勇敢な探検家にして失われたり忘れ去られたりした知識をあさるパスファインダー・クロニクラー(過去の事跡を記録する者)は典型的な冒険者であり、秘奥の真実、魔法の力を持つ持たないを問わず遺物やアーティファクト、目新しく神秘的な眺め、素晴らしいものやおそろしいものを求めて世界を探検する。ある者にとってはこうした旅は純粋に富のためであり、別の者にとっては発見の栄誉のためであり、そしてそれ以上に昨日、今日、明日の証書たる年代記を残さんとして歳月の骨子や忘れ去られた新時代の伝説をさらけ出すあらがいがたき衝動に突き動かされてのものだ。
パスファインダー・クロニクラーのクラスは世界を紐解かれていない謎と見なす者を惹きつけ、従ってファイターやバードからウィザードやクレリック、そしてその中間にいるすべてに至るまで、多角的かつ多様な支持者を持つ。しかし、歴史家にして子孫の保護者たるその役目ゆえに、見込みがあるのは教養があり学問を好む者である。パスファインダー・クロニクラーとは単なるトレジャー・ハンター以上のものなのだ。
役割:パスファインダー・クロニクラーの使命はしばしばパスファインダー・クロニクラーにパーティーのリーダーとしての役割を押しつけ、冒険は典型的にパスファインダー・クロニクラーの終わりなき探索に端を発し、終わりなき探索を軸に展開する。
属性:パスファインダー・クロニクラーの属性はその動機を大いに決定付ける。善属性のキャラクターは己の使命を気高き冒険と見なしがちであり、中立属性のキャラクターは知識のために知識を保護せんと探し求め、悪属性のキャラクターは富を蓄積し己の栄誉としようとの衝動に突き動かされる。
パスファインダー・クロニクラーになるためには、キャラクターは以下の基準すべてを満たさなければならない。
技能:〈芸能:朗誦〉5ランク、〈言語学〉3ランク、〈職能:書記官〉5ランク。
特殊:他者(PCは不可)が少なくとも50gpを払うような(魔法の巻物などの装置以外の)何かを著すか書き記すかしたことがなければならない。
パスファインダー・クロニクラーのクラス技能(と各技能の対応能力)は、〈威圧〉【魅】、〈鑑定〉【知】、〈騎乗〉【敏】、〈言語学〉【知】、〈芸能〉【魅】、〈交渉〉【魅】、〈真意看破〉【判】、〈生存〉【判】、〈脱出術〉【敏】、〈知覚〉【判】、〈知識〉(どれでも、別々の技能として修得すること)【知】、〈手先の早業〉【敏】、〈はったり〉【魅】、〈変装〉【魅】、〈魔法装置使用〉【魅】。
レベルごとの技能ランク:8+【知力】修正値。
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以下のすべてがパスファインダー・クロニクラー上級クラスのクラス特徴である。
バードの知識(変則)/Bardic Knowledge:この能力はまさしくバードの同名能力と同じものであり、パスファインダー・クロニクラー・レベルは同様の能力を授ける他のあらゆるクラスのレベルと累積する。
底なしのポケット(変則)/Deep Pockets:パスファインダー・クロニクラーは、伝承と同じくらい、アイテムも収集し、旅しながら少量のあれこれを拾い集めていく。結果として、パスファインダー・クロニクラーはクラス・レベルごとに最大で100gpまでの価値の不特定の装備を運搬していてよい。運搬しているものは、ポーションや巻物を含め(ただしそれ以外の種類の魔法のアイテムは不可)、背負い袋に無理なく収まるならどのような装備であってもよい。1回の全ラウンド・アクションとして、パスファインダー・クロニクラーは自分のポケットをまさぐってその時に特定したアイテムを取り出すことができ、割り当て額からアイテムの市価ぶんを差し引く。このアイテムの重量は10ポンドを超えてはならない。合計残高が0となったら、少々の時間と合計でクラス・レベルごとに100gpの満額を充当するだけの金銭を費やして底なしのポケットを詰め替えるまで、パスファインダー・クロニクラーはそれ以上アイテムを取り出すことはできない。
