ワイルド・ハントとは畏敬の念を抱かせる謎に満ちたフェイの集団で、世界と世界の間で選ばれた獲物を追跡している。このとらえどころのない存在を垣間見、その物語を語るために生きてきた少数の者は、霊的な猟犬でいっぱいの緑の雲霧、人間ならざる正確さで魔法の矢を放つ射手、何マイルにも渡って響き渡る調子の良い角笛の音について語る。
ワイルド・ハントは単なる伝説に過ぎないのではないか、あるいは生者を狩る復讐に燃えた霊魂の集団ではないかと考えるものもいるが、ワイルド・ハントの騎手は実在しており、実のところ強力なフェイである。そうした無数のフェイがワイルド・ハントを構成している――“ワイルド・ハント”という言葉は、種族全体を指していると同時に、獲物を追いかけるために集まるフェイのグループ一つ一つをも指しているのだ。
ワイルド・ハントの全てのフェイは、つまるところホーンド・キングというただ一人の伝説的な指導者に仕えている。ホーンド・キングの正体は不明だが、このような強力な従者を指揮する能力は、それがデミゴッドの力を備えるフェイの王であることを示唆している――それはもしかすると、本当の神格であるかもしれない。ホーンド・キングが招集すれば、数名のワイルド・ハントが軍に加わり、伝説の敵に立ち向かう。ワイルド・ハントの一員は、隠遁したフェイの神格の代行者としての役割を果たすこともあるため、時には“テイン”と呼ばれる強力な存在の一員として分類されることもある。この説を裏付けるように、ワイルド・ハントのフェイは、テインが持つ、新しい次元界に瞬時に適応する能力を同じように備えている。しかし、ワイルド・ハントとテインの関係はずっと複雑で、テインがワイルド・ハントの標的になることもあれば、ワイルド・ハントの主たちがテインの一人から一時的な援助を得るために駆け引きをすることもある。
しかし、ホーンド・キングの招集は滅多にないため、ワイルド・ハントは通常、集団の目的に従って行動する。それぞれのワイルド・ハントはそのワイルド・ハント・モナークに従う。ワイルド・ハント・モナークは新たな獲物を探してフェイの領域と物質界の間を苦もなく行き来する。ほとんどの任務はワイルド・ハント・モナークが集めた噂から決められるが、ときに、獲物に対する十分な知識と勇気を持つ少数の者からの提案を考慮することもある。彼らは価値のある情報源からの任務のみを受け入れる。その助力に対して求める支払いは大きく異なるものの、物質的な富には興味を持たない。ワイルド・ハント・モナークは不利な取引には激しい怒りを抱く。ワイルド・ハント・モナークを騙そうとしたり、些細なことに巻き込もうとするものは、しばしばこの激怒したフェイの次の標的となる。
ワイルド・ハントに属するものは、通常、フェイの始原の故郷を出身地とするが、獲物を追い求めて頻繁に物質界へと冒険する。個々のワイルド・ハントの目的は様々で、技術の試験や証明から復讐の任務、さらにはワイルド・ハント自身の数を増やすための旅程まで多岐に渡る。
追跡の刺激を求めて狩りをする際、ワイルド・ハントは困難な獲物を選んだり、任務の難易度を上げるために意図的に複雑な制限をかけたりする。少なくとも最初は目標を殺さないようにするが、この訓練の目的が知恵の戦いだと理解せず、ただ命を奪うための戦術で反撃に出た場合、ワイルド・ハントはそれに応じた反応を示す。結局の所、もし定命のものがあまりにも愚かで友好的に競技をしていることに気づけなかったならば、その死はワイルド・ハントの行動によるものではなく、その無知によるものなのだ。
別の状況では、ワイルド・ハントは獲物を殺すために戦う。この役割においては、メンバーは暗殺者として行動する。獲物が自分自身を蘇生させる手段を持っていると予想したなら、彼らは死体を塵に変える前に、別の次元界に遺体を輸送することもある。それでも敵が蘇生した場合、ワイルド・ハントのフェイの反応は喜んで別働隊を送るか、怒りのあまり血の雨を降らせるかと様々で予測できない。ワイルド・ハントに再び追いかけられた敵は、死よりも遥かに無残な運命に直面することになる。例えば、ワイルド・ハント・モナークの中には、最も刺激的な獲物から作られた小さな動物の群れを飼っているものもいる。また、蘇生の魔法が効かないように思わせるよう、跡形もなく姿を消させてしまうものもいる。
