自らの機知によって生きる者にとって、人生とは終わりなき冒険である。 危険に向かって一歩を踏み出す時、ローグはいつも己の抜け目無さ、技、魅力を頼りに運命を自分の方に捻じ曲げる。何が待ち受けているか全くわからない時でも、彼らは全てに対して備えがある。幅広い技能を身につけ、正確な指先や敏速な軽業、密やかな追跡、その他多くの職能や技の鍛錬を行うことによって。盗賊と博徒、 ペテン師と交渉人、山賊と賞金稼ぎ、探検家と探偵、これら全てはローグと考えていいだろう。自分の機知、腕前、幸運を頼みとする他の数え切れないほどの稼業と同じく。ローグの多くは文明のもたらす数え切れない利便と都市を好むが、いくたりかははるか遠くに旅し、見知らぬ人々と出会い、驚異的な財宝への途上にある驚異的な危険に立ち向かうため、旅から旅の生活を送る。結局のところ、自分自身のやり方で運命を築き上げ、その人生を生きる者は誰であれローグと呼ばれることになる。
役割:ローグは敵に見られずに動き、気付かれないうちに討つことに優れており、正面切っての戦闘は避ける傾向にある。多彩な技能と能力のおかげで、彼らは非常に多芸多才であり、何を専門とするか各ローグによって大いに違いが出てくる。しかしながら、ほとんどの者は、あらゆるタイプの障害を打破することに抜きん出ている。閉ざされた扉を開き、罠を解除し、やっかいな魔法を出し抜き、間抜けな敵を手玉に取るのだ。
属性:どれでも。
ローグのクラス技能は以下の通り。〈威圧〉【魅】、〈隠密〉【敏】、〈軽業〉【敏】、〈鑑定〉【知】、〈芸能〉【魅】、〈言語学〉【知】、〈交渉〉【魅】、〈職能〉【判】、〈真意看破〉【判】、〈水泳〉【筋】、〈製作〉【知】、〈装置無力化〉【敏】、〈脱出術〉【敏】、〈知覚〉【判】、〈知識:ダンジョン探検〉【知】、〈知識:地域〉【知】、〈手先の早業〉【敏】、〈登攀〉【筋】、〈はったり〉【魅】、〈変装〉【魅】、〈魔法装置使用〉【魅】。
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急所攻撃+3d6 |
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急所攻撃+4d6 |
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急所攻撃+6d6 |
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急所攻撃+7d6 |
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+12/+7/+2 |
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+12/+7/+2 |
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急所攻撃+9d6 |
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+13/+8/+3 |
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+14/+9/+4 |
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+11 |
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急所攻撃+10d6 |
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+15/+10/+5 |
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+6 |
武器と防具の習熟:ローグは全ての単純武器に加え、サップ、ショート・ソード、ショートボウ、ハンド・クロスボウ、レイピアに習熟している。ローグは軽装鎧に習熟しているが、盾には習熟していない。
急所攻撃/Sneak Attack:自分の身を効果的に守れない状況にある敵を攻撃できれば、ローグはその敵の急所をつくことで追加ダメージを与えることができる。