加えて、1日ごとに1時間かけて装備を荷造りすると、パスファインダー・クロニクラーは自分の軽荷重を求めるための【筋力】に+4のボーナスを得る。この【筋力】ボーナスは最大荷重限界にはまったく影響しない。重量を効率的に配分することで、通常の同じ重量のものよりも妨げにならないのだ。最後に、パスファインダー・クロニクラーは自分の身体に小さな物を隠すために行なう〈手先の早業〉判定に+4のボーナスを得る。
書記の達人(変則)/Master Scribe:パスファインダー・クロニクラーは、〈言語学〉および〈職能:書記官〉判定、および巻物などの筆記された魔法のアイテムに関わる〈魔法装置使用〉判定に、自分のパスファインダー・クロニクラー・レベルをボーナスとして加える。パスファインダー・クロニクラーは、1回の全ラウンド・アクションとして、〈言語学〉判定を行なって文章を解読することができ、かつたとえ精神的重圧を受けたり気が散ったりする状況にあっても、〈言語学〉判定および〈職能:書記官〉で常に“出目10”をとることができる。
物語ることこそ我が人生(変則)/Live to Tell the Tale:クラス・レベルが2レベルになると、クラス・レベル2レベルごとに1日1回、パスファインダー・クロニクラーは、直前のターンに自分がセーヴィング・スローに失敗した持続中のあらゆる状態に対して、たとえその効果が通常であれば恒久的なものであっても、新たなセーヴィング・スローを試みることができる。この能力は、セーヴィング・スローを行なえない状態や持続時間が“瞬間”の効果に対しては、何の効果もない。
道探し(変則)/Pathfinding:2レベルに達すると、パスファインダー・クロニクラーは、優れた方向感覚と、移動困難な地形や古代の地図に従って他の者を導く技を発展させる。パスファインダー・クロニクラーは、道に迷わずに済むために行なう〈生存〉判定、およびメイズ呪文から脱出するための【知力】判定に+5のボーナスを得る。加えて、パスファインダー・クロニクラーは、“道のない土地”にいる場合であっても、徒歩であれ騎乗してであれ、常に“道、踏み分け道”の野外移動速度を使用できる。難易度15の〈生存〉判定に成功すると、パスファインダー・クロニクラーはクラス・レベル1ごとに1体の仲間にもこの利益をもたらすことができる。
バードの呪芸(超常)/Bardic Performance:クラス・レベル3以降、パスファインダー・クロニクラーは、有効バード・レベルが(パスファインダー・クロニクラー・レベル-2)であることを除いてバードの同名能力と同様に働く、この能力を獲得する。有効バード・レベルを決めるうえで、パスファインダー・クロニクラー・レベルは類似の能力を授けるその他のクラスのクラス・レベルと累積する。
援護強化(変則)/Improved Aid:パスファインダー・クロニクラーは頻繁に偉大なる英雄たちの相棒役を務め、彼らの傍らにあってその行ないを記録していくのだが、しばしば極めて重大な救いの手を差しのべている。クラス・レベル3の時点で、援護アクションを使用するパスファインダー・クロニクラーは、通常の+2ではなく、+4のボーナスを授ける。
叙事詩(超常)/Epic Tales:クラス・レベルが4レベルになったパスファインダー・クロニクラーは、物語を著すことで、その書かれた言葉を通して心を震えさせ、感動させ、そうして呪歌の効果をもたらすことができる。叙事詩を作成するには、パスファインダー・クロニクラーは叙事詩の持続時間(最大持続時間10ラウンド)の2倍に等しいバードの呪芸のラウンド数を消費してバードの呪芸を行う必要があり、かつ関連する技能判定は〈芸能〉の代わりに〈職能:書記官〉になる。叙事詩はその読み手1体にのみ効果を及ぼすが、通常なら聞くことで適用される呪芸の利益がすべて与えられる。パスファインダー・クロニクラーは、バードの呪芸に影響を与える特技の効果を叙事詩に適用してもよい。叙事詩は超常的な効能を、クラス・レベル1レベルごとに1日の間、保持する。著すのには1時間かかり、起動には1回の全ラウンド・アクションが必要で、持続時間は作成する際に費やしたバードの呪芸のラウンド数の1/2である。起動されたら、叙事詩の魔力は消費される。