ワイルド・ハントが動く理由の中でも最も珍しいのは、その隊のための新たなハンターを探すことだ。ワイルド・ハントの一員の多くはフェイの領域を起源としているが、ごく僅かなワイルド・ハントのフェイはワイルド・ハントの関心から逃れることに失敗した運命的な日がその起源となっている。ワイルド・ハントが特定の定命のものを追い求める理由は謎に包まれているが、ワイルド・ハントが大した能力や力を持たない人間を追い求めることは滅多にない。長時間の追跡の後、ワイルド・ハント・モナークは儀式的に獲物を殺害し、翌朝には新たなワイルド・ハントの仲間として生まれ変わる。人間がワイルド・ハントの仲間になると、前世の記憶は薄れていくが、人格が残っていることもある。ワイルド・ハントの主がその定命のものの才能や技術が特に優れていると判断した場合は、その能力を保存することを選び、固有のハンターとして変身させることもできる。このような特殊なハンターは記憶のほとんどを保持している。彼らは時折、古い友人や家族と過ごすこともあるが、主の角笛による招集は、前世で感じた忠誠心よりも遥かに強く、古い関係を維持することは難事となる。
伝統的に、ワイルド・ハントのフェイは5つの異なる種族で構成されている。これらの5種のフェイは単独または小グループで出会うこともあるが、彼らが最も危険なのは、本当のワイルド・ハントとして一団をなしたときだ。このフェイの集まりは、特定の組み合わせで構成される――すなわち、ワイルド・ハント・モナーク1体、ワイルド・ハント・スカウト1体、ワイルド・ハント・アーチャー3体、ワイルド・ハント・ホース3体、ワイルド・ハント・ハウンド4体だ。この危険なグループ全体としての脅威度は21で、キャンペーンにおける素晴らしいクライマックスとなるだろう。
出典 Bestiary 6 279ページ
経験点 25,600
混沌にして中立/中型サイズのフェイ(ワイルド・ハント)
イニシアチブ +13; 感覚 鋭敏嗅覚、暗闇を見通す、緑を見通す60フィート、夜目; 〈知覚〉+31
アーマー・クラス 28、接触24、立ちすくみ19(+4外皮、+5反発、+9【敏】)
ヒット・ポイント 187(22d6+110)
頑健 +12、反応 +22、意志 +19
防御的能力 本能的な協力、野生の優美; ダメージ減少 10/冷たい鉄; 完全耐性 [氷雪]; 抵抗 [火炎]10、[雷撃]10
移動速度 30フィート
近接 突き刺し=+16(1d6+7)
遠隔 +5アイシー・バースト・シーキング・コンポジット・ロングボウ=+26/+21/+16(1d8+10/19~20/3、加えて1d6[氷雪])
特殊攻撃 アロー注入、野生の凝視(難易度26)
擬似呪文能力 (術者レベル13; 精神集中+18)
常時―スピーク・ウィズ・アニマルズ、スピーク・ウィズ・プランツ、ノウ・ディレクション
回数無制限―ヴァンピリック・タッチ
3回/日―ストーン・テル、スリート・ストーム、スレイ・リヴィング(難易度20)、ブラック・テンタクルズ、ヘイスト
1回/日―クラウドキル(難易度20)、ディスインテグレイト(難易度21)、フリージング・スフィアー(難易度21)
【筋】20、【敏】28、【耐】21、【知】16、【判】23、【魅】21
基本攻撃 +11; 戦技ボーナス +16; 戦技防御値 40
特技 《イニシアチブ強化》、《騎射》、《騎乗戦闘》、《近距離射撃》、《クリティカル強化:コンポジット・ロングボウ》、《精密射撃》、《精密射撃強化》、《速射》、《致命的な狙い》、《遠射》、《武器熟練:コンポジット・ロングボウ》
技能 〈威圧〉+27、〈隠密〉+34、〈軽業〉+34、〈騎乗〉+31、〈真意看破〉+31、〈生存〉+28、〈知覚〉+31、〈知識:自然〉+28、〈動物使い〉+27
言語 アクロ語、共通語、森語; スピーク・ウィズ・アニマルズ、スピーク・ウィズ・プランツ
その他の特殊能力 生ける弓、次元界順応、ワイルド・ハントのリンク
出現環境 気候問わず/地上
編成 単体、戦隊(2~6)、騎馬隊(ワイルド・ハント・ホースに騎乗したワイルド・ハント・アーチャー1~4)、またはワイルド・ハント
宝物 標準(高品質のコンポジット・ロングボウ、その他の宝物)
