パスファインダー・ロールプレイング・ゲームはオープン・ゲーム・ライセンスの下で公開され、つまりパスファインダーRPGを動かすコア・ルールはこのOGLの条件の下で誰でも無料で利用できる。このチャートと表、ルールのこの解説はこのシステムの公開したルールを全て含み、このシステムの出版社の仕事とゲーマーの私的利用のために提供する。
この概要は公式パスファインダーロールプレイング・ゲームでない! パスファインダーのシステムの使いやすい入門書に興味を持ったプレイヤーは完全な''Pathfinder Roleplaying Game Core Rulebook'' とプレイヤー・キャラクターを脅かす350以上のモンスターを完備する''Pathfinder Roleplaying Game Bestiary'' を購入したいと思うことだろう。
どちらの書籍にもパスファインダー・ロールプレイング・ゲームを充分に楽しく経験するのに必要なキーとなるルール概念を説明したり紹介したりするたくさんの記述文書と何百もの美しいフルカラーのイラストが含まれる。Core RulebookとBestiaryはどちらも手頃なPDF版 でも入手できる。
Erik Mona,
Publisher, Paizo Publishing
パスファインダーRPGをプレイしている間、ゲーム・マスターはゲーム世界の中で何が起こったか、そしてプレイヤーはその出来事に対して何をするかを述べる。しかしそれは物語の“語り”とは違う。プレイヤーの行動と、ゲーム・マスターにコントロールされるキャラクター(ノンプレイヤー・キャラクター、NPCと呼ばれる)の行動は決まっているものではない。ほとんどのアクションには成功のためにはダイス・ロールが要求され、また一部のアクションは完了するのが他者にとってより難しいものである。各キャラクターはそれぞれなにか人より秀でた部分を持ち、技能や能力に基づいたボーナスを得る。
ロールを要求される際には“d#”と記載されている。“#”にはダイスの面数と同じ数が書かれている。もし同じダイスを複数回振る必要があるなら、“d”の前に数値が書かれる。例えば、もし4d6を要求されたなら、君は6面体ダイスを4つ振り、その合計を求める。時に数値の後ろに+や-に続く数値が書かれている場合があるが、これはダイスの目の合計に足す、あるいは引くという意味だ(各ダイスそれぞれに修正を与えるのではない)。
ゲーム中はほとんどのロールは20面体で、キャラクターの技能や能力、状況などに基づく修正を加えた上で行われる。通常、高い目は低い目より良いものだ。パーセントロールは特殊なケースで、(“d#”の代わりに)“d%” と表記される。2つの色違いの10面体(2d10)を使用し、2つのランダムな数を求める。一方の色を10のケタと決め、ロールする。もし10のケタのダイスが4、もうひとつのダイスが2とでたら、42がでたとみなす。10のケタのダイスが0だった場合、結果は1~9か100となる。両方のダイスが0だったときは100とみなすのだ。一部の10面体には10、20、30といった具合に、d%として読みやすいようにはじめから10のケタが印刷されている。それから、あらゆる端数計算では、通常端数は切り捨てであることを覚えておくように。
君のキャラクターは冒険に赴き、そこで金を、魔法のアイテムを、そして経験点を稼ぐ。金はよりよい装備を購入するために、そして魔法のアイテムは強力な能力をもって君のキャラクターを強化してくれる。経験点は挑戦を乗り越えたことと、物語の筋書きを完遂したことに対する報酬として与えられる。十分な経験点を稼げば、君のキャラクターはレベルを1つあげることができ、彼のより大きな挑戦を可能にする新しいパワーと能力を得るのだ。
本書に掲載されているルールは君のキャラクターに息吹を吹き込み、また彼らの冒険する世界を提供するものだ。これらは君のプレイをかんたんに、そしてエキサイティングにするようデザインされているが、君はこれらのルールが君のゲームグループのスタイルにそぐわないものだと思うかも知れない。
