未だ語られぬ驚異と秘密は、彼ら――それを発見しうるほどの技を持つ人々――の為に存在している。この選ばれた抜け目のない人々は、賢さと才能と魔法をもって世界が隠す謎を暴き、また、人々を説得し、操り、鼓舞する技に長けてゆく。典型的なバードはひとつの、あるいは複数の芸術に長けており、また知るはずのないことを知っている。そして手に入れた知識を、自分や仲間たちが危険へと一歩踏み出す為に用いるのである。バードたちは機転が利き、魅力的で、またその持つ技に応じて様々な道を歩む。あるいは賭博師に、あるいは何でも屋に、あるいは学者、芸人、一団を率いるものにもなれば無頼漢にもなり、それ以上のものになることさえある。バードたちにとって、日々はそれぞれのチャンスと冒険と挑戦をもたらすものである。そして彼らはこう考えるのだ。――いちかばちかに賭け、最も多くを知り、最高のものになることによってのみ、各々の求める財宝が得られるのだ、と。
役割:バードは敵を混乱させ、困惑させる一方で、味方を鼓舞し、より大いなる挑戦に向かわせることができる。バードは武器も魔法も自在に操るが、彼らの真の力は近接戦闘の外側、つまり自らの呪芸を邪魔される恐れなしに、味方を支え、敵を弱らせられるところにある。
属性:なんでも。
バードのクラス技能は、以下の通り:〈威圧〉【魅】、〈隠密〉【敏】、〈軽業〉【敏】、〈鑑定〉【知】、〈芸能〉【魅】、〈言語学〉【知】、〈交渉〉【魅】、〈呪文学〉【知】、〈職能〉【判】、〈真意看破〉【判】、〈製作〉【知】、〈脱出術〉【敏】、〈知覚〉【判】、〈知識:すべて〉【知】、〈手先の早業〉【敏】、〈登攀〉【筋】、〈はったり〉【魅】、〈変装〉【魅】、〈魔法装置使用〉
【魅】。
1日の呪文数 | |||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 | ||||||
1 |
+0 |
+0 |
+2 |
+2 |
1 |
― |
― |
― |
― |
― | |
2 |
+1 |
+0 |
+3 |
+3 |
2 |
― |
― |
― |
― |
― | |
3 |
+2 |
+1 |
+3 |
+3 |
自信鼓舞の呪芸+2 |
3 |
― |
― |
― |
― |
― |
4 |
+3 |
+1 |
+4 |
+4 |
3 |
1 |
― |
― |
― |
― | |
5 |
+3 |
+1 |
+4 |
+4 |
4 |
2 |
― |
― |
― |
― | |
6 |
+4 |
+2 |
+5 |
+5 |
4 |
3 |
― |
― |
― |
― | |
7 |
+5 |
+2 |
+5 |
+5 |
自信鼓舞の呪芸+3 |
4 |
3 |
1 |
― |
― |
― |
8 |
+6/+1 |
+2 |
+6 |
+6 |
4 |
4 |
2 |
― |
― |
― | |
9 |
+6/+1 |
+3 |
+6 |
+6 |
5 |
4 |
3 |
― |
― |
― | |
10 |
+7/+2 |
+3 |
+7 |
+7 |
5 |
4 |
3 |
1 |
― |
― | |
11 |
+8/+3 |
+3 |
+7 |
+7 |
5 |
4 |
4 |
2 |
― |
― | |
12 |
+9/+4 |
+4 |
+8 |
+8 |
5 |
5 |
4 |
3 |
― |
― | |
13 |
+9/+4 |
+4 |
+8 |
+8 |
5 |
5 |
4 |
3 |
1 |
― | |
14 |
+10/+5 |
+4 |
+9 |
+9 |
5 |
5 |
4 |
4 |
2 |
― | |
15 |
+11/+6/+1 |
+5 |
+9 |
+9 |
5 |
5 |
5 |
4 |
3 |
― | |
16 |
+12/+7/+2 |
+5 |
+10 |
+10 |
5 |
5 |
5 |
4 |
3 |
1 | |
17 |
+12/+7/+2 |
+5 |
+10 |
+10 |
5 |
5 |
5 |
4 |
4 |
2 | |
18 |
+13/+8/+3 |
+6 |
+11 |
+11 |
5 |
5 |
5 |
5 |
4 |
3 | |
19 |