アロー注入(超常)/Infuse Arrow ワイルド・ハント・アーチャーは全力攻撃の一部として、距離が接触の擬似呪文能力1つを発動できる。そうするなら、その呪文はボウに込められ、次に放つアローとともに移動する。そのアローがクリーチャーに命中したなら、目標は同時にその呪文の効果の目標になる。外れたなら、呪文はアローから消え去る。別の用法として、ワイルド・ハント・アーチャーは標準アクションとして、範囲に効果を及ぼす擬似呪文能力1つをボウに込めることができる。この呪文の効果範囲はアローが命中した地点を中心とする。このアローがクリーチャーに命中した場合、そのクリーチャーはその呪文の効果に対して試みるセーヴと判定に-4のペナルティを受け、(適用されるなら)その呪文の効果に対する戦技防御値にも同様のペナルティを受ける。
生ける弓(超常)/Living Bow ワイルド・ハント・アーチャーが手にした魔法のものでないボウは、全て生命の煌めきを得、小さな葉をつけ、ワイルド・ハント・アーチャーが手にしている限り+5アイシー・バースト・シーキング・コンポジット・ロングボウになる。ワイルド・ハント・アーチャーの矢筒は、ワイルド・ハント・アーチャーが引き出すたびに自動的にアローを生み出す。これらのアローは1ラウンド後に消え去る。
ワイルド・ハントのリンク(超常)/Wild Hunt Link ワイルド・ハント・アーチャーのワイルド・ハントのリンクに加わった全てのクリーチャーの武器攻撃と肉体攻撃は、正しいマスを狙う限り、視認困難による失敗確率を無視する。
ワイルド・ハント・アーチャーは恐るべき正確さで矢を放つ、几帳面な狩人だ。ワイルド・ハント・アーチャーは徒歩で移動するため他の仲間のほとんどより遅くなることが多い。そのため彼らは、ワイルド・ハント・ホースの力を借りて移動力を高めることが多い。彼らは通常の矢を用いるよりも、魔法の矢筒から矢を生み出すことを好む。この矢筒はワイルド・ハント・アーチャー以外にはうまく機能しない。まれに、彼らは特に危険な狩りを成し遂げるため、特別な殺害用の矢を持ち運ぶ。
出典 Bestiary 6 284ページ
経験点 51,200
混沌にして中立/中型サイズのフェイ(ワイルド・ハント)
イニシアチブ +13; 感覚 鋭敏嗅覚、暗闇を見通す、緑を見通す60フィート、夜目; 〈知覚〉+34
アーマー・クラス 31、接触25、立ちすくみ21(+1回避、+6外皮、+5反発、+9【敏】)
ヒット・ポイント 228(24d6+144)
頑健 +16、反応 +23、意志 +21
防御的能力 本能的な協力、野生の優美; ダメージ減少 15/冷たい鉄; 完全耐性 視覚喪失、[氷雪]; 抵抗 [火炎]10、[雷撃]10
移動速度 50フィート
近接 力場のシミター=+18/+13/+8接触(1d6+5[力場]/15~20)
遠隔 水晶=+21接触(3d6[力場]、加えて“盲目化”)
特殊攻撃 急所攻撃+4d6、野生の凝視(難易度27)
擬似呪文能力 (術者レベル15; 精神集中+20)
常時―スピーク・ウィズ・アニマルズ、スピーク・ウィズ・プランツ、ノウ・ディレクション、パス・ウィズアウト・トレイス
3回/日―クレアオーディエンス/クレアヴォイアンス、ストーン・テル、ディメンジョン・ドア
1回/日―トゥルー・シーイング
【筋】20、【敏】29、【耐】22、【知】17、【判】24、【魅】21
基本攻撃 +12; 戦技ボーナス +17; 戦技防御値 42
特技 《一撃離脱》、《イニシアチブ強化》、《回避》、《頑健無比》、《技能熟練:はったり》、《強行突破》、《クリティカル強化:シミター》、《攻防一体》、《上級フェイント》、《フェイント強化》、《武器熟練:シミター》、《迎え討ち》
技能 〈威圧〉+29、〈隠密〉+36、〈軽業〉+36、〈騎乗〉+33、〈真意看破〉+34、〈生存〉+31、〈知覚〉+34、〈知識:自然〉+30、〈はったり〉+38
言語 アクロ語、共通語、森語; スピーク・ウィズ・アニマルズ; スピーク・ウィズ・プランツ
その他の特殊能力 次元界順応、ワイルド・ハントのリンク
出現環境 気候問わず/地上
編成 単体、侵入(2~6)、またはワイルド・ハント
宝物 標準