覚えておいて欲しいのは、ルールは君たちのものであるということだ。君はルールを君の思うように変更することができる。多くのゲーム・マスターたちはいくつもの「ハウスルール」をゲームに使っている。ゲーム・マスターとプレイヤーは一緒にゲームをしている者がみんな理解できるよう話し合うべきだ。ゲーム・マスターはルールの最終権限者ではあるが、パスファインダーRPGは経験を共有しあい、ルールが誤っているなら全てのプレイヤーに提供すべきだ。
パスファインダーRPGではたくさんの用語、略語、そしてゲームのルールを規定する定義が用いられている。以下は中でもよく使われるものが上げられている。
アーマー・クラス/Armor Class:このゲームの全てのクリーチャーはアーマー・クラスを持つ。この値は戦闘中、そのクリーチャーがどのくらい堅いかを表す。他の値同様、高いほど良い。
アクション/Action:アクションとは、戦闘中のラウンド中に行われることを抽象的に区分したものだ。能力を使う、呪文を発動する、攻撃するなどといった行動の全てにアクションが必要とされる。標準アクション、移動アクション、即行アクション、フリー・アクション、全ラウンド・アクションといった、幾つもの異なる種類のアクションがある(戦闘の項参照)。
イニシアチブ/Initiative:戦闘が始まるときはいつも、戦闘に関わる全てのクリーチャーは、戦闘中の行動の順番を決定するためにイニシアチブ判定を行わなければならない。判定の結果が大きいほど早く行動できる。
擬似呪文能力(擬呪)/Spell-Like Abilities(Sp):擬似呪文能力は呪文と同様に機能するが、特殊な種族の能力、あるいは特定のクラスの能力として与えられる(キャラクターのレベルの上昇によって呪文発動クラスが得る呪文とは異なる)。
技能/Skill:技能は、壁の登攀や廊下をそっと歩く、侵入者を発見するといったありきたりな仕事を果たすクリーチャーの能力を表している。クリーチャーの持つ技能のランクは、その技能にどのくらい習熟しているかを示す。ヒット・ダイスを得ると、そのクリーチャーは自身の技能に加えられる追加の技能ランクを得る。
基本攻撃ボーナス/Base Attack Bonus:クリーチャーそれぞれは基本攻撃ボーナスを持ち、これは戦闘中の技術を表している。レベルやヒット・ダイスを得るにつれ、その基本攻撃ボーナスも向上する。基本攻撃ボーナスが+6、+11、+16になると、そのクリーチャーは全ラウンド・アクションを取ることで戦闘において追加の攻撃を得る(これは全ラウンド・アクションの種類のひとつである――戦闘の項参照)
クラス/Class:クラスはキャラクターや一部の他のクリーチャーが取得した選ばれし専門性を表す。クラスはたくさんのボーナスを提供するとともに、キャラクターに呪文の発動能力や変身といった、他者には行えない行動を可能にする。特定のクラスのレベルを獲得すれば、そのクリーチャーは新たな、より強力な能力を得る。ほとんどのPCは基本クラスか上級クラスを得ることで、より強力になっていく。ほとんどのNPCは、やや能力に欠けるNPCクラスを得る(NPCの創造の章を参照のこと)。
クリーチャー/Creature:クリーチャーとは物語や世界における活動的な参加者を指す。PC、NPC、モンスターなどが含まれる。
経験点/Experience Points:キャラクターはいくつもの挑戦を乗り越え、モンスターを倒し、クエストを完了することで、経験点を得る。経験点は時間とともに蓄積され、ある一定の値に達したとき、キャラクターはレベルを得る。
ゲーム・マスター(GM)/Game Master:ゲーム・マスターはルールの審判を行う者であり、PCが冒険する物語と世界の要素の全てをコントロールする。GMの義務は、公平で楽しいゲームを提供することである。
術者レベル/Caster Level:術者レベルはクリーチャーの呪文を発動する能力や力を表す。クリーチャーが呪文を発動するとき、その呪文には時に距離やダメージなど、術者レベルに基づいて変動する値が含まれる。
呪文/Spell:呪文は、敵を傷つけることから死者を生き返らせることまで、幅広い機能を果たす。呪文には、その呪文が何を目標とすることができるか、その効果がなんであるか、そしてどのように抵抗あるいは無効化ができるかが詳記してある。
