄で構築する必要がある。
ガエル(呪文抵抗25):ガエルは力強い狩人であり、優雅かつ騎士的に強大な敵を追跡する。(脅威度が拘束者よりも少なくとも3大きい)拘束者の強力な狩りの証拠を提供するか、あるいはドラゴンかフィーンドを追跡できる現場へ招来することで、術者への【魅力】ボーナスが提供される。
ブララニ(呪文抵抗17):ブララニ・アザータは獰猛かつ野性的であり、戦闘あるいは頓知の競技において絶えず自らの力量を示そうとしている。ウィザードがブララニの遊んだことがない力、頓知、あるいは素早さのゲームを勧めるか、エリュシオンに帰還するブララニのために新しく作り出した場合、アザータとの交渉時に+2の【魅力】ボーナスを得る。
ブリジディーン(呪文抵抗28):火、詩、そして香辛料の効いた食物の恋人、ブリジディーンには珍しい(かつ耐火性の)詩の巻物か香辛料の効いた美食で首尾よく言い寄ることができる。しかしながら、ブリジディーンには異国風の、高価な、特定の好みがあることを拘束者は意識しておくべきだ。
リラキーン:アザータの中の音楽家、リラキーンは素晴らしい楽器と珍しい音楽──特にフェイの音楽の一片を捧げることで、仕事をするよう説得できる。
リレンド:最も芸術的なアザータ、リレンドは物語、歴史、伝承、詩、そして歌を愛している。招来されたリレンドへの提供物にはオリジナルの歌、演奏、あるいはその他の芸術形式が含まれる; また彼らは魔法の楽器を非常に好む。
秩序にして善のクリーチャーであるアルコンは、秩序、正義、そして強者の略奪から弱者を守ることを追求する。大規模な統治機構の系統的な変化を通じてであれ、個人のひらめきによってであれ、彼らは内からの変化を信じている。すべてのアルコンは[雷撃]と石化攻撃への完全耐性、そしてダメージ減少10/悪を持つ。彼らを招来するのに使用する魔法円は、銀の粉末で作成される。
シールド(呪文抵抗21):堅実、禁欲的、かつ個性さえもしばしば防御的であるシールド・アルコンは自身を拘束しようと試みる者に非常に懐疑的だが、共通の善を守るかフィーンドの企みに敵対するために働ける場合は、彼らは一般的にその奉仕への贈物によって拘束者を監護し、神殿か寺院を保護する。
スター(呪文抵抗30):輝かしく、賢明で、絶えずヘヴンを防衛し、あるいは悪の軍隊を打ち負かす作戦を練っているスター・アルコンは、しばしば定命の呪文の使い手を苛立たせる。交渉は、しばしばスター・アルコンが拘束者を近視眼ゆえに吹き飛ばし、アルコンの時間を浪費するに至ることになる。正当な理由によるときでさえ、スター・アルコンは法外な贈物を要求する。アルコンと拘束者の目的が協調を促すときのみ、アルコンの要求する贈物はどうにか達成できる。
トランペット(呪文抵抗25):強力な兵士にして伝令であるトランペット・アルコンはヘヴンの打撃軍の指揮官にして神の紋章官である。彼らの好意を獲得するためには、彼らの存在にふさわしいと証明しなければならない; トランペット・アルコンは物の提供を受けるよりはむしろ、奉仕と時間の犠牲を求める。そして、対価としての奉仕を提供する──そして、誓約を守る意思を持つ──いかなる拘束者も+2の【魅力】ボーナスを得る。彼らとの誓いを破る者は、彼らによる幸運が消え始めるのを見ることになり、問題が解決するまで善の他次元界のクリーチャーとの取引のときに-2の【魅力】ペナルティを被る。
ハウンド(呪文抵抗15):規律ある兵士にして用心深い歩哨であるハウンド・アルコンはすべての善と聖性の勇敢なる保護者である。彼らは移動と迅速だが思慮深い行動を評価し、そして悪の壊滅を大いに喜ぶ; したがって、ハウンド・アルコンを招来するときに最も良い犠牲は、聖なる力の吹きこまれた魔法の盾、迅速あるいは束縛を受けない移動を許す呪文のかけられたリングないしブーツ、あるいは強大な力の武器である。
ランタン:最下級のアルコンであるランタン・アルコンは人懐っこく、その大望は善の進歩を見つめることである。彼らの好意を獲得するためには、1つには価値のある慈善活動に1週間従事するべきであり、あるいはヘヴンの名にかけて善なる理由のために、100gp の価値を誠実に提供することである。
