集約技能ルールを用いることで、キャラクターは広範な技能の種類にボーナスを得ながら、特定の技能へ高いボーナスを得る。技能リストを置き換えたり変更する代わりに、このルールでは技能間の共通点を見出し、技能をグループに分割する。技能選択は単純なものになる。キャラクターはレベルが上昇したときに一度に1つの技能を得るために技能ランクを消費するのではなく、限られた数の技能グループへの訓練を得、同時に特定の技能にボーナスを与える得意分野を得る。技能グループは広い才能を表現し、得意技能は通常の技能リストから選ぶ。
このルールにおいて、プレイヤーは技能ランクの消費を気にする必要はない。キャラクターは選択した集約技能に対する技能判定を試みる際、レベルの半分を加える。そのため、考慮していなかったであろう技能に対しても、幾分か優れたキャラクターを生み出すことになる。このルールにより、キャラクターはより広い範囲で熟達したものとなる。しかし本当に優れた技能はより少なくなる――特に低レベルでは顕著になる。
1レベルの時点で、キャラクターはクラスで決められたレベル毎の技能ランク数によって決定される数の技能グループに対する訓練を身につける。この数は『表:レベル毎の得意技能と技能グループ』に示されている。キャラクターは自分のクラス技能が一切含まれていない場合も含め、全ての技能グループに対する訓練を得ることができる。
1レベルの時点で、キャラクターは得意技能を1つと、【知力】修正値の半分に等しい数のボーナス得意技能を得る。2レベルの時点と以降2レベル毎に、キャラクターは追加で1つの技能を得意技能として得る。【知力】修正値が増減した場合、ボーナス得意技能の数はそれに応じて変化する。得意技能はそれぞれ特定の技能1つに適用され、キャラクターは自分の持つ技能グループに属していない技能1つに得意技能を適用できる(訳注:後述の内容に矛盾、あるいは誤訳)。しかし、この技能へのボーナスは関連する技能グループを訓練していた場合ほど高くはならない。
修得時のみ使用できる技能を使用できるかどうかを判断する際、その技能が得意技能であるか、訓練した技能グループに含まれているかのいずれかが満たされた場合、修得済みと見なす。
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ここにはローグが含まれる。
例えば、【知力】12の1レベル・ドルイドは2つの技能グループの訓練を得る。ドルイドは自然分野と肉体分野を選択した。ドルイドは得意技能を1つ持つ(この場合、【知力】修正値の半分は切り捨てられて0となる。そのため、【知力】が14以上になるまでボーナス得意技能を得られない)。ドルイドは得意技能として〈知覚〉を選択した。
キャラクターがある技能を得意技能とし、それが修得済みの技能グループに含まれている場合、この技能による判定のボーナスは関連能力値の修正+キャラクター・レベルに等しい。一方だけが適用されている場合――その技能を得意技能にのみしているか、その技能が修得済みの技能グループに属しているがその技能を得意技能にしていないか――ボーナスは関連能力値の修正+キャラクター・レベルの半分(最低1)に等しい。
技能がクラス技能に含まれているなら、訓練した技能グループに含まれているかその技能を得意技能にした場合に+3のボーナスを得る――技能グループを訓練し、同時に得意技能にする必要はない。クラス技能ボーナスは特定の技能にのみ適用され、技能グループ全体には該当しない。例えば〈交渉〉がキャラクターのクラス技能に含まれているが〈はったり〉は含まれていない場合、社交分野を訓練したからといって、キャラクターは〈はったり〉に暮らす技能によるボーナスを得ることはない。《技能熟練》や特定の呪文など、技能判定に修正を与える状況は、キャンペーンで集約技能を使用されていない場合と同様にボーナス及びペナルティを与える。
キャラクターが〈言語学〉技能から得るボーナス言語は、レベル上昇で得られる技能判定へのボーナスと同様に機能する。得意技能に〈言語学〉を選ぶ、あるいは社交分野の技能グループを訓練したキャラクターはレベルの半分(最低1)に等しい数のボーナス言語を得る。得意技能に〈言語学〉を選び、かつ社交分野の技能グループを訓練したキャラクターは、レベルに等しい数のボーナス言語を得る。
マルチクラスのキャラクターは、技能グループの数を決定する際、レベル毎の技能ランクが最も低いクラスのものを用いる。キャラクター・レベルで得られる技能グループの数が減少するような新しいクラスのレベルを得た場合、既に選択した技能グループは失われない――一度選択されれば、未選択に戻ることはない。例えば、6レベル・ローグのキャラクターは技能グループを3つ訓練している。このキャラクターがドルイドを1レベル得ても技能グループの数は3つのままだ。しかし訓練した技能グループ4つになるのはキャラクター・レベルが8の時点ではなく、キャラクター・レベルが14の時点である。
いくつか調整を加えることで、集約技能は背景技能や集約技能といったルールと同時に採用することができる。
レベル毎に背景技能ランクを得る代わりに、キャラクターは1レベルの時点で得意技能を追加で1つ得る。ただしこの得意技能は背景技能にのみ使用できる。通常の得意技能を消費すれば、背景技能と冒険技能のいずれも選択することができる。〈創作〉と〈伝承〉技能は社交分野技能グループに加わる。得意技能を何度でも〈伝承〉に割り振ることができるが、そのたびに異なる種別の〈伝承〉を選択しなければならない。〈伝承〉判定を試みるには、得意技能にしていなければならない。学術分野技能グループを訓練しているからといって、全ての〈伝承〉技能を未訓練で使用することはできない。しかし〈伝承〉技能を複数修得したキャラクターは、レベルの半分ではなくレベルの値をこの判定のボーナスに加えることができる。
キャラクターが得られる技能グループと得意技能の数を、それぞれ半分(端数切り捨て、最低1)に削減する。特定のクラスが与える技能グループと得意技能の数を決定する際、基本ルールでレベル毎に得られる技能ランクの半分を用いること(統合技能の“クラス技能”で示された、調整後の値の半分ではないことに注意)。