呪文抵抗/Spell Resistance:一部のクリーチャーは魔法への抵抗、すなわち呪文抵抗を得る。呪文抵抗を持つクリーチャーが呪文の目標になるとき、その呪文の術者は呪文が対象に効果を及ぼすか否かを確認するため、術者レベル判定を行わねばならない。この判定の難易度は、目標クリーチャーの呪文抵抗と等しい(一部の呪文は呪文抵抗を無視できる)。
精神集中判定/Concentration Check:クリーチャーが呪文を発動する際、途中で邪魔をされたときには、精神集中判定を行い、失敗すればその呪文を失う(魔法の章参照)。
セーヴィング・スロー/Saving Throw:クリーチャーが危険な呪文や効果の対象となったとき、被るダメージや結果を軽減するためのセーヴを許されることがある。セーヴは受動的なものであり、つまりアクションは必要とされない――これらは自動的に行われる。セーヴには3つの種類がある:頑健(毒、病気、身体的な障害に耐えるのに用いる)、反応(ファイアーボールのような範囲全体を目標にする効果を避けるのに用いる)、そして意志(精神への攻撃や呪文に耐えるのに用いる)。
戦技/Combat Maneuver:これは足払いや武器落とし、組みつきなどといった、直接相手を傷つけない戦闘中に取れるアクションである(戦闘の章を参照)。
戦技防御値/Combat Maneuver Defense:この値はそのクリーチャーに対して戦技を行うのがどれくらい難しいかを表す。クリーチャーの戦技防御値はクリーチャーに対して戦技を行う際の難易度と同様に扱われる。
戦技ボーナス/Combat Maneuver Bonus:クリーチャーが戦技にどれくらい長けているかを表す値。戦技を実行する際、この値はd20ロールに加算される。
属性/Alignment:属性はクリーチャーの基本的なモラルや倫理的な態度を表す。属性は2つの要素からなる:秩序、中立、混沌という軸、そして善、中立、悪という軸だ。属性は通常略された形で、秩序にして中立なら秩序にして中立Lawful Neutral、混沌にして悪なら混沌にして悪Chaotic Evilといった具合に、それぞれの属性の頭文字を使った略語で記述される。両方の要素が中立のクリーチャーは、単に真なる中立と表記される。
ターン/Turn:1ラウンドの間に、クリーチャーは様々なアクションを実行できる1ターンを得る。通常の1ターンの間に、キャラクターは1つの標準アクションと1つの移動アクション、1つの即行アクション、そして複数のフリー・アクションを得る。一般的でないアクションの組み合わせも同様に許されており、詳細は戦闘の章を参照のこと。
ダメージ減少/Damage Reduction:損傷への耐性を持つクリーチャーはダメージ減少を有している。その値ぶん、物理的な源によって与えられるダメージは減少する。多くのダメージ減少の種類はある種の武器を素通ししてしまう。それは“/”とそれに続く種別、例えば“10/冷たい鉄”のように表記される。一部のダメージ減少の種類は全ての物理攻撃に対して適用される。そうしたダメージ減少は“―”の印で表記される。特殊能力の項により詳しく記載されている。
超常能力(超常)/Supernatural Abilities(Su):超常能力とは、魔法的な攻撃や防御、あるいは性質を指す。これらの能力は常に機能している場合もあるし、あるいは利用する際に特定のアクションを必要とする場合もある。超常能力の説明は、それがどのように使われるかと、その効果を含んでいる。
特技/Feat:特技はクリーチャーが修得した能力のひとつである。特技によってクリーチャーは時にルールや制限を無視できるようになる。クリーチャーは彼らのヒット・ダイスに基づき特技の数を決定するほか、一部のクラスや能力はボーナス特技を与える。
難易度/Difficulty Class:クリーチャーが成功の保証されていない行動を試みる際には、何らかの判定(通常は技能判定)を行わねばならない。 アクションを成功させるには、そのクリーチャーが試みた判定の結果がそのアクションの難易度と同じかそれ以上でなければならない。
