カラスに似たテングは、ごみ拾いと手に負えない盗賊の種族として知られる。この強欲なクリーチャーは何より欲望を理由に行動し、お世辞で簡単に口説き落とされる。人の生目を抜く二枚舌にして狡猾なる種族、テングはその状況で有利になる状況を探し続け、しばしば自らの種族も含む他人を食い物にする。彼らは非常に負けず嫌いだが、直情的で軽はずみなところもある。そのような行いは生来のものであるというものもいるが、その自己中心的な性格は文化的なもので、何百年もの間の抑圧に耐えるために適応していったものなのだと考えるものもいる。
テングは元来命を何より大切にする。多くのものにとって、他の種族が当然だと思っている一時的な快楽を手に入れる方法は、盗みと狡猾さだけなのだ。かつて人間と巨人のような力ある種族はこの鳥に似た種族を奴隷や従僕として扱っていた。多くのテングは生き延びるためにごみを漁り、街の暗がりにある残飯を争ったり自然に帰り狩人や採集をして生き残った。その子孫は今、現代社会に居場所を見つけようと、悪いイメージのあるステレオタイプと戦い、彼らを取り巻くものに翻弄されながらも足掻いている。彼らはこの厳しく容赦のない世界の中で生き残るために、盗みと剣術を頼みとしている。
身体的特徴:テングは鳥の人型生物であり、その羽はカラスによく似ている。幅広のくちばしを持ち、手足のいずれにも力強いかぎ爪が生えている。テングは飛ぶことこそできないものの、全身は虹色の羽毛で覆われている――その羽毛は通常は黒いが、時に灰色や青みを帯びていることもある。その肌、かぎ爪、くちばし、瞳は似たような色をしていて、テングでないもののほとんどにとって、個人を識別することは極めて難しい。他の人型生物が自分をもっと見分けやすくなって欲しいと願っているテングは、その羽毛を漂白したり、くちばしを染料やペンキ、ねばねばした小さな装飾品で飾り立てることもある。彼らは人間とおおよそ同じ身長だが、彼らは華奢な体格をしていてかがみ込む姿勢になることが多い。テングの目は頭部のわずかに奥まったところ、少し横の部分にあり、このおかげで他の人型生物に比べ広い範囲を目で捉える事ができる。鳥類の多くと同様、テングは穴の空いた骨を持ち、卵を温めて子をなす。
社会:テングは他所との付き合いを避ける結束の強い共同体で生活する。彼らは農村地域で発展した孤立した居住区に住むが、都市の中核では彼らは共同のスラムで集団を作ることが多い。概して、彼らは自らの文化を語りたがらない。その文化は古い伝統に、近隣の地域で一般的な種族のごみを漁るという文化といくつか新しい要素を付け加えたものだ。文化的なごみ漁りは言語にまで及び、テングの地域毎の方言は、他の言語から持ってきた単語や口語表現を混ぜ込んだものだ。当然ながら、テングには言語の才があり、新しい言語もすぐに覚えてしまう。
ほとんどのテングの共同体は、部族による構造を重んじる傾向がある。部族のしきたりは緩く個人的なもので、部族の一員は公的な仲裁を介して全ての衝突を解決させる(時には個人的な戦闘もありえる)。テングはそれぞれ自らの社会で発言権を持つが、ほとんどの居住地ではそれでもなおテングはその叡智と助言のために尊敬される年長者の意見に従う。
種族関係:テングのことを簡単に許容することのできる種族はほとんどいない。ほとんどの一般的な種族の中でも、人間だけが定期的にその都市の中に彼らを住まわせている。このようになると、テングは自らの居住区や壊れそうな共同体を、通常もっとも悲惨な地域に形成する。彼らが我慢しているにも拘わらず、ほとんどの人間は可能な限りテングとわずかなつながりしか持たないようにする。テングは時折ノームやハーフリングと友好を結ぶが、それも相互に興味を持ち合えている場合に限られる。逆に、ほとんどのドワーフはなんであれテングに我慢することはない。他の種族はテングを人間と同様の見方で捉える傾向があるが、彼らの住む地域から彼らの活動の多くを妨げようとする。