+14/+9/+4 |
+6 |
+11 |
+11 |
自信鼓舞の呪芸+6 |
5 |
5 |
5 |
5 |
5 |
4 |
20 |
+15/+10/+5 |
+6 |
+12 |
+12 |
5 |
5 |
5 |
5 |
5 |
5 |
0 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 |
4 |
2 |
― |
― |
― |
― |
― |
2 |
5 |
3 |
― |
― |
― |
― |
― |
3 |
6 |
4 |
― |
― |
― |
― |
― |
4 |
6 |
4 |
2 |
― |
― |
― |
― |
5 |
6 |
4 |
3 |
― |
― |
― |
― |
6 |
6 |
4 |
4 |
― |
― |
― |
― |
7 |
6 |
5 |
4 |
2 |
― |
― |
― |
8 |
6 |
5 |
4 |
3 |
― |
― |
― |
9 |
6 |
5 |
4 |
4 |
― |
― |
― |
10 |
6 |
5 |
5 |
4 |
2 |
― |
― |
11 |
6 |
6 |
5 |
4 |
3 |
― |
― |
12 |
6 |
6 |
5 |
4 |
4 |
― |
― |
13 |
6 |
6 |
5 |
5 |
4 |
2 |
― |
14 |
6 |
6 |
6 |
5 |
4 |
3 |
― |
15 |
6 |
6 |
6 |
5 |
4 |
4 |
― |
16 |
6 |
6 |
6 |
5 |
5 |
4 |
2 |
17 |
6 |
6 |
6 |
6 |
5 |
4 |
3 |
18 |
6 |
6 |
6 |
6 |
5 |
4 |
4 |
19 |
6 |
6 |
6 |
6 |
5 |
5 |
4 |
20 |
6 |
6 |
6 |
6 |
6 |
5 |
5 |
武器と防具の習熟:バードは単純武器全てに加え、ウィップ、ショート・ソード、ショートボウ、レイピア、ロングソード、サップに習熟している。バードは軽装鎧と盾(タワー・シールドを除く)にも習熟している。バードは軽装鎧を着用し、盾を使用している状態で、通常の秘術呪文失敗確率を被ることなくバード呪文を発動できる。ただし、中装鎧や重装鎧を着用している時に動作要素の必要な呪文を発動する場合は、他の秘術呪文の使い手と同様に秘術呪文失敗確率を被る。マルチクラスのバードも、他のクラスから得た秘術呪文を発動する際には、通常の秘術呪文失敗確率を被る。
呪文/Spells:バードの発動する呪文は秘術呪文であり、“呪文リスト”の項にあるバードの呪文リストから選択する。バードは修得している呪文をどれでも、事前の準備なしに発動できる。すべてのバード呪文には音声要素(歌、物語、音楽)が含まれている。呪文を修得および発動するためには、バードは10+その呪文レベルに等しい【魅力】能力値を有していなければならない。バードの呪文に対するセーヴィング・スローの難易度は、10+呪文レベル+バードの【魅力】修正値である。
他の呪文の使い手と同様、バードは各呪文レベルの呪文を、1日に一定の回数ずつしか発動できない。1日に発動できる呪文の数は、表“バード”に記されている。高い【魅力】能力値を持つならば、バードは1日の呪文数にボーナス呪文数を加えることができる(表“能力修正値およびボーナス呪文”を参照)。
バードの呪文の選択肢は、極めて限られている。バードはプレイヤーが選択した4つの0レベル呪文および2つの1レベル呪文を修得した状態でゲームを開始する。レベルの上昇に従って、バードは表“バードの修得呪文数”に従って、いくつかの呪文を新しく修得していく(“1日の呪文数”と異なり、バードの“修得呪文数”は【魅力】の影響を受けない。表“バードの修得呪文数”に記された値で固定される)。
