イフリートのような火の元素に由来する存在を先祖に持つ人間、イフリットは情熱的で気まぐれだ。定住生活に満足するイフリットはいない。山火事のようにイフリットは移動し続けるか無へと燃え尽きるかしなければならないのだ。イフリットは火を崇めるだけではなく火の複数の側面を体現しており、炎の動き続け常に変わるエネルギーと、破壊的で残酷な気質の両方を併せ持つ。
身体的特徴:イフリットの外見はその元素の祖先がそうであるように多様である。ほとんどのものはやや尖った耳、眉から生えた赤もしくは斑模様の角、まるで燃えているかのようにキラキラして揺らめく髪を備えている。磨かれた真鍮のような色をした肌や腕や足を覆う炭のような鱗を持つこともある。イフリットは明るい橙色や赤色をした見栄えの良い服を来たり見せびらかすことを好み、喜んで派手な宝石をつける。
社会:イフリットは人間の共同体から生まれることがほとんどで、彼ら自身の社会を作ることはほとんどない。都市で育ったものはほとんどいつも投獄されているか、大人になる前に追い出されてしまう。ほとんどの場合、単に都市社会に収まるにはあまりに激情的で独立心が強いだけであり、その放火癖は地元の有力者が気に入るものではない。遊牧民や部族社会で生まれたものはずっとうまくやっていく。それはイフリットの潜在的な探索心と周囲への侵略心が、部族の指導者の中で地位を簡単に得ることができるからだ。
種族関係:最高の性質を持つイフリットでさえ、他の人を自身が適していると思った使うべき道具であると捉える傾向がある。そのようなわけで彼らは服従させられるように魅了したり威嚇したりすることのできる種族と非常にうまくやっていく。ハーフエルフやノームはしばしばイフリットのやり方に絡め取られていることに気づくことが多いが、ハーフリングやハーフオーク、ドワーフは通常イフリットの支配したがる性格に口を挟む。奇妙なことに、イフリットはエルフと非常に緊密なつながりを結ぶことがある。エルフは穏やかで距離を置きたがる気性を持つが、それがイフリットの衝動性と釣り合うようだ。ほとんどのイフリットはシルフとの関わりを避ける。しかし他の元素に触れた種族とは穏やかな関わりを持つ。
属性と宗教:イフリットは二分された人々である――一方では荒々しい独立主義者だが、他方では傲慢で要求が多い。彼らはしばしば道徳性のかけた存在として非難される。しかしその問題を起こす行いが純然たる悪意を動機とすることはほとんどない。イフリットは通常秩序にして中立もしくは混沌にして中立であり、稀に真なる中立になるものもいる。ほとんどのイフリットには神の教えに従うという考え方が抜け落ちていて、組織だった宗教に基づく批評に憤る。イフリットが信仰心を抱くときには(通常火に関連した神格を崇める)、彼らは狂信者や熱心な信者になる。
冒険者:イフリットは厳しいスリルと価値ある敵に対して自分の技を試す機会を求めて冒険をする。しかしそのほとんどは力を求めてのものだ。仕事に全身全霊を傾けると決めると、イフリットは断固としてそれに専念し、目の前にある危険を考えて足を止めることは決してない。その性急さが最終的に自分たちの手に余るようになると、イフリットは結果として生じる問題と戦うために、しばしば秘術やバードの魔法を頼りとする。
男性名:ウラー、エイジャ、エフィット、エルム、ジャリジ、デナット、マクェジ。
女性名:アライィ、エツァ、クァリ、サミ、ゼタナ、マクァン。
+2【敏捷力】、+2【魅力】、-2【判断力】:イフリットは情熱的で素早いが、衝動的で破壊主義だ。
原住の来訪者:イフリットは(原住)の副種別を持つ来訪者である。
中型:イフリットは中型クリーチャーであり、サイズによるボーナスもペナルティも受けない。
普通の移動速度:イフリットは30フィートの基本移動速度を持つ。
擬似呪文能力:バーニング・ハンズ 1回/日(術者レベルは、イフリットのレベルに等しい。難易度 11+【魅力】修正値)。
エネルギーに対する抵抗:イフリットは[火炎]に対する抵抗5を持つ。