属性と宗教:テングは中立となることが多い。しかし衝動的な行動を良しとするものたちは、混沌にして中立に偏ることが良いと捉えている。信仰は部族ごとに様々だ。伝統的なテングの神(それらのほとんどは、よく知られている神格の相である)を信仰するものもいれば、人間の神や天上の霊魂を信仰するものもいる。テングはその守護者をころころ変えることが多く、目に見える形で利益が与えられることがわかれば宗教的な慣習をすぐに捨ててしまう。その多くは多神教を好み、その時彼らに最適である教義を持つ神格を誰でも抜き出し、選択する。
冒険者:家に残すものもほとんどないため、多くのテングは運命や幸運、栄光を求めて冒険者の人生を踏み出す。一般的なテングの思想では、人生は悟りへの経路を形作る経験や試練の連なった道の上にあるという。あるいは精神の強化の道だと考えるものもいれば、技や剣術を極める道だと見なすものもいる。外の人に抱かれている先入観があるからというわけではないだろうが、テングの冒険者の多くはそのステレオタイプを喜んで受け入れる。それぞれはテングの種族的な特質の好例となることで成功する道を模索し、その出自を誇示する。鳥類特有の身体の弱さにも拘わらず、テングは素早い反応や優れた機知を持つ。そのため彼らは優れたレンジャーやローグになることができ、その一方で霊界との強いつながりを持つものはしばしばオラクルとなる。武術の鍛錬で自制心を鍛えたものは、その才能から利益を得るために傭兵やボディガードの職に就く。
男性名:エボンフェザー、クラーグ、ザイコン、タイチョー、チャクチャク、チューコー、チョヨイツ、ハイロースト、ブッカ、ペザック。
女性名:アーリエミンダー、アイキオ、カンカイ、ギルデドハックル、ザンヤエ、ダバ、チーチュ、ミカチャ、ルク。
+2【敏捷力】、+2【判断力】、-2【耐久力】:テングは素早く観察力があるが、概して身体が弱く繊細だ。
中型:テングは中型クリーチャーであり、サイズによるボーナスもペナルティも受けない。
忍び:テングは〈隠密〉および〈知覚〉判定に+2の種族ボーナスを得る。
言語学の才能:テングは〈言語学〉判定に+4の種族ボーナスを得るとともに、〈言語学〉のランクを得るたびに、1つの言語ではなく2つの言語を修得する。
剣の訓練:テングは生まれてすぐに剣術の修行を行う。その結果彼らは自動的に剣に属する武器に習熟する(エルヴン・カーヴ・ブレード、ククリ、グレートソード、シミター、ショート・ソード、ダガー、ツーブレーデッド・ソード、バスタード・ソード、パンチング・ダガー、ファルシオン、レイピア、ロングソードが含まれる)。
肉体攻撃:テングは1d3ポイントのダメージを与える噛みつき攻撃を持つ。
言語:テングはプレイ開始時に共通語およびテング語の会話能力を持っている。高い【知力】を持つテングは望みの言語を選択することができる(ただしドルイド語のような秘密の言語を除く)。
既存のテングの種族的特徴の代わりに以下の種族的特徴を選択してもよい。この新しいオプションのいずれかを選択する前に、君のGMに相談をすること。
腐敗感知/Carrion Sense:多くのテングは腐敗をかぎ分ける能力を生まれながらに持つ。嗅覚が他の種族に比べて鋭いというわけではなく、傷や死を特別適応しているのだ。この種族的特徴を持つテングは限定的な鋭敏嗅覚能力を持つ。この能力は死体やひどく傷ついたクリーチャー(ヒット・ポイントが50%以下)にのみ機能する。この種族的特徴は言語学の才能と置き換える。
爪による攻撃/Claw Attack:この種族的特徴を持つテングは自らの爪を肉体武器として扱う術を学んでいる。彼らは2回の爪攻撃を、1d3ポイントのダメージを与える主要肉体攻撃として得る。また、他の特技の前提条件を満たす目的において、《素手打撃強化》を持っているかのように扱う。この種族的特徴は剣の訓練と置き換える。
特殊武器訓練/Exotic Weapon Training:ソードの代わりに特殊武器の訓練を受けたテングもいる。このようなテングは3+自身の【知力】ボーナスに等しい東方の武器を選び、それらに対する習熟を得る。この種族的特徴は剣の訓練と置き換える。
