歌や踊りを使う代わりに、易者は運命を占うことで人々に影響を与える。運命の道のりについて多くのことを知っているが、真の技能は自分が知っている以上のことを知っていると他人に思わせることである。
易者の占術/Fortune-Teller's Divinations:以下の呪文を易者のバードの呪文リストに加える。易者はこれらの呪文を自動的に修得することはなく、使用したい場合は修得呪文として選択しなければならない。0レベル―ガイダンス; 1レベル―オブジェクト・リーディング; 2レベル―オーギュリイ; 3レベル―アナライズ・オーラ; 4レベル―ディヴィネーション; 5レベル―レトロコグニション; 6レベル―トゥルー・シーイング、ヴィジョン。
神託の呪芸/Oracular Performance:易者は呪芸の一部として占いを行うために〈芸能:朗誦〉を使用することができる。1時間に1回、バードは、トランプ・デッキ、水晶玉などを使って、呪芸の対象の内1体を占うことができる。これは呪芸を起動するために使用されるのと同じアクションの一部である。易者はd%をロールし、自身のバード・レベルを結果に加え、以下の表を参照する。結果は選択されたクリーチャーが味方(有益な呪芸である場合)であるか、敵(有害な呪芸である場合)であるかによって異なる。
d% |
味方用の結果 |
敵用の結果 |
---|---|---|
1-35 |
凶 |
吉 |
36-65 |
不確か |
不確か |
66+ |
吉 |
凶 |
結果が"不確か"の場合、バードは解読から情報を得ることに失敗し、対象は通常の呪芸の影響を受ける。目標が味方ならば、結果が"吉"だと呪芸からの対象のボーナスは1増加し、"凶"の結果では対象のボーナスは1減少する(最小0)。これは数値に影響するボーナスのみに作用する。例えば、対象は武勇鼓舞の呪芸から別のヒット・ダイスを得ることはできない。
目標が敵ならば、結果が"吉"だと対象は呪芸を無効化するためのセーヴィング・スローに+2のボーナスを得、"凶"の結果ではそのセーヴに-2のペナルティを受ける。呪芸がセーヴィング・スローを必要としない場合、神託の呪芸は敵に影響を与えない。
神託の呪芸による敵への調整は全て瞬間的なもので、その呪芸に対してのみ持続する。味方への調整は全て1分間継続し、易者がその特定の呪芸を使用するたびに適用されるが、持続時間が切れると終了する。
これは呪芸を変更し、打ち消しの調べ及び散逸の演技と置き換える。
易者の眼識/Fortune-Teller's Acumen:2レベルの時点で、占術の系統から呪文を発動するとき、易者は物質構成要素のコストがバード・レベル毎に100GP以下である限り、呪文の物質構成要素の代わりに、トランプ・デッキ、水晶玉、または同様のアイテムを使用できる。そのようなアイテムと呪文の通常の物質構成要素(その構成要素のコストに関係なく)を使用して呪文を発動することを選択した場合、術者レベルを+1して呪文を発動できる。この特殊な焦点具は、同様の効果を持つ他の焦点具としては使用できないが、通常は焦点具要素を必要とする呪文には使用できる(その場合は、ここに記載された焦点具も準備しなければならない)。
呪芸/Bardic Performance:易者は以下のバードの呪芸を得る。
明かされた運命(超常)/Transparent Fate:8レベルの時点で、易者は30フィート以内のすべての敵に、その近い未来をすべて明らかにして見せることができる。意志セーヴィング・スローに成功すれば(難易度 = 10+易者のレベルの半分+易者の【魅力】修正値)、この効果を無効化できる。この能力は影響を受ける敵によって攻撃されたすべてのクリーチャーに、その攻撃に対するアーマー・クラスとセーヴィング・スローに+2のボーナスを与える。副次効果として、影響を受けたクリーチャーのヒット・ポイントがそのクリーチャーの【耐久力】値以下になった場合、そのクリーチャーは自分の死の光景を見てしまう。このクリーチャーは再度意志セーヴを行わねばならず、失敗すると1ラウンドの間、恐れ状態となる。与えられたクリーチャーは、そのヒット・ポイントがそのクリーチャーの【耐久力】値以下に何度なっても、この副次効果に対して、明かされた運命の呪芸1回につき最大1回だけセーヴを行えば良い。この呪芸の開始時に神託の呪芸の目標となったクリーチャーは、この二回目のセーヴにもセーヴ難易度の調整を適用する。GMの裁量で、クリーチャーの運命が明かされたことは他の結果をもたらすかもしれない。例えば、クリーチャーの味方は裏切りを企んでいることを見抜くかもしれない。
(Aerialist's Rod/空中曲芸師のロッド)
出典 Villain Codex 32ページ
オーラ 微弱・変成術 術者レベル 5
装備部位 なし; 市価 3,200GP; 重量 5ポンド
小さな金属製の輪の蓋が、使い古された2フィートの長さの真鍮製のロッドの両端を覆っている。ロッドの表面にある3つのなめらかな飾り鋲をそれぞれ押すと、異なる特殊能力が起動する。2回目に鋲を押すとロッドは元の形へと崩壊する。
バランスを取るための棒/Balancing Pole:ロッドは長さ7フィートに伸び、〈軽業〉判定に+5の技量ボーナス、反応セーヴィング・スローに+3の強化ボーナスを得る。使用者はこのボーナスを得るために両手でロッドを持つ必要がある。このボーナスはバランスの維持に関連する判定とセーヴィング・スローにのみ適用される。この形態では、ロッドは高品質のクオータースタッフとしても機能する。