火の親和性/Fire Affinity:元素(火)の血脈を持つイフリットのソーサラーは、全てのソーサラー呪文とクラス能力において、自らの【魅力】が2ポイント高いものとして扱う。火の領域を持つイフリットのクレリックは、火の領域の能力と呪文を+1術者レベルとして発動する。
言語:イフリットはプレイ開始時に共通語および火界語の会話能力を持っている。高い【知力】を持つイフリットは次に挙げる言語を選択することができる:エルフ語、風界語、地界語、ドワーフ語、ノーム語、ハーフリング語、および水界語。
既存のイフリットの種族特性の代わりに以下の種族特性を選択してもよい。この新しいオプションのいずれかを選択する前に、君のGMに相談をすること。
砂漠の蜃気楼/Desert Mirage:イフリットは世界の砂漠で繁栄した。この地では彼らの鋭い直感と熱に対する抵抗が、他のものよりも大きな利点となったのだ。この種族特性を持つものは、砂漠環境における〈隠密〉判定と、飢えや乾きを我慢するための+2の種族ボーナスを得る。この種族特性は火の親和性と置き換える。
イフリートの魔法/Efreeti Magic:イフリートの祖先が持つクリーチャーのサイズを変える魔法の能力を受け継いだイフリットもいる。彼らは1日1回、エンラージ・パースンもしくはリデュース・パースンのいずれかを擬似呪文能力として使用することができる(術者レベルはイフリットのレベルに等しい)。イフリットは他のイフリットが人型生物クリーチャーであるかのようにこの能力を使用することができる。この種族特性は擬似呪文能力種族特性と置き換える。
血に流れる火/Fire in the Blood:この種族特性を持つイフリットはメフィットの回復能力を模して、[火炎]ダメージを受けている限り([火炎]ダメージが[火炎]に対する抵抗を超えたかどうかに関わらず)1ラウンドの間高速治癒2を得る。イフリットはこの能力で1日にレベルごとに2ヒット・ポイントまで回復することができ、その後この機能は失われる。この種族特性は火の親和性と置き換える。
火の洞察/Fire Insight:イフリットの呪文の使い手は自らの元素の出自のお陰で火のクリーチャーが望んで従ってくれることに気付くことがある。このイフリットがサモン・モンスターおよびサモン・ネイチャーズ・アライ呪文を使用して(火)の副種別を持つクリーチャーを招来する際、通常よりも2ラウンド長く持続する。この種族特性は火の親和性を置き換える。
火付け役/Fire-Starter:この種族特性を持つイフリットは、他人が燃える姿を見ると嗜虐的な充足感を得る。このイフリットがクリーチャーに着火したときはいつでも、次のラウンドに行う、次の1回の攻撃ロール、セーヴィング・スロー、技能判定、能力値判定に+1の士気ボーナスを得る。イフリットは特定のクリーチャーに着火する原因となった最初のタイミングにのみこのボーナスを得る。そのクリーチャーが着火した連続した期間にはボーナスを得られない。この種族特性は火の親和性と置き換える。
鍛えられた硬度/Forge-Hardened:全てのイフリットがイフリートの子孫というわけではない――その代わりにエイザーやサラマンダーの子孫であるものもいる。このようなイフリットは〈製作:防具もしくは武器〉判定と、疲労状態及び過労状態に抵抗するために行うセーヴに+2の種族ボーナスを得る。この種族特性は擬似呪文能力種族特性を置き換える。
催眠術/Hypnotic:この種族特性を持つイフリットはうっとりさせる火の性質を引き出し、彼らが発動した恍惚状態を引き起こす呪文や効果に対する全てのセーヴィング・スローの難易度に+1を加える。1日1回、このイフリットが使用したこのような効果に対してクリーチャー1体がセーヴィング・スローをロールする際、イフリットは割り込みアクションを使用してそのセーヴィング・スローを再ロールさせることができる。例え結果が悪かったとしても、2度目の結果を用いなければならない。最初のロールの結果が明らかになる前に、イフリットはこの能力の使用を宣言しなければならない。この種族特性は火の親和性と置き換える。
火の如し/Wildfire Heart:この特性を持つイフリットは燃え上がる山火事のように素早く危険な存在だ。彼らはイニシアチブ判定に+4の種族ボーナスを得る。この種族特性はエネルギー抵抗と置き換える。