水晶(超常)/Crystal ワイルド・ハント・スカウトは即行アクションとして、空いている手に緑色の水晶を具現化できる。この水晶はワイルド・ハント・スカウトの手から離れると即座に消えてしまう。即行アクションとして、ワイルド・ハント・スカウトは水晶から緑色のエネルギーの光条を放つことができる。これは射程単位40フィートの遠隔接触攻撃であり、3d6ポイントの[力場]ダメージを与える。この光条が命中したクリーチャーは難易度27の頑健セーヴを行わねばならず、失敗すると永続的に盲目状態になる。セーヴ難易度は【魅力】に基づく。
力場のシミター(超常)/Force Scimitar 即行アクションとして、ワイルド・ハント・スカウトは水晶のようなシミターを1本招来することができる。このシミターによる攻撃は接触攻撃であるかのように扱い、[力場]ダメージを与える。作成者の手から離れると、力場のシミターは消えてしまう。
ワイルド・ハントのリンク(超常)/Wild Hunt Link ワイルド・ハント・スカウトのワイルド・ハントのリンクに加わった全てのクリーチャーは、互いの感覚を共有する。このリンクから利益を得ている限り、クリーチャーはイニシアチブ判定と〈知覚〉判定に+4の洞察ボーナスを得る。リンクにいるクリーチャーが1体でも幻覚を看破したなら、リンクにいる全てのクリーチャーが幻覚を看破したものとして扱う。このリンクにいるワイルド・ハントのフェイは、リンクにいる全てのクリーチャーがその敵に対して立ちすくみ状態にならない限り、的に対して立ちすくみ状態とは見なさない。
ワイルド・ハント・スカウトは、ワイルド・ハントを恨んだり侮辱したものに復讐する機会を探し求める。彼らは獲物が危険な存在でないときはすぐに飽きてしまうが、その血の渇望が戦術的な選択を誤らせることはほとんどない。
出典 Bestiary 6 281ページ
経験点 9,600
混沌にして中立/中型サイズのフェイ(ワイルド・ハント)
イニシアチブ +4; 感覚 鋭敏嗅覚、擬似視覚30フィート、暗闇を見通す、グレーター・アーケイン・サイト、シー・インヴィジビリティ、非視覚的感知60フィート、緑を見通す60フィート、夜目; 〈知覚〉+22
アーマー・クラス 24、接触17、立ちすくみ20(+7外皮、+3反発、+4【敏】)
ヒット・ポイント 133(14d6+84)
頑健 +12、反応 +13、意志 +14
防御的能力 本能的な協力、野生の優美; ダメージ減少 10/ 冷たい鉄; 完全耐性 [氷雪]; 抵抗 [火炎]10、[雷撃]10
移動速度 60フィート
近接 噛みつき=+17(2d6+9、加えて“足払い”)、爪(×2)=+17(1d8+9)
特殊攻撃 群れ招来、野生の凝視(難易度20)
擬似呪文能力 (術者レベル10; 精神集中+13)
常時―グレーター・アーケイン・サイト、グレーター・マジック・ファング、シー・インヴィジビリティ、スピーク・ウィズ・アニマルズ、スピーク・ウィズ・プランツ、ノウ・ディレクション、メイジ・ハンド
回数無制限―リジジュール・トラッキング、ロケート・オブジェクト、ロケート・クリーチャー
3回/日―ストーン・テル、ディサーン・ロケーション、ディスペル・マジック
【筋】24、【敏】19、【耐】22、【知】13、【判】20、【魅】17
基本攻撃 +7; 戦技ボーナス +14(足払い+18); 戦技防御値 31(対足払い37)
特技 《足払い強化》、《頑健無比》、《攻防一体》、《上級足払い》、《武器熟練:噛みつき、爪》、《迎え討ち》
技能 〈威圧〉+17、〈隠密〉+21、〈軽業〉+21、〈真意看破〉+22、〈水泳〉+24、〈生存〉+19(痕跡を辿る場合は+26)、〈知覚〉+22; 種族修正 +7痕跡を辿る場合の〈生存〉
言語 共通語、森語; スピーク・ウィズ・アニマルズ、スピーク・ウィズ・プランツ
その他の特殊能力 次元界順応、追跡、ワイルド・ハントのリンク
出現環境 気候問わず/地上
編成 単体、小さな群れ(2~10)、またはワイルド・ハント
宝物 標準
追跡(変則)/Track ワイルド・ハント・ハウンドは痕跡をたどる際の〈生存〉判定に、ヒット・ダイスの半分(一般的なワイルド・ハント・ハウンドの場合+7)に等しいボーナスを加える。