本来、混沌のプロティアンと戦うための怯まぬ軍隊としてアクシアマイトに創造されたイネヴァタブルは、それらのクリーチャーに対する明示的な戦争を戦うために使われていたが、現在は間接的な戦争を遂行している。多くのイネヴァタブルは秩序に反するものを追跡し是正することでこの戦争を戦う。その使命は不朽であり、堕落を望むものに拘束された時、イネヴァタブルはしばしば拘束者が失われるのを待つ。イネヴァタブルは彼らが設計し定められた目的に反して彼らを使うことを望む拘束者との取引は単純に拒否する。
アービター(呪文抵抗13):アービターはイネヴァタブルの斥候にしてスパイであり、一般には秩序の呪文の使い手、特にプロティアンの混沌の汚染と戦う者によって使い魔として仕えるために拘束される。
コリャルート(呪文抵抗23):取引の執行者として、コリャルートは取引の実施をするために拘束し奉仕させることができる。拘束者はコリャルートとの取引を保つことに失敗した場合、即座に処罰の対象とされ得ることに注意する必要がある。コリャルートはそのような既知の協定の違背者とは決して取引しない。
ゼレフート(呪文抵抗20):ゼレフートは正義を回避しようとするものを捜索し、さらには処刑するために彼らを使おうとする拘束者の招請にしばしば応じる。
マールート(呪文抵抗26):マールートは強力な魔法により人工的に生活圏を拡張するものを狩る。彼らはそのようなクリーチャーを狩りだすという明確な目的のために自身を招請した拘束者と取引を行う。それ以外のすべての拘束者は脅迫されようとも強固に無視される。
ラークシャラット(呪文抵抗31):さまざまな次元界を分け離しておくことを念頭にかけ、ラークシャラットはしばしば自身の目的に協力して働く定命の呪文の使い手と取引を行う。彼らは常に次元界間の繋がりを破壊することを望んでいるが、時には、そのような使命が何らかの方法で重要な機能を提供する限り、その守護者として仕え、門を開いたまま残しておくことに同意する。彼らが次元界の分離に反して働くことは決してない。
真のエレメンタルは、旺盛な霊魂が純粋なエレメンタルの物質の肉体を動かす、単純なクリーチャーである。彼らは自身の生を、自身と互いを高みに至らせるための永遠の闘争であると見なしている。それぞれのエレメンタルの種別は独自に特定の次元界の環境にふさわしく順応しており、そして自身の元素に囲まれている時は、その力を持ち合わせて尊大である……そして、より強大な力が示されるか、それ自身以外の元素を密閉された時に、唯一萎縮して脅かされる。ほとんどのエレメンタルは善意の取引はしない──彼らは力のみを尊重する。ジンニーは姿と精神性ともにより人間らしい元素界の住人である。彼らは自分たちが真のエレメンタルよりも肉体的にも文化的にも優れていると考えている。
一般に、肉体労働と戦闘のためにはエレメンタル、そして魔法の力か古代の知性のためにはジンニーを招来し、そしてその結果、これらの仕事のためにはサモン・モンスターとプレイナー・バインディングをそれぞれ使用することになるだろう。 しかしながら、召喚者がジンニーかフィーンドのようにエレメンタルを拘束したいと望んでいるなら、その儀式は、母なる元素に達したエレメンタルの創造力との、ある種の格闘である。エレメンタルは出血、麻痺、毒、睡眠、および朦朧効果への完全耐性を持つ。クリティカル・ヒット、急所攻撃のような狙いの正確さに基づく攻撃、あるいは挟撃の影響を受けない。ジンニーは力を求めその価値を認めるが、大部分は厚かましく自慢げである。安全にジンニーの注意を引く最も良い方法は、真名を唱えるか、政敵に対する戦いへの支援を提供する──賢い召喚者はジンニーを招来する前にジンニー種の内なる戦いを調査する──か、さもなければ、強力な魔法によりジンニーを脅す準備をすることであると言われている。
アース・エレメンタル:エレメンタルが床に触れるのを防ぐために、渦巻く疾風と風に基づく呪文の施された招来用の部屋を準備すること。この状態を5ラウンドの間維持することで、拘束者の優位がエレメンタルに示され、【魅力】判定に+4のボーナスが与えられる。
アイス・エレメンタル:拘束者は招来中にアイス・エレメンタルを寄せ付けないために、実際の火、[火炎]の呪文、冷気への守り、そして時には[火炎]のクリーチャーさえ使用する。アイス・エレメンタルは多くの場合、深刻な溶融が起こればすぐに拘束者に屈服する。
イフリート:これらの戦闘的なクリーチャーは最低+2の強化ボーナスをもつ武器と4レベル以上の呪文の巻物を尊ぶ; これらは拘束者の【魅力】判定に+2のボーナスを提供する。イフリートはまた魅力的な人型生物の奴隷にも価値を認め、捧げられた奴隷10人ごとに拘束者の【魅力】判定に+1のボーナスを与える。