以下のオプションは記載の適性クラスを有するイフリットに適用可能であり、特に断りのない限り、ボーナスは適性クラスの特典を選択するたびに適用される。
アルケミスト:アルケミストの爆弾によるダメージに+1/2を加える。
バード:恍惚の呪芸により影響を与えることができる人数に+1/6を追加する。
クレリック:火の次元界に関する〈知識:次元界〉判定、または(火)の副種別を持つクリーチャーの〈知識:次元界〉判定に+1/2のボーナスを得る。
ガンスリンガー:ガンスリンガーのイニシアチブの発露を使用する際、ガンスリンガーの行うイニシアチブ判定へのボーナスに+1/2を加える。
インクィジター:(火)の副種別を持つクリーチャーに対する〈威圧〉判定に+1/2のボーナスを、さらに火の次元界に関する〈知識:次元界〉判定に+1/2のボーナスを得る。
オラクル:1つの啓示の効果を決定するために使用するオラクルのレベルに+1/6を追加する。
ローグ:跳躍を行う〈軽業〉判定に+1/2のボーナス、および敵の士気をくじく〈威圧〉判定に+1/2のボーナスを得る。
ソーサラー:元素(火)の血脈またはイフリートの血脈から得た、ソーサラーが使用可能な血脈の力を選択する。この血脈の力の効果を決定する際、ソーサラーのクラス・レベルは+1/6レベル高いものとして扱う(最大+2レベル)。
火刑人はその放火の衝動を神格への奉仕に用いる。火刑人はその信仰の敵に天罰という名の炎をもたらし、その魂を供物の炎に委ねるのだ。火刑人は以下のクラス特徴を持つ。
炎の従者/Servant of the Flame:火刑人は火の領域を権能に含む神格を信仰しなければならない。火の領域を選択した火刑人(可能な場合、関連する副領域の1つでもよい)は、その領域の能力を+1術者レベルで使用する(これはイフリットの火の親和性種族特性と累積する)。
審判(超常):火刑人は一撃の審判の代わりに、以下の審判を得る。
火刑/Immolation:火刑人は敵を破壊する清浄なる炎を放出する。敵に[火炎]ダメージを与える際、敵の[火炎]に対する抵抗を通常より5低いものとして扱う(最低0)。6レベルの時点で敵の抵抗を通常よりも10低く、11レベルの時点で15低く、16レベルの時点で20低いものとして扱うことができるようになる。
炎の奉献(超常)/Burnt Offering:5レベルの時点で、即行アクションとして、火刑人は自らの武器一つにフレイミング武器特殊能力を及ぼすことができるようになる。この武器で殺されたクリーチャーは全て魔法の炎で焼かれる。その肉体は灰となるがその装備は傷一つつかない。この特殊能力はその武器を火刑人が装備している間のみ機能する。この能力は火刑人のレベルに等しいラウンドだけ持続する。これらのラウンドは連続している必要はない。12レベルの時点で、この能力は火刑人の武器にフレイミング・バースト武器種族特性を与えるようになる。この能力は滅ぼし及び上級滅ぼしと置き換える。
火の審判(超常)/Judgment by Fire:20レベルの時点で、火刑人は戦闘の間、敵に炎の審判を呼び下ろすことができる。審判能力を使用する際、火刑人は即行アクションとして敵1体に火による審判を引き起こすことができる。宣言すると、火刑人は目標に対して1回の近接攻撃(敵が30フィート以内にいる場合は遠隔攻撃でもよい)を行うことができる。この攻撃が命中したなら、この攻撃は武器ダメージの代わりに[火炎]ダメージを与え、目標は頑健セーヴに成功しない限り死亡する([火炎]に対する完全耐性を持つクリーチャーはセーヴを行う必要はない)。このセーヴの難易度は10+火刑人のレベルの1/2+火刑人の【判断力】修正値に等しい。このセーヴの成否に関わらず、目標のクリーチャーは24時間の間、この火刑人が行う火の審判能力に対する完全耐性を得る。この方法で殺されたクリーチャーは火の炸裂の中で爆発し、5フィート以内にいる全てのクリーチャーに10d6ポイントの[火炎]ダメージを与える(反応セーヴによりダメージ半減、難易度は10+火刑人のレベルの1/2+火刑人の【判断力】修正値)。この能力を使用すると、1d4ラウンドの間再び使用することはできなくなる。この能力は真実の審判を変更したものであり、同様に機能する。