能力値/Ability score:クリーチャーはそれぞれ6つの能力値を持つ:【筋力】、【敏捷力】、【耐久力】、【知力】、【判断力】、【魅力】である。これらの値はクリーチャーにとってもっとも基本的な特性を表している。能力値が高いほど、そのキャラクターは高い潜在能力と可能性を秘めているといえる。
ノンプレイヤー・キャラクター(NPC)/Nonplayer Character:GMがコントロールするキャラクターたちのこと。
倍率/Multiplying:複数の倍率をロールに適用するよう要求されたとき、その乗数は互いに乗算されない。代わりに、最初の倍率に、次の倍率よりも1小さい値を加算して、1つの倍率として使用する。例えば、×2の倍率を2回適用するような場合、その倍率は×4ではなく×3となる。
端数処理/Rounding:時に、ルールは結果や値の端数を処理するよう要求する場合がある。特に明記されない限り、端数は常に切り捨てること。例えば、7を半分にする場合、その結果は3となる。
判定/Check:判定とは、他の値で修正されるかもしれないd20ロールである。最も典型的な種類としては攻撃ロール、技能判定、能力値判定、セーヴィング・スローなどがある。
ヒット・ダイス/Hit Dice:ヒット・ダイスはクリーチャーの一般的な力と技能のレベルを表す。クリーチャーがレベルを得るときには、ヒット・ダイスも追加される。一方、モンスターはその一般的な力と能力を表す種族ヒット・ダイスを得ていく。ヒット・ダイスは例えば“3d8”などというふうに、クリーチャーの持つダイスの数、続いてそのダイスの種類によって表現される。この値はクリーチャーのヒット・ポイントの総量を決定するのに使用される。先の例であれば、そのクリーチャーは3ヒット・ダイスを持つ。そのクリーチャーのヒット・ポイントを決定するためのロールに際し、君はd8を3回ロールし、そしてその結果を合計し、他の修正も加える。
ヒット・ポイント/Hit Points:ヒット・ポイントはいまこの瞬間にクリーチャーがどれくらい強健で健康的かを抽象的に表している。クリーチャーのヒット・ポイントを決定するために、そのヒット・ダイス分のダイスをロールする。キャラクター・クラス・レベルを得ているなら、その最初のヒット・ダイスのヒット・ポイントは最大となる。最初のヒット・ダイスがNPCクラスあるいは種族によるものであるクリーチャーは通常通り最初のヒット・ダイスをロールすること。傷はヒット・ポイントを下げ、一方で治癒(自然だろうと魔法だろうと)はヒット・ポイントを復元させる。一部の能力や呪文は特定の持続時間が経つと消滅する一時的ヒット・ポイントを与える。クリーチャーのヒット・ポイントが0未満に落ちると、気絶状態となる。さらに、ヒット・ポイントの負の値が【耐久力】と等しい値に達した時、そのクリーチャーは死亡する。
プレイヤー・キャラクター(キャラクター、PC)/Player Character:プレイヤーによりコントロールされるキャラクターのこと。
ペナルティ/Penalty:ペナルティは判定や合計値から引かれる数値である。ペナルティには種類はなく、通常はペナルティは累積する。
変則的能力(変則)/Extraordinary Abilities(Ex):変則的能力はその機能に魔法に依存しない、尋常ではない能力を指す。
ボーナス/Bonus:ボーナスとは、判定や計算で求められる値に加算される数値を指す。多くのボーナスには種類があり、基本的なルールとして同じ種類のボーナスは累進しない(累積しない)――単純に、高い値のボーナスだけが適用される。
モンスター/Monster:モンスターは、能力や力を表すのにクラス・レベルの代わりに種族ヒット・ダイスを持つクリーチャーである(一部、クラス・レベルを持つ者もいる)。PCは、通常モンスターではない。
ラウンド/Round:戦闘は、ラウンドで測られる。個々のラウンドの間に、すべてのクリーチャーはイニシアチブの順に、行動するためのターンを得る。1ラウンドは、ゲーム内時間で6秒を意味する。