滑空:腕や足を滑空のために使用することのできるテングもいる。この種族的特徴を持つテングはちょうどフェザー・フォールを使用したかのようにいかなる高さから落下したとしても難易度15の〈飛行〉判定により落下ダメージを受けず安全に着地することができる。安全に落下できた場合、追加で難易度15の〈飛行〉判定を行うことで、テングは20フィート落下する毎に5フィート水平に滑空することができる。この種族的特徴は言語学の才能と置き換える。
以下のオプションは記載の適性クラスを有するテングに適用可能であり、特に断りのない限り、ボーナスは適性クラスの特典を選択するたびに適用される。
ウィッチ:ウィッチの呪文リストのウィッチ呪文1つをウィッチの使い魔に追加する。この呪文は術者が発動可能な最も高い呪文レベルより1レベル以上低いものでなければならない。テングがこの先使い魔を取り替えた場合、新しい使い魔はこれらのボーナス呪文を獲得する。
オラクル:オラクルの呪いの能力の効果を決定するために使用するオラクルのレベルに+1/2を追加する。
ソーサラー:通常であれば1日あたり3+ソーサラーの【魅力】修正値分の回数を使用可能な1レベル時の血脈の力を選択する。このソーサラーはこの血脈の力の1日毎の使用回数に+1/2回を加える。
バーバリアン:呪い避けの激怒パワーに+1/3のボーナスを得る。
ファイター:組みつき、または足払いの試みに抵抗するファイターの戦技防御値に+1を加える。
ローグ:テングの剣の訓練能力の一覧から武器を1つ選ぶ。その武器を使用したクリティカル・ロールに+1/2ボーナス(最大+4ボーナス)を加える。このボーナスは《クリティカル熟練》と累積しない。
修験者は天上の心をもって個を探し求めることで、悟りと超越の道を歩む。その過程の中で、自身の精神の力が持つ武の力を解き放つのである。修験者は以下のクラス特徴を持つ。
クラス技能:修験者は〈交渉〉の代わりに〈生存〉をクラス技能の一覧に加える。
推奨神秘:闘争、石、木、金属、自然、祖霊、天界、伝承、時、波、火。
ボーナス呪文:トゥルー・ストライク(2レベル)、オルター・セルフ(4レベル)、ディヴァイン・パワー(8レベル)、マジック・ジャー(12レベル)、キ・シャウト(14レベル)、モーメント・オヴ・プレシャンス(16レベル)。これらのボーナス呪文はそれぞれのレベルにおける修験者の神秘ボーナス呪文と置き換える。
気蓄積(超常):7レベルの時点で、修験者は獲得した目を見張らんばかりの技を使う超常的なエネルギー、気ポイントを蓄積するプールを得る。修験者の気蓄積に収められたポイントはオラクル・レベルの1/3+自身の【魅力】修正に等しい。この気蓄積は毎朝、8時間の休憩ないし瞑想(この時間は連続している必要はない)の後に補充される。修験者が他の気蓄積のポイントを得るような他のクラスのレベルを持つ場合、組み合わせたプールの気ポイントの合計を決める際には修験者クラスから得られた気ポイントとほかのクラスから得られた気ポイントは累積するが、能力値の修正値を加えるのは合計で一度だけである。どの能力値を使用するかは第二のクラス能力を獲得した際に選択し、一度選択したら以後変化しない。修験者は自らが持つ気蓄積を提供するクラス能力を活性化するために、このプールから気ポイントを使用することができる。
自身の気蓄積に少なくとも1ポイント残っている限り、修験者は自らのオラクル・レベル-3に等しいレベルのモンクであるかのように気打撃を行うことができる。即行アクションとして気ポイントを消費することで、修験者は以下の利益のうち1つを得ることができる。
気による洞察/Ki Insight:1ラウンドの間、〈呪文学〉判定に+4の洞察ボーナスを得る。
気による呪い/Ki Curse:次のラウンドの間、自らの呪いの効果を決定する際、自身のオラクル・レベルを5高いものとして扱う。