願いを叶えるものは、祖先のイフリートから継承した現実を変える才能を持って生まれた。しかし祖先のジンニーのように、願いを叶えるものは他人の望みを叶えるためにしかこの力を引き出すことはできない。願いを叶えるものは以下のクラス特徴を持つ。
願いの秘法(超常)/Wishbound Arcana:1レベルの時点で、願いを叶えるものは通常必要となる呪文の音声要素の代わりに、ジンニーでないクリーチャーの願いを使用することができるようになる。クリーチャーはいつでも、願いを叶えるもののターン中であってさえフリー・アクションとして願い事をすることができる。願いを叶えるものは呪文の構成要素とするために願いを聞き意味を理解できなければならない。この能力を使用して発動する際、通常音声要素を必要としない呪文は後述の利益を得る。願いは特定の呪文の名前に言及している必要はないが、願いを叶えるものが修得している呪文を発動することで得られる概要を述べていなければならない(例えば、大きくなりたいという願いはエンラージ・パースンの音声要素を補えるだろう)。この方法でクリーチャーの願いを音声要素として使用した場合、願いを叶えるものは術者レベルに+1のボーナスを得るが、この呪文の目標に自分自身を加えることはできない。この呪文が単体もしくは複数の目標ではなく範囲に効果を及ぼす場合、そのような呪文の効果を自分が受けることができる。願いを叶えるものはクリーチャーの願いに対して一切の衝動強迫を持たない。願いを叶えるものがこの能力を使用してクリーチャーの願いを聞き入れたなら、24時間の間そのクリーチャーの願いを聞き入れるためにこの能力を使用することはできない。この能力は血脈の秘法を置き換える。
願いの拡張/Expanded Wishcraft:3レベルの時点と以降2レベルごとに、願いを叶えるものは他人の気まぐれに合うような現実の改変にさらに卓越するようになる。願いを叶えるものは自分の修得している呪文リストにウィザード/ソーサラー呪文リストから追加の呪文を1つ加えることができる。この呪文は願いを叶えるものが発動できる最も高いレベルの呪文より1レベル低いものでなければならない。願いを叶えるものはこの呪文を願いの秘法能力を用いてのみ使用することができる。例えばこの能力でキャッツ・グレイスを修得したなら、他のクリーチャーがこの呪文を望んだときにのみ発動することができる。この呪文は目標型呪文なので自分自身に発動することはできない。これらの呪文を魔法のアイテムの作成や再チャージに使用することはできない。このボーナス呪文はソーサラーの血脈によって得られる血脈の呪文と置き換える。
本当の望み(超常)/Heart's Desire:7レベルの時点で、即行アクションとして、願いを叶えるものは30フィート以内にいるクリーチャー1体の心の奥底にある望みを告白させることができるようになる。目標はこの効果を打ち消すために意志セーヴを行う(難易度は10+願いを叶えるもののレベルの1/2+望みを叶えるものの【魅力】修正値)。セーヴに失敗すると、目標は直ちに本当の望みが何かをはっきりと大声で口にしなければならず、願いを叶えるものはその望みを満たすことのできる呪文を修得していれば願いの秘法能力を起動することができる。これは[精神作用]効果である。セーヴの成否に関わらず、クリーチャーは24時間の間、同じ願いを叶えるものの本当の望み能力の目標にならない。願いを叶えるものは1日に【魅力】ボーナスに等しい回数だけこの能力を使用することができる。この能力は7レベルで得られる血脈ボーナス特技と置き換える。
捻れた願い(超常)/Twisted Wish:13レベルの時点で、願いを叶えるものは自堕落な望みをそのクリーチャーに不利益が伴う形で叶えることに熟達する。願いを叶えるものがあるクリーチャーの願いを呪文構成要素として使用した呪文をそのクリーチャーに及ぼす場合、願いを捻れさせ、その呪文に対するそのクリーチャーのセーヴィング・スローに-4のペナルティを与えることができる。このようにして捻られた願いの効果は取り除くことが難しい。この呪文を解呪するために行う術者レベル判定の難易度は5だけ増加する。この能力は13レベルの血脈ボーナス特技と置き換える。
