戦うべき戦闘や戦利品があるところならどこにでも、戦争の汚い仕事をするためにトループは前進してくる。彼らが商人の隊商を襲撃しようと躍起になっている飢えた山賊であろうと、田舎の集落に火をつけよう必死で奔走しているゴブリンであろうと、デーモンの信仰のために宗教的な聖戦を繰り広げようとしているドラウの術者であろうと、トループはその呼びかけに耳を傾け、一人の孤独な傭兵、放火魔、陰謀家が成し遂げられなかったことを成し遂げるために1つのユニットとして動く。
もちろん、山賊、ドラウ、ゴブリンだけが存在する可能性のあるトループの種類ではない――これらは次のページで紹介されている3種類にすぎない。(トループ)の副種別はあらゆる種類の志を同じくする個人のグループを作成するためのルールを提供しており、(スウォーム)の副種別が1つの全体として行動するクリーチャーの広大な部隊を可能とする方法と同様に機能する。トループを使用すると、多数の低レベルの敵を相手にする遭遇を行うことが遥かに管理しやすくなり、通常は低い脅威度の脅威が団結してより強力なPCに挑戦できる。
トループは無数のバリエーションを作成することができ、次のページにある3種類の例を、君自身がデザインするトループを作成するためのアイデアを得る元として自由に使用することができる。トループは戦術的な戦争の正確なシミュレーションすることに意味はなく、作成する時にトループの構成要素である個人の複合的な能力を模倣することに過度の関心を抱くべきではない。トループはそのクリーチャー種別の他のクリーチャーと同様に作成し、ヒット・ダイスやデータなどの基本要素が割り当てられているため、完成したトループは313ページにある付録9:脅威度別モンスターにあるように、目的の脅威度のヒット・ポイント、アーマー・クラス、その他の値に準拠する。その基礎ができたら、副種別のルールを適用し、ここで提供されている例やバリエーションを使用して、この種の同種のクリーチャーのグループがどのように戦うかを近似した風味豊かな能力や特技で微調整する。君の指揮下にあるトループがあれば、PCは一見比類なき敵のグループに遭遇したときによく考え直すかもしれない。
トループは様々な文化から生まれ、富、訓練、動機の大きな違いを表すことができる――軍隊を形成することができるクリーチャーであればどのような種別であってもトループを形成できる。以下のバリエーションは、次以降のページのトループを多様化するために、または君自身がデザインするトループのための特定の能力として使用することができる。これらの変更版能力を既存のトループに適用する場合、トループの強さの変化を表すため、脅威度の推奨修正値が記載されている。原則として以下の変更版を1体のトループに複数適用すべきではない。
エリート・トループ(脅威度+2)/Elite Troop:一部のトループには、野心的な貴族や、高度に訓練された衛兵の一団に資金を提供することを熱望している強力な武将など、裕福な後援者からの支援を受けることができる。このようなトループはより良い徴兵、より良い訓練、そしてより高品質の武器と防具の恩恵を受けることができる。エリート・トループはアーマー・クラスに+4の鎧ボーナスを得、近接部隊攻撃または遠隔部隊攻撃のいずれかのダメージ・ダイスを1段階増加し――例えばd6をd8に増加する――ヒット・ダイス毎に2ヒット・ポイントを得る。移動速度は10フィート減少する。
サヴェッジ・トループ(脅威度+1)/Savage Troop:一部のトループは、彼らの文化が持つ集団的な憤怒を利用して、戦場で凶暴な波を解き放つことができる。サヴェッジ・トループは1日に4+【耐久力】修正値に等しいラウンド数の間、フリー・アクションとして激怒状態になることができ、【筋力】と【耐久力】に+4の士気ボーナス、意志セーヴに+2の士気ボーナス、アーマー・クラスに-2のペナルティを受ける。激怒が終了すると、戦闘中の間トループは即座に疲労状態となる。
ファランクス・トループ(脅威度+2)/Phalanx Troop:ポールアームやスピアを使ってともに訓練するトループは、戦場で特別な優位を得ることができる。このようなトループの武器の長い間合いは、近接部隊攻撃に5フィートの追加の間合いを与える。さらにこのトループは蹂躙攻撃に対するセーヴに+4のボーナスを得、近接部隊攻撃は騎乗している相手に対して追加で2d6ポイントのダメージを与える。ファランクス・トループはヒット・ダイス毎に2ヒット・ポイントを得る。