気魔法/Ki Magic:自らのターンにおいて、次に発動する呪文の難易度に+1を加える。
激震掌(超常):15レベルの時点で、修験者はこのレベルの啓示の代わりに、同名のモンクの能力として激震掌を修得しても良い。自身のオラクル・レベルをこの能力におけるモンク・レベルとして扱い、その難易度は【判断力】ボーナスの代わりに【魅力】ボーナスを基準とする。
最終啓示:20レベルに到達すると、修験者は真の悟りに到達し天上の精霊の一つとなる。修験者は言語を使用するすべてのクリーチャーと会話する能力を得る。1日に自身の【判断力】値に等しい回数だけ、修験者は激しい天候、飢え、渇き、過労の不利な効果を無視することができる。修験者が死ぬと、天界との強力なつながりにより(リインカーネイトのように)3日後に蘇る。これは修験者の神秘による最終啓示と置き換える。
剣匠はその刃との精神的なつながりを強くするために瞑想する。6つの恐るべきトランス状態を体得して技を完璧なものにすべく腕を磨くのだ。剣匠は以下のクラス特徴を持つ。
クラス技能:剣匠は、クラス技能の一覧に〈生存〉および〈知識:自然〉を加え、クラス技能の一覧より〈知識:ダンジョン探検〉および〈変装〉を取り除く。
トランス(変則)/Trance:3レベルの時点で、剣匠は強い瞑想によるトランス状態を使ってその武に専念する術を学ぶ。トランスの影響下にある間、剣匠は風変わりな武術を行うことができる。トランス状態に入る行為は1回の全ラウンド・アクションであり、機会攻撃を誘発する。剣匠は1日に4+自身の【判断力】修正値に等しいラウンドだけトランス状態を維持することができる。3レベルを超えるレベルごとに、追加で1ラウンドだけトランスを維持することができる。フリー・アクションとしてトランスを終了することができる。トランスの後、剣匠はトランスとして経過したラウンドの2倍に等しいラウンドだけ疲労状態となる。疲労状態の間に再度トランス状態に入ることはできないが、一つの遭遇や戦闘において複数回トランスに入ることならば可能である。剣匠が気絶状態に陥ると、そのトランスは即座に終了する。
3レベルの時点で、剣匠は以下の一覧からトランスを1つ選択する。6、9、12、15、18レベルの時点で、剣匠は他のトランスを1つ選択する。一度に使用することのできるトランスの種類は1つだけである。
猿のトランス(変則)/Monkey Trance:猿の跳躍のように、剣匠は敵の間合いから飛ぶように移動する。このトランスの間、剣匠は敵の戦技防御値に対して〈軽業〉判定を行うことができる。成功したなら、即行アクションとして敵の機会攻撃範囲の中を5フィート移動することができる。この移動は機会攻撃を誘発せず、5フィート・ステップとして扱われない。
鶴のトランス(変則)/Crane Trance:剣匠の刃はまるで山に住む鶴の優雅な弧を描くように上下に動く。このトランスの間、剣匠は《鶴の型》特技の利益を得る。
虎のトランス(変則)/Tiger Trance:剣匠は敵に飛びかかり、野生の虎が持つ残忍さと狂暴さで一撃を食らわせる。このトランスの間、剣匠は突撃の間合いにいる敵に対して戦技判定を試みることができる。成功したならその敵に突撃し、全力攻撃を行うことができる。
豹のトランス(変則)/Leopard Trance:豹の俊敏さを使って、剣匠は素早い足捌きで敵を惑わせる。このトランスの間、剣匠は《強行突破》の利益を得る。
蛇のトランス(変則)/Serpent Trance:蛇の如き剣匠の素早い動きは、敵の死角を捕らえる。このトランスの間、剣匠は戦闘中のフェイントのために行う〈はったり〉判定に+4のボーナスを得る。
竜のトランス(変則)/Dragon Trance:ドラゴンのように、剣匠は心身の安定を研ぎ澄ます。このトランスの間、剣匠は《竜の型》特技の利益を得る。
ローグの技:以下のローグの技は剣匠アーキタイプを補完する:戦闘技術、跳ね起き、不意討ち攻撃、武器訓練; 困惑化攻撃、変移攻撃。