群れ招来(超常)/Summon Pack 1日1回、標準アクションとして、ワイルド・ハント・ハウンドは大きな遠吠えをして、霊的な犬として具現化した霧を招来することができる。この犬はワイルド・ハント・ハウンドの周囲、半径20フィートを取り囲み、10分の間ワイルド・ハント・ハウンドとともに移動する。霊的な犬はフォッグ・クラウドの呪文と同様に視認困難を提供し、ワイルド・ハント・ハウンドは敵を足払いするための戦技判定に+4の状況ボーナスを得る。また、霊的な犬は噛みつきや爪による容赦のない攻撃で敵を苦しめる。霧の中でターンを終了したすべての敵は、2d6ポイントの斬撃ダメージを受ける(反応・半減、難易度20)、セーヴ難易度は【魅力】に基づく。
ワイルド・ハントのリンク(超常)/Wild Hunt Link ワイルド・ハント・ハウンドのワイルド・ハントのリンクに加わった全てのクリーチャーはその感覚能力を共有し、グレーター・アーケイン・サイト、シー・インヴィジビリティ、非視覚的感知60フィートを得る。
ワイルド・ハント・ハウンドは獲物を率先して追跡する追跡の専門家だ。裁量に任せておけば、彼らは追跡が困難なクリーチャーを見つけ出し、その成果として、戦利品となるちょっとした小物を回収する(メイジ・ハンド能力を使用して報酬を持ち帰ったり、可能な場合は自分の身を飾ったりする)。別々の任務をしているときに遭遇すれば競争になることもあるが、一緒に狩りをしているワイルド・ハント・ハウンドがそのような競争心に気を取られることは決してない。
このフェイの猟犬は本当の意味で孤独であることはない。彼らは常にワイルド・ハントの犠牲者の霊の残滓で構成された緑の霧に囲まれているからだ。追いかけたい、狩りをしたいという欲望以外のすべての思考を剥奪されたこの霧は、ワイルド・ハント・ハウンドの遠吠えに熱心に応じ、ワイルド・ハント・ハウンドのそばで忠実に戦う犬へと姿を変えていく。
ワイルド・ハント・ハウンドは外見上は単なる動物のように見えるかもしれないが、かなりの知性を備えている。ワイルド・ハント・ハウンドはその獣のような外見を利用することを好む。護衛として置いておいたり自由にさまよわせておいたりすると、彼らが言語を理解することを知らない人の間で優れたスパイとなる。獲物を追跡していないときは、ワイルド・ハント・ハウンドはどのような自然の環境でもリラックスして気まぐれに過ごして楽しむ。しかしその遊びの中でさえ、彼らは同時に追跡や回避のための互いの能力を試し、複雑な追求を行っている。
出典 Bestiary 6 280ページ
経験点 12,800
混沌にして中立/大型サイズのフェイ(ワイルド・ハント)
イニシアチブ +4; 感覚 鋭敏嗅覚、暗闇を見通す、緑を見通す60フィート、夜目; 〈知覚〉+23
アーマー・クラス 25、接触17、立ちすくみ20(+1回避、+8外皮、-1サイズ、+3反発、+4【敏】)
ヒット・ポイント 142(19d6+76)
頑健 +12、反応 +15、意志 +12
防御的能力 本能的な協力、フリーダム・オヴ・ムーヴメント、野生の優美; ダメージ減少 10/冷たい鉄; 完全耐性 [氷雪]; 抵抗 [火炎]10、[雷撃]10
移動速度 100フィート; エア・ウォーク
近接 噛みつき=+21(2d6+12)、蹄(×2)=+19(1d10+6、加えて“出血”)
接敵面 10フィート、間合い 10フィート
特殊攻撃 出血攻撃 1d6、聴覚喪失の叫び、惑わせる蹄の音、野生の凝視(難易度22)
擬似呪文能力 (術者レベル13; 精神集中+16)
常時―エア・ウォーク、スピーク・ウィズ・アニマルズ、スピーク・ウィズ・プランツ、ノウ・ディレクション、フリーダム・オヴ・ムーヴメント
回数無制限―トランスポート・ヴァイア・プランツ(自身と騎乗者のみ)
3回/日―ストーン・テル
【筋】34、【敏】19、【耐】18、【知】9、【判】12、【魅】17
基本攻撃 +9; 戦技ボーナス +22(蹴散らし+26); 戦技防御値 40(対蹴散らし42、対足払い44)
特技 《回避》、《頑健無比》、《強打》、《蹴散らし強化》、《持久力》、《疾走》、《上級蹴散らし》、《武器熟練:噛みつき、蹄》、《複数回攻撃》
技能 〈隠密〉+22、〈軽業〉+26、〈真意看破〉+23、〈生存〉+20、〈知覚〉+23
言語 共通語、森語; スピーク・ウィズ・アニマルズ、スピーク・ウィズ・プランツ
その他の特殊能力 騎馬一体、次元界順応、ワイルド・ハントのリンク
出現環境 気候問わず/地上
編成 単体、群れ(2~10)、またはワイルド・ハント
宝物 なし
