高貴なパラディンから多芸なローグまで、パスファインダーRPGの各基本クラスは中心となる1つのアーキタイプにまとめられている。しかしその基本コンセプトを越えたところに無数の新解釈、詳細化、改良の可能性がある。たとえばファイター・クラスは名射手、快足の決闘者、忍び寄るジャングルの狩人など、無数の種類の武芸の達人に変えることができる。全てはプレイヤーの選択する詳細、クラス・オプション、特殊ルールによるものだ。しかしいくつかのアーキタイプはプレイで繰り返し何度も使われてきたのを見られてきたような広く普及した刺激的なものである。標準的なファンタジー・キャラクターを作り出すことに興味のあるプレイヤーを手助けするため、以下のページでは各基本クラスの新ルール、オプション、代替的クラス特徴を掘り下げる。ほとんどのドルイドは森をさまよっているが、一部の者は広大な砂漠を歩み渡り、荒野が与えてくれる物を楽しむ。そのような選択的特徴により、あるクラスが特定のキャラクター・アーキタイプを把握するために慎重にデザインされていることについてユニークな視点が得られる。各基本クラスに用意されている選択肢の種類は異なっているが、それぞれのサブシステムは、そのクラスを扱うために最も適したように、古典的なファンタジー・アーキタイプの能力と技を再現するために、そしてプレイヤーが望むとおりのキャラクターを正確にデザインする自由を広げるためにあつらえられている。
以下のページに示されているオプションのほとんどは、多くの代替的クラス特徴が含まれる。キャラクターがクラスを選択した場合、Core Rulebookにある標準的なクラス特徴を使用するか、ここに示されているアーキタイプの1つを使用するかを選択しなければならない。各代替的クラス特徴は、その基となるクラスの特定のクラス特徴を置き換える。例えば、四象拳士のエレメンタルの拳のクラス特徴はモンクの朦朧化打撃のクラス特徴と置き換わる。1つのアーキタイプに複数のクラス特徴が含まれている場合は、キャラクターはそれらの全てを取らなければならない。基本クラスにあり、代替的クラス特徴の中で触れられていない他のクラス特徴の全てはそのままであり、キャラクターがそのレベルに達した時に通常通り修得される(他に特記がない限り)。代替的クラス特徴を取ったキャラクターは、なんらかの前提条件を満たすか判断する場合に、置き換えられたクラス特徴を持っているとはみなされない。
キャラクターは2つ以上のアーキタイプを取ることができるが、いずれかの代替的クラス特徴によって基本クラスの同じクラス特徴を置き換えたり変更することはできない。例えば、パラディンは救護騎士と不死者懲罰官の双方を取ることはできない。双方とも悪を討つ一撃と正義のオーラを置き換えるからである。しかしながら、パラディンは不死者懲罰官かつ聖光の戦士になることはできる。同じ基本クラス特徴に置き換わる新しいクラス特徴が無いからである。
既存のキャラクターを使っているプレイヤーは、これらの代替的クラス特徴を利用してもよいのか、良いならそれらを適用してキャラクターを作り直してもよいかをGMに相談するべきだ。代替的クラス特徴は基本クラス特徴と比較してバランスが取れるようにデザインされているので、キャラクターを作り直したプレイヤーは他のパーティー・メンバーと比較して特に有利になったりはしないはずである。GMが過去に遡ってのキャラクターの特徴の修正に同意する限り、将来の冒険を破綻させることはないだろう。典型的には、代替的クラス特徴を適用し重要な修正を行うのに最も適している時点は、冒険の間にレベル・アップ処理をしている時であるが、そうする前にGMのチェックを受けるべきである。GMは重要な変更によってキャラクターをキャンペーンの中で生かせることを願っているはずだから。
GMはキャラクターを作った時点ではこれらの代替的クラス特徴を使用できなかったプレイヤーに譲歩を求めたがるかもしれないとはいえ、PCはキャンペーンの中で最も不変の要素の1つであるべきである。キャラクターをしょっちゅう変更し作り直すことはキャンペーンに問題をもたらす可能性がある。GMは喜んで適応し、自分のキャラクターに飽きてきたプレイヤーに作り直しを許可するかもしれないが、代替的クラス特徴が特定の時点で最も有利に見えるやり方を求めてPCを作ったり作り直したりする不当な選択肢と感じられるようにするべきではない。新しく採用されたルールに照らしてキャラクターを作り直すことを認めることは時折なら望ましいかもしれないが、GMがプレイヤーにキャラクターの作り直しを認めなかったり特定のオプションを禁止したりすることを、不公正あるいは何らかのルール違反であると感じるべきではない。GMはプレイヤーがキャラクターを望むように動かすことを助けるべく常に努力すべきだが、究極的にキャンペーンにとって何が一番よいのかを知っているのはGMである。
以下の基本クラスのアーキタイプがこの章に含まれている。キャラクターは前提条件を満たす場合は2つ以上のアーキタイプを選択することができる。
バーバリアン:破壊者、粗暴な拳闘家、酔っ払った野獣、エレメンタルの血族、ぶん投げ屋、不死身の血族、馬上の猛威、獰猛なバーバリアン、迷信深い、トーテムの戦士。また、このセクションにはいかなるバーバリアンも選択することができる多くの新しい激怒パワーが含まれている。
バード:秘術決闘者、学究、宮廷詩人、探偵、奇術師、サンドマン、野蛮なるスカルド、海の歌い手、大道芸人。
クレリック:特定のアーキタイプの代わりに、各クレリックは神格の力の1側面に焦点を置いた副領域を選択することができる。各領域に2つ以上の副領域が用意されている。
ドルイド:水界ドルイド、極地ドルイド、荒地ドルイド、洞窟ドルイド、砂漠ドルイド、密林ドルイド、山岳ドルイド、平原ドルイド、湿地ドルイド、市街ドルイド。その他に、ドルイドは熊のシャーマン、鷲のシャーマン、獅子のシャーマン、蛇のシャーマン、狼のシャーマンのような動物のシャーマンを選択することができる。
ファイター:弓使い、弩兵、片手一刀流戦士、機動戦士、ファランクス兵、ポールアームの達人、荒馬乗り、荒ぶる闘士、盾の戦士、両手武器使い、二刀の使い手、武器の達人。
モンク:酔拳使い、餓鬼拳士、気功師、徒手空拳士、四象拳士、癒掌拳士、蓮華拳士、聖山拳士、武芸者、弓道家。
パラディン:信仰の守り手、救護騎士、神聖なる従者、輝きの騎士、不死者懲罰官、聖光の戦士。また、このセクションはパラディンクラスの代替版であるアンティパラディンを含む。
レンジャー:獣使い、案内人、騎馬王、潜入者、変身能力者、遊撃兵、精霊レンジャー、都市レンジャー。また、このセクションはいかなるレンジャーも選択することができる新戦闘スタイルを含む。
ローグ:軽業師、夜盗、巾着切り、捜査員、毒師、放蕩者、斥候、狙撃手、密偵、活劇剣士、暴漢、罠師。また、このセクションにはいかなるローグも選択することができるローグの技、上級ローグの技を含む。
ソーサラー:水界の血脈、極北の血脈、地底の血脈、夢紡ぎの血脈、変幻の血脈、蛇の血脈、影の血脈、星の魂の血脈、嵐の血脈、植物の血脈。他の代替的クラス特徴とは違い、ソーサラーは2つ以上の血脈を持つことはできない。
ウィザード:このセクションは四元素の秘術系統である地水火風を含む。また、ある系統のウィザードを系統のパワーの1要素に集中させる専門分野秘術系統を含む。