基本的に、ローグの目標がアーマー・クラスに【敏捷力】ボーナスを加えられない状態にある時(目標が実際に【敏捷力】ボーナスを持っているかどうかは関係ない)、またはローグが目標を挟撃した時、ローグの攻撃は常に追加ダメージを与える。この追加ダメージはクラス・レベル1の時点で+1d6、以降ローグ・レベル2ごとに+1d6ずつ増加する。ローグが急所攻撃によりクリティカル・ヒットを与えたとしても、この追加ダメージにクリティカル倍率は適用されない。遠隔攻撃は目標が30フィート以内にいる場合にのみ急所攻撃とみなされる。
非致傷ダメージを与える武器(サップ、ウィップ、素手打撃など)を用いれば、ローグは急所攻撃で致傷ダメージではなく非致傷ダメージを与えることができる。ただし急所攻撃を行う場合、たとえ通常の-4ペナルティを負ったとしても、致傷ダメージを与える武器を非致傷ダメージを与えるために用いることはできない。
ローグは急所を見極める程度にはっきりと敵を目視しておらねばならず、また相手の急所に届く攻撃手段を持っていなければならない。ローグは視認困難を有するクリーチャーに急所攻撃を行うことはできない。
罠探し/Trapfinding:ローグは〈装置無力化〉技能判定と罠を探すための〈知覚〉技能判定にクラス・レベルの1/2(最低1)を加える。ローグは〈装置無力化〉技能を用いて魔法的な罠を解除できる。
身かわし(変則)/Evasion:クラス・レベル2以上のローグは、超人的な身のこなしにより、魔法の攻撃や尋常ならざる攻撃さえ回避できるようになる。普通なら反応セーヴに成功することでダメージを半減できる攻撃の対象となった場合、ローグはセーヴィング・スローに成功すればダメージを全く受けずにすむ。身かわし能力は、ローグが軽装鎧を着ているときか、鎧を着用していない時にのみ使用できる。無防備状態のローグは、身かわし能力の利益を得ることはできない。
ローグの技/Rogue Talents:ローグは経験を積むにつれ、自らの助けとなり、また敵を困惑させるような様々な技を身につける。クラス・レベル2のローグはローグの技を1つ得る。以降2レベルごとに追加のローグの技を獲得していく。基本的に、ローグは同じ技を2回以上得ることはできない。
アスタリスク(*)のついた技は、急所攻撃に何らかの効果を付与する。これらの技は1回の攻撃につき1種類しか適用することはできず、攻撃ロールの前にどの技を使用するか決定しなければならない。
下級魔法使用(擬呪)/Minor Magic:この技を持つローグはウィザード/ソーサラーの呪文リストにある0レベル呪文のうちの1つを発動する能力を得る。この呪文は1日に3回、擬似呪文能力として使用できる。この能力における術者レベルはローグ・レベルに等しい。 この呪文のセーヴ難易度は、10+ローグの【知力】修正値である。この技を選択するローグの【知力】は10以上なければならない。
回復力(変則)/Resiliency:この能力を持つローグは、1日1回、ローグ・レベルに等しい一時的ヒット・ポイントを得る。この能力は、ヒット・ポイントが0未満になった時に、割り込みアクションで起動される。この能力によりローグは死を免れることができる。この一時的ヒット・ポイントは1分間持続する。一時的ヒット・ポイントの消失により、ローグのヒット・ポイントが0未満になった時、ローグは通常通り瀕死状態または死亡状態になる。
高速隠密(変則)/Fast Stealth:この能力を持つローグは、〈隠密〉技能を使いながらペナルティ無しで通常の速度で移動できる。
出血攻撃*(変則)/Bleeding Attack:この能力を持つローグは、生きている敵に急所攻撃を命中させることで出血させることができる。この攻撃は、ローグの急所攻撃のダイス数に等しい追加ダメージを毎ラウンド目標に与える(たとえば、追加ダメージが+4d6なら4ポイントの出血)。出血状態のクリーチャーは、それぞれのターンが開始した時にこのダメージを受ける。出血状態は難易度15の〈治療〉判定か、ヒット・ポイントのダメージを回復させる何らかの効果の適用により止めることができる。この能力による出血ダメージは累積しない。出血ダメージはクリーチャーが有する全てのダメージ減少能力を克服する。