インヴィジブル・ストーカー:インヴィジブル・ストーカーを拘束するために使用される戦術は、エア・エレメンタルを拘束するために用いられるものと同様である。多くのエレメンタルと異なり、インヴィジブル・ストーカーは奉仕のための取引を行い、これは定命の呪文の使い手によってしばしば招来される所以である。
ウォーター・エレメンタル:ウォーター・エレメンタルを招来するとき、部屋から水の要素を除去して、かがり火を用意することすること。魔法円を取り囲む火の輪は、物質界に現れるとすぐに、その憎むべき敵にエレメンタルを露出させ、拘束者が制御を奪うのに十分な期間、その気を散らす。これにより、室内の大きな火ごとに+1のボーナスを術者に与えて対抗意思判定を行い、成功すると【魅力】判定に+4ボーナスを得る。
エア・エレメンタル:エア・エレメンタルを招来するとき、ダイヤモンドの粉末を用いて魔法円を記し、エレメンタルがいったん術者の力を認めた後でのみ解放すること。これには追加で 2,000gp のコストを要するが、【魅力】判定に+2追加する。
クリスマル:他のエレメンタルと異なり、クリスマルとは取引ができるが、再生に使用する相当量の水晶を提供する場合にのみ、拘束者の要求に同意する。
サンドマン:他のエレメンタルより繊細で悪賢いこれらのクリーチャーは、その拘束者とほとんど常に取引を行うが、横柄かつ頑固である。その仕事が完了した後でさえ、彼らは可能なかぎり多くの破壊を加えるため物質界に自発的に留まる。
ジャーン:最も弱いジンニーであるジャーンもまた高慢で侮辱しがちである。1,000gp 以上の価値がある見事な織物、宝石、あるいは宝石類の贈物は見解を和らげ、召喚者の【魅力】判定に+2ボーナスを与える。
シャイタン:最も頭が悪く軽率なジンニーであるシャイタンは、運任せのゲームと肉体的な技能を何よりも好む。奉仕と引き換えに術者にダイスの一投かレスリングの試合を申し出るはずである──そして、この申し出を成し遂げると──術者は【魅力】判定に+2のボーナスを得るだろう。
ジン:知識の書物か強力なその他の魔法のアイテムはジンを誘惑し、術者の【魅力】判定に+2のボーナスを与える。
ソックア:火と地の次元界の衝突する厳しい風景の住人であるソックアは招来し拘束するには危険なクリーチャーであり、適切に拘束したときでさえ、通常は自身への監禁に対して怒り狂う。ソックアの拘束を望むものは、ソックアをなだめられるほど理解していると見られているため、しばしばメフィットを仲介者として使用する。
ベルカー:これらの頭の鈍いクリーチャーは高価な香とすさまじい煙の出る異国の生木を楽しむ。
ファイアー・エレメンタル:ファイアー・エレメンタルを招来するとき、発動する部屋を石で取り囲み、部屋から燃えやすい物質を取り除き、火に対する防御の魔法円と呪文を準備すること。室内に大きな氷の固まりを保つことでエレメンタルの力は徐々に破壊され、より速やかに服従し、術者はエレメンタルを捕らえる【魅力】判定に+4のボーナスを得る。
マーリド:気まぐれで予測しがたいマーリドは芸能と芸術を愛する──1,000gp の価値がある芸術作品を提供するか、あるいは難易度30の〈芸能:どれでも〉を披露する(拘束者か、その味方か、いずれが実行しても)ことで、召喚者が+2【魅力】ボーナスを得るのに十分なほど長く興奮させる。
マグマ・エレメンタル:マグマ・エレメンタルはアース・エレメンタルとファイアー・エレメンタルのいくつかの面を合わせ持つ複合的なエレメンタル・クリーチャーである。当然ながら、これらの2種のエレメンタルへの拘束戦術の合成は、多くの場合これらの残忍なものを寄せ付けない。
マッド・エレメンタル:マッド・エレメンタルが粘度を変化させている間、どちらの状態も悪影響を及ぼすため、彼らは皆、水っぽくなり過ぎるか、乾き過ぎることを恐れている。不服従への罰として[風]の呪文と石化の呪文を使用することは、通常はこれらのエレメンタルを指示に従わせ、奉仕の見返りとしての適切な贈物についての交渉を始めるよう望みやすくする。
ミストゥ(呪文抵抗19):これらのクリーチャーへの拘束と支配の戦略はエア・エレメンタルへのものと同様である。他のエレメンタルとは異なり、ミストゥの多くは物質界の暗い場所に出没することを望むため、通常は拘束者と取引をする。
