属性は奇妙なクリーチャーである; それは人の哲学と道徳をまとめるが、同じ属性の二人のキャラクターは必ずしも似ていない。しかし属性はキャラクターの魂とその人物が他人と交流する方法について多くを語っている。
各属性にはキャラクターが従うべき哲学や教義の一覧と、特定の属性のキャラクターをプレイする間心に留めておくべき中心的な概念の一覧がある。君は君のキャラクターにとって一つの単語がとくに重要であると決めて良い――単純に正義、貪欲、自己といった。君はこれらの単語の一部が複数の属性で出現していることがわかるだろう。ある人にとって「自由」は自分自身や他の人にとっての自由を意味するかもしれないし、違う人にとっては自分が欲しい物を手に入れる自由を意味するかもしれない。
属性を考える時、簡単なテストを使うこと:キャラクターは困っている見知らぬ人にどうするか? 混沌にして善の人は、襲われている見知らぬ人を見ると彼の援助に走る――渦中にいる人には助けが必要だ。秩序にして善のキャラクターは状況を引き継ぐよう動き、正義が為されているかを判断する。中立のキャラクターは引き下がり情勢を見、彼女がその状況に適当であると考える方法で動き、次の機会にはおそらく別の行動をする。混沌にして悪のキャラクターは加わり、被害者と強盗の両方から奪おうとするだろう。秩序にして悪のキャラクターは前線に行くのを躊躇い戦いが終わるのを最後まで待ち、彼の利益か彼の神かカルトの利益に有利になるように活用するだろう。
正義がすべて。名誉が私の鎧だ。犯罪を犯すものは償わせる。法と真実なしでは混沌しか残らない。私は光であり、私は正しさの剣である。わたしの敵は最終的には償う。正当性は力である。私の魂は純粋である。私の言葉は真実だ。
主概念:任務、公正、名誉、資産、責任、正当、真実、美徳、価値
秩序にして善のキャラクターは名誉を信じる。確固とした信念として持っている規律や信仰が彼女を導くだろう。その信仰を裏切ることよりはむしろ死を選び、この属性の最も極端な支持者は殉教者になることに異存はない(幸福ですらあることもある)。
秩序-混沌の連続体の最端部にいる秩序にして善のキャラクターは冷酷であるように見える。彼女は邪悪な竜を世界中を渡り追いかけたり、デヴィルを追ってヘルまで行くことが頭から離れなくなり正義を齎すのに偏執的になるかもしれない。彼女とは曲がることなく狙いに屈む厳格な人という印象を与えるかもしれないし、そして専心の足らない者を弱者と見做すかもしれない。彼女は厳格に、そして不快にさえ感じられるかもしれないが、教義や信仰から行動しており、常に首尾一貫している。彼女の世界は法の世界であり、彼女は上司に従い、上司の中に悪いところがあると信じるのはほとんど不可能であると理解している。彼女はそのような詐欺師によって簡単に騙されるかもしれないが、しかし結局は彼女は正義は為されると知っている――必要あらば彼女自身の手で。
私ができる最善を尽くす。誰の中にもある善を見る。他人を助ける。より大きな善を目指して努力する。私がどのように見るかに関係なく私の魂は善だ。決して表紙で本を審査しない。人生における善行への傾倒は承認を必要としない。慈愛は我が家から始まる。親切にせよ。
中立にして善のキャラクターは善だが、命令によって拘束されない。彼は見つけられる善を見つけるが、悪は最もきちんとした場所にさえ存在できるということを知っている。
より大きな善のために、中立にして善のキャラクターは彼ができることは何でも行い、彼ができる誰とでも働く。そのようなキャラクターは善行に専念し、彼が達成するためにできるどんな方法でも働く。その人が更生したと思うならば悪の人でも許すかもしれないし、彼は誰にでもほんの少し良さがあると思っている。
私の魂は善だが自由である。法には良心がない。盲目な命令は混乱を促進する。徳は祈祷書のみからでは学ぶことはできない。同情には定形がない。最小の親切な行為も決して無駄にはならない。親切には親切で報いる。困っている人に親切にせよ――次の日に親切にされるのが必要となるのは君かもしれない。