騎馬一体(超常)/Rider Synergy ワイルド・ハント・ホースが(ワイルド・ハント)の副種別を持つ騎手を乗せているなら、2体は一体となって行動する。騎手もしくは乗騎がダメージを受けた際、騎手と乗騎はダメージを分割するかを決定する(可能な限り等しくなるように分割する)、加えて、ワイルド・ハント・ホースの蹴散らし戦技の一部として騎手が移動した場合、ワイルド・ハント・ホースが機会攻撃を誘発ない限り、機会攻撃を誘発しない。
聴覚喪失の叫び(超常)/Deafening Cry 1日3回(ただし1d4ラウンドに1回まで)、標準アクションとして、ワイルド・ハント・ホースは耳をつんざく叫びを上げることができる。ホースから放たれる半径30フィートの円錐形の範囲にいる全てのクリーチャーは、10d6ポイントの[音波]ダメージを受け、1分の間聴覚喪失状態となる。難易度23の頑健セーヴに成功すればダメージを半減し、聴覚喪失状態にならない。セーヴ難易度は【耐久力】に基づく。
惑わせる蹄の音(超常)/Bewildering Hoofbeats 標準アクションとして、ワイルド・ハント・ホースはすべての方向から無数の馬が近づいてきているかのように感じさせることができる。60フィート以内にいる全てのクリーチャーは難易度22の意志セーヴを行わねばならず、失敗すると1d4ラウンドの間混乱状態となる。このセーヴに成功した全てのクリーチャーは、以降24時間の間、全てのワイルド・ハント・ホースの惑わせる蹄の音能力に完全耐性を得る。セーヴ難易度は【魅力】に基づく。
ワイルド・ハントのリンク(超常)/Wild Hunt Link ワイルド・ハント・ホースはそのワイルド・ハントのリンクに加わった全てのクリーチャーの移動速度を30フィート増加させる。この増加は強化ボーナスである。加えて、リンクのメンバーはフリーダム・オヴ・ムーヴメント効果を得る。
狩りに参加していない場合、ワイルド・ハント・ホースは陸と空じゅうに複雑なコースを作り、刻々と変化する競馬の為にお互いを追いかけ回すことを楽しんでいる。
出典 Bestiary 6 282ページ
経験点 204,800
混沌にして中立/中型サイズのフェイ(ワイルド・ハント)
イニシアチブ +11; 感覚 鋭敏嗅覚、霧を見通す、暗闇を見通す、緑を見通す60フィート、夜目; 〈知覚〉+37
アーマー・クラス 34、接触26、立ちすくみ26(+1回避、+8外皮、+8反発、+7【敏】)
ヒット・ポイント 325(26d6+234)
頑健 +19、反応 +22、意志 +23
防御的能力 本能的な協力、野生の優美; ダメージ減少 15/ 冷たい鉄; 完全耐性 [氷雪]; 抵抗 [火炎]10、[雷撃]10
移動速度 50フィート
近接 君主のグレイヴ=+30/+25/+20(1d10+21/19~20/×3、加えて2d6)、突き刺し=+19(1d8+5)
遠隔 君主のグレイヴ=+26(1d10+21/19~20/×3、加えて2d6)
特殊攻撃 狩りの招集、君主のグレイヴ、野生の凝視(難易度31)、野生の転生、よろめきの突き刺し
擬似呪文能力 (術者レベル17; 精神集中+25)
常時―スピーク・ウィズ・アニマルズ、スピーク・ウィズ・プランツ、ノウ・ディレクション
回数無制限―ゴースト・サウンド(難易度18)、コマンド(難易度19)、チャーム・モンスター(難易度22)、ドミネイト・パースン(難易度23)、メジャー・イメージ(難易度21)
3回/日―ヴェイル、グレーター・コマンド(難易度23)、ストーン・テル、呪文高速化チャーム・モンスター(難易度22)、ハリューサナトリ・テレイン(難易度22)、プレイン・シフト(難易度25)、マス・サジェスチョン(難易度24)
1回/日―ウィンド・ウォーク、招来(9レベル、1体のワイルド・ハント・ホース[100%])、ドミネイト・モンスター(難易度27)
9レベル―フォアサイト
8レベル―フィンガー・オヴ・デス(難易度26)、マス・キュア・シリアス・ウーンズ、ワード・オヴ・リコール
7レベル―コントロール・ウェザー、サンビーム(難易度25)、ヒール、ファイアー・ストーム(難易度25)
6レベル―グレーター・ディスペル・マジック(2)、トランスポート・ヴァイア・プランツ(2)、ムーヴ・アース