ライトニング・エレメンタル:ライトニング・エレメンタルはエア・エレメンタルと同類であり、同様の拘束法を用いるが、拘束者はそのような拘束術と自身らへの[雷撃]ダメージに対する防御を補強するとよいだろう。
すべてのエンジェルは、多元宇宙の多くの次元界をダメージの恐怖なしに旅して渡ることを許容する、多くの完全耐性とダメージ抵抗を持つ。興味深いことに、彼らは依然として毒からダメージを受けることがありうるが、ほとんどの悪影響に耐え、そのような不実な苦痛を負わせた者を罰するほどに強い。彼らはアンホーリィ武器に非常に脆弱である; ソーラーはまたエピック級武器とアーティファクトに対しても脆弱である。エンジェルの防御のオーラは、彼らの周囲のクリーチャーへの防御と同様に、彼らに悪のクリーチャーの行う攻撃あるいは作り出す効果に対する防御を与える。エンジェルに対峙することを望むいかなる定命の者も、謙遜と知識で武装しているべきである。エンジェルは[強酸]、[氷雪]、および石化効果への完全耐性を持つ。彼らはまた[雷撃]10と[火炎]10の抵抗を持つ。
アストラル・デーヴァ(呪文抵抗25):アストラル・デーヴァは善の神々の使いである──もしくは、シニカルに表現するのであればヘヴンのゴシップである。アストラル・デーヴァへの適切な贈物は、達することのできない場所の知識である:競合する寺院、悪の教団員の地、または物質界に直接関与するその他の悪。
カッシシアン:最下級のエンジェルであるカッシシアンは、より強大なエンジェルのメッセンジャーとして働き、また頻繁に物質界における善の呪文の使い手の使い魔として仕える。敬虔な兵士の魂から形成される彼らは、悪のクリーチャーに対する争いに参加することを許す贈物によって、しばしば簡単になだめられる。
ソーラー(呪文抵抗34):善の偉大なる兵士であるソーラーは通常は定命の者と直接関わらない。ソーラーを招来し取引をするには、ウィザードはソーラーの名の下に強大な悪のアイテムを破壊するか、世界の強力な悪を滅ぼすか、あるいは招来の一部として悪の聖遺物を提供しなければならない。
プラネター(呪文抵抗27):セレスチャルの軍隊の指導者であるプラネターは、彼らのインファーナルの敵に関する知識と情報を求める。悪の軍隊の移動、悪の武器の集積地、あるいは黄泉への入り口の位置に関する貴重な資料の提供は、プラネターへの対処にあたり拘束者に+2【魅力】ボーナスを与える。
モヴァニック・デーヴァ(呪文抵抗21):正のエネルギー界、負のエネルギー界、そして物質界をしばしばパトロールするエンジェルの兵士であるこれらのデーヴァは、アンデッドと飢えた虚無を狩る奇妙なクリーチャーと戦う。物質界に招来されるときは、彼らは善を為すための謹直な兵士として仕え、アンデッドとスケイドゥナーを狩るための大いなる力を与える贈物になだめられる。
モナディック・デーヴァ(呪文抵抗23):エーテル界と元素界の監視者であるモナディック・デーヴァは、通常はこれらの次元界において彼らの神格の扱う目的で招来した者のみに仕える。頑固であるため、彼らは自身の非常に高い目標に向けて隷属するよう法外な贈物を要求する。
もっとも非常識であるか絶望的な呪文の使い手だけが、あえてクリフォトを招請し拘束する。クリフォトの予測不可能な性質、恐ろしい外観、そしてすべての定命の者の生命への憎しみは、彼らをして招来するには最も危険な来訪者の一部たらしめている。彼らはかつてアビスの支配者であったが、定命の罪人の魂が到達して最初のデーモンに変質した時に転覆された。クリフォトが定命の呪文の使い手と取引を行うかもしれないが、彼らはそのような協定に従うよう拘束を感じることはなく、しばしばあからさまに拘束者の命令を無視し、結果を重視しない。クリフォトは[氷雪]、[精神作用]効果、および毒への完全耐性を持つ。彼らは[強酸]10、[雷撃]10、および[火炎]10の抵抗を持つ。そのすべてが恐怖と狂気のオーラの少なくとも一方を持つ。
アイアタヴォス(呪文抵抗31):強力かつ特異なアイアタヴォスは、それがエピック級であってさえ、拘束者の招請に応じることは決してない。
オグナガー:愚かで貪欲なこれらの食人クリフォトは滅多に拘束者と取引を行わないが、脅してクリフォトの奉仕を適用させることができる。