累積(する)/Stacking:累積とは、特定の判定あるいは何かの総計に及ぼすボーナスないしペナルティを合計することを意味する。一般的に、同じ種類のボーナスは累積しない。その代わりに、その最も高いボーナスだけが適用される。大部分のペナルティは累積し、つまりその値は合計される。ペナルティとボーナスは通常互いに累積し、つまりペナルティがボーナスの一部や全てを打ち消した上に超過することも、あるいはその逆もあるということだ。
レベル/Level:キャラクターのレベルは、彼の全体的な能力と力を表している。レベルには3つの種類がある。クラス・レベルは、キャラクターの持つ特定のクラスのレベル数である。キャラクター・レベルは、キャラクターの持つ全てのクラス・レベルの合計である。加えて、呪文は0から9までのレベルが振り分けられている。このレベルは呪文の総合的な力を表している。このレベルは呪文の一般的な力を示している。術者はレベルを獲得することで、より高次のレベルの呪文発動を修得する。
狡猾なローグから勇敢なパラディンまで、パスファインダーRPGでは、君がプレイしたいキャラクターを作ることができる。キャラクター作成の際には、まず君のキャラクターのコンセプトを決定する。君は恐るべきモンスターと対峙し、盾と剣もて爪と牙に対抗するキャラクターが作りたい? それとも大いなる彼方から力を引き出し、己の最期を知る神秘的な予言者? ほとんどどんなキャラクターでもプレイすることが可能だ。
大まかなコンセプトを決定できたら、以下のステップを追うことで君のアイデアに命を吹き込み、パスファインダーRPGキャラクター・シート(PRDサイトにダウンロード・コピー可能なものが用意されている)にキャラクターの情報や数値データを記載しよう。
ステップ1―能力値の決定:最初にキャラクターの能力値を決定する。6つの能力値は君のキャラクターの最も基礎的な特質を決定し、様々なディテールや計算値の算出に用いられる。一部のクラスは能力値が平均以上であることを要求する。
ステップ2―種族の決定:次に、種族を選択する。能力値への修正だけでなく、種族特性についても気をつけよう(種族の章参照)。GMが追加するかもしれないが、7種の基本種族から選択しよう。各種族には自動取得できる言語のリストと、いくつかのボーナス言語をリストアップしてある。キャラクターは【知力】ボーナスと同じ数のボーナス言語を知っている。
ステップ3―クラスの選択:キャラクター・クラスとはそのキャラクターの専門、たとえばファイターやウィザードなどといった職業を意味している。新たに作られたキャラクターであれば、彼は選んだクラスで1レベル目を開始する。彼はモンスターを倒して経験値(経験点)を得ることでレベルを上げ、新たな力と能力を得る。
ステップ4―技能と特技の選択:君のキャラクターがどれくらいの技能ランクを得られるかを、クラスと【知力】修正値(そして人間が得られるようなその他のボーナス)決定する。ランクは技能に割り振るが、1つの技能には最大でもレベルと同値のランクしか割り振れないことを忘れずに(よって、作成されたばかりのキャラクターは通常1ランクしか割り振れない)。技能決定後、いくつの特技が得られるかを、クラスとレベルをベースに決定し、どの特技を修得するかを決定する。
ステップ5―装備の購入:新しいキャラクターはそれぞれクラスに基づいて決定された所持金で、チェインメイルから革製の背負い袋まで、広範囲にわたる装備品を購入する。これらの装備品はキャラクターの冒険における生存を助ける。一般に、最初の所持金ではGMの同意なしに魔法のアイテムを購入してはならない。
ステップ6―詳細の完成:最後にキャラクターの詳細、開始ヒット・ポイント、アーマー・クラス、セーヴ値、イニシアチブ修正、攻撃に関する諸数値などを決定する。これらの数値はこれまでのステップでの結果により決定される。これ以外にも、キャラクターの名前や属性、外見的特徴を決定する必要がある。また、2、3の特徴を書き留めておくと、ゲームプレイ中の助けになるだろう。年齢や属性についての補足的なルールは“補足ルール”の章に詳細がある。