5レベル―ウォール・オヴ・ソーンズ、コール・ライトニング・ストーム(難易度23)、ツリー・ストライド、デス・ウォード、ベイルフル・ポリモーフ(難易度23)
4レベル―エア・ウォーク、キュア・シリアス・ウーンズ(2)、ディスペル・マジック、フリーダム・オヴ・ムーヴメント、フレイム・ストライク(難易度22)
3レベル―ウィンド・ウォール、キュア・モデレット・ウーンズ(2)、スネア、スパイク・グロウス、デイライト
2レベル―ストーン・コール、ツリー・シェイプ、バークスキン、ホールド・アニマル(難易度20)、レジスト・エナジー、レッサー・レストレーション
1レベル―エンタングル(難易度19)、オブスキュアリング・ミスト、キュア・ライト・ウーンズ(2)、フェアリー・ファイアー、プロデュース・フレイム
0レベル―ガイダンス、ステイビライズ、ディテクト・マジック、メンディング
【筋】33、【敏】25、【耐】28、【知】22、【判】26、【魅】27
基本攻撃 +13; 戦技ボーナス +24; 戦技防御値 50
特技 《イニシアチブ強化》、《回避》、《頑健無比》、《擬似呪文能力高速化:チャーム・モンスター》、《強打》、《狂乱集中》、《クリティカル強化:グレイヴ》、《クリティカル熟練》、《追尾》、《疲労化クリティカル》、《武器熟練:グレイヴ》、《迎え討ち》、《無視界戦闘》
技能 〈威圧〉+34、〈隠密〉+36、〈軽業〉+36、〈騎乗〉+33、〈芸能:管楽器〉+37、〈交渉〉+37、〈真意看破〉+37、〈生存〉+34、〈知覚〉+37、〈知識:自然、地理〉+35、〈魔法装置使用〉+37
言語 アクロ語、共通語、森語、竜語; スピーク・ウィズ・アニマルズ、スピーク・ウィズ・プランツ
その他の特殊能力 次元界順応、ワイルド・ハントのリンク
出現環境 気候問わず/地上
編成 単体、またはワイルド・ハント
宝物 ×2(+3グレイヴ、その他の宝物)
狩りの招集(超常)/Call to the Hunt 1日1回、全ラウンド・アクションとして、ワイルド・ハント・モナークはその角笛を吹き鳴らし、脅威度18遭遇までの他の(ワイルド・ハント)のフェイを任意の数だけ招来できる。例えば、ワイルド・ハント・モナークはワイルド・ハント・スカウト1体、ワイルド・ハント・アーチャー2体、ワイルド・ハント・ホース2体、ワイルド・ハント・ハウンド2体を招来できる。これらのフェイは100フィート以内でワイルド・ハント・モナークが指定した場所に現れ、1時間が経過するかヒット・ポイントが0に減少するまで物質界にとどまる。他のクリーチャーの手に渡ると、ワイルド・ハント・モナークの角笛は凝った装飾の高品質の角笛として機能する。
君主のグレイヴ(超常)/Monarch's Glaive ワイルド・ハント・モナークは全てのクリーチャーに対してベイン武器として機能する、+3サンダリング・グレイヴを手にしている(そのため、事実上すべてのクリーチャーに+5サンダリング・グレイヴとして機能し、命中すれば2d6ポイントの追加ダメージを与える)。ワイルド・ハント・モナークはフリー・アクションとして、自分のグレイヴをいかなる距離からでも呼び出すことができる。グレイヴは通常使用者の接敵面に隣接するマスには攻撃できないにも拘らず、ワイルド・ハント・モナークは自分の間合い内のすべてのマスをこのグレイヴで攻撃できる。加えて、ワイルド・ハント・モナークはグレイヴを敵に投擲できる。この方法で使用した場合、グレイヴは射程単位100フィートの投擲武器として扱う。ワイルド・ハント・モナークが死亡すると、グレイヴは+3グレイヴとしてその場に残る。
呪文 ワイルド・ハント・モナークは、7レベル・ドルイドとして呪文を発動する。
野生の凝視(超常)/Wild Gaze ワイルド・ハント・モナークはその凝視を更に巧みに操る。毎ラウンド、フリー・アクションとして、ワイルド・ハント・モナークは見えているクリーチャーから凝視の対象としないものを任意の数だけ選択できる。セーヴに失敗した人型怪物と人型生物は麻痺状態かつ幻惑状態となり、動物と魔獣は恐慌状態になる。他のすべてのクリーチャーは混乱状態となり、決して“通常通り行動する”結果を得られない。その結果になった場合、代わりに幻の目標を求めるかのように、無作為に選んだ方向に最大の速度で移動する。そのワイルド・ハントに属するフェイの野生の凝視に対するセーヴに成功しても、それがこのワイルド・ハント・モナークのものであれワイルド・ハントの他のメンバーのものであれ、通常なら得られる、このワイルド・ハント・モナークの野生の凝視から完全耐性を得ることはない。