サルガント(秩序の呪文およびクリーチャーに対して呪文抵抗25):これらの強力なクリフォトは、彼らの拘束を望む呪文の使い手の招請に応じるには、傲慢と自己愛が強すぎる。
シスニゴット:物質界で見られる最も一般的なクリフォトであるシスニゴットは、混沌にして悪の呪文の使い手に使い魔として働かせるために招請される; シスニゴットは呪文の使い手が既に持っている超小型の動物の使い魔を捕らえる。
ショグティー:シスニゴットに次いで、ショグティーは物質界で見られる最も一般的なクリフォトである。彼らの精神操作の主はその不可解な計画に従事する生きた奴隷を常に追い求めている。ショグティーは最終的には最新の奴隷に変えることを望んで、拘束者の招請には速やかに応じる。
チェアノブー(呪文抵抗23):これらの締まりなくのたうつものどもは自身の下劣な毒の拡散にしか関心がない。彼らは拘束者と取引しない。
ナイオゴス:彼らは飢え、アビスの底の捕食者は呪文の使い手の招請に応じるが、一般には遠い場所で新しく食べるものを見つけるためだけにである。愚かではないものの、ナイオゴスに理を解くのは難しく、新たな興味深い食物を提供する時にのみ応答する。
すべてのダイモンは共通の目的を持つ──定命の者に死、破壊、そして苦痛をもたらすという。ダイモンは魂を喰らい、その飢餓を満たすためならばどんなことでもする。ダイモンを玩弄してはならない。ダイモンの偉大なる支配者──その執事と四騎士自身──はほとんど招来されることはない。これは他の者の所に留め置かれているからであるとも、どうにかして自身をアバドンの次元界につなぎとめているからであるとも、はっきりとは言えない。
ダイモンは[強酸]、[即死]効果、病気、および毒への完全耐性を持ち、そしてその全てが善または銀の武器もしくはその両方への脆弱性を持つ。ダイモンは[氷雪]10、[雷撃]10、および[火炎]10の抵抗を持つ。
アストラダイモン(呪文抵抗27):強力だが比較的おぼろげな魂の狩人、アストラダイモンは2つのことでのみ買収され、奉仕を行う──魂の饗宴と死を振りまく契約。
オレスロダイモン(呪文抵抗31):巨大なオレスロダイモンは競合者の土地を荒廃させたいと望む定命の者としばしば取引を行い、時には通常の供物の権利の半分だけを求めさえする。そのような功績は彼らの主人の気まぐれに過ぎないとは思われるが、パラゴンとして四騎士の1体に仕えるオレスロダイモンさえ招来することができる。
カコダイモン:残虐で飢えたほとんどのカコダイモンは、取引ができるほど長くその残虐な本性を抑えることができない。最善の場合、拘束者は自分の目的の下でその行動に協調してカコダイモンを騙すことができる。
クゥストダイモン:物質界に招来される一般的なダイモンのほとんどであるクゥストダイモンは、それがより強力なダイモンによる計画的な行動であるかどうか判然としないが、比較的容易く取引ができる。彼らは頻繁に仕事に拘束されるので、しばしばガーディアン・ダイモンと呼ばれる。
ターナダイモン(呪文抵抗24):死の騎士の執事であるターナダイモンは定命の呪文の使い手によって招来されることはほとんどなく、招来されたときにはそれは定名の者の生命の黙示録的な終焉の前兆である。
ダルゴダイモン(呪文抵抗23):愚かであるか、残酷な殺人者の奉仕に自暴自棄になっているか、その両方で限り、ダルゴダイモンを招来する者は誰もいない。カコダイモンほど知的ではなく、その2倍は悪質なダルゴダイモンは、いかなるクリーチャーとも取引せず、通常は力任せに拘束からの脱出を容赦なく試みる。
ハイドロダイモン(呪文抵抗19):これらの下劣なクリーチャーはその出身次元界においてはステュクス川を泳いでおり、物質界においてはしばしば湿地と不徳な呪文の使い手の聖地の守護者として招請される。フィーンディッシュの血族の大半よりも柔軟なハイドロダイモンは、奉仕のための供物として宝物と魂の契約を受け入れる。
ピスコダイモン(呪文抵抗21):災厄の恋人、特に強力かつ強大なピスコダイモンは善の力──特にパラディンで構成されるか、率いられている軍隊──に抗う兵士として、自身の使役を望む定名の者と取引を行う。
プロダイモン(呪文抵抗29):戦争の騎士の不変の従者であるプロダイモンは最も招来が簡単な執事ダイモンであるかもしれない。彼らの主人は物質界に戦乱を広げるため、しばしば彼らに休暇を与えていると思われるが、いかなる拘束者への奉仕も、ダイモンと呪文の使い手の双方にとって、しばしば手短で乱暴なものとなる。