上級の技:以下の上級ローグの技は剣匠アーキタイプを補完する:弱体化攻撃、打撃のいなし; 狩人の奇襲、攻撃そらし; 幻惑の刃。
以下のオプションはテングに適用することができる。この新しいオプションのいずれかを選択する前に、君のGMに相談をすること。
信号凧キット/Signal kite kit:翼のないテングはその叫びを空高くへ響かせて考えを遠くに伝える。竹枠に貼り付けられた紙でできたこの凧は様々な色と絵が描かれている。レジャーとして凧を飛ばすことに加え、テングは信号によるメッセージを伝えるために様々な影と模様を持つ凧を飛ばすこともできる。テングは様々な信号のルールを作り出しており、凧を使用して遥か遠くに視覚による複雑なメッセージを伝えることができる。信号凧キットは6つの小さな色つきの凧が含まれている。これらは複雑なメッセージを簡単に作り出すために、複雑な組み合わせで互いに組み合わせることができる。このキットには糸巻き1つと300フィートのより糸も入っている。信号凧でメッセージを伝えたり解釈する行為は〈はったり〉技能で示される通りに機能するが、送り手とこのメッセージを理解しようとするものはテング語を知っていなければならない。
テラー・カイト(恐怖の凧)/Terror kite:この小さな凧には普通恐ろしい顔が描かれまぶしい色が使われており、縁にはのこぎり状の木製の刃がつけられている。このより糸は糊に浸されて強化されており、縁で切り傷をつけられるように砕いたガラスがつけられることもある。この凧は硬度5と3ヒット・ポイントを持つ。カイト・バトル(喧嘩凧)に参加するものは他の凧に対して武器破壊戦技を使用する。戦技に成功することで、競技者は相手の凧に1d6ポイントのダメージを与える。凧が0ヒット・ポイントとなったなら、それは壊れるか糸が切れ、そのプレイヤーは戦いに敗れる。競技によっては凧のてっぺんで相手の糸に触れれば得点が得られるものもあり、その場合勝者は最初にセット・ポイントに至ったものとなる。この興味深い凧に興味を持ったものは、テラー・カイトを《武器熟練》や《武器開眼》の特技に特化した武器として選択することもできる。これらのボーナスはテラー・カイトを使用したときに、凧によるダメージ・ロールや武器破壊戦技に適用される。
翼油/Wing Oil:テングは自然の力からその翼を守るため、特別な軟膏を作る。この1回分の翼油が入った瓶は、翼を持つクリーチャーに使用することで、[氷雪]効果に抵抗するために行う全てのセーヴィング・スローに+1のボーナスを与える。この効果は24時間持続する。
前提条件:基本攻撃ボーナス+5、肉体攻撃の種族的特徴、テング。
利益:くちばしによる攻撃のダメージは1d6に上昇する。加えて、くちばしによる攻撃でクリティカル・ヒットを確定させたなら、追加で1ポイントの出血ダメージを与える。
特殊:《出血化クリティカル》や同様の効果とこの特技による出血効果は累積し、与える出血ダメージに1ポイントを加える。
多くの清掃動物のように、君は貧弱なクリーチャーであれば病気になるような食べ物を胃に収めることができる。
利益:君は病気や摂取型の毒に対するセーヴィング・スローに+2の種族ボーナスを得る(他の毒には無効)。君は自分自身の食料を探すための〈生存〉技能判定に+2のボーナスを得る(ただし自分だけである)。
君は異常なほどに長い鼻を持つ人間の姿に変化することができる。
利益:1日に1回、君は鼻が自身のくちばしの長さある人間の姿をとることができる。この擬似呪文能力は術者レベルが君のレベルに等しい、オルター・セルフとして機能する。この形態である間、君は鋭敏嗅覚の能力と、【筋力】能力値に+2のボーナスを得る。この形態における長い鼻は君が人間でないことを明確に示すため、君は(ポリモーフ)効果を使用していることによる〈変装〉判定に対し、通常のボーナスを得ることはない(ただし、この鼻が不運な呪いや奇形であると説明したり、ペスト医師の仮面のようなアイテムで隠すことで可能になるかもしれない)。
