よきバードは歌で木々から鳥たちを呼び寄せ、話術で王に王冠を捨てさせる。バードは何でも屋であり、1つの才能に自らを縛りつける必要をほとんど認めず、これやあれやから少しずつ選びとる。しかし彼らは芸術的な演目においてもずっとありふれた大通りにあっても、他の人々と彼らを操る方法にいつも鋭い目を光らせている。古典的なバードの主題をいくつか、以下に示す。
海の歌い手は青い水を故郷と呼ぶ。乗組員と船が貿易風に乗って遠く広く往来することができるよう幸運を願う船長達は、彼らを大いに重用する。
呪芸:海の歌い手は以下の呪芸を得る。
世界を旅する者(変則)/World Traveler:海の歌い手は〈言語学〉、〈知識:自然〉、〈知識:地域〉、〈知識:地理〉判定にバード・レベルの半分に等しいボーナスを得る。また、これらの技能1つに対する判定を1日に1回振り直すことができるが、2回目の結果の方が悪くてもその結果を使用しなければならない。5レベル以降5レベル上昇する毎に、1日の振り直し回数が1回増加する。この能力はバードの知識の代替能力である。
使い魔:2レベルにおいて、海の歌い手はウィザードの使い魔と同様に、エキゾチックなペット―モンキーまたはパロット(オウム。レイヴンと同様)―を得る。この能力について考える際には、バード・レベルをウィザード・レベルとして扱う。この能力は万能なる芸の代替能力である。
船乗りの足(変則)/Sea Legs:2レベルにおいて、海の歌い手は[風]または[水]効果や、海の歌い手を滑らせたり転倒させたりその他の方法で伏せ状態にする効果に対するセーヴィング・スローに+4のボーナスを得る。また、足払い、組みつき、蹂躙に対する戦技防御値に+2のボーナスを得る。この能力は熟達者の代替能力である。
一部のバードは芸術家の同胞とのドラマ(時としてメロドラマ)よりも学術的探究をはるかに好む。
呪芸:学究は以下の呪芸を得る。
博識(変則)/Lore Master:2レベルにおいて、学究は1日に1回、〈知識〉判定で出目20を選択できるようになる。2レベル以降6レベル上昇する毎に、この能力を1日に使用できる回数は1回ずつ増加する。この能力は万能なる芸の代替能力である。
魔法知識(変則)/Magic Lore:2レベルにおいて、学究は魔法のアイテムを識別し、巻物を解読するための〈呪文学〉判定にバード・レベルの半分に等しいボーナスを得る。加えて、それらの判定に出目10を選択できるようになる。学究は〈装置無力化〉技能を使用して、ローグの罠探し能力と同様に魔法の罠を解除できるようになる。加えて魔法の罠、[言語依存]効果、あらゆる種類のシンボル、グリフ、その他の魔法の紋様に対するセーヴに+4のボーナスを得る。この能力は熟達者の代替能力である。
何でも屋(変則)/Jack of All Trades:5レベルにおいて、学究はそれが修得が必要な技能であっても未修得で使用することが可能になる。さらに11レベルにおいて、全ての技能がクラス技能として扱われるようになる。17レベルにおいて、通常ならば許可されないような場合でも、全ての技能判定で出目10を選択できるようになる。この能力は博識の代替能力である。
予測経路(変則)/Probable Path:10レベルにおいて、学究は最小のリスクで成功をもたらすであろう行動を算出できるようになる。学究は1日1回、任意のd20ロールで出目10を行うことができる。10レベル以降、3レベル上昇する毎にこの能力の使用回数は1回ずつ増加する。この能力は何でも屋の代替能力である。
奇術師は芸能に手を染めるが、それを宇宙のエネルギーへの扉を叩き、そこにつながるための手段と見なしている。
呪芸:奇術師は以下の呪芸を得る。
魔法の才能(変則)/Magical Talent:奇術師は〈呪文学〉、〈知識:神秘学〉、〈魔法装置使用〉にレベルの半分に等しいボーナスを得る。この能力はバードの知識の代替能力である。
《呪文相殺強化》/Improved Counterspell:奇術師は《呪文相殺強化》をボーナス特技として得る。この能力は打ち消しの調べの代替能力である。
呪芸持続時間延長(超常)/Extended Performance:2レベルにおいて、奇術師は1回の即行アクションとして呪文スロットを消費することで、集中をやめた後までバードの呪芸の持続時間を延長することができる。呪芸の効果はその呪文のレベルにつき1ラウンド延長する。呪芸1つにつき1つの呪文のみ消費することができ、また何ラウンドか後に効果を表す呪芸を延長することはできない。この能力は熟達者の代替能力である。