クラス・レベル5およびそれ以後3レベル毎に(8、11という具合に)、バードは修得済みの呪文1つを代償にして、新たな呪文1つを修得するかどうかを選択できる。要するに、修得済みの呪文1つを“忘れ”、新たな呪文と入れ替えるわけである。新たな呪文は入れ替える呪文と同レベルでなければならず、なおかつバードが発動できる1番高い呪文レベルより1レベル以上低くなければならない。呪文の入れ替えは、規定のクラス・レベルに達するごとに1つずつしかできない。なおかつ、呪文を入れ替えるかどうかの決定は、そのクラス・レベルで新たに修得する呪文の選択と同時に行なわねばならない。
前述の通り、バードは事前に呪文を準備する必要がない。バードは修得している好きな呪文を、その呪文レベルの1日の呪文数を使いきっていない限り、好きな時に発動できる。
1つの呪芸の効果を開始するのは1回の標準アクションであるが、それを毎ラウンド維持するのはフリー・アクションとして行なえる。呪芸の効果を変更するには、バードはそれまでの呪芸を止め、1回の標準アクションとして新たな呪芸を開始しなければならない。バードの呪芸は中途で途切れることはないが、バードが殺されるか、麻痺するか、朦朧状態になるか、気絶するか、あるいは毎ラウンドの呪芸を維持するためのフリー・アクションを取ることを妨げられると、即座に終了する。バードは同時に複数の呪芸を演じることはできない。
7レベル時には、バードは呪芸の開始を標準アクションではなく移動アクションとして行なうことができる。また、13レベル時には即行アクションとして呪芸を開始することができる。
各々の呪芸は、音声要素と視覚要素のいずれか、あるいは両方を有する。
聴覚喪失状態のバードは、音声要素のある呪文を発動する場合と同様に、20%の確率で音声に依存した〈芸能〉技能を用いる呪芸の使用に失敗してしまう。盲目状態のバードは、50%の確率で視覚に依存した〈芸能〉技能を用いる呪芸の使用に失敗してしまう。失敗した場合も、1日の使用回数制限に数える。
呪芸が音声要素を有していた場合、目標が呪芸の影響を受けるには、バードの演奏が聞こえなければならない。また、これらの効果の多くは(説明に記載されているように)言語に依存する。聴覚喪失状態のバードは、20%の確率で音声要素を有する呪芸の使用に失敗してしまう。失敗した場合も、1日の使用回数制限に数える。聴覚喪失状態のクリーチャーは、音声要素を有する呪芸に完全耐性を有する。
呪芸が視覚要素を有していた場合、目標が呪芸の影響を受けるには、バードに対して視線が通っていなければならない。盲目状態のバードは、50%の確率で視覚要素を有する呪芸の使用に失敗してしまう。失敗した場合も、1日の使用回数制限に数える。盲目状態のクリーチャーは、視覚要素を有する呪芸に完全耐性を有する。
効果範囲内にいるクリーチャーはそれぞれ、意志セーヴ(難易度10+バード・レベルの1/2+バードの【魅力】修正値)を行い、成功すれば効果は無効化される。クリーチャーが意志セーヴに成功した場合、以後24時間、そのバードは同一クリーチャーを恍惚状態にする試みをすることができない。セーヴィング・スローに失敗した場合、そのクリーチャーはバードが芸能を繰り広げ続けている間、静かに座ってそれに見入ってしまう。恍惚状態にある間、目標は〈知覚〉のような、反射的対応として行なう技能判定に-4のペナルティを受ける。何か潜在的な脅威が生じた場合、目標は再びセーヴィング・スローを行なう。明白な脅威、たとえば誰かが武器を抜いたり、呪文を発動したり、目標に対して遠隔武器の狙いを付けたりした場合は、自動的に呪芸の効果は破られる。
恍惚の呪芸は心術(強制)、[精神作用]の能力である。恍惚の呪芸の機能は、音声要素および視覚要素に依存する。
示唆の詞の使用は、バードの呪芸の1日の使用回数制限に数えない。意志セーヴ(難易度10+バード・レベルの1/2+バードの【魅】修正値)に成功すれば、この効果を無効化できる。この能力は1体のクリーチャーにしか効果がない。示唆の詞は心術(強制)、[精神作用]、[言語依存]の能力であり、音声要素に依存する。
〈芸能〉種別およびそれに関連する技能は以下のとおり:演劇(〈はったり〉、〈変装〉)、お笑い(〈威圧〉、〈はったり〉)、歌唱(〈真意看破〉、〈はったり〉)、管楽器(〈交渉〉、〈動物使い〉)、弦楽器(〈交渉〉、〈はったり〉)、鍵盤楽器(〈威圧〉、〈交渉〉)、打楽器(〈威圧〉、〈動物使い〉)、舞踏(〈軽業〉、〈飛行〉)、朗誦(〈交渉〉、〈真意看破〉)