混沌にして善のキャラクターは自身の道を進むための自由と権利を大事にする。彼女には彼女自身の倫理と哲学があるかもしれないが、それらを厳しく固持はしない。彼女は毎日善行、おそらくは知らない人に親切にし、運が無い人にお金を与えるといった事を為そうとするかもしれないが、これは純粋に喜びのためだ。何が真実と事実に基づいた善と正当性かについて、そのようなキャラクターは心に決めたものがあるが、悪行が善だと自分を騙すことはない。彼女の親切は慈悲深い――おそらく時折盲目的だが、常に十分な理由がある。
混沌にして善のキャラクターは予想できなそうに見え、教会の外では不運な人に施しを与えるが、中では寄付を拒否するかもしれない。彼女は本能を信頼し、厳しそうな司教の教えよりも、親切そうな目をした乞食の言葉に蓄えの多くを注ぎ込むかもしれない。彼女は金持ちから強盗し貧しいものに与えるかもしれないし、気前よく自身とその友人の喜びに費やすかもしれない。極端な場合、混沌にして善のキャラクターは自身の慈悲に対し向こう見ずに見えるかもしれない。
法は法を生じさせる。私の言葉は私の絆だ。混沌は世界を破壊する。序列を尊重せよ。規律によって生き、規律によって死ぬ。伝統は続かなければならない。法はすべての文化の基盤である。私は私自身の裁判官だ。
主概念:調和、忠義、命令、組織、地位、規定、仕組、伝統、言葉
秩序にして中立のキャラクターは規律や伝統を称賛するか、規範によって生活をしようとする。彼は混沌と無秩序を恐れるかもしれず、おそらく過去の経験からそうする正当な理由があるかもしれない。秩序にして中立の人物は、誰が自分を統治しているかを彼の同胞がどれだけ安全であるかと同様に心配せず、社会の正常性に安寧を感じている。そのようなキャラクターは指導者や刑罰が法を保つならばそれらを賞賛するかもしれず、たとえ自分の国が残忍な侵略国であっても他国に対する戦争を支持するかもしれない――彼の唯一の懸念は、軍事行動の正当性である。
自分自身の規範に従う秩序にして中立のキャラクターは望んでそれを破ることは決してなく、それを守る殉教者になるかもしれない。
世界の回っている歯車と、我々の気まぐれと欲求は無関係である。私は私である。君の友人と家族以外の誰も信用しない。歯車は我々とは無関係に回る。仕組みは移り変わる。全ての帝国は姿を消す。時間が癒やしてくれる。四季は決して変わらない。太陽は万人の上に昇る。
中立のキャラクターは、2つの異なった哲学のうち一つを持っているかもしれないという点で変わっている:彼女は他の人への疑念や無関心のため中立である人かもしれないし、世界に対し本当に中立のスタンスを持とうとしており過激主義を拒絶する人なのかもしれない。
中立のキャラクターは利己的であるか公平であるように見えるかもしれない。彼女は主に運命の承認によって突き動かされているかもしれず、この属性の最も極端な支持者は隠者になり、世界の熱狂者から隠れている。しかしながら、いくらかの中立のキャラクターは、公然と中立のために努力をし、いずれかの属性へと向かってしまう行為を過度に避ける。この種の中立のキャラクターは秩序と混沌、悪と善の間で進んでいくことを誇りに思う。彼女には夜と昼の基本的な力と自然について宿命論的な見方があるかもしれない。
転石苔を生せず。今日だけがある。風のように生き、適う運命に乗れ。運命に抗う者は愚行と戯れている。君には一度の生しかない。力を望まない者への力。型に嵌まるな。古い規律に反抗しろ。
主概念:気まぐれ、運命、自由、個性、解放、自己統制、予測不能性
混沌にして中立のキャラクターは彼自身の自由と選択する能力を重んじる。彼は権力を避け、目立ったり、違いが表出することを恐れない。極端な場合、彼は自分自身に適しているライフスタイルを完全に受け入れるかもしれない――都市近くの洞窟に住んだり、アーティストとなったり、それ以外で伝統に挑むような。彼は額面通りの価値を受け入れることはなく、闇雲に他者が自分にするか考えるように言うことを受け入れるよりはむしろ、自分で心に決める。
いつか私が支配する。強いリーダーは称賛され、弱いリーダーは倒される。私には正義があり私が正しい。混沌は死をもたらす。この世界には規律か忘却かしかない。序列は尊重されなければならず、恐れられなければならない。弱いものは確かなリーダーに従う。罪は満足である。誰にでも悪徳はある。
秩序にして悪のキャラクターは彼女自身の利益によって動機付けされる彼女の仕事をするが、究極的には規律が彼女を守るということを知っている。彼女は自身の目的を達成しようとする――しかし混沌ではなく規律を通して。怒り心頭に発するときでも、彼女自身の死を覚悟の上で急な行動を取るより、彼女は慎重に復讐の計画を練る方がありそうだ。その復讐が果たされるには何年もかかることがあるが、それは許容される。