完璧なる願い(超常)/Perfect Wishcraft:19レベルの時点で、願いを叶えるものは現実を操作する能力を完成させる。1日1回、願いを叶えるものはウィザード/ソーサラー呪文リストの全ての呪文が自分の修得している呪文リストにあるかのように呪文を発動することができる。その他の点では、この能力の使用は願いの秘法能力の利益と制限全てに従う。この能力は19レベルの血脈ボーナス特技と置き換える。
以下のオプションはイフリットに適用することができる。この新しいオプションのいずれかを選択する前に、君のGMに相談をすること。
火インク/Fire Ink:この濃い黄色のインクはクリーチャーの体温に反応して揺らめく炎のような光を作り出す。火インクを塗るには10分かかり、1回分でおおよそ掌大の範囲を覆うことができる。塗られると、インクは24時間の間ろうそく程度の明るさで光る。同じ場所に身体の一部に4回分以上を塗れば、24時間の間松明程度の光を放つ。このインクが目標の肌と体温に対して生じさせる錬金術反応は痛みを伴いひりひりとするため、目標は光の続く間不調状態になる。難易度15の〈治療〉判定に成功すれば、この感覚を一時的に抑え、不調状態を1時間の間抑制することができる。[火炎]に対する完全耐性もしくは抵抗を持つクリーチャーはこの不調状態に完全耐性を持つ。イフリットは特に火インクを好むことで知られ、イフリットのファイアーダンサーはしばしば、演技の前に燃えるようなデザインで肌を飾る。このインクの高濃度版の価格は10倍で、永続的に輝く刺青に使用される。
イフリットの血/Ifrit's Blood:イフリットの錬金術師は、このどろりとした赤い油が自分たちの血から作られるのだと――だからこの恐ろしい名前になったのだと――主張する。しかしこの申し立てはほとんど間違いである。イフリットの血は空気と反応して着火するが、ゆっくりと燃え飛散武器として使用するには適さない。クリーチャーは標準アクションとしてイフリットの血1ビンを武器1つに使用し、その武器を1分間鮮やかな赤い炎に包むことができる。この油はこの武器による攻撃が成功するたびに1ポイントの[火炎]ダメージを与え、武器自身にも1ポイントの[火炎]ダメージを与える。このダメージは武器に木製の部分があるならば武器の硬度を無視する。この油がクリーチャーの肉体武器や素手攻撃に使用された場合、そのクリーチャーは毎ラウンド1ポイントの[火炎]ダメージを被る(ただし[火炎]に対する完全耐性および抵抗は有効である)。
前提条件:《内なる火》、《灼熱の武器》、キャラクター・レベル13レベル、イフリット。
利益:《灼熱の武器》を使用する際、自分のターンにフリー・アクションとして、君は1ラウンド持続する熱のオーラを作り出してもよい。このオーラは君に隣接してターンを開始する全てのクリーチャーに、1d6ポイントの[火炎]ダメージを与える。
敵は君の武器の熱にたじろぎ、君はその隙を突いて防御をくぐり抜ける。
利益:君は[火炎]ダメージを与える武器を使用している間、フェイント判定に+2のボーナスを得る。このような武器を使用してフェイントに成功した際、敵にその武器の[火炎]ダメージを与えることができる。
前提条件:術者レベル15、イフリットかウンディーネかオレイアスかシルフ。
利益:1日1回、君はプレイン・シフトを擬似呪文能力として使用できるようになる。術者レベルは君のレベルに等しい。この能力は君自身と同意する目標を君の種族に応じた元素次元界に瞬間移動させる(イフリットならば火の次元界、ウンディーネならば水の次元界、オレイアスならば地の次元界、シルフならば風の次元界)。その次元界にいる間、君(君とともに移動したものは含まない)はプレイナー・アダプテイション呪文の効果を受けているものとして扱う。