綱渡りの紐/Tightrope:ロッドの両端からまっすぐのロープが激しく飛び出し、最大100フィートの長さまでの、水平な綱渡り用の縄として固定される。キャラクターは難易度15の〈登攀〉判定に成功してタイトロープの下にぶら下がったり、難易度 20の〈軽業〉判定に成功してその上を歩くことができる。
空中ブランコ/Trapeze:2本のロープがロッドの端から飛び、天井に40フィートの高さで固定される。ブランコを使用するには難易度10の〈軽業〉判定に成功する必要があり、最大幅50フィートまでの溝を横断することができる。使用者が50フィートよりも遠くに行こうとしている場合、掴んでいる手を離して跳躍することができる。このブランコは幅跳びを行うために助走をしているものとして扱い、使用者の幅跳びの距離を決定するための〈軽業〉判定に+5の技量ボーナスを与える。屋外にいるとき、この機能は枝や建物などのブランコを取り付けることができる出っ張りがある場合にのみ機能する。
必要条件 《ロッド作成》、アニメイト・ロープ、キャッツ・グレイス; コスト 1,600GP
(Powerhouse Pelt/やり手の皮)
出典 Villain Codex 33ページ
オーラ 微弱・変成術 術者レベル 5
装備部位 鎧; 市価 3,515GP; 重量 20ポンド
素晴らしい猫の革で作られたこの+1ハイド・アーマーは、着用者に棒を曲げたり扉を開けたりといった、膂力を発揮する行為における全ての能力値判定に+2の技量ボーナスを与える。このボーナスは他の【筋力】関連のロールには適用されない(【筋力】に基づく技能判定、近接攻撃ロールとダメージ・ロールを含む)。また、着用者は運搬能力を決定するために、通常よりも【筋力】値が8高いかのように扱われる。
必要条件 《魔法の武器防具作成》、アント・ホールAPG、ブルズ・ストレンクス; コスト 1,915GP
(Fool's Malady/愚か者の病弊)
出典 Villain Codex 33ページ
オーラ 微弱・変成術 術者レベル 3
装備部位 指輪; 市価 900GP; 重量 ―
この単純な鉛製の指輪には、ねじれた面が彫られている。この指輪を着用すると、指輪は着用者に1分間に1つの変形を引き起こす。奇形の種類は指輪が鍛造されたときに決定され、変更することはできない。指輪は、着用者の実体を変化させるのではなく、着用者の外見を変えてしまう。通常の外見に慣れ親しんでいる人は、変形された姿であっても簡単にその人物を認識できる。この指輪の多くは恐ろしい病気の症状を模倣しているが、出生条件、広範囲の傷跡、刺青を模倣している。
フールズ・マラディを身に着けているクリーチャーが既に指輪が模倣している奇形を持っている場合、その代わりに指輪はその病状の視覚的な痕跡をすべて取り除く。指輪はその状態に関連する苦痛やペナルティを取り除くことはない。
(Home Away/離れた我が家)
出典 Villain Codex 33ページ
オーラ 強力・召喚術; 術者レベル 17
装備部位 なし; 市価 18,000GP; 重量 600ポンド
木製の屋根と壁がこの馬車の隊商の四輪馬車を並べている。四輪馬車の持ち主が、合言葉を発することで、四輪馬車の側面を覆っている色や模様を変更したり、文字や絵を作成したり、1つの壁を舞台へと展開したりすることができる。ホーム・アウェイの内装には折りたたみ式ベッド、机、食器棚があり、中型クリーチャー6体までを収容できる。室内は外の状況に関係なく常に暖かく乾燥しており、竜巻のような強風以外の天候から室内の者を守る。
1週間に1回、ホーム・アウェイの持ち主は、四輪馬車の中心ピンを引き抜くことで、四輪馬車と同じ色をした、幅60フィートのテントを広げることができる。所有者はボルトを引き抜くときにテントの目的――お祝い事、会議、芸能事、野外での生存など――を宣言することができる。テントはその目的にあわせて、観覧席、机、ベッド、その他の簡単な家具などを作成する。
必要条件 《その他の魔法のアイテム作成》、サイレント・イメージ、タイニイ・ハット、メジャー・クリエイション; コスト 9,000GP
(Mountebank's Megaphone/香具師の拡声器)
出典 Villain Codex 33ページ
オーラ 中程度・幻術; 術者レベル 7
装備部位 なし; 市価 4,500GP; 重量 3ポンド
この円錐形は両端に開口部があり、小さい方には大きなマウスピースが取り付けられている。また、真鍮のフープとシート状の革で作られ、光沢のある色が塗られている。マウンティバンクス・メガフォンを片手に持つ者は、この拡声器を通して自分の声を最大10倍にして話すことができ、大勢の人に理解できるようになる。拡声器の所有者が呪芸のクラス特徴を持っている場合、前方30フィートの円錐形の中の任意のマスを、通常は使用者を中心とする呪芸の起点として扱うことができる。拡声器を通じて呪芸を投射するには通常よりも多くの苦労を要求されるため、通常の2倍のラウンド数が必要である。使用者が現在の位置から移動した場合、新しい位置がまだ距離内である場合でも、拡声器を通して投射している呪芸は即座に終了する。
必要条件 《その他の魔法のアイテム作成》、エクスクイジット・アカンパニメントUM、ゴースト・サウンド; コスト 2,250GP