ささやきのキャンペーン(変則)/Whispering Campaign:パスファインダー・クロニクラーは情報のコントロールと世論を形成する能力で世間に影響を及ぼす。クラス・レベル5以降、バードの呪芸の特別な使い方として、パスファインダー・クロニクラーは、クリーチャー1体の容姿を非難することにより、自分のパスファインダー・レベルと同じレベルのソーサラーが発動したドゥーム呪文の効果を作り出すことができる。この能力は[言語依存]効果である。
それ以外にも、パスファインダー・クロニクラーは他者に対して特定の目標(個人または定義可能なクリーチャーのグループ)のことを訴えかけることができる。この形でのバードの呪芸はエンスロール呪文の効果を作り出すが、芸が終了するとセーヴに失敗したすべてのクリーチャーは、パスファインダー・クロニクラー・レベルごとに1日の間、朗誦の対象に対する態度が(パスファインダー・クロニクラーが選んだ方向に)1段階変化する。
アクション鼓舞(超常)/Inspired Action:バードの呪芸の特別な使い方として、6レベルに達したパスファインダー・クロニクラーは自分の声が聞こえる範囲内にいる仲間1体を説き伏せて突発的に行動させることができ、効果を受けた仲間は直ちに追加の1回の移動アクションをとることができる。このアクションは仲間自身のターンの仲間のアクションには数えない。
9レベルに達すると、パスファインダー・クロニクラーは、移動アクションの代わりに、仲間1体に直ちに1回の標準アクションをとらせることができる。
伝説招来(超常)/Call Down the Legends:7レベルになると、7日に1回、1回の全ラウンド・アクションとして、パスファインダー・クロニクラーは、ブロンズ・ホーン・オヴ・ヴァルハラを使用したかのように、人間の4レベル・バーバリアンを2d4体招来できる。この能力で招来されたバーバリアンは全面的な忠誠心を持ってパスファインダー・クロニクラーに仕えてくれる。招来されたバーバリアンは人造クリーチャーであり、実際の人物ではない(そのように見えはするが)。招来されたバーバリアンはバーバリアンの開始パッケージにある装備品を装備して現れ、パスファインダー・クロニクラーが戦うよう命じた相手を誰であれ攻撃する。
上級叙事詩(超常)/Greater Epic Tales:クラス・レベル8の時点で、パスファインダー・クロニクラーが記した文書は力を持つ。大声で読み上げると著者がバードの呪芸能力を使用したかのようにバードの呪芸が効果を表すが、この効果は読み上げた者を対象とし、かつ必要があれば読み上げた者の【魅力】を使用するということを除いて、この能力はパスファインダー・クロニクラーの叙事詩能力と同様に働く。
いと貴き死者の調べ(超常)/Lay of the Exalted Dead:7日に1回、1回の全ラウンド・アクションとして、クラス・レベルが10レベルに到達したパスファインダー・クロニクラーは、アイアン・ホーン・オヴ・ヴァルハラを使用したかのように、人間の5レベル・バーバリアンを1d4+1体招来できる。この能力で招来されたバーバリアンは全面的かつ疑いようのない忠誠心を持ってパスファインダー・クロニクラーに仕えてくれる。招来されたバーバリアンは(非実体)の副種別を持つ人造クリーチャーである(非実体のクリーチャーは実体のものによるダメージの50%を受け、魔法の力を持たぬものからはダメージを受けない)。招来されたバーバリアンは+2スタデッド・レザーを着て、(実体のあるクリーチャーに完全なダメージを与えることができる)+1ゴースト・タッチ・グレートアックスを手にして現れ、パスファインダー・クロニクラーが戦うよう命じた相手を誰であれ攻撃する。パスファインダー・クロニクラーと仲間にとって、招来された高貴なる死者は気高き幽玄の戦士の軍勢のように現れる。しかし、パスファインダー・クロニクラーの敵は古代の英雄のおそるべき怒りに目をみはり、意志セーヴ(難易度15+パスファインダー・クロニクラーの【魅力】修正値)を行なわなければならず、失敗すると招来されたバーバリアン1体ごとに1ラウンドの間怯え状態になる。