範囲分布の最端部にいる秩序にして悪のキャラクターは彼女の狙いに熱心で、それらを成し遂げるためにはどんな犠牲でも払う。彼女の歪んだ哲学は、彼女の最も親しい支持者、家族、友人に対してさえ、彼女を疑心暗鬼にできる。彼女は支配を得るためなら止まることがない、なぜならば、支配を通してだけ自分は平和を持てるからである。それでも最も強力で秩序のある社会にさえその社会の敵はおり、そして秩序にして悪のキャラクターにとってそうした敵の破壊だけが充足を齎す。
いかなる犠牲を払っても規律がすべてである。
私こそが創造において最も重要なものである。君が望むことをせよ、しかし決して捕らわれるな。良心は天使のためにある。悪の目的のための悪。悪徳は悪徳独自の報いである。罪人は己の人生を楽しむ。悪とは単なる言葉である。他人は良心のない私の自由と人生を妬む。
主概念:欲求、不道徳、必要、自分本位、罪、悪徳、悪意、堕落、不正
彼自身の必要と欲するものによって動機づけられている中立にして悪のキャラクターには良心がなく、自己満足のためだけに行動する。彼は教団の罠と悪を周囲に置くかもしれないが、そうするのは罪と不正に近づく為の純粋なものだ。秩序にして悪の人が取引に傾倒し、混沌にして悪の者が暴力に傾倒する一方、中立にして悪の人物は自分の目的だけに傾倒する。様々な点で、彼は絶対的な自己の利益以外への明確な忠誠心を持っていないので、彼は悪の縮図である。
裏切っていたり、彼を知る者に近付いた人物を殺害したりしているため、過激な中立にして悪のキャラクターは一匹狼となる傾向がある。
欲しいなら奪う。勝てば官軍。強きは弱きを支配する。私を尊敬しないなら苦しめ。私を恐れよ。今日だけがあり、そして今日必要なものを奪う。怒りは私の長所を引き出す。私はより強いものだ。
主概念:無秩序、怒り、無道徳、蛮行、混沌、変質、自由、冒涜、暴力
混沌にして悪のキャラクターは彼女自身の怒りと必要に完全に駆り立てられている。他人に生じさせる苦しみに関係なく、彼女は軽率に気まぐれに行動する。
様々な点で混沌にして悪のキャラクターは彼女の生来の性質によって予測できないことが決まりきっている。彼女は広がる炎、来るべき嵐、研いでいない剣の刃のようである。極端な混沌にして悪のキャラクターは似た心根の個人を見つけ行動を共にする傾向がある――協力の必要によってではないが、この混沌への親和性があるためであり、彼女はその喜びを共有する他人と共に自分の本性を実践する機会を楽しむ。
時間と共に、人物は幻滅するかもしれず異なる属性に流されるかもしれない。この章では段階的にキャラクターの属性を変更することを記録するためのオプションのシステムを記載する。
あらゆるキャラクターは、秩序-混沌の属性軸の9ポイントのスケール(表3-1参照)を持ち、1、2、3は秩序を、7、8、9は混沌を、残りは中立を表す。あらゆるキャラクターは、善-悪の属性軸の同様のスケールを持ち、1、2、3は善を、7、8、9は悪を表す。
プレイヤーはキャラクターの属性が属性トラックのどこにあるかについて決める。例えば、善の心を持ついたずら好きなローグは秩序-混沌の軸で7、善-悪の軸で2を持つ――混沌よりはるかに善である混沌にして善のキャラクターである。残酷だが立派な騎士は、秩序-混沌の軸で1、善-悪の軸で7を持ち、悪よりはるかに秩序の、秩序にして悪のキャラクターである。
キャラクターがリストにある属性に合わない行動をとるとき、行動が適切な属性トラック上でキャラクターの属性を移動させるかに十分かどうか、そしてそうならばどのくらいなのかをGMは決定する。PCが遠い刑務所へ護送する必要がないように捕らえたオークの戦闘員を処刑することは悪に1段階しか向かわせない; 情報のために人質を拷問することは2段階向かわせる。小さい違反において、更なる行動が属性トラックで移動を引き起こすという警告をGMは出すことができる。ただ楽しむだけの為に子供たちでいっぱいの孤児院を燃やす事のような過激で意図的な行為は、属性トラックにおけるキャラクターの元々の立ち位置に関係なく、完全にキャラクターをその属性に押し込むべきである。