利益:君は火と煙をペナルティなく見通すことができ、火と煙による遮蔽や視認困難によるボーナスを無視する。これにより、他の本来見えないものが見えるようになるわけではない(例えば、不可視のクリーチャーは不可視のままである)。君は目が眩んだ状態に完全耐性を得る。
君の身体はわずかに触れた敵を焼くほどの熱を生み出す。
前提条件:《灼熱の武器》、キャラクター・レベル7レベル、イフリット。
利益:火による攻撃や[火炎]あるいは[光]の補足説明を持つ呪文に対するセーヴへのボーナスは+4に増加する。君が《灼熱の武器》を使用する際、効果を受けた武器は追加で1ではなく1d6ポイントの[火炎]ダメージを与える。君が組みつかれた際、君のターンにこのダメージを組みついた敵に与える。
元素の火が君の体中で騒ぐ。血は沸き立ち火の抵抗が与えられる。
利益:君は火による攻撃と[火炎]または[光]の補足説明を持つ呪文に対するセーヴィング・スローに+2のボーナスを得る。即行アクションとして、君は2つまでの金属製の人工的武器を1ラウンドの間赤熱させ、攻撃が命中するたびに追加で1ポイントの[火炎]ダメージを与えることができる。これはフレイミング武器特殊能力のような、武器に[火炎]ダメージを与える他の効果とは累積しない。
イフリットは以下の武器の特殊能力と魔法のアイテムを利用することができる。
イグナイティング(武器の特殊能力)/Igniting:イグナイティング武器はフレイミング武器として機能する。加えて、クリティカル・ヒットが命中した敵に着火させる。目標は着火を避けるためにセーヴィング・スローを行うことはないが、毎ラウンド火を消すためにセーヴを行うことはできる。敵に火をつけるにはフレイミング能力が起動していなければならない。
強力・力術; 術者レベル 12レベル; 《魔法の武器防具作成》、フレイム・ブレードかフレイム・ストライクかファイアーボール; 市価 +2ボーナス。
(Cloak of Fiery Vanishing/炎の消失の外套)
オーラ 微弱・防御術および幻術; 術者レベル 5レベル
装備部位 肩周り; 市価 2,600GP; 重量 1ポンド
この分厚い革製の外套は縁が焦げて黒くなっており、わずかに煤の匂いがする。1日に1回[火炎]ダメージを及ぼす効果の目標になったとき、着用者は割り込みアクションを消費して炎に隠れて不可視状態になり、幻の灰と骨の山に隠れることができる。一見するとまるで[火炎]効果によって死亡したように見える。この不可視状態と幻は5ラウンドが経過するか、着用者がなんらかのクリーチャーを攻撃するまで持続する。灰を調べるか興味を持ったクリーチャーは難易度11の意志セーヴを行うことができ、成功すれば幻術であることを見破ることができる。しかし見破った場合でも不可視効果は終了しない。
必要条件 《その他の魔法のアイテム作成》、インヴィジビリティ、サイレント・イメージ; 費用 1,300GP
Chains of Fire/炎の鎖
系統 力術[火炎]; 呪文レベル ウィザード/ソーサラー6、メイガス6
構成要素 音声、動作、焦点(油ひとしずくと火打ち石の小さい欠片一つ)
距離 中距離(100フィート+10フィート/レベル)
この呪文は上記の点を除きチェイン・ライトニングと同様に機能する。ただしこの呪文は[雷撃]ダメージではなく[火炎]ダメージを与える。
Death Candle/死の蝋燭
系統 死霊術[悪、即死、火炎]; 呪文レベル アンティパラディン1、インクィジター2、ウィッチ2、クレリック2
発動時間 1ラウンド
構成要素 音声、動作
持続時間 瞬間/対象のヒット・ダイス毎に1ラウンド; 本文参照
セーヴィング・スロー 頑健・無効; 呪文抵抗 可
この呪文はデス・ネルと同様に機能するが、術者を強化するために打ち倒した目標の生命エネルギーを使用する代わりに、術者は小型のファイアー・エレメンタルを招来して打ち倒したクリーチャーを焼き払い、喚かせるために使用する。このエレメンタルは術者のターンで即座に行動するが、それ以外の点についてはサモン・モンスターIIで招来されたかのように振る舞う。このエレメンタルは打ち倒したクリーチャーのヒット・ダイスに等しいラウンドの間存在する。
Firestream/火流