レパートリー拡張(変則)/Expanded Repertoire:2レベルの時点とそれ以降4レベル上昇する毎に、奇術師は任意の秘術呪文を使用するクラスの呪文リストから1つ呪文を修得することができる。呪文は発動することができるレベルのものでなければならない。この能力は万能なる芸の代替能力である。
秘術の絆(変則)/Arcane Bond:5レベルにおいて、奇術師はウィザードと同様に秘術の絆の能力を得る。使い魔や絆を結んだアイテムとして武器を選択することはできない。この能力は博識の代替能力である。
ワンド体得(変則)/Wand Mastery:10レベルにおいて、奇術師が自らの呪文リストに含まれている呪文のワンドを使用する場合、ワンドのセーヴ難易度を自らの【魅力】ボーナスを使って算出することができる。16レベルにおいて、そのようなワンドを使用する場合、ワンドの術者レベルの代わりに自らの術者レベルを使用することができる。この能力は何でも屋の代替能力である。
学識と礼儀作法の華やかな点の全てを長年学んできた宮廷詩人は、きらびやかな布告官や、いずれはその列に加わろうと熱望している貴族、王族、富裕なエリートの支援を受ける宮廷内の芸術家としての役割を務める。
呪芸:宮廷詩人は以下の呪芸を得る。
熟練の紋章官(変則)/Heraldic Expertise:宮廷詩人は〈交渉〉、〈知識:貴族〉、〈知識:地域〉、〈知識:歴史〉判定にバード・レベルの1/2(最低1)のボーナスを得る。また、1日1回、宮廷詩人はこれらの技能の1つに対する判定を振り直すことができるが、たとえ2回目の結果の方が悪かったとしてもそちらを使わなければならない。振り直しの回数は5レベルと、それ以降5レベル上昇する毎に1回ずつ増加する。この能力はバードの知識の代替能力である。
広範な聴衆(超常)/Wide Audience:5レベルにおいて、宮廷詩人は呪芸が効果を及ぼす範囲を、半径30フィートではなく60フィート円錐形にすることができる。それに加えて、5レベル以降5レベル上昇する毎に、これらの能力の範囲は10フィート(半径)または20フィート(円錐形)ずつ上昇する。その力が複数のクリーチャーに効果を及ぼす場合は、5レベル以降5レベル上昇する毎に影響を及ぼすクリーチャーの数が1体ずつ増加する。これはクリーチャー1体のみに影響を及ぼす能力には影響しない。この能力は何でも屋の代替能力である。
隠密、術策、欺きと芸能を結び付けたサンドマンは、知略によって他のものの平静を失わせる。
呪芸:サンドマンは以下の呪芸を得る。
偽装の達人(変則)/Master of Deception:サンドマンは〈隠密〉、〈手先の早業〉、〈はったり〉判定にレベルの半分に等しいボーナスを得る。また、ローグの罠探し能力と同様に〈装置無力化〉によって魔法の罠を解除することができる。この能力はバードの知識の代替能力である。
奇襲呪文(変則)/Sneakspell:2レベルにおいて、サンドマンは【敏捷力】ボーナスを失っている敵に対する、呪文とバードの呪芸のセーヴ難易度に+1のボ-ナスを得る。これは10レベルにおいて+2、18レベルにおいて+3に上昇する。それに加えて、6レベルにおいてそのような敵に対する呪文抵抗を克服するための術者レベル判定に+2のボーナスを得る。このボーナスは14レベルにおいて+4に上昇する。この能力は万能なる芸の代替能力である。
罠感知(変則):3レベルにおいて、サンドマンは罠を避けるための反応セーヴに+1のボーナス、罠からの攻撃に対するアーマー・クラスに+1の回避ボーナスを得る。このボーナスは3レベル以降3レベル上昇する毎に+1ずつ上昇する。この能力は自信鼓舞の呪芸の代替能力である。
急所攻撃(変則):5レベルにおいて、サンドマンは30フィート以内にいる目標を挟撃しているか、その目標がアーマー・クラスに【敏捷力】ボーナスを加えられない状態にある時に追加ダメージを与える。この追加ダメージは5レベルの時点で+1d6、以降5レベルごとに+1d6ずつ増加する。この能力は博識の代替能力である。
軽業師であれ、吟遊詩人であれ、俳優であれ、大道芸人は大衆に立ち混じり、自らの夕食のために歌う。
呪芸:大道芸人は以下の呪芸を得る。
大歓迎/Gladhanding:大道芸人は〈芸能〉判定を使用して、通常の2倍の額の金を稼ぐことができる。1回の標準アクションとして、大道芸人は〈交渉〉判定の代わりに〈はったり〉判定を用いて、1体のクリーチャーの態度を1分の間向上させることができる。持続時間の後には、その態度は元よりも1段階悪化する。この能力は打ち消しの調べの代替能力である。