メラダイモン(呪文抵抗22):飢饉の騎士の執事であるメラダイモンは滅多に定命の呪文の使い手に招来されず、通常は彼ら自身かその支配者の予定に沿う行動にのみ同意する。
ルーコダイモン(呪文抵抗20):ルーコダイモンは疫病の騎士の執事であり、彼らが招来される稀な機会には、何らかの方法で病気と荒廃の拡散をもたらす限りは、拘束者の求めるいかなる取引も行う。
デヴィルは聖なるアイテムと銀の双方を致命的な物質と見なし、そのようなアイテムとの接触を本能的に避ける。銀がまったく危険をはらまないものでさえ、可能であるときは常に接触を避ける。推定上の味方としてインファーナルの来訪者との取引を望む拘束者は、これらの物質を招来の魔法円から最低でも60フィート遠ざけておく; しかしながら、彼らがそのインファーナルの対象を脅かしたいと望むのであれば、手元に置いておく。魔法円を作成するのに使用される銀の粉末は、警告と罠ではあるが、あからさまな脅迫ではない──招来されたデヴィルは、それが彼らを物質界に招請するための手順の一部であると認める。銀の燭台かベルでさえ、即席の武器として使用できることに注意すること。だが、ウィザードが力を誇示することを選択するのであれば、最も良い防御は、錬金術銀製の絆の武器である。
しかしながら、デヴィルに対するさらに良い防御は、ホーリィ武器である。デーモンに対してと同様に、ホーリィ武器はいかなるデヴィルの生来の防御もくぐり抜けるほど強力であり、招来の部屋におけるそのようなアイテムの存在は、多くの強力あるいは巧妙なデヴィルに対する侮辱となる。
すべてのデヴィルは[火炎]と毒への完全耐性を持つことに注意すること; 彼らの出身次元界の凄まじい風景は、これらの効果に脆弱性を示すいかなるものも速やかに破壊してしまう。すべてのデヴィルは、程度は様々ではあるが、[強酸]と[氷雪]に耐えることができ、僅かな者しかそれらのダメージを被ることへのいかなる恐怖も示さない。彼らは[強酸]10と[氷雪]10の抵抗を持つ。
加えて、1つはそれらのデヴィルの特性に訴えることで特定の種類のデヴィルの招来を強化できる。
アイス・デヴィル(呪文抵抗24):その個人的な企みに従事するヘルのデヴィルたちの策士にして立案者たるゲルゴンは招来が極めて難しい。しかしながら、術者が取引の短い終わりにまみえるであろう──奉仕の見返りを提供しても構わないと考えている術者は、【魅力】ボーナスを得ることができる。ゲルゴンとの取引を破る者は、ヘルを不快にさせることが何を意味するかをしばしば学ぶことになる。
アキューザー・デヴィル:スパイにして潜入者として、召喚術士とサモナーの間で人気があるアキューザー・デヴィルは、彼らの獲得する情報が拘束者の提供し得るどのような贈物よりも価値を持つために、しばしば彼らの奉仕のための贈物について争うことを差し控える。
イモレーション・デヴィル(呪文抵抗30):これらのデヴィルはしばしば贈物として物質界の土地を求める。そのような土地を与えたなら、彼らは近隣への攻撃に着手するためにこれらの土地を使用して、ヘルの領土をさらに拡張する。
インプ:インプは、拘束者の悪を成すという願望を示す、小さな血まみれの犠牲を好む──例えば、生きている鳩から引き摺り出された心臓は、招来の判定における【魅力】修正値に+2を与える。
エリニュス(呪文抵抗19):堕落したエンジェルの霊魂のようなエリニュスは、ヘヴンを忌々しく思い憤激している。エリニュスを誘惑するには、略奪するための重要な聖なるアイテムか、犯し破滅させるための善属性の神のクレリックを提供すること。
バーブド・デヴィル(呪文抵抗22):神格への並外れた嫉妬と、時間へのより激しいそれを募らせるバーブド・デヴィルは、通常は招来への+2【魅力】ボーナスを伴う 2,000gp 以上の価値がある珍しい宝物と宝石の提供を、不承不承に受諾するだろう──完遂に24時間未満しか要さない仕事の時に限るが。奉仕がより長くかかる場合には、拘束者は-2の【魅力】ペナルティを被る。
ハンドメイデン・デヴィル(呪文抵抗25):ハンドメイデン・デヴィルとの取引はしばしば非常に困難なものになる。彼らは通常、無垢な子供の命──若いほどよい──のような思いも寄らないものを求める。
ビアデッド・デヴィル(呪文抵抗16):ビアデッド・デヴィルの目を引きつける最善の方法は、苦痛に満ちた殺害ができるよう抑えた血まみれの犠牲者を提供することだ。