利益:君は〈鑑定〉判定に+2のボーナスを得る。君は標準アクションとして宝の山の中でもっとも価値のあるものを見極めることができ、そのために行う〈鑑定〉判定に+2のボーナスを得る。さらに、5以上の差で〈鑑定〉判定に失敗した場合でも、5未満の差で失敗したかのように扱われる。
通常:宝の山からもっとも価値のあるものを見つける行為は1回の全ラウンド・アクションである。
前提条件:《テングの翼》、キャラクター・レベル7レベル、テング。
利益:1日1回、君はカラスに似た大型の黒い翼の形になることができる。この姿は君に60フィートの飛行移動速度(良好な機動性)、【筋力】に+4のボーナス、【敏捷力】に-2のペナルティ、+4の外皮ボーナスを提供する。これらの点を除き、この擬似呪文能力は君のレベルに等しい術者レベルのビースト・シェイプIIとして機能する。
利益:1日1回、君は大きな黒いカラスの翼を一組生やすことができる。この翼は30フィートの飛行移動速度(標準的な機動性)を提供する。この擬似呪文能力は上記の点を除き、君のレベルに等しい術者レベルを持つビースト・シェイプI(この呪文の他の利益を得ることはない)として機能する。
(Black Feather Fan/黒羽の扇)
オーラ 微弱・力術; 術者レベル 5レベル
装備部位 無し; 市価 10,000GP; 重量 1ポンド
この精巧な扇は定式化された紋を型押しされた金属製の取っ手に取り付けられた1ダースの黒い翼で作られている。手にしたものはウィスパリング・ウィンド、ウィンド・ウォール、ガスト・オヴ・ウィンドを作り出すためにこのアイテムを使用することができる。この扇の効果は1日に3回使用することができ、組み合わせに制限はない。
必要条件 《その他の魔法のアイテム作成》、ウィスパリング・ウィンド、ウィンド・ウォール、ガスト・オヴ・ウィンド; 費用 5,000GP
(Black Jade Raven(Figurine Of Wondrous Power)/黒翡翠のカラス人形)
オーラ 中程度・召喚術および変成術; 術者レベル 11レベル
装備部位 無し; 市価 9,100GP; 重量 1ポンド
この握り拳大の黒翡翠でできた一品は、翼を広げたレイヴンの形に見事に作られている。合い言葉によってこのアイテムはブラック・レイヴン(イーグルのデータを使用する)あるいはジャイアント・ブラック・レイヴン(ジャイアント・イーグルのデータを使用する)の姿に変化する。これらのレイヴンの形態はいずれも《盗み取り強化》をボーナス特技として持つ。このレイヴンは共通語を理解するが会話することはできない。レイヴンは自身の能力に関することや自身が見たことに関して、首を1回振れば「はい」2回ならば「いいえ」という形で質問に答えることができる。
このレイヴンは1週間にわずか24時間だけ人形でない姿を維持することができる。この持続時間は連続する必要はないが、1時間単位で使用しなければならない。ジャイアント・レイヴンの姿に3回変身した後(小さい形態は考慮に入れない)、この像は全ての魔法の能力を失う。
必要条件 《その他の魔法のアイテム作成》、アニメイト・オブジェクツ; 費用 4,550GP
(Red Feather Fan/赤羽の扇)
オーラ 中程度・力術; 術者レベル 6レベル
装備部位 無し; 市価 5,000GP; 重量 1ポンド
この精巧な扇は様式に則った金属製の取っ手に1ダースの黒い羽毛が飾られている。1日1回、手にしたものはこのアイテムを掴み合い言葉を口にすることで、(デイライトを使用したかのように)[闇]効果を相殺したり、(ディーパー・ダークネスを使用したかのように)[光]呪文を相殺したりすることができる。この範囲で[光]ないし[闇]効果が重なった場合、扇はそれらの内の一方をランダムに相殺し、一方は完全な状態のままとなる。
必要条件 《その他の魔法のアイテム作成》、ディーパー・ダークネス、デイライト; 費用 2,500GP