暴徒(脅威度-2)/Rabble:一部のトループは戦場での戦いに備えておらず、組織化された戦士の連帯というよりも、怒りに満ちた市民の集まりであったり、混乱と破壊を目的としたリーダーのいないクリーチャーの集団であったりする。実戦への準備ができていないため、このトループは通常よりもヒット・ダイス毎のヒット・ポイントが2少なく、部隊攻撃のダメージはダイスが1段階下がる(トループの暴徒のバージョンは、通常なら1d6ポイントのダメージを与える代わりに1d3ポイントのダメージを与えることになる)。彼らの訓練と効果的な防御の欠如は、トループのアーマー・クラスを2減少させる。
遊撃兵(脅威度+1)/Skirmishers:遊撃兵は効果的で汎用性の高い電撃作戦に向くトループである。アーマー・クラスを2減少させ、トループ近接ダメージのダイスを1段階減少させ(通常なら1d6ポイントのダメージを与える代わりに1d3ポイントのダメージを与えることになる)、代わりにトループの主要移動速度を10フィート増加させる。加えて、トループはクロスボウやジャヴェリンなどの選択した基本射程単位に等しい有効距離を持つ。これにより、トループのマスの任意のマスの頂点から開始する最大2本の線を形成する遠隔特殊攻撃を得る。近接部隊攻撃と同様に、効果の線上にいる全てのクリーチャーは自動的に攻撃を受けるが、目標はダメージを半減させるために反応セーヴを試みることができる(難易度=10+トループのヒット・ダイス+トループの【敏捷力】修正値)。この攻撃はそのトループの修正前の基本近接部隊攻撃と同じ基本ダメージを与え、投擲した武器のダメージは、必要に応じてトループの【筋力】修正値によって修正される。
出典 Bestiary 6 267ページ
経験点 3,200
混沌にして中立/中型サイズの人型生物(人間、トループ)
イニシアチブ +8; 感覚 〈知覚〉+12
アーマー・クラス 19、接触15、立ちすくみ14(+1回避、+4【敏】、+4鎧)
ヒット・ポイント 82(11d8+33)
頑健 +6、反応 +13、意志 +6
防御的能力 身かわし、トループの特性
移動速度 30フィート
近接 部隊攻撃(3d6+5)
接敵面 20フィート、間合い 5フィート
【筋】20、【敏】18、【耐】16、【知】12、【判】12、【魅】10
基本攻撃 +8; 戦技ボーナス +13; 戦技防御値 28(足払いされない)
特技 《イニシアチブ強化》、《回避》、《強行突破》、《神速の反応》、《神速の反応強化》、《鋼の意志》
技能 〈隠密〉+12、〈軽業〉+11、〈生存〉+11、〈知覚〉+12
言語 共通語
その他の特殊能力 味方の防御
出現環境 気候問わず/地上
編成 単体、または一団(2~4)
宝物 標準
味方の防御(変則)/Protect Ally アウトロー・トループは、マスを共有する味方に柔らかい遮蔽を提供する。そのような味方は、トループが占めるマスを移動困難な地形として扱い、保護されている間に呪文を発動するために精神集中判定に成功しなければならず(難易度 = 15+呪文レベル)、トループのマスにいることによる部隊攻撃のダメージを受けない。
個々はそれほど脅威ではないが、この低レベルのファイターたちは、トループとして共に働くとき、遠隔地との交易路上の旅行者にとって深刻な脅威へと変わる。
出典 Bestiary 6 266ページ
経験点 12,800
混沌にして悪/中型サイズの人型生物(エルフ、トループ)
イニシアチブ +9; 感覚 暗視120フィート; 〈知覚〉+22
アーマー・クラス 21、接触16、立ちすくみ15(+1回避、+5【敏】、+5鎧)
ヒット・ポイント 144(17d8+68); 高速治癒5
頑健 +11、反応 +12、意志 +15; 心術に対して+2
防御的能力 即効の治癒、トループの特性; 完全耐性 睡眠; 呪文抵抗 16
弱点 光による盲目化
移動速度 30フィート
近接 部隊攻撃(4d6+5、加えて“毒”)
接敵面 20フィート、間合い 5フィート
特殊攻撃 負のエネルギー放出(難易度14、3d6)
擬似呪文能力 (術者レベル5; 精神集中+7)
3回/日―呪文高速化ホールド・パースン(難易度14)、呪文高速化ダークネス、呪文高速化ダンシング・ライツ、呪文高速化ディスペル・マジック、呪文高速化フェアリー・ファイアー、呪文高速化ブラインドネス/デフネス(難易度14)
