サムライは他に類を見ないほど信義と規律とを重んじる戦士である。サムライは幼い頃より兵法を学ぶとともに君主への奉公を誓い、多くの地で権力ある地位につき、民に敬意を払われる存在であり、また地方の貴族の代官となることも多い。サムライは剣術(典型的にはカタナを使うもの)や弓術、馬術の訓練を欠かさず、中には銃器を入手しその扱いを学ぶ者もいる。サムライは多くの君主にとって最も信頼のおける家臣であり、民はその姿に信義と自己犠牲とを見出す。名誉を重んじる戦士であるサムライは、王国とそれを導く君主への献身に生涯を捧げる。
役割:典型的なサムライはある君主への奉公を誓い、その働きに応じて領地とその経営の自由を与えられている。そのようなサムライは時に他の冒険者と共に自らの仕える君主の敵と戦うことがある。そうでないサムライは、特定の君主に仕えることなく自らの理想を追い求めるローニンとなる。いずれの場合でも、サムライはその剣の冴えをもって敵を容易く退け、ほとんどあらゆる苦難へと対処し得る強力な軍隊を組織する。サムライはキャヴァリアー標準クラスの代替的クラスである。
属性:どれでも。
ヒット・ダイス:d10。
下の表は本書(UC)で追加されたクラスの初期所持金を示したものである。加えて、キャラクターはそれぞれ、10gp以下の衣服を一着持った状態でゲームを始める。
サムライのクラス技能は以下の通り:〈威圧〉【魅】、〈騎乗〉【敏】、〈交渉〉【魅】、〈職能〉【判】、〈真意看破〉【判】、〈水泳〉【筋】、〈製作〉【知】、〈登攀〉【筋】、〈動物使い〉【魅】、〈はったり〉【魅】。
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挑戦 3回/日 |
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+9/+4 |
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挑戦 4回/日 |
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+12/+7/+2 |
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挑戦 5回/日 |
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+14/+9/+4 |
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+16/+11/+6/+1 |
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挑戦 6回/日 |
17 |
+17/+12/+7/+2 |
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+18/+13/+8/+3 |
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挑戦 7回/日 |
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武器と防具の習熟:サムライはすべての単純武器と軍用武器、加えてカタナ、ナギナタ、ワキザシに習熟している。また、サムライはすべての鎧(軽装鎧、中装鎧、重装鎧)と盾(タワー・シールドを除く)に習熟している。
ほとんどのサムライはウォリアー騎士団に所属し、特定の主君に仕えている。特定の主君を持たない者、あるいは仕えていた主君を見限った者はローニンとなる。サムライはキャヴァリアーの項に記載されているいずれかの騎士団に所属することを選んでも良いが、そのようなサムライは極めて少数である。
サムライは新しい大義に専念するための長い行程を約束するまでは自身の騎士団を変えられない。騎士団の変更を選択したとき、即座に古い騎士団の利益をすべて失う。彼は新しい騎士団から利益を得ないまま、1レベルぶん完全に上昇するまでその布告に従わなければならない。一度達成したら、彼は新しい騎士団からのすべての利益を得る。このルールに対する唯一の例外はローニンになることである。サムライがローニンになることを決意した場合、即座に所属していた騎士団の利益を失い、新たにローニンとして騎士団からの全ての利益を得る。一度ローニンとなったサムライが騎士団を変えるためには上記の手順を踏まなければならない。これらの騎士団の名前はキャンペーン・セッティングやGMの好みによって変化することに注意すること。
サムライは自身の乗騎に乗るに際し鎧の判定ペナルティを被らない。その乗騎は常に戦闘訓練がされていて《鎧習熟:軽装》をボーナス特技として持ちながらプレイを開始する。サムライの乗騎は呪文共有の特殊能力を得ない。
サムライとその乗騎の絆は強固であり、ともに段階的に互いの空気と動きを理解する。サムライの乗騎が死んだ場合、サムライは服喪期間の1週間ののちに自身に仕える別の乗騎を探すことができる。この新しい乗騎はサムライが新しいレベルを得るまでリンク、身かわし、忠誠、身かわし強化の特殊能力を得ない。
敵への挑戦にはサムライの集中力のほとんどを使わなければならない。サムライは挑戦の目標以外からの攻撃に対するアーマー・クラスに-2のペナルティを受ける。
挑戦は目標が死ぬか気絶状態に陥るか戦闘が終了するまで続く。それぞれのサムライの挑戦にはサムライの騎士団の項に記載されている別の能力も含まれる。
以下の騎士団はサムライの他にキャヴァリアーも選択することができるが、所属者はサムライが圧倒的に多い。サムライはPathfinder RPG Advanced Player's Guideのキャヴァリアーの項に記載された騎士団を選択してもよい。
ほとんどのサムライは義理や信義、忠義、遵法等を重視する武士道に帰依しており、サムライ自身やその君主のみならず、同僚や家族もまたこれに服する。ウォリアー騎士団の精神に従うサムライは地元において最も信頼され、また恐れられる戦士である。
挑戦:ウォリアー騎士団のサムライが挑戦を挑んでいる間、彼は挑戦の目標から受けるダメージに対するダメージ減少1/-を得る。このダメージ減少はサムライの持つ4レベル毎に+1上昇する。
技能:ウォリアー騎士団のサムライは〈知識:歴史〉【知】と〈知識:貴族〉【知】を自身のクラス技能リストに加える。加えて、ウォリアー騎士団のサムライは〈知識:貴族〉を未修得でも使用できる。また〈知識:貴族〉に1以上のランクを有しているならば、地元の貴族や政治に関する〈知識:貴族〉の判定に自身のサムライ・レベルの半分(最低でも+1)のボーナスを得る。
この能力を使用するためには、サムライの決意の1日の使用回数を1回分消費しなければならない。
ほとんどのサムライはウォリアー騎士団に属しその優秀な能力を主君や地元、民草のために捧げるが、主君に解雇された、主君と死別した、あるいは自ら主君を見限った等の理由により特定の主に仕えない者も一部存在する。ローニンの名で知られるこのようなサムライは各地を放浪し、自らの信念にのみ従い行動する。ローニンは献身的なサムライとは比べて著しい行動の自由を有するが、一方で民から受ける尊敬や助力についてはそのようなサムライには及ばない。なお、キャヴァリアーもこの騎士団を選択することができるが、多くの場合そのようなキャヴァリアーはローニンではなく遍歴の騎士と呼称される。
布告:ローニンは自らの個人的な信念と信義にのみ従う。そのため、ローニンの従うべき布告はきわめて柔軟であり、変化に富む。それぞれのローニンは自らの従うべき布告として、最低3つの行動原理を定めGMの許可を得ること。
挑戦:ローニンが挑戦、一撃、獲物、あるいは他の類似の能力の目標となり、さらにその使用者を挑戦の目標としている場合、ローニンは挑戦の目標に対する攻撃ロールに+1の士気ボーナスを得、目標の攻撃に対するアーマー・クラスに+1の回避ボーナスを得る。このボーナスはサムライのクラス・レベル4レベルにつき1ポイント上昇する。(20レベルの時点で最大の+6となる)
技能:ローニンは〈生存〉【判】と〈知識:地域〉【知】を自身のクラス技能リストに加える。
騎士団能力:ローニンであるサムライはレベルが上昇するに従い以下の能力を得る。