属性トラックにおけるキャラクターの立ち位置が他の属性に移動するとき(3から4、7から6など)、キャラクターに書かれた属性は新しい属性に変更される。キャラクターは彼の前の倫理観を捨てることに関連した罪の意識、後悔、あるいは不運のために、攻撃ロール、セーヴィング・スロー、判定に-1のペナルティを受ける。1週間後、このペナルティは消え去る。キャラクターがまだ彼の前の属性の「境界線上」にいることに注意すること、そしてそれ以降の行動によって1週間のペナルティの繰り返しを伴いながら彼の前の属性に戻るよう移動するかもしれないので、属性変更の後、新しい信念と哲学を受け入れ、新しい属性に従って行動するのがキャラクターの最善の利益となる。このペナルティは属性変化の他の結果(元クレリックや元パラディンになることのような)に追加である。
属性トラックの特定の区画の中でキャラクターの立ち位置を強化するための仕組みは、柄にない行いをするより大きな努力を必要とする。少し善(3)の人がかなり善(1)になるのは難しい――穏やかな善の行為の生涯でさえ不十分である。キャラクターがその属性を促進するか維持する方向へ大きな努力をする場合、GMはそれが属性から外れるような大抵の行為をしても即座に属性の変更の危険を冒すことにはならなくなる属性トラック上の「最も安全な」点の1つ(1、5、9)への移動に値するかを決定すべきである。これは、プレイヤーが悪-善の軸で善の区画の中にいようと些細な悪行を同数の些細な善行で相殺する事でこの機構を遊ぶ真似を妨げるのを手助けする。
ヘルム・オヴ・オポジット・アラインメントなどによる強制属性変更は属性トラックにおけるキャラクターの立ち位置それぞれを、対応する逆の立ち位置に移す(1は9に、2は8になど); 真なる中立のキャラクターは、両方とも最端の姿勢へトラックをジャンプさせる(1/1、1/9、9/1、9/9へ)。慎重な属性変更とは異なり、強制属性変更は攻撃ロール、セーヴィング・スロー、判定に通常の一週間のペナルティを課さない。
アトーンメント呪文を用いることで、属性トラックにおけるキャラクターの立ち位置を、前の属性に戻すために最低限の量を移動させる。例えば、再び善属性となる為にアトーンメントを使う堕ちたパラディンは、元々彼女の善-悪のトラックの立ち位置で2か1にいたとしてさえ、3へ遷移する。呪文は最悪の不思慮を逆転する手段であり、トラックの属性ゾーンの中で安全なゆとりを得る為のものではなく、これはキャラクターに回復した属性の信条の範囲内で地歩を固める方向に動く要因を与える。アトーンメントの「魔法による属性変化を戻す」のオプションを使うことは通常の属性変化による攻撃ロール、セーヴィング・スロー、判定のペナルティを目標に与えないが、「救済あるいは誘惑」のオプションの受容ではペナルティを与える。
勇気のいるようなキャンペーン、または属性変更に対してより柔軟性がほしいGMは、属性のゾーンの大きさを変えたり(1と9以外すべて中立)、属性の振る舞いを定量化する際に更なる粒度を許すために9ポイント以上のスケールを使ったり、属性のゾーンの間でキャラクターがペナルティなしで属性をゆっくり変えることのできる遷移地帯を作ったりできる。
強制属性変更が純粋に恣意的である場合(呪いや魔法のアイテムからであるなど)、一部のプレイヤーはこの変化を異なる方法でキャラクターの振る舞いを深掘りする機会と見做すが、多くのプレイヤーはキャラクターの元々の概念を好みできるだけ早く普段通りに戻ることを望む。GMは強制属性変更の濫用を避けるか一時的にすべきである(キャラクターが悪の実体に支配されてその実体が特定の目的を達成したら解放されるようなシナリオなど)。プレイヤーが他の属性のキャラクターを遊びたいならそうプレイしたいと演じたいともう頼んでいるだろうし、急速な変遷は多くのキャラクターの構想を滅ぼすことを覚えておくこと。
キャラクターが属性を変えるとき、一部のクラスはクラス能力を失う。モンクが混沌の猿の神の呪いから解放されるような短い冒険にとって属性変化は興味深いかもしれないが、しかしこれらの状況は珍しいものであるべきである。一部のキャラクターにとって、属性変化は、ウィザードの呪文書を破壊したり、射手の腕を切断することと同等のキャラクターを変化させる概念である――傷跡は長きにわたり、戻るのは難しく、結局プレイヤーを罰することとなる。