1回/日―シールド・オヴ・フェイス、レジスト・エナジー
【筋】20、【敏】21、【耐】18、【知】10、【判】17、【魅】15
基本攻撃 +12; 戦技ボーナス +17; 戦技防御値 33(足払いされない)
特技 《イニシアチブ強化》、《回避》、《頑健無比》、《強行突破》、《神速の反応》、《神速の反応強化》、《選択的エネルギー放出》、《戦闘発動》、《鋼の意志》
技能 〈呪文学〉+5、〈真意看破〉+5、〈知覚〉+22、〈知識:宗教〉+5、〈知識:神秘学〉+5; 種族修正 +2〈知覚〉
言語 エルフ語、地下共通語
その他の特殊能力 毒の使用、呪文発動
出現環境 気候問わず/地下
編成 単体、または一団(2~4)
宝物 標準
擬似呪文能力(擬呪)/Spell-Like Abilities カルティスト・トループの擬似呪文能力は、実際の擬似呪文能力と個々のカルティストが準備した呪文の組み合わせからなる。トループが《擬似呪文能力高速化》を使用している場合、1体のトループのメンバーだけが効果を生み出す。この効果は通常通り解決される(1体のメンバーの行動がトループの全体の行動を大きく変えることはないので、この能力は即行アクションである)。トループがレジスト・エナジーまたはシールド・オヴ・フェイスを発動する時、これは全てのトループのメンバーが自身に呪文を発動することを表す。呪文の効果はトループ全体に適用され、機会攻撃が成功しても擬似呪文能力を妨害する可能性はない。同様に、擬似呪文能力を妨害する待機アクションは、それがトループが占めている範囲全体に影響を与えることができる場合のみ機能する。
高速エネルギー放出(超常)/Fast Channeling 各ラウンド、フリー・アクションとして、1体のカルティストが負のエネルギー放出のために能力を起動する。カルティストは《選択的エネルギー放出》を使用してトループを選択できないことに注意せよ(この特技は通常個々の味方を選択するために使用する)。したがってこのトループはこの効果をトループの範囲全体に設置する。
高速治癒(擬呪)/Fast Healing トループの高速治癒は一部のカルティストが他のカルティストに治癒呪文を発動している事実を反映している。全てのカルティストがこの能力を同時に使用しているわけではない。トループはこの方法で1日に最大20ラウンドの間、高速治癒を得ることができる。この能力はフリー・アクションで起動できる。
毒(変則)/Poison トループ―致傷型; セーヴ 難易度13; 頻度 1回/分(2分間); 効果 気絶状態 1分/2d4時間; 治癒 1回のセーヴ成功。
このドラウの貴族のトループはデーモン・ロードに身を捧げたクレリックで構成されている。彼らは共に戦い、凶暴な主に仕えているために訓練されている。
このおしゃべりで金切り声を上げる暴徒を構成している1パイントサイズの人型生物は、ギザギザの剣とむき出しのギザギザの歯がある。
出典 Bestiary 6 267ページ
経験点 1,600
中立にして悪/小型サイズの人型生物(ゴブリン類、トループ)
イニシアチブ +7; 感覚 暗視60フィート; 〈知覚〉+8
アーマー・クラス 17、接触15、立ちすくみ13(+1回避、+1サイズ、+3【敏】、+2鎧)
ヒット・ポイント 52(8d8+16)
頑健 +6、反応 +9、意志 +4
防御的能力 トループの特性
移動速度 30フィート
近接 部隊攻撃(2d6)
接敵面 20フィート、間合い 5フィート
特殊攻撃 圧倒
【筋】10、【敏】17、【耐】14、【知】10、【判】10、【魅】6
基本攻撃 +6; 戦技ボーナス +5; 戦技防御値 19(足払いされない)
特技 《イニシアチブ強化》、《回避》、《頑健無比》、《鋼の意志》
技能 〈隠密〉+15、〈知覚〉+8
言語 ゴブリン語
出現環境 温暖/森林または平地(通常は沿岸地方)
編成 単体、または一団(2~6)
宝物 標準
圧倒(変則)/Overwhelm ゴブリン・トループはマスを共有している敵に部隊攻撃で3d6ポイントのダメージを与える。
ゴブリン・トループは、歯を食いしばり手足を踏みつけ、乱暴にナイフを振り回す熱狂的な集団である。トループ内のゴブリンは、数で勝る勇気を得、仕事として考えれば攻撃してはならないクリーチャーを熱心に攻撃する。馬と犬は特に嫌われている標的で、存在する場合は通常、最優先でゴブリン・トループの矛先となる。