上級魔法使用(擬呪)/Major Magic:この技を持つローグは、1日2回、ウィザード/ソーサラーの呪文リストにある1レベル呪文のうちの1つを擬似呪文能力として使うことができる。 この能力における術者レベルはローグ・レベルに等しい。この呪文のセーヴ難易度は、11+ローグの【知力】修正値である。この能力を選択するローグの【知力】は11以上なければならず、また下級魔法使用を持っていなければならない。
迅速解除(変則)/Quick Disable:この能力を持つローグは、通常の半分の時間(最低1ラウンド)で〈装置無力化〉技能を用いて罠を解除できる。
戦闘技術/Combat Trick:この技を選択したローグは、ボーナス戦闘特技(特技を参照)を1つ得る。
鈍らせ*(変則)/Slow Reactions:ローグの急所攻撃によりダメージを負った敵は、1ラウンドの間機会攻撃を行うことができなくなる。
這い進み(変則)/Rogue Crawl:この能力を持つローグは、伏せ状態のまま、通常の半分のスピードで移動できる。この移動は通常通り機会攻撃を誘発する。この技を持つローグは這い進みで5フィート・ステップを行うことができる。
跳ね起き(変則)/Stand Up:この能力を持つローグは、フリー・アクションで伏せ状態から立ち上がることができる。これは通常通り機会攻撃を誘発する。
不意討ち攻撃(変則)/Surprise Attack:この能力を持つローグは、不意討ちラウンドの間、敵がすでに行動していた後であっても相手を立ちすくみ状態とみなすことができる。
武器訓練/Weapon Training:この技を選択したローグは、ボーナス特技として《武器熟練》を得る。
屋根歩き(変則)/Ledge Walker:この能力を持つローグは、〈軽業〉技能を使いながら狭い表面の上をペナルティ無しで通常の速度で移動できる。加えて〈軽業〉技能を使いながら狭い表面の上を移動しても、立ちすくみ状態にならない。
ローグの妙技/Finesse Rogue:この技を選択したローグは、ボーナス特技として《武器の妙技》を得る。
罠見抜き(変則)/Trap Spotter:この技を持つローグは、罠から10フィート以内を通りかかっただけで、即座に罠を感知するための〈知覚〉判定を行うことができる。この判定はGMが密かに行うべきである。
罠感知(変則)/Trap Sense:クラス・レベル3以降、ローグは直感的に罠の危険を警戒する能力を身につけ、罠を避けるための反応セーヴに+1のボーナスを、罠からの攻撃に対するアーマー・クラスに+1の回避ボーナスを得る。このボーナスはローグ・レベルが6に達した時点で+2、レベル9に達した時点で+3、レベル12に達した時点で+4、レベル15に達した時点で+5、レベル18に達した時点で+6に上昇する。
複数のクラスで得た罠感知のボーナスは累積する。
直感回避(変則)/Uncanny Dodge:クラス・レベル4以降、ローグはまだ気付いてもいないうちから危険に対処するという、通常なら不可能な行為を可能とする能力を獲得する。彼女は立ちすくみ状態にならず、不可視状態の敵に攻撃された場合にアーマー・クラスに対する【敏】ボーナスを失わない。とはいえ、動けない状態になれば、やはりアーマー・クラスへの【敏捷力】ボーナスは失われてしまう。また敵がフェイントを成功させた場合(戦闘を参照)、やはりアーマー・クラスへの【敏捷力】ボーナスは失われる。
ローグがすでに他のクラスで直感回避を獲得していた場合、彼は直感回避の代わりに直感回避強化(後述)を獲得する。
直感回避強化(変則)/Improved Uncanny Dodge:クラス・レベル8以降、ローグは挟撃されなくなる。
この能力を持つローグに対して、他のローグは挟撃による急所攻撃を行うことができない。ただし、ローグのクラス・レベルが、目標のローグ・レベルより4以上高い場合、ローグは挟撃(および急所攻撃)を行うことができる。
他のクラスで得た直感回避(前述)の代わりとして自動的に直感回避強化を獲得したキャラクターは、ローグに挟撃されうるかどうかを判断する際、直感回避を授けるクラスのクラス・レベルを全て累積させることができる。
上級の技/Advanced Talents:クラス・レベル10に達した時点、および以降2レベルごとに、ローグはローグの技の代わりに、以下の選択肢の中から選んだ上級の技を1つ獲得することができる。