各々のキャラクターは、最も基本的な特質を表す6つの能力値を持つ。それは彼らの生来の素質と才能である。能力値は時に能力値判定のために、値そのものを用いることもあるし、その修正値は技能や特殊能力のほとんどに影響する。能力値は通常3から18であるが、種族ボーナスやペナルティなどで変わることもある; 平均的な能力値は10である。
能力値の決定にはいくつかの方法がある。これらの方法はキャラクター作成にそれぞれ異なった自由度とランダム性を与える。
種族修正(キャラクターの種族により、君の能力値には調整が加えられる――種族の章参照)は能力値を決定した後に適用される。
標準型:4d6をロールし、一番低い目を捨て、残った3つのさいの目を合計する。結果を記録し、これを繰り返して6つの値を作成する。これらの値を、それぞれ望む能力値に割り当てる。この方法は“旧式”と比べランダム性に乏しく、平均より高い能力値を持つキャラクターができる。
旧式:3d6をロールし、合計する。結果を記録し、これを繰り返して6つの値を作成する。これらの値を、それぞれ望む能力値に割り当てる。この方法は全くのランダムなものであり、一部のキャラクターはずば抜けた能力値を持って生まれる。1ステップで能力値を決めるなら、ロールした順に上から決めていく、ということでもよい。しかしこうして作成されたキャラクターは、キャラクター作成時に決めたコンセプトに適合しないだろう。その能力値はクラスや特徴を支えるよう最適化されたものではないからだ。
英雄的:2d6+6をロールし、合計する。結果を記録し、これを繰り返して6つの値を作成する。これらの値を、それぞれ望む能力値に割り当てる。この方法は“標準型”と比べランダム性に乏しく、より能力値が高めのキャラクターになる。
ダイス・プール型:各キャラクターは24d6を行い、プールとして持つ。そして、これを各能力値に当てはめていく。ダイスを振る前に、プレイヤーはどの能力値に何個のダイスを割り当てるかを決めておくこと(最低でも1能力値に付き3d6を割り振ること)。割り当てが終わったら、プレイヤーは各能力値についてダイスをロールし、高い順に3つを選んでその値の合計を能力値とする。もしよりハイパワーなゲームを行うなら、ダイス・プールの総ダイス数を28にする。この方法は標準型と同程度のキャラクターとなる。
能力値購入:各キャラクターは基礎能力値を増加するためのポイントを得る。この方法では全ての能力値のベースを10として開始する。キャラクターはそれぞれの能力値を得たポイントを消費して向上させる。能力値を低くしてさらなるポイントを得ることもできる。ただし、この方法では能力値は7より小さく、あるいは18より大きくすることはできない。“表:能力値ポイントと能力値”には能力値の値に対応するコストが示されている。全てのポイントを使用した後、種族修正を加えること。
ポイント |
ポイント | ||
---|---|---|---|
7 |
-4 |
13 |
3 |
8 |
-2 |
14 |
5 |
9 |
-1 |
15 |
7 |
10 |
0 |
16 |
10 |
11 |
1 |
17 |
13 |
12 |
2 |
18 |
17 |
この方式で得られるポイントはプレイするキャンペーンにより異なる。標準的なポイント数は15である。標準的なNPCは3ポイント以下で作成される(詳細はNPCの詳細の章を参照)。購入方式はプレイヤーの選択が重視され、平等なバランスのキャラクターが作成できる。このシステムはイベントなどでのキャラクター作成―たとえばパスファインダー協会(詳細はhttp://paizo.com/pathfinderSocietyまで)のような―でよく用いられている。
キャンペーンの種類 |
ポイント数 |
---|---|
ロー・ファンタジー |
10ポイント |
標準的なファンタジー |
15ポイント |
ハイ・ファンタジー |
20ポイント |
英雄的ファンタジー |
25ポイント |
種族による能力値修正を行った後の各能力値からは、-5から+5の範囲をとる修正値が求められる。表:能力値修正とボーナス呪文には、能力値の値に対応した修正値を示す。修正値は君のキャラクターがある能力値に関連した行動を取る際に、ダイス・ロールに加算される数値だ。またダイス・ロール以外の数値に適用される場合もある。正の値(プラスの値)のものを“ボーナス”、負の値(マイナスの値)のものを“ペナルティ”と呼ぶ。表にはボーナス呪文の数も記されている。君のキャラクターが術者なら、この値を知っている必要がある。
どの能力値をもとにしてボーナス呪文数を決定するかは、君のキャラクターがどのタイプの呪文の使い手であるかによって異なる。ウィザードなら【知力】、クレリック、ドルイド、レンジャーなら【判断力】、バード、パラディン、ソーサラーは【魅力】を用いる。加えて、高い能力値を持つ呪文の使い手は求める高い呪文レベルの呪文を使うために、十分なレベルを稼がなければならない。詳しくはクラスの章を参照。
修正 |
|||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
0 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 | ||
1 |
-5 |
||||||||||
2~3 |
-4 |
||||||||||
4~5 |
-3 |
||||||||||
6~7 |
-2 |
||||||||||
8~9 |
-1 |
||||||||||
10~11 |
0 |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
12~13 |
+1 |
― |
1 |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
14~15 |
+2 |
― |
1 |
1 |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
16~17 |
+3 |
― |
1 |
1 |
1 |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
18~19 |
+4 |
― |
1 |
1 |
1 |
1 |
― |
― |
― |
― |
― |
20~21 |
+5 |
― |
2 |
1 |
1 |
1 |
1 |
― |
― |
― |
― |
22~23 |
+6 |
― |
2 |
2 |
1 |
1 |
1 |
1 |
― |
― |
― |
24~25 |
+7 |
― |
2 |
2 |
2 |
1 |
1 |
1 |
1 |
― |
― |
26~27 |
+8 |
― |
2 |
2 |
2 |
2 |
1 |
1 |
1 |
1 |
― |
28~29 |
+9 |
― |
3 |
2 |
2 |
2 |
2 |
1 |
1 |
1 |
1 |
30~31 |
+10 |
― |
3 |
3 |
2 |
2 |
2 |
2 |
1 |
1 |
1 |
32~33 |
+11 |
― |
3 |
3 |
3 |
2 |
2 |
2 |
2 |
1 |
1 |
34~35 |
+12 |
― |
3 |
3 |
3 |
3 |
2 |
2 |
2 |
2 |
1 |
36~37 |
+13 |
― |
4 |
3 |
3 |
3 |
3 |
2 |
2 |
2 |
2 |
38~39 |
+14 |
― |
4 |
4 |
3 |
3 |
3 |
3 |
2 |
2 |
2 |
40~41 |
+15 |
― |
4 |
4 |
4 |
3 |
3 |
3 |
3 |
2 |
2 |
42~43 |
+16 |
― |
4 |
4 |
4 |
4 |
3 |
3 |
3 |
3 |
2 |
44~45 |
+17 |
― |
5 |
4 |
4 |
4 |
4 |
3 |
3 |
3 |
3 |
各能力値は個別に説明されている。また、彼の行動の一部にも影響を与える。
【筋力】はキャラクターの筋力や体の力を表す。この能力はファイター、バーバリアン、パラディン、レンジャー、モンクのような至近距離で(あるいは“近接”で)闘うクラスにとってにとって重要である。【筋力】はキャラクターが持ち運ぶことのできる装備の量を決めるためにも用いられる。【筋力】の値が0まで低下したキャラクターは、移動するには衰弱しすぎており、気絶状態となる。一部のクリーチャーは【筋力】の値を持たず、よって全ての【筋力】ベースの技能や判定に修正が入らない。