ピット・フィーンド(呪文抵抗31):ヘルのすべての貴種ならぬデヴィルたちの頂点に立つピット・フィーンドはめったに招来に応じることはない; 招請されるとき、ほとんどの者はウィザードを永遠の苦痛の中に追い込む前に、彼らを物質界に呼び込むという愚行あるいは傲慢を眺めるために訪れる。貴族が帝国1つをそっくり奴隷として捧げるか、聖職者が神聖な聖遺物を破壊して捧げるか、あるいはアンティパラディンがピット・フィーンドの愉悦のために無力で耳目を引くエンジェルを送り届けると誓約するというような、最も偉大な約束だけがピット・フィーンドの奉仕を引き出すかもしれない。
ベリエ・デヴィル(呪文抵抗28):これらの大柄の陰謀家は滅多に物質界に招来されないが、顕現した時には、彼らはしばしば、可能なかぎり速くそのような状況の出口をごまかそうと試みる。
ボーン・デヴィル(呪文抵抗20):これらのデヴィルは秘密と地獄界の伝承を崇拝しており、地獄の書物か有力な定命の者の悪行の証拠を提供する者は招来判定に+2【魅力】ボーナスを得る。
ホーンド・デヴィル(呪文抵抗27):ヘルの軍隊のエリートであるホーンド・デヴィルは強さと士気をくじく力を評価する; 彼らに+2以上の強化が施された威圧的な武器を提供するいかなる者も、+2【魅力】ボーナスを得る。
レムレー:レムレーは生前の記憶を思い起こさせる物を好むので、最も良い供物は食物かポルノである。
デーモンの大きな弱点がホーリィ、あるいはその他の善の武器である。これらの武器はあらゆるデーモンの生来の抵抗を打ち破り、すべてのデーモンが等しく恐れる僅かな種別の武器の1つである。デーモンと取引をするときは、彼らが力ずく以外の契約を全く守らないことか、あるいは力を──少なくともそのヒントを──示すことが彼らを制御下におくための鍵であることを覚えておくのが最も重要である。彼らの魔法円は冷たい銀の粉末で作成される。すべてのデーモンは[雷撃]と[毒]の効果に対する完全耐性を持つ。多くはその形態と混沌の特性に基づくその他の抵抗を持つ。
ヴロック(呪文抵抗20):ヴロックは偉大な美を持つものを奪い取り汚すのを好む。少なくとも 250gp の価値がある手工芸品、あるいは生きている知的なクリーチャーの破壊は、等しく望ましい犠牲である。より多くのヴロックが参加するほどに、彼らの滅びの舞攻撃はより強力になるため、彼らはしばしば集団で召喚され買収される。
ヴロリカイ(呪文抵抗30):これらのナバッスゥの変異種は、より強大になるはずだった自分たちの時間を中断すると信じており、物質界に招来されるのを嫌う。招来される時、彼らは通常、正規の量の2倍の贈物を求める。これらの要求には、しばしば言語道断で、ときに不可能な要求を伴う。最後には道理を説くことができるが、それは拘束者が彼らを上回る力を示した場合に限る。
オーモクス(呪文抵抗23):これらのぬめつくデーモンは美しいものを破壊することを楽しむ。奉仕のために、彼らはしばしば美しいものの破壊に関する“贈物”を求める──特に犠牲としての魅力的な青年か女性を。
カラヴァカス(呪文抵抗21):この有角のデーモンはほとんど常に奉仕の見返りとして奴隷を引換にする。
クアジット:ドレッチよりさらに哀れなクアジットは仕事を完了した時にアビスに帰還できるという保証だけを求める。
グラブレズゥ(呪文抵抗24):これらの不忠なデーモンは秘密裏に破壊をばらまく、そして関心をもつ交渉者としてそれらを物質界に引きこむ術者は、有力な家系を滅ぼすか、国家を破滅させるか、さもなくば社会の基盤を汚しうる秘密を知らねばならない。
サキュバス(呪文抵抗18):サキュバスの無上の喜びは無垢と愛を破壊することである; 子供、処女、あるいは術者の最愛の家族を提供することは、サキュバスの関心を獲得するに足る。
シェムハジアン(呪文抵抗27):これらの力強いデーモンはただ1つの対価により定命の呪文の使い手に仕える──その奉仕を完遂したとき、彼らは拘束者を殺し、貪り食う。このことから彼らを制御する試みは非常に稀である。時には、彼らはまた拘束者の家族あるいは友人の命を要求する。
シャドウ・デーモン(呪文抵抗17):シャドウ・デーモンは隷属している期間、美しい人物の殻をまとわせるよう頼むに過ぎない。その殻が純粋であるか不純であるかは気にかけない。