追い討ち(変則)/Opportunist:ローグは1ラウンドに1回、敵が他のキャラクターからの近接攻撃でダメージを受けた直後に、その敵に対して機会攻撃を行うことができる。この攻撃は、そのラウンドにおけるローグの機会攻撃の回数に数えられる。《迎え討ち》の特技を持つローグでも、追い討ちの能力を1ラウンドに2回以上使用することはできない。
解呪攻撃*(超常)/Dispelling Attack:この能力を持つローグから急所攻撃のダメージを受けた敵は、その敵に作用しているうちで最低のレベルの呪文を目標とした、目標型ディスペル・マジックの効果を受ける。この能力の術者レベルはローグ・レベルに等しい。解呪攻撃を選択するローグは上級魔法使用を持っていなければならない。
技能体得/Skill Mastery:ローグはある特定の技能の使用に関して揺るぎない自信を持つに至り、不利な状況にあっても確実に技能を使うことができる。
この能力を獲得したローグは、3+【知力】修正値に等しい数の技能を選択する。ローグは選択した技能の判定を行う際、たとえ精神的重圧を受けたり気が散ったりする状況にあっても、技能判定で“出目10”をとることができるようになる。ローグは技能体得を複数回得ることにより、さらに多くの技能にこの能力を適用することができる。
弱体化打撃*(変則)/Crippling Strike:この能力を持つローグの急所攻撃は正確無比であり、打撃を受けて敵の動きを鈍らせ弱体化することができる。急所攻撃によりダメージを受けた敵は、さらに2ポイントの【筋力】ダメージを受ける。
心術破り(変則)/Slippery Mind:この能力により、ローグは魔法的効果による支配や強制力から逃れることができる。心術破りの能力を持つローグが心術の呪文や効果の作用を受け、セーヴィング・スローに失敗した場合、1ラウンド後に同じ難易度で再度セーヴを行うことができる。追加でセーヴィング・スローを行う機会は、この1回のみである。
打撃のいなし(変則)/Defensive Roll:この上級の技を持つローグは、命取りになりかねない一撃を受けた時に体をひねってダメージを軽減することができる。1日1回、戦闘によるダメージ(これは武器やそのほかの打撃によるダメージであり、呪文や特殊能力によるダメージは含まない)を受けてヒット・ポイントが0以下に減少しそうになったローグは、そのダメージに対して、体をひねって打撃の力を逃そうと試みることができる。この能力の使用に当たって、ローグは受けたダメージを難易度とする反応セーヴを行わなければならない。セーヴに成功した場合、ローグはその打撃から半分のダメージを受けるだけですむ。セーヴに失敗した場合はそのままのダメージを受ける。打撃のいなしを行うためには、ローグはその攻撃に気付いていて、対応を取れる状態になければならない――つまり、アーマー・クラスへの【敏捷力】ボーナスを失った状態のときは、この能力を使用できない。この能力の効果は“普通なら反応セーヴに成功することでダメージを半減できる攻撃”には当てはまらないので、ローグの身かわし能力を打撃のいなしに適用することはできない。
特技/Feat:ローグはローグの技のかわりに前提条件を満たしている特技を1つ得る。
身かわし強化(変則)/Improved Evasion:この能力は身かわしと同様に働く。反応セーヴに成功することでダメージを半減できる攻撃の対象となった場合に、セーヴィング・スローに成功すればダメージを全く受けなくなるという点は変わらないが、セーヴィング・スローに失敗した場合にも半分のダメージを受けるだけですむようになる。無防備状態のローグは身かわし強化の利益を得ることはできない。
打撃の極み(変則)/Master Strike:クラス・レベル20に達した時点で、急所攻撃を行うローグは信じられないほど危険な存在になる。ローグが急所攻撃ダメージを与えるたびに、以下の3種の効果の中から1つを選択する:1d4時間睡眠状態、2d6ラウンド麻痺、死亡。いずれの効果を選択しても、目標は頑健セーヴに成功すれば追加効果を無効にできる。難易度は、10+クラス・レベルの1/2+ローグの【知力】修正値である。ひとたび打撃の極みの目標となったクリーチャーは、セーヴが成功したか否かにかかわらず、24時間の間そのローグの打撃の極み攻撃に完全耐性を持つ。急所攻撃に完全耐性を持つクリーチャーはこの能力にも完全耐性を持つ。