本書に収録されているモンスターのいずれかをキャラクターとして使用することは、非常にやりがいのあることになるだろう。しかし、そのようなキャラクターを他のキャラクターと釣り合いをとるのは骨の折れることである。モンスターはプレイヤー用のルールを念頭においてデザインされているわけではなく、注意深く扱わなければ非常にバランスを失することになるかもしれない。
本書のモンスターのいくつかは種族ヒット・ダイスを持っていない。このようなモンスターはプレイヤー・キャラクター用として最良の選択肢になるが、それでも、それらのうちいくつかは種族ヒット・ダイス抜きでも1クラス・レベルを持っているキャラクターと同等の強さを持つ。このようなキャラクターは2レベル以上のパーティーにおいてのみ認められるべきである。
種族ヒット・ダイスを持つモンスターをモンスターPCとする方法で最良なのは、まず脅威度を決め、全てのプレイヤーがその脅威度のモンスターを使ってキャラクターを作成することである。モンスターの脅威度の数をそのクラス・レベル数とみなし、コア・クラスとマルチ・クラスできるようにする。このようなモンスターはヒット・ダイスの付加による成長はしない。モンスターPCはクラスの取得によってのみ成長する。
通常のキャラクターで構成されたパーティーに、ただ1人モンスター・キャラクターが参加する場合は、パーティーのレベルは少なくともそのモンスターの脅威度以上でなければならない。モンスターPCのキャラクター・レベルを決定する際には、モンスターの脅威度をクラス・レベルであるとみなす。例えば、6レベルのパーティーにおいては、ミノタウロス(脅威度4)は2レベル分のコア・クラス(バーバリアンなど)を有するであろう。
混合パーティーにおいて注意しなければならないのは、キャラクターのレベルが上がっていくにつれて、種族ヒット・ダイスと特殊能力の価値が下がっていくということである。そこで推奨するのが、パーティーのレベルが3上昇するごとに、モンスター・キャラクターが追加のレベルを1取得するというものである。2レベルから3レベルになる中間点でレベルを取得するということだ。この手順をモンスターの脅威度の半分(端数切捨て)に等しい回数繰り返す。ミノタウロスを例にとると、パーティーが6レベルから7レベルになった時点で、ミノタウロスは追加のレベルを得、続けて7レベルの成長を行う。これによりミノタウロスは4レベルのバーバリアンになる。この手順を10レベルでも繰り返し、パーティーが10レベルになった時点でミノタウロスは8レベルのバーバリアンになっている。この時点以降はミノタウロスは通常に成長する。
GMはパーティーにおけるモンスターPCを注意深く取り扱わなければならない。一部のクリーチャーは、その能力やゲーム上の役回りのために、PCとしてプレイするのに全く適していない。GMは、モンスター・キャラクターがバランスを失していたりルールの乱用になったりしていないかよく観察し、プレイを円滑に進めるため、必要ならば彼らに修正を行うべきである。