ドレッチ:クリーチャーがさほど卑劣でなければ、全てのドレッチは無辺なるアビスの強制労働者として哀れまれるだろう。ドレッチへの最善の供物は、隷属している時間の少なくとも3分の1を休息に費やすことができるという約束である。
ナバッスゥ(呪文抵抗19):これらのデーモンには、自身をより肥えさせ強くするために人型生物を貪り食うか隷属させる以上に好むものはない。
ナルフェシュネー(呪文抵抗25):これらのデーモンは知識、特に小細工と欲望を専門に好む。ナルフェシュネーは知識で知識を取引するが、彼らが得る以上のものを与えることは決して無い。
ババウ(呪文抵抗17):ババウのためのいかなる犠牲も、このデーモンに引き裂かせ、完全に破壊させるための知性のあるクリーチャーを巻き込まねばならない。
バロール(呪文抵抗31):バロールは招来されたときには現れず、招請には活発に抵抗する。脅威度15の秩序あるいは善の拘束された来訪者、または15レベル以上の無防備状態のパラディンかクレリックを提供することのみが、彼らが故郷から拐われることへの激怒を和らげる。このようになだめてさえ、彼らと対峙する定命の者がより大きな力を示さない限り、彼らは確実に復讐の機会を求めるだろう。
ヘズロウ(呪文抵抗22):少なくとも 500gp の価値がある高価な毒と強力なポーションは、これらのヒキガエルのようなデーモンの関心を引くことができる。
マリリス(呪文抵抗28):強力な魔法の武器(+2以上の強化)、あるいは教団の軍勢への命令の約束は、ともにマリリスを誘い出すことができる; これ未満のいかなる供物も、術者の【魅力】判定に-6ペナルティをもたらす。
純粋な混沌のうごめくクリーチャーであるプロティアンは、最初の神々が原初の純粋な混沌より他の次元界を創造するよりも前の多元宇宙の支配者であったと主張している。彼らは多元宇宙を取り壊して元の混沌の姿を取り戻そうとしている。拘束されたプロティアンは、あえて彼らを招来し拘束した者と取引をしている時でさえ、この目的を達成する方法を追い求めている。プロティアンは[強酸]への完全耐性と[雷撃]10および[音波]10の抵抗を持つ。彼らの非晶質の生態はポリモーフ効果への完全耐性と、クリティカル・ヒットおよび急所攻撃のダメージへの抵抗を与える。彼らは常時、呪文と同様のフリーダム・オヴ・ムーヴメントによって保護されている。
イメンテッシュ(呪文抵抗21):これらの混沌の紋章官はしばしばプロティアンの力の利用を望む拘束者の招請に応じる。会話してみると彼らはしばしばおしゃべりで、一見して親切で、そして礼儀正しいが、彼らは常に可能な限り多くの混沌を解き放つために脱出を計画している。
ヴォイドワーム:多くの他のプロティアンにとって、これらの超小型のクリーチャーは全ての面で真のプロティアンではなく、ねじくれた現状のリンボにおけるプロティアンの力が示したかすかな反響に過ぎない。定命の呪文の使い手は時にこれらのクリーチャーを使い魔として仕えさせるために招請する。
ケケター(呪文抵抗28):すべてのプロティアンの中で最も熱心なケケターは、神聖な義務としてすべての存在を真の混沌の状態に還元しようとしている。これらのクリーチャーは非常に傲慢で、自身を拘束するに十分な愚か者をしばしば自身のエントロピー的な目的に向けて操ろうとする。
ナウネト(呪文抵抗18):これらの獣のようなプロティアンを制御することは難しい。これらの怒りと破壊の危険な結束を拘束する者は、ナウネトの破壊力を自身の目的にために──短時間であっても──振るうことができるなら幸運である。
上に詳述されたすべての主要な来訪者の種別のグループの一方で、大いなる彼方 the Great Beyond が大いなると言われる所以、そして潜在的な拘束者が招請することのできる無数のその他の来訪者が存在する。理論的には、いかなる来訪者も招請することができ、拘束者はそのクリーチャーに奉仕を強いることを試みることができるが、それを為すための適切な戦略は特定の来訪者の能力、欲望、そして目的に左右される。
拘束がより困難である来訪者の集団の1つが原住の来訪者である。原住の来訪者は物質界から招請して拘束することができない。いかなる来訪者も、招請するためには拘束者と異なる次元界に存在する必要がある。原住の来訪者(あるいはその他の、現在物質界に顕現している来訪者)は異なる次元界に存在する呪文の使い手によってしか招請し拘束することができない。