キャラクターの【筋力】修正値は以下のものに適用される:
近接攻撃ロール。
近接武器および投擲武器(スリングを含む)のダメージ・ロール(例外:利き手でない手による攻撃のダメージ・ロールには【筋力】ボーナスの半分しか適用されない。一方、両手での攻撃には【筋力】ボーナスを1.5倍して適用する。コンポジット・ボウ以外のボウで攻撃する場合、ボーナスは適用されないが、ペナルティは適用される)。
【敏捷力】は素早さや反応性、バランスを規定する。この能力はローグにとって最も重要なものだが、軽・中装鎧、あるいは鎧を着ないものにとっても有用なものだ。また、ボウやスリングといった遠隔攻撃をうまく行うにも重要だ。【敏捷力】の値が0になると、動くことができなくなり、実質的に“動けない状態”になる(しかし意識は失わない)。
キャラクターの【敏捷力】修正値は以下のものに適用される:
【耐久力】はキャラクターの健康状態やスタミナを表している。【耐久力】ボーナスはヒット・ポイントを増加するので、この能力値は全てのキャラクターにとって重要であると言える。アンデッドや人造といった一部のクリーチャーは【耐久力】の値を持っていない。これらのクリーチャーが【耐久力】基準の判定を行わなければならない際にはボーナスが+0であるとみなすこと。【耐久力】の値が0になったキャラクターは死亡する。
キャラクターの【耐久力】修正値は以下のものに適用される:
各ヒット・ダイスにおけるヒット・ポイントロール(ペナルティにより0以下になっても、最低でも1は得られる点に注意。つまり、レベルが上がれば自動的にヒット・ポイントが1は増加する)
頑健セーヴィング・スロー。毒や病気といった危険に耐える。
キャラクターの【耐久力】の値が【耐久力】修正値まで変えるのに十分なほど変更した場合、キャラクターのヒット・ポイントもあわせて上昇や減少する。
【知力】はキャラクターの学習能力と論理的思考力を表す。この能力値は呪文発動能力に関わるため、ウィザードにとって重要である。動物なみの知性しかないものは【知力】の値が1か2しかない。会話を理解するには少なくとも【知力】の値3が必要である。【知力】の値が0になったクリーチャーは昏睡する。一部のクリーチャーは【知力】の値を持っていない。彼らが【知力】ベースの技能判定等を行う際には修正値が+0であるものとして行う。
キャラクターの【知力】修正値は以下のものに適用される:
ウィザードのボーナス呪文数は【知力】の値により決定される。ウィザードが秘術呪文を使用するには最低でも10+呪文レベルの【知力】の値が必要である。
【判断力】は意志力、常識力、思慮分別、直感力を表す。【判断力】はクレリックやドルイドにとってもっとも重要であり、パラディンやレンジャーにとっても重要度は高い。感覚の鋭いキャラクターを作りたいなら、【判断力】を高くするのが良いだろう。全てのクリーチャーが【判断力】の値を有している。【判断力】の値が0になったキャラクターは理性的な考えができず、気絶状態となる。
キャラクターの【判断力】修正値は以下のものに適用される:
クレリック、ドルイド、レンジャーは【判断力】の値に基づいてボーナス呪文を得られる。クレリック、ドルイド、レンジャーが呪文を発動するには少なくとも10+呪文レベル以上の【判断力】の値を有していなければならない。
【魅力】はキャラクターの個性の強さ、人を惹きつける力、統率力、そして外見の美しさを表す。パラディンやソーサラー、バードにとって最も重要な能力値である。また、エネルギー放出に関わるため、クレリックにとっても重要な能力値である。アンデッドにとって【魅力】は彼らの超自然的な“生命力”を表している。全てのクリーチャーが【魅力】の値を有している。【魅力】の値が0になったキャラクターは自己主張ができず、気絶状態となる。
キャラクターの【魅力】修正値は以下のものに適用される:
バード、パラディン、ソーサラーは【魅力】の値に基づいてボーナス呪文を得られる。バード、パラディン、ソーサラーは呪文を発動するには少なくとも10+呪文レベル以上の【魅力】の値を有していなければならない。