(Tengu Drinking Jug/テングの水差し)
オーラ 微弱・変成術; 術者レベル 3レベル
装備部位 無し; 市価 1,000GP; 重量 2ポンド
これは1ガロン入る陶器の水差しに似ている。白い釉薬が塗られ、中央には黒い鳥が描かれ、首には麻の紐のついたコルク栓が結わえられている。ピュアリファイ・フード・アンド・ドリンクの効果を受けたかのように、この水差しに入れられた液体はすべて安全に飲むことができるようになる(ただしこの水差しは液体にのみ効果を及ぼす)。1日3回、使用者は合い言葉を唱えることで、この水差しの中に入っているものの温度を凍るほど冷たくしたり、沸騰するほど熱くすることができる。1日1回、使用者は合い言葉を唱えることで、水差しの中に入っている水をプラム酒、酒、茶に変えることができる。テング・ドリンキング・ジャグはどのような液体であれ1ガロンまで入れておくことができる。
必要条件 《その他の魔法のアイテム作成》、ピュアリファイ・フード・アンド・ドリンク、プレスティディジテイション; 費用 500GP
Commune with Birds/鳥との交信
系統:占術; 呪文レベル:ウィザード/ソーサラー2、ウィッチ2、ドルイド1、バード2、レンジャー1
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
距離:自身
目標:術者
持続時間:10分; 本文参照
術者が1マイル離れたところから聞こえる、低い調子の鳥の鳴き声という形で質問を口にすると、範囲内の鳥から与えられた返事を理解することができる。次の10分の間、鳥はスピーク・ウィズ・アニマルズを使用して君が質問を求めたかのように答えてくれる。この回答は鳥たちの知識に基づく、質問に対する全体の総意である。例えば、この範囲に飲用に適した水はあるか、捕食者や他のクリーチャーがいるか、山頂や他の自然の形態の方向はどこか、などと言うことを質問することができ、この地域にいる鳥の共同体が、彼らの能力の限り最良の回答をしてくれる。
範囲内に鳥がいない場合、この呪文は一切の効果を及ぼさず、返事も得られない。スピーク・ウィズ・アニマルズ(あるいは類似の能力)でこの鳥の声を聞いたクリーチャーは全て、術者の質問を理解することができる。しかし術者が聞くことのできる返事を耳にすることはできない。
Theft Ward/防護盗み
系統:防御術; 呪文レベル:インクィジター1、ウィザード/ソーサラー1、ウィッチ1、クレリック1
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
距離:接触
目標:物体1つ
持続時間:1日
セーヴィング・スロー:意志・無効(無害、物体); 呪文抵抗:可(無害、物体)
術者は自らが所有する物体1つを盗みから守る。術者はその物体を自身の元から持ち去ろうとする人に気付くための〈知覚〉判定に+10のボーナスを得る。
Winter Feathers/冬羽
系統:防御術; 呪文レベル:インクィジター1、ウィザード/ソーサラー1、クレリック1、ドルイド1、レンジャー1
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
距離:接触
目標:接触した羽毛のあるクリーチャー1体
持続時間:24時間
セーヴィング・スロー:意志・無効(無害); 呪文抵抗:可(無害)
目標の羽毛は冬の寒さに耐えられるよう、厚く膨らむ。目標は寒冷地にいることにより不利益を被らなくなり、頑健セーヴを行う必要なく華氏-50度までの極地にいることができる。クリーチャーの装備も同様に保護される。この呪文は[氷雪]ダメージに対して一切の防護を提供せず、寒冷気候に関連する他の環境災害(氷に滑る、雪による盲目など)に対する防備も与えない。
この呪文を発動すると、術者は目標の羽毛を持続時間の間白く変えてもよい。このようにすると、氷や雪で隠れるための〈隠密〉判定に+4の状況ボーナスを与える。