よろめきの突き刺し(変則)/Staggering Gore ワイルド・ハント・モナークの突き刺し攻撃は敵を驚愕させてしまう。この攻撃からダメージを受けた目標は難易度32の頑健セーヴを行わねばならず、失敗すると3ラウンドの間よろめき状態となる。セーヴ難易度は【耐久力】に基づく。
ワイルド・ハントのリンク(超常)/Wild Hunt Link ワイルド・ハント・モナークは1マイル以内のワイルド・ハントのリンクを維持することができる。ワイルド・ハント・モナークは間合い内にいるワイルド・ハントの全てのメンバーのワイルド・ハントのリンクの距離も1マイル以内に伸ばすことができ、接続を切ることなく1マイルの範囲内に広がることができるようになる。ワイルド・ハント・モナークのワイルド・ハントのリンクに加わったものは、再生10を得る。この再生はワイルド・ハント・モナークが生きている限り抑止されない。ワイルド・ハント・モナークのプレイン・シフト擬似呪文能力は、リンク内の任意のクリーチャーを転送できるが、互いに手をつないでいるか、触れ合っている必要がある。
野生の転生(超常)/Wild Reincarnation 1日1回、ワイルド・ハント・モナークは隣接したクリーチャー1体を何らかの方法で殺した際、フリー・アクションとしてそのクリーチャーをワイルド・ハントのフェイとして転生させようと試みることができる。この能力は、たとえクリーチャーが通常なら蘇生を望まない場合でも試みることができる。殺されたクリーチャーは難易度31の頑健セーヴに成功しない限り、この転生に抵抗することはできない。ただし、ワイルド・ハント・モナークの(強制)もしくは(魅惑)の擬似呪文能力の効果を受けていた場合、このセーヴィング・スローに-4のペナルティを受ける。ワイルド・ハント・モナークは脅威度が目標の生前の脅威度以下の(ワイルド・ハント)クリーチャーを選択し、転生させることができる。その代わりに、目標が人型生物もしくはフェイだったなら、ワイルド・ハント・モナークはそのクリーチャー自身の生来の能力を使用するために、固有のワイルド・ハントの一員を生み出すことができる。このようなクリーチャーはその能力全てを保持している。その種別はフェイに変化し(データは再計算しない)、(ワイルド・ハント)の副種別を得る。その外見はワイルド・ハントと混じった姿となり、長い耳や輝く緑の芽と言った特徴を備える。転生すると、そのクリーチャーは過去の人生の記憶をわずかしか備えておらず、混沌にして中立となりワイルド・ハントに忠誠を誓う。この方法で転生したクリーチャーの元の命を取り戻させるには、ウィッシュもしくはミラクルを使用するしかない――このクリーチャーを殺して蘇生したとしても、まず、難易度31に対してブレイク・エンチャントメントに成功して体から野生の転生の効果を取り除かない限り、転生後の姿で蘇ってしまう。セーヴ難易度は【魅力】に基づく。
ワイルド・ハント・モナークは、他のワイルド・ハントのフェイを数十体率いる。そのしもべは個人的な任務で旅をすることができるが、この偉大なる指導者(男性でも女性でもあり得る。ワイルド・ハント・キングやワイルド・ハント・クイーンと呼ばれることもある)は、しもべに疑問をもたせることなく、どこへでも従うようにワイルド・ハントをまとめることができる。ワイルド・ハント・モナークは獲物と自分の気紛れに応じて、その狩りの条件を決める。獲物が簡単であればあるほど、ワイルド・ハント・ハウンド以外のものが獲物を傷つけることを禁止したり、対象となるクリーチャーに休息と回復の時間を与えるために兵力を抑えたりといった、狩りをより楽しませるためのルールを課す傾向がある。
ワイルド・ハント・モナークの従者の多くは彼らがフェイの領域で生まれるとすぐにワイルド・ハントに加わるが、そうでない者は彼らの獲物から生まれたり、かつての統率者の死後にそのモナークに仕えたりしている。ワイルド・ハント・モナークは通常、自種族のものと交流することはないが、時折、特別に困難な狩りのために協力して、誕生して間もないデミゴッドや伝説の獣たちに対して機知を試すことがある。