路上の知恵/Streetwise:大道芸人は〈手先の早業〉、〈知識:地域〉、〈はったり〉、〈変装〉、群衆に影響を与えようとする〈威圧〉または〈交渉〉判定、情報収集のための〈交渉〉判定にレベルの半分に等しいボーナス(最低+1)を得る。これはバードの知識の代替能力である。
早変わり(変則)/Quick Change:5レベルにおいて、大道芸人は自分の判定に-5のペナルティを被ることで、1回の標準アクションとして〈変装〉を行うことができる。バードは〈はったり〉と〈変装〉において出目10を選択することができるようになり、“隠れるために注意をそらす”ための〈はったり〉を1回の即行アクションとして行うことができる。加えて1日1回(5レベル以降6レベル上昇する毎に1回追加)、〈はったり〉または〈変装〉判定で出目20を選択することができる。この能力は博識の代替能力である。
手がかりを繋ぎ合わせ、本当の賢明さで犯罪者を捕らえる探偵は、真実を見抜くことに熟練している。
呪芸:探偵は以下の呪芸を得る。
小さなことまで隠せない目(変則)/Eye for Detail:探偵は〈真意看破〉、〈知覚〉、〈知識:地域〉判定にバード・レベルの半分に等しいボーナス(最低1)を得る。この能力はバードの知識の代替能力である。
秘術的直感(変則)/Arcane Insight:2レベルにおいて、探偵はローグの罠探しと同様に魔法の罠を見つけ解除することができる。それに加えて、幻術に対するセーヴィング・スローに+4のボーナスを、占術に対する偽装または防護(ミスディレクションやノンディテクションなど)に対する術者レベル判定やセーヴィング・スローに+4のボーナスを得る。この能力は熟達者の代替能力である。
秘術的捜査/Arcane Investigation:探偵のクラス呪文リストに以下のものが追加される:1レベル ディテクト・イーヴル/グッド/ケイオス/ロー; 2レベル ゾーン・オヴ・トゥルース; 3レベル アーケイン・アイ、スピーク・ウィズ・デッド、スピーク・ウィズ・プランツ; 4レベル ディサーン・ライズ; 5レベル プライング・アイズ、ストーン・テル; 6レベル ディサーン・ロケーション、ファインド・ザ・パス、グレーター・プライング・アイズ、モーメント・オヴ・プレシェンス。探偵は2レベルの時点と以降4レベル上昇する毎に、これらの呪文の1つか、バード呪文リストの任意の占術呪文1つを、2レベルの時点と以降4レベル上昇する毎に自分の修得呪文のリストに加えることができる。この能力は万能なる芸の代替能力である。
武器と呪文の戦術的応用の専門家である秘術決闘者は、両者を混ぜ合わせて死をもたらすコンビネーションを生み出す。
《秘術の打撃》/Arcane Strike:1レベルにおいて、秘術決闘者は《秘術の打撃》をボーナス特技として得る。この能力はバードの知識の代替能力である。
呪芸:秘術決闘者は以下の呪芸を得る。
ボーナス特技:秘術決闘者は力と魔法の織り成す戦闘スタイルにより、2レベルの時点と以後4レベル毎に以下のボーナス特技を得る:2レベル《戦闘発動》、6レベル 《発動妨害》、10レベル 《呪文潰し》、14レベル 《貫通打撃》、18レベル 《上級貫通打撃》。この能力は万能なる芸と熟達者の代替能力である。
秘術の絆(変則)/Arcane Bond:5レベルにおいて、秘術決闘者はウィザードと同様に“秘術の絆”能力を得る。この能力により武器1つを絆を結んだアイテムとし、1日1回修得している呪文を1つ追加で発動することができる。使い魔や他の種類の絆を結んだアイテムを選ぶことはできない。秘術決闘者は絆を結んだ武器を握った手を使用して、動作要素を満たすことができる。この能力は博識の代替能力である。
秘術の鎧(変則)/Arcane Armor:10レベルにおいて秘術決闘者は《鎧習熟:中装》を得、秘術呪文失敗確率を被ることなく中装鎧を着てバード呪文を発動することができる。16レベルにおいて《鎧習熟:重装》を得、秘術呪文失敗確率を被ることなく重装鎧を着てバード呪文を発動することができる。この能力は何でも屋の代替能力である。
文明から遠く離れた猛烈な部族には、その戦歌や労働歌の歌い手や伝承の守り手がおり、歌と剣を等しく用いて猛烈に敵を攻撃する。(訳注:スカルドは北欧の吟遊詩人)
呪芸:野蛮なるスカルドは以下の呪芸を得る。