系統 力術[火炎]; 呪文レベル ウィザード/ソーサラー3、メイガス3
発動時間 1標準アクション
構成要素 音声、動作
距離 20フィート
効果範囲 20フィートの直線
持続時間 精神集中、最大1ラウンド/レベル; 本文参照
セーヴィング・スロー 反応・半減; 呪文抵抗 可
術者の広げた手から炎の気流が勢い良く噴射され、範囲内のすべてのクリーチャーに2d6ポイントの[火炎]ダメージを与える。この呪文の精神集中を続けるラウンドごとに、術者は効果を及ぼす新しい範囲を選択することができる。
ファイアーストリームは範囲内にある可燃性の物体に火をつけ、物体にダメージを与える。鉛、金、銅、銀、青銅のような融点の低い金属は溶けてしまう。このダメージで障害物を砕いたり破壊したりすれば、ファイアーストリームは可能ならば障害物を乗り越えていくことができる。そうでない場合には、他の呪文が効果を及ぼす場合と同様に、障害物によって停止する。
Fury of the Sun/太陽の怒り
系統 変成術[呪い、火炎]; 呪文レベル ウィッチ2、ドルイド2
発動時間 1標準アクション
構成要素 音声、動作
距離 近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
目標 クリーチャー1体
持続時間 10分/レベル
セーヴィング・スロー 頑健・無効; 呪文抵抗 可
術者は目標に耐えられない熱にさらされる呪いをかける。セーヴィング・スローに失敗すると、目標は直ちに極暑にさらされ、1d4ポイントの非致傷ダメージを受け、熱射病にかかる(疲労状態)。目標は極暑に対し通常通り10分毎にセーヴを行わなければならない(難易度はこの呪文の難易度ではなく15から開始する)。この熱は体内から現れたものであるため、目標は〈生存〉判定や影に隠れるなど、暑さを避ける通常の手段で凌ぐことはできない。
Healing Warmth/暖かなる癒やし
系統 防御術; 呪文レベル アルケミスト4、インクィジター4、クレリック4、ドルイド4
発動時間 1標準アクション
構成要素 音声、動作
距離 自身
目標 術者
持続時間 1分/レベル
この呪文はプロテクション・フロム・エナジーのように、[火炎]ダメージに対する一時的な完全耐性を与える。標準アクションとして、術者はこの呪文により得たエネルギーの吸収能力を12ポイント消費することで、接触したクリーチャーを1d8ポイントのダメージだけ回復することができる。クリーチャーの治療は機会攻撃を誘発する。この呪文は術者レベルごとに12ポイント(10レベルの時点で最大の120ポイント)の[火炎]ダメージを吸収するか、消費されるまで持続する。
Scorching Ash Form/赤熱する灰形態
系統 変成術[火炎]; 呪文レベル アルケミスト4、ウィザード/ソーサラー4
構成要素 動作、物質(ガーゼ少しと一握りの灰)
持続時間 1分/レベル
セーヴィング・スロー 不可; 呪文抵抗 不可
この呪文はガシアス・フォームのように機能するが、目標は半透明で無害な気体ではなく、目に見える熱い灰と煙の渦になる点が異なる。目標は(火)の副種別を得る。目標と接敵面を共有する状態でターンを開始するクリーチャーは2d6ポイントの[火炎]ダメージを受け、頑健セーヴ(難易度15、これまでの判定回数ごとに+1)に成功しなければ煙の吸入の効果を得る。
Touch of Combustion/燃焼の接触
系統 力術[火炎]; 呪文レベル インクィジター1、ウィザード/ソーサラー1、ウィッチ1、ドルイド1、メイガス1
発動時間 1標準アクション
構成要素 音声、動作
距離 接触
目標 接触したクリーチャーまたは物体
持続時間 瞬間
セーヴィング・スロー 反応・無効; 本文参照; 呪文抵抗 可
術者の近接接触攻撃が命中すると、暴力的な炎の炸裂により目標に火をつけ、1d6ポイントの[火炎]ダメージを与える。セーヴィング・スローに失敗すると、目標に着火する。目標に着火したなら、その後最初のラウンドの間、目標に隣接している(術者を含む)クリーチャーはそれぞれ反応セーヴを行わねばならず、失敗すると1d4ポイントの